3/9改
大幅な文章の訂正。
【注意】
・ほとんど変わってます。会話あたりにしか名残がない…そして駄長文に…
・設定もだいぶ変化しました。そのため、改稿した話としていない話(「〇〇改」が付いている題名と付いていない題名の話)で矛盾が起きますが、そのうち直すのでご容赦を。
・多摩かわいい
R4/9/27
私は帰ってきた
多摩編(改二)
——うちの鎮守府には1匹の猫がいる。
いきなり何言ってんだと思うかもしれないが、これは現状から浮かんだ一文である。
「そろそろ降りてくれない?多摩?」
流石に2時間乗せるのは重いっす。
「…にゃー」
「おーりーてー」
「今日は多摩の時間にゃ。誰にも邪魔させにゃい…」
「いや降りろよ」
……そう言うも、なかなか降りてくれない多摩。
器用に体を丸め、俺の膝の上(に置いたクッションの上)に丸まってお昼寝中だった。……改めて見たら凄いなこれ、どうなってんの??
……まあ、お分かりの通り、猫の正体は多摩である。
軽巡多摩。球磨型の2番艦であり、紫ショートのセーラー服(?)着た女の子である。
…それ以上は知らないけど。でもまぁ…これも、つい1週間くらい前に知ったことだ。最初は名前すら知らんかった。
そしてその多摩は、この提督室に来てから1時間以上、俺の膝に置いたクッションの上から動いていない。俺も動けない。
「さも仏像の如し……。ん?」
俺が諦めの境地に達しっていると、多摩が物欲しそうな顔で見てきた。
なんだい?…え?あれ?………そうですか……わかったよ…(アイコンタクトで会話中)
「……はぁ、これで良いか?」
俺は溜息をつき…促されるまま、多摩の髪をそっと撫でる。
多摩は満足気に目を閉じて微睡んでいた。
「……どうしてこうなった?」
そんな多摩を見ながら、俺は回想へと意識を沈めていった……
——事の始まりは二週間ほど前に遡る
☆☆☆
俺は、ある辺境の軍用基地の提督に就任した者だ。ここでは、「人間型艦隊兵器」…通称「艦娘」と呼ばれる少女たちが、海から出現するナゾの敵「深海棲艦」と海の上でドンパチするのを支援する基地、いわゆる「鎮守府」である……らしい。
……いや、詳しいことは知らん。俺は元々、本部…つまり、全国艦隊司令部本部の研究員の1人だった……んだけど、1ヶ月くらい前になって、突然ここに飛ばされた。
なぜかというと、その当時の上司が「面白くなりそうだから行ってこい」とか無茶ぶりしてきたからだ。意味わからん。
……まあでも合理主義なあの人だし、なんか理由はあったんだろう……たぶん。
そこから流れでこの鎮守府の提督に着任したのだが……そんな俺が、艦隊司令なんて当然できるはずもなく、仕事や権限は全て部下(というか艦娘)に丸投げしている。いや……これはある意味賢いことだと思うんだ。もし逆に、俺が管理したら
…まぁ、実際にクレームが来たことは無いし…任せた艦娘も研究室からついてきた知り合いの信頼できるやつだし…大丈夫だろ……たぶん。
そんなわけで俺には何か目標もやる気もあるわけなく、ただただぐーたらと
幸い、提督室は豪華ホテルのような作りでキッチンなんかもあり、数日に一度食材も届けてもらえるため生活に困ることはない。最早いるだけ無駄な穀潰しなんだが、まあ出てけと言われたら研究所に戻ろうかと気楽に考えている。別にあっちでもほぼ変わらない生活なんだが。
——4月某日、暖かくなって昼寝が捗るある日のこと、
俺はといえば、いつも通り提督室でダラダラしていた。自分で言うのもなんだが、俺は『暇』に強い。生まれてこの方、暇で退屈と思ったとこはなく、何もしていない時が一番幸福に感じるような人間だ。これがこの鎮守府のトップの姿である。平和でいいね、うん。
することがないわけではなく、ほんとに事務とかスケジュール計画とかは名前も顔も知らない艦娘に一任している。間違いなく信頼関係は0。
……しかし、艦娘達にとっては、提督と言う存在が居ないと力が十分に発揮できないという事情があるために、こんな俺を見て見ぬふりをしている(と思われる)。
御察しの通り提督の素質を持つ者は希少である。じゃなきゃ俺なんかが提督になれるわけがないだろうが。代わりが現れた暁には俺は
そして……実は驚いたことに、そんな俺にでさえ1日1回は来客があったりする。…いや決して、
3日前は大淀という艦娘が提督室にやって来た。そう、先程述べた「俺(提督)の仕事や権限を全て丸投げしている艦娘」である。要するに、俺の第1被害者。名前も顔も知らないといったな…あれは嘘だ。
その大淀がやって来て、何か「重要な事務連絡があります」とか言ってたけど、どうせ聞いてもよく分からんから「全部大淀に任せる」とか言ったら、大淀は絶望した表情で泣きそうになりながら部屋を出て行きました。……ごめんね。こんな無能提督で。
結構な頻度で大淀は来てくれているが、大体の流れはこれと似たり寄ったりで、数分も経たずに帰ってしまう。「嫌なら来なくていいんだよ」と言ったことはあるが、泣きそうな顔で「私が来ると迷惑でしょうか……」と傷つけてしまった。もちろんそんな意図はないため、否定した後に10分間に渡り大淀をべた褒めしまくってたら「も、もういいでぅ……」と顔を真っ赤にして部屋を飛び出ていった。嚙んだとこ含めてめっちゃ可愛かった。俺はコミュニケーションを放棄しているだけでコミュ障ではないのだ。たぶん。
2日前は確か……そうだ霞。この艦娘もまた、よく俺のとこに来てくれていて、
要するに、鎮守府内で俺の(たぶん)唯一の味方(大淀は中立?)の艦娘。
自炊はできるが面倒でカップ麺ばかり食べている俺に「また即席麺ばっか食べて!」とか言って昼ご飯作ってくれるのも超嬉しい。散らかした部屋を文句を言いつつも掃除してくれるのも超優しい。内心霞ママって呼んで拝んでる。ありがたやありがたや。
……あと、つい先日が……こ…金剛…だっけ?
