東側の2階扉をぶち破って入ってきたゾンビたちを待ち受けるように階段のところに陣取れば、それぞれの得物で対抗するようにゾンビへと攻撃を加える。
だが不運なことに後ろの正面扉からもゾンビが大量に入ってきた。
「くそ……!!囲まれたぞ!!」
「ここの維持は無理だ!!」
「けど西側のオフィスも敵がいるんじゃねぇのかよ!!」
完全に囲まれた俺たちは動揺して攻撃の精度が目に見えて落ちてきていた。
「やむをえまい……東側に突破するぞ……!」
「正気かよ!?でもやるしかねぇよな……!!」
俺の意見にエリオットはやけになったのかテンションを上げて答えてくれた。
「先輩、離れててください!!」
アーノルドはグレネードランチャーを構えて集団の中央へ向けてトリガーを引く。小気味のいい音とともに弾薬が発射され、着弾すればすさまじい爆発とともにゾンビが吹き飛び、通り抜けられそうな穴ができた。
その穴にエリオットが飛び込み、その後をアーノルドとシェリーが駆け抜ける。そしてマービンがその後を追う。俺は殿を務めるようにハンドガンで後方のゾンビをけん制した。
「ジャック、急げ!!」
ある程度攻撃をしたところで、穴を駆け抜けようとしたときにまだ息のあるゾンビが俺の足にしがみついてきた。
「この……!!離せ……!」
振りほどくように足をじたばたさせれば、何とか噛まれる前に抜け出すことができ東側の待合室へと飛び込んだ。
「……焦ったわ」
「危なく噛まれるところだったな?」
何とか扉を簡易的なバリケードで塞ぎ、一息をつくと後から汗が垂れてきた。
「アーノルドは判断がナイスだったな」
「やるときはやるんだな?」
「まぁ……必死でしたからね」
褒められたアーノルドは心なしか嬉しそうな反応を浮かべていた。ある程度休憩をしたところで俺たちはまとめて探索に移るのだった。
待合室を抜けたところで廊下を進んでいき、美術室へとたどり着いた。中に入ると様々な美術品が並んでおり、中には趣味の悪いようなものも残っていた。エリオットは美術品のリストを探し出すとその中からホールにおいてある美術像を見つけた。
「なるほど……こいつにはメダルをはめないといけないってわけか……」
「そのメダルの手がかりがこいつってわけか」
そのリストの二枚目にはご丁寧にも他の像のスロットを合わせれば、メダルを取り出すことができるように説明書きがされていた。
「そのメダル像は、図書室の準備室と3階の倉庫と……またホールに戻るってわけかよ……」
「……かなり難易度が高そうだな」
俺たちの脱出のための行動には無駄な行動が多くなりがちなぐらいには後手後手に回っているような感じが否めない。
「かといってここで二手に分けるのは悪手だとは思うしな」
「……いや、ここは二手に分けたほうがいいんじゃないか?」
その時マービンがそんな提案をしてきた。
「理由はあるんだよな?」
「ああ、現状……アーノルドとシェリー、それに俺とエリオット、あとジャック。この3つのグループはそれぞれに役割を分けるべきだと思うな」
「……それだと俺は敵のせん滅か?」
「端的に言えばそうなるが、ここはあえて俺たちになぞ解きを任せてくれないか?」
マービンは俺を見ながら自信ありげにそう言った。俺は何も言わずに任せるようにうなずくなるのだった。
ひとまず俺は先行的に動くためにホールへとつながる扉のバリケードをどけて扉を勢いよく開ける。その音に気付いたゾンビたちが俺へと殺到するが落ち着いて1体1体をハンドガンで対処していき、確実に葬っていく。
その横を抜けるようにマービンとエリオットがホールのメダル像へと飛びつきあっという間になぞ解きを解いてメダルを取るとそのまま次の像へと向かっていく。俺はまだホールをたむろしているゾンビを相手に図書室への扉を死守するために戦う。
幸いなことにまだ距離があり着実にハンドガンを使って敵を処理していくがいかんせん数が多くなり次第に距離がつまっていくのが目に見えてわかる。
おまけにハンドガンの残弾が心もとなくなり始めた。残りは2マガジン分しかなく、これ以上は戦うのはまずいと判断して図書室へと退避する。図書室に入れば通り道にゾンビが死んでおりおそらく二人がやったのだろうと判断できた。
「……うかうか負けていられないか、だが……今合流したところで足を引っ張るかもしれないが……」
少しだけ迷ったが合流することはやめて、制圧された西側オフィスへと向かうことにした。S.T.A.R.Sオフィスの前を抜けて階段を降りたところで近くの窓からゾンビが入ってきた。
「ここから入ってきてるのか……」
