人ならざるものと過ごす日常   作:哀上男

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どうも、哀上男です

自分の不定期投稿を定期投稿にするのが来年の目標です


僕たちの始まり

「申し遅れました。座敷童の小町と言います。これからよろしくお願いいたします」

 

 

 

 

 

……。

 

 

 

 

 

 

「いや……ちょっと待ってね……。多分、疲れて聞き間違いをしてると思うから」

 

座敷童なんて聞き間違いだ。どう見たって和服を着た小さな女の子なんだ。

 

ちょっと、最近の女の子の服にしては和の装いが過ぎるけども……

 

きっと流行に僕が乗りきれてないだけだ。

 

「お気持ちは分かりますがきっと聞き取れてると思いますよ?」

 

「じゃ、じゃあもう一回言ってみてくれるかい?」

 

「構いませんけど……」

 

和服の少女はコホンと小さく咳払いをして言った

 

「座敷童の小町と申します」

 

 

 

 

 

 

本当に聞き間違いじゃなかったみたいだ

 

 

 

 

 

 

「ハハハ、最近の女の子は発想が面白いなぁ……」

 

これで納得だ。

 

僕はきっとからかわれているんだ。うん、座敷童なんているわけがない

 

「その逃避には無理がありますよ。もしも、あなたの言う最近が数十年単位で考えられているのなら私も最近の女の子ですけどね」

 

「そういうわけじゃあなんだけどなぁ……あはは」

 

乾いた笑しか出ない。

 

「とにかく、玄関で立ち話もなんですからどうぞお入りください」

 

 

 

……自分の家に招き入れられた

 

 

 

トテトテトテトテと廊下の奥へ和服を着た女の子が数歩先を歩いていく

 

身長は140くらいだろうか、赤を主体とした服の袖がひらひらと女の子の動きに合わせて揺れる

 

というかなぜ僕は知らない子に我が家となる場所を案内されているんだろう……

 

 

 

 

考えてるうちに茶の間についていた

 

小町と名乗った女の子が正面にちょこんと正座している

 

「とりあえず、座ってください」

 

「あ、どうも。それじゃあ失礼して……」

 

 

 

何だろう、どっちが家主だかわからなくなってきた

 

 

 

と、とりあえず落ち着いて話を聞いてみよう

 

「まず、君にいくつか聞きたいんだけどさ」

 

「なんでしょうか?」

 

「君は本当に座敷童なのかい?」

 

「はい、その通りです」

 

こうなると思った

 

「いや、でもね……座敷童ってこう……ほら、こんな堂々と現れてていいのかなーって……ね?」

 

「長年暮らしてきた家にいきなり知らない男性が入ってきたら座敷童だって驚きはしますよ。それに、あなたが私を見ることができているってのも本当は特殊なことなんですよ?平然と会話してますけど」

 

「え?だって君の方から僕に接触してきt「ちょうどお客さんが来たみたいですね」」

 

ついに最後まで喋らせてすら貰えなくなった

 

コンコン

 

誰かが玄関の戸を叩く音がする

 

「何も聞こえなかったけどうしてわかったんだ?」

 

「一応、妖怪の一種ですから」

 

「なんというか信憑性の欠片もない言葉だな……」

 

「とりあえず、ついてきてください」

 

座敷童は再びトテトテと玄関の方へ歩いていく。そのあとを僕はついていき玄関で待っているお客さんを確認しようとしたが僕が玄関へ着く前に座敷童が戸を開ける

 

「どもー、荷物をお届けに参りましたー……ってアレ?誰もいない?」

 

宅配のお兄さんは何やらキョロキョロと玄関を見回している。そこでやっと僕が玄関についた

 

「荷物、ありがとうございます。それで、どうかしましたか?」

 

「いやぁ、戸が勝手に開いたんで誰かが開けたのかなと思ったんスけど……」

 

「え?この子が開けたんですよ?」

 

座敷童を指さしお兄さんに言う

 

「あ、ああ……なるほどー、この子ッスかー………アハハ」

 

おかしいぞ、お兄さんの目が笑ってない。変なものを見る目になってる…

 

「そうッスよねぇ、世界は広いッスもんねぇ……」

 

お兄さんが空を見て呟く

 

「違うんだ!!お兄さん!!えっと……そうだ!!ほら、この戸なんだけど実は自動ドアなんだ!!」

 

我ながら苦しい言い訳だ

 

「へ、へぇ~凄いっすねぇ……」

 

ダメだ……絶対信じてない

 

「お荷物は渡したんでそろそろ行くッス。……自分に負けちゃダメッスよー」

 

お兄さんは最後まで変なものを見る目で行ってしまった

 

「信じてもらえましたか?」

 

「うん、疑ってごめん……」

 

「分かればいいのです。さあ、戻りましょう」

 

茶の間へと戻る座敷童に続く

 

そして再び向かい合って正座で話す

 

「じゃあ次の質問なんだけどさ、君が座敷童ってことはここにいると僕に幸福が訪れたりするのかな?」

 

「はい、私たち座敷童は住んでいる家に幸福をもたらすものであなたたちが知っていることと事実には大した差はありません。ですが、私は大した幸福は呼べませんよ?」

 

「気にしないよ、聞いてみただけだからね。それで最後なんだけど……君はここに居続けるのかい?」

 

「はい、そのつもりですが」

 

「大丈夫なのか?今までは一人だったわけで、それが急に男性と暮らすわけだし」

 

「出て行けというのであれば出ていきますが……」

 

「が?」

 

「……座敷童である私たちがいなくなった後の家の末路って知っていますか?」

 

「あっ、なるほどね……なら僕は君が出て行かないように頑張らないといけないというのもあるわけだ」

 

確か……座敷童が去った後の家はその恩恵を受けれなくなり例外なく衰退していくんだったな。

 

「大正解です」

 

「でも暮らしていくって言っても君の衣食住はどうするんだ?僕は女装趣味はないから男物の服しか持ってないし」

 

「服はどうにかなります」

 

「どうにかって?」

 

「妖怪ですから」

 

「便利だなぁ……それ」

 

「まあ、とにかくよろしくお願いしますね……えーっと」

 

「往人だよ、神代往人だ」

 

「往人さん……では改めて、これからよろしくお願いしますね、往人さん」

 

「こちらこそよろしく。小町ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

こうして座敷童の小町との生活が幕を開けた




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