……さっきも言ったが、俺はこの鎮守府の艦娘全員の名前を覚てはいない。大淀はよく来るから覚えたし、霞ママはママだから覚えていた。他の艦娘も何度か訪れたことはあるが、申し訳ないけど忘れてしまっていた。これは俺が他人に興味ないからとかではなく、単純に記憶力の問題だと思う。研究所でも何度も名前忘れたり間違えたりしたし。
で、近藤…じゃなかった金剛は「バーニングラブ」の印象が強すぎて少し印象に残っていた。
えーと……たしか、金剛は部屋に入ってきた途端…「ばぁにんぐ…らぁーぶ!」とか叫びながら、俺に飛び付いてきて……すまん…この後はあまり話したくは無い。思い出したくもないし。
うーん……でも「金剛」ってどこかで聞いたことあるような…無いような……いや無いか。うん、あんな可愛い艦娘を俺が忘れるはずもないし。
閑話休題
現在時刻は11:58で、今日はどの艦娘が来るかなっと。
……いや来ることを期待しているわけじゃないよ?決して。……別に俺は他人に話しかけないだけで艦娘との会話は……うん、少しは期待してます。特に比叡は嬉しい。あんまり来ないけど、SSR引いた気分になる。
それに、艦娘たちは
すると、部屋のドアがガチャっと音を立てて開く。
関係ないことだが…大淀に、艦娘が入るときにノックは要らないと伝えてある。理由は俺がノックに返事をするのが面倒だから(私情)。……いいだろうが別に、いつ来るか一応分かってんだし……
さて、今日は誰だろう…?…まさか、また金剛は無いよな?(フラグ)
……ヤバい、フラグ立ってそう…。
そう身構えた時だった。
「…にゃー」
「…猫?」
……この鎮守府に猫がいると知ったのは。
「猫じゃないにゃ。多摩にゃ」
「いや猫じゃん(『にゃ』とかリアルに言う人初めて見た)」
「……猫じゃない」
「…まあどっちでもいいや…よろしくねタマ。なにがよろしくかは知らんが」
「良くないにゃ。それは猫を呼ぶときの響きにゃ…軽巡洋艦多摩だにゃ。よろしくにゃ」
どう考えても語尾が猫だが、本人は否定していて、人語も喋るのでたぶん人なのだろう。(猫語も喋れそうだが)。というより…やっぱこの猫娘も艦娘なのか……艦娘は個性が強すぎるな…ほんと…。
…まぁでも、今回は似たような艦娘を知っていたので、わりと早く受け入れられた。何事も諦めが肝心です。多摩にも猫耳プレゼントしてみようかな?
「で、何しにきたの?」
「お昼寝にきたにゃ」
「ここで……?」
「にゃ」
「なぜにここ…?」
「多摩が来たかったからにゃ」
話を戻して…多摩が何しに来たのか訊いたのだが、意思疎通はできなかった。悲しい。
「ほんとにあったかいにゃ……もうダメ…がまんできにゃい…」
意味不明なこと呟きながら近づいてくる多摩。そのまま…
「…にゃー!」
「うおぃ⁉︎」
いきなり、ソファーに座る俺の腹めがけて突進したと思ったら………ぽすん、と膝の上に着地して、器用に丸くなって眠り出した……自分で持ってきたのか俺の膝にクッションを置くほどの徹底ぶりにゃ。いや俺の膝上の必要ないやんけ。
「本当に猫だな……」
「猫じゃ…にゃい…にゃ……すぅ…すぅ…」
「もう寝てるし…」
いきなりの多摩の奇行に反応できず、俺はしばらく固まってしまった。そして、その内に膝の上は占領され、多摩を起こさないと俺は動けなくなってしまった。
……春の気候もあってか気持ちよさそうに寝ており、起こすのが躊躇われたため、何気なしに手持ち無沙汰になった手で多摩の頭を撫でていた。最初はくすぐったそうにしていた多摩だが、そのうちに気持ち良さそうな顔でぐっすり眠っていた。
…てか本当にどうしたんだろう?多摩は見た感じ、比較的おとなしめの艦娘だと感じたのに急に突進(に見せかけたクッション着地)をしてくるとは……艦娘は不思議だ。
(まるで…本当に猫だな…俺にマタタビの匂いでも付いていたのか?)