俺は窓枠を乗り越えてきたゾンビに近寄れば起き上がる前に頭部に足をおいてそのまま思いっきり踏みつけてつぶすのだった。あたりにいろいろなものが飛び散るが今更気にすることはなく、オフィスへと足を進める。
その途中で何やら不穏な雰囲気を感じて上を見ればリッカーが2体もオフィスの上で出待ちのように待ち構えていた。それを見て俺はゆっくりと後退し、マグナムを抜いて構えれば近いほうのリッカーを一発で吹き飛ばす。
その銃声に反応したもう1体が音の方向へと飛びかかってきたがスライディングするようにその下をすり抜けてそのままオフィスへと飛び込んだ。目の前をリッカーの爪が通ったときはさすがに生きた心地はしなかったが、何はともあれどうにか逃げることができた。
オフィスに入ればそこにはゾンビが3体ほどうろついていたが、まだ気づかれておらず近くにいたゾンビの後ろに近づけばそのまま首に手をかけて一気にねじ切るように首の骨を折った。
ほぼ無音に近い形での暗殺に気付くわけがなく、次のゾンビへと手をかける。あっという間にゾンビを始末した俺は自分の机の引き出しを開けて、最後の弾薬セットを取り出す。そしてついに俺の引き出しが空になり、ハンドガンの弾も4マガジンに増やすことができた。
そして、オフィスに残されたものをくまなく探してからホールへと戻るのだった。
ホールに戻るとさっきまでいたゾンビは影も形もなくなっておりどこに行ったのか全く想像がつかなかった。ひとまずそれを不思議に思いながらも2階の待合室へ戻るのだった。
「あ、先輩……どうでしたか?」
「そろそろ弾丸がまずいな」
「まぁあれだけ戦えばそうなりますよね……」
「シェリーは?」
「さすがに夜も遅いですからね、ひとまず仮眠みたいな形で寝かせてますよ」
よく見るとソファーの上には丸くなって寝ているシェリーがいた。その様子を確認すれば俺は別なソファーに腰かけてゆっくりと息をつく。
「先輩?」
「どうした?」
「……いえ、なんでもないです」
なぜかアーノルドの言葉が歯切れ悪く、そのことに疑問符は浮かぶがそれを感じるよりも猛烈な眠気が襲い掛かってきて意識を手放すのだった。
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「なんだここは……?」
気が付くと周りには誰もおらず、待合室は閑散としていた。さっきまでいたアーノルドもシェリーもどこにもおらず、俺はひとまず待合室から外に出る。外に出ると廊下が燃え上がっておりその暑さに顔をしかめる。
「いったい何がどうなっているんだ……」
少なくてもさっきまではこんなことにはなっておらず、俺はいつまで意識を失っていたのか分からなくなっていた。腰に下げたハンドガンを抜いてとりあえず屋上へと向かうために廊下を進んでいく。屋上へとつながる廊下はすべて炎上しており、暑さがひしひしと伝わってきていた。
「やけに暑いな、何が燃えているんだ」
ゆっくりと進んでいき屋上へと向かうと壁にヘリが突き刺さっておりそれが燃え上がっているようだった。幸いなことに、給水塔の真下のようであの給水塔からの水をこぼせば火が消えそうではあった。
「さてと……こいつのレバーはどこか」
警察署から街へと降りるための外階段を下りて納屋の近くのレバーを引くために移動を始めた。街の外からはうめき声や悲鳴が轟き、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっているようだった。
「早く逃げないとな……」
そしてレバーのところへとたどり着くとしっかりと給水塔のレバーを引き水を流すと火が消えたようで先ほどまでの暑さが嘘のように感じなくなり先に進むことにした。
俺は壊れたヘリのところを通ろうとしたときにその向こうから、コートを着た大男が片手でヘリをどけてこちらへと向かってくる。その異様な光景に思わず後ずさり逃げようとするが肝心な出口がいつの間にか瓦礫でふさがれていた。
「戦うしかないか」
俺はハンドガンを抜きその大男の頭を狙って銃撃するが全く怯むこともなくその丸太のような大きな腕が音を立てて振りぬかれた。しっかりと頭を伏せて回避するがその腕が壁に当たれば粉々に砕けた。
その威力に青ざめた俺はそのまま前へと進みすり抜けるように横を抜けるが、あろうことか背中を掴まれそのまま後ろへと投げ飛ばされた。
「がはっ……!!」
壁に叩きつけられれば息ができなくなるほどの衝撃が走りどうにか敵を見ようとするが俺の目には大男が両腕を組んで俺に振り下ろす光景が見え……
次の話はなるべく早く投稿できるように頑張ります