バイオハザード〜とある警官の奮闘記〜   作:零崎極識

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 気が付いたらバイオハザードRe:3が発売されてました。違うウィルスがパンデミックを起こしていますが皆さん体調に気を付けてください。


第5話 そこで出会ったのは

 あっという間に廊下にいるゾンビを制圧したジャックとアーノルドは宿直室前廊下を通り抜けて警備員室へとたどり着いた。廊下のほうはすでに血みどろの死体がいくつも転がっており、その死体に食らいつくようにゾンビがあちこちにさまよい歩いていた。

 

「……ちっ、厄介だな……!」

 

 ゆっくりと起き上がりこちらへと近づいてくるゾンビに対して、ナイフを抜けば一気に踏み込み距離を詰める。生きた人間が近づいてくれば当然のごとく、俺に噛みつこうとするが、その力を使って背負い投げで地面にたたきつけた。そのまま、流れるように頭部にナイフを刺して、活動を停止させる。

 

「……先輩一人でもう十分じゃないんですか?」

「何を言ってるんだ……さすがに囲まれたかなりきついけどな」

 

 ゾンビが起きないことをしっかりと確認すれば他の敵を見まわしまだ距離が開いていることを確認してから東側オフィスへの扉を開けて中へと入る。

 

 オフィスの中は散乱しておりいかに緊急事態だったかが伝わってくる。そしてその外にはうめき声をあげて近づいてきているであろうゾンビが窓枠を叩いている音が聞こえる。

 

「せ、先輩……?」

「気にするな。ここは防弾ガラスだ、何日かは持つ」

 

 ゾンビの接近をしり目にオフィスの中にあるであろう弾薬を回収していく。肩にかけるタイプのボストンバックをアーノルドはオフィスから回収して少し重そうに担いでいた。

 

「よっと……なかなかこれはしんどいですね?」

「集めることができているのは9mm弾がほとんどだけどな。これではゾンビはともかく……もっと硬い敵が出てきたら手に負えないかもしれないな」

 

 オフィスをくまなく探し終えて反対側の扉を開けると目の前にゾンビが7体ほどいて、全員がこちらを見た。

 

「……下がれ!!」

 

 すぐさま転進し来た扉を戻ればあっという間にゾンビが殺到してきて扉を開けようと叩きまくる。それを俺は背中で抑えるがあまりの強さに吹き飛びかねなかった。

 

「アーノルド!!何か持ってこい!!」

「は、はい!!」

 

 アーノルドは近くにあった椅子を持ってきて扉を固定しその前に大きな棚を持ってきてどうにか扉をふさぐのだった。

 

「はぁ……はぁ……えらい目にあった……」

 

 どうにか息をつくために座り込みながら汗をぬぐって装備を確認した。幸いにしてほとんど弾を使っておらず何か落としたということもなかった。

 

「さすがにあの道を通ろうとは思わないな……仕方ない、来た道を戻るぞ」

「そうですね……それにあの先は確かシャッターが落ちていたと思いますし……」

「そこを開けてゾンビに入られたら目も当てられないしな」

 

 オフィスを出たところで警備員室に戻ろうとしたところでふともう一つの扉があることが気になった。確かこの道は二階と裏口へと通じる扉だ。

 

「……ここから戻れそうだよな」

「そうかもしれないですけど、安全は確保できてませんよ」

「生存者の捜索もあるしな、帰りはここから行くか」

「了解」

 

 外階段を通じて二階に上がれば、妙に閑散としており肌に張り付く嫌な雰囲気を感じていた。どうやらアーノルドもそれを感じていたようで銃のグリップを握る手に力が入る。ゆっくりと奥へと進んでいくと、一つの死体が転がっていた。だが、次に瞬間俺たちは驚くことになる。

 

「……まじかよ」

「な……!?」

 

 突然死体が動いたかと思うと皮膚という皮膚が剥がれ落ち始め、指先からは鋭利な爪が伸び始めて明らかにゾンビとは違う怪物に変わったのだった。そしてそのモンスターはゆっくりとこちらを向けば口から長大な舌を伸ばしてきた。その奇妙な攻撃に予測がつかなかった俺はとっさに体を傾けるが、完全にはよけきれず、肩口をかすってしまった。

 

「ぐぅ……!に、逃げろ……!」

「先輩ッ!!」

 

