人魚姫はハッピーエンドか?
私はかつて青い髪の少年にそう尋ねたことがある、なぜそんなことを聞いたのか理由は覚えていないが確かに尋ねた事だけを覚えている。
どうやらそれは何気ない日常会話のうちの一つでその少年がなんと答えたのか、肯定だった気もするし否定だったような気もする。ただ、もう名前も思い出せない少年は、きっといつも通りの仏頂面を崩さずに、作業を中断させた事に対して散々こき下ろした後、どこかひねくれた、それでいてなぜだか心が暖かくなる答えをくれたのだろう。
私にはもう思い出せない、思い出す資格すらない。
ああだれか、どうか私に、私に罰をください。
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目が覚めた、どうやら私はまた死にぞこなったらしい。
私はもう死んでいる。それなのに生前の癖が抜けずこんなことを真っ先に考える自分が心底嫌になる。
「おはようでち。今日は早起きなのでちね、大変結構なことでち。」
少女が私に声を掛ける。私は一度醜い自己嫌悪を中断し、声を返そうとした
➡︎『…ぉ、あ』
しかし上手く声を出すことができない、おそらくこれも生前の名残だろう、私は老いて口も満足に動かせないくなったかつての自分の体について思いながら、その肉の檻に魂だけの存在である今も囚われているという事に怒りのような悲しみのようなそれでいて諦めようでもある感情を抱きながらも少女にあいさつを返そうとした。
しかし
「それにしても今日もまた随分といい天気でちね、お洗濯がよく乾きそうでち。けどご主人の服は全てお洗濯が終わりまちたし......。」
....まただ、また私はやってしまった、彼女はこんなにも私を、この醜く穢れた汚らしい人間である私によくしてくれているというのに満足にあいさつ一つ返すことができない。私はまたそうやって激しい自己嫌悪に苛まれることになった。
「こんなのはどうでち?今日はもうなにもせずにゆっくりと過ごすのでち、縁側でお日様の光に暖められながらお昼寝でもしてればいいのでち。」
私にはそんな暖かい場所はふさわしくない、彼女の明るい笑顔に照らされるとそんな言葉すら出てこなくなる。
──ハン、言葉なんて、一言だってまともに喋れないくせに。
「沈黙は了解と得るでちがいいでちね、もちろん反論は受け付けまちぇんが。」
…思考を止めよう。今日の私は少しおかしい。此処にあるのはただの痴呆の泥人形、それでいいじゃないか。
「では、そろそろ目も覚めたようでちので朝ごはんにいたちまちょう。
その前にお顔を洗ってあげまちょうね。」
チカチカと、ナニカ──が消え─る。──プツン。
➡︎『あーう。』
追加設定
防衛本能による幼児化。
何かきっかけが有れば壊れる前まで戻る事もある。──そんな物誰も望みはしないだろうが。