 驚愕のあまり動くことのできないアーノルドをどうにか逃がそうとするが、怪物がすさまじい速さで俺たちに迫ってくる。逃がすことをあきらめた俺はUSPで露出している脳を撃つが弾丸の威力が足りないのか怯むことはなく、俺を確実に仕留めるためにとびかかってきた。

 

「やられるかよ……!!」

 

 押さえつけられた無事な右手を使わずに痛む左手にナイフを握って、脳みそに突き刺し始めて怯んだ怪物の下半身に蹴りを加えて引きはがした。

 

「この化け物が……!」

 

 背中のショットガンを構えれば、頭部に向けて至近距離で発砲した。さすがの化け物も12ゲージ弾薬を間近に食らえればひとたまりもないらしく、活動を止めたのだった。

 

「あ、あぁ……」

「なんて声出してやがる……アーノルド」

「そ、そんな俺なんかのために……」

「俺は……ラクーン市警の警官……ジャック・ノリスだぞ……このくらいなんてことはねぇ……」

 

 最も傷からは出血しているものの倦怠感などは感じておらずひとまずは適切な処置を行うべきではあった。

 

「悪ふざけはここまでにしておいて……ひとまずセーフゾーンへ戻るぞ、まだ症状は出てないとはいえ油断はできないからな」

「は、はい……」

 

 ひとまず二階の待合室へ戻り、置いてある『救急スプレー』を傷口に吹きかけてその部分を包帯で巻いて固定する。スプレーの効果かかなり痛みを引き銃やナイフを握っても特に問題はないぐらいに回復した。

 

「これでひとまずはよしと……アーノルドどうした」

「いえ……僕ってお荷物なのかなって」

「引き金を引くこともできず、逃げることもできなかったからか?」

「はい……あのままだったらもしかしたら先輩が死んでいたのかもしれないじゃないですか……」

「確かにそうかもしれないな。だが、今の経験が必ずお前のためになるとは思っている。その時が来るまでは先輩である俺が世話をしないとな」

「先輩……」

 

 ひとまず体制を整えて調達した物資を持ち課長のもとへと戻ることにした。二階を通り抜けてホールに行き、1階の待合室へ行こうとしたところでシャッターが閉まっているのが見えた。

 

「おいおい……どこの誰がこんなことしたんだ」

「これじゃあ戻れないですね……」

「ひとまず二階の図書室を経由して戻ることにするか」

 

 当初の作戦をかえて図書室を通ることにした。西側のほうはまだ無事だったとは思うが件の怪物がほかにもいるかもしれないと考えると油断はできない。ゆっくりと図書室へ通じるドアをあけて中に入る。図書室は物静かでここだけは普段の日常のような雰囲気だった。

 

 そのまま奥の扉を抜けて保管室を通り『S.T.A.R.S』のオフィスに通じる廊下へとたどり着いた。廊下にはまだ電気が通っており明るさは残っていた。

 

「ここは安心ですね」

「それでもどこから来るかわからないがな」

 

 用心に越したことはないと思い、ゆっくりと進む。そしてオフィスの前に来れば一応中を覗いてみようと扉を開けた。するとその音に気付いたのか中にいた人物が俺へと銃を向け、反射的にこちらも銃を向けた。

 

「なんだジャックか」

「ブラッド、いままでどこにいたんだ?」

「外の調査だな、俺は俺で外がどんな状況か知らべていたんだが……どこもかなりひどい状況だな。感染が勢いよく拡大してやがる」

 

 何枚か写真を撮っていたようでそのフィルムを見せてもらうと、辺りには死体が転がりそれに群がるゾンビの姿も映っていた。

 

「これはひどい……」

「まさに地獄だな」

「ああ、この中に生存者がいるだけまだ救いがあるとは思うがな」

 

 ブラッドは警察署の現状を知ってまだマシだとは判断しているようだが、俺はそれに難色を示す。

 

「何かあったのか?」

「悪いニュースだな。ゾンビじゃない新種の化け物が現れた」

「なに……!?どんな奴だ?」

「四足歩行で舌を伸ばして攻撃してくる奴だ」

「舌……まるで『舐める者(リッカー)』だな」

 

 化け物の名前を暫定的に決まったところでブラッドは他にやることがあるようでまた街に戻るらしい。

 

「とりあえずお前らだけでも無事に生き残れよ」

「ああ、お前もな」

「ブラッドさん、よろしくお願いします」

 

 ひとまずそれぞれの目的のために分かれ、俺とアーノルドは改めて弾薬を課長へと届けるのだった。

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