こうして身動きを封じられた俺だが……まぁ、考えようによっては普段の俺の過ごし方と何も変わらなかったので、特に気にせずに(諦めとも言う)、俺は多摩を撫で続けていた。
……そのまま撫で続けること2時間、急に多摩は目を開け、起きたかと思えばスッと立ち上がり、猫の気まぐれのように部屋を駆け足で出て行ってしまった。
「……いったい何だったんだ?」
……その時、多摩の耳(もちろん人間の)が妙に赤いのが妙に印象的だった。
——
それ以来、多摩は3、4日に1回のペースで
2回目は初回と違って、最初は膝の上に乗るのは我慢して隣で座るだけだったけど、そのうち、こっくりこっくりと船を漕いでいたため、こっちから誘ってみた。なぜかめっちゃ顔赤くして恥じらっていた。……1回目の訪問とは大違いである。…別キャラとさえ思ったが、その後はチャージ(突進)&ランド(着地)してきたので、「あ、同キャラだ…デジャヴ」ってなったのは良い(?)思い出である。…しばらくしたら忘れるだろうが……
そして、こんな俺でも、さすがにここまで何度も来られたら名前を覚えた……というのは嘘で……実際には、多摩に俺が名前を覚えていないことがバレて(「今日も猫か…」って呟いたのが原因)、本人に無理やり覚えさせられたのが、多摩の名前を覚えた理由である。
具体的には……何度も「猫じゃないにゃ。多摩にゃ」って言われるうちに、頭の中で「猫=多摩」ってイメージが固定されてしまった。……あれ?多摩は猫だった?
謎が生まれたが特に問題は起きなかったので、謎自体を忘れることにして……そんな平和な、今日の午後。
……いや多摩以外の艦娘達は今も海上で戦っているだろうが……全然平和じゃなかった。ちなみにその指揮官は(便宜上)俺である。俺にその自覚は全くない。……この鎮守府は大丈夫なのか(他人事)。
そして、もう既に多摩がくるのも4回目。
俺も慣れたもんで、膝の上にはクッションを置き、手元の机には動かなくていいよう暇潰しの本が置いてある。しかし、本ばかり読んでいると多摩が「にゃ〜(撫でろ)」と催促してくるので本を片手に持ち替えつつ、片手で多摩を撫でたりしている。お陰で片手のページ捲りが得意になった。……いや、そんな特技使う場面なんて他にないだろうが。
まぁ、2時間程度ならそんな苦痛ではない。俺も、猫のように(というか猫そのもの)眠る多摩を見て心が癒されるし。
余談だが……多摩は入室直後、真っ直ぐに俺の膝めがけ突進してくるようになった。
そのため、本とクッション(多摩が置いて行ったやつ)を常備するようになり、クッションに座るのではなくクッションを乗せるという奇行を続けている。いや、一度クッションは使ってみたのだが、思ったより使い心地は良くなかった。猫用だと思われる。あと、昨日来た比叡には変なものを見る目を向けられた。解せぬ。
比叡は、比較的最近
……そういや同じく常識人枠の霞ママは最近見かけない。その代わりにあ……あさ…朝顔?(あんま覚えてないの、ごめん)が来るようになった。その浅草?いわく、長期遠征でしばらく鎮守府にいないので代わりに旭川?に俺の生活の世話(監視)の代役を頼んだらしい。……ほんとに慈悲深い霞ママである。てえてえ。
…まぁ、その朝潮?はいい娘なんだけどねー……ちょっと堅苦しいよねー……もうちょっと肩の力を抜こう?ね?軍隊じゃないんだから……。
——今日の多摩は5時まで時間が空いているらしく、2時間寝てー、1時間駄弁ってー、また2時間寝てーと過ごす予定。5時間連続は俺の膝HP的にアウトなんで勘弁してもらった。…ちなみに、後半の昼寝は俺も寝てしまった。…気持ち良さそうに眠る多摩を見てると眠くなってさ……ちゃんと毎日寝てんのになー(10時間)
寝すぎ?…うん、はい……ここ最近、俺はそんなぐーたら生活を毎日送っていた。……でもまぁ俺は起きていてもできることは(ほとんど)無いと開き直って(諦めて)いる。……出来ることを探せ?そんな意欲はとうの昔に捨てている。
…しばらくして、多摩が目を覚ましたので、雑談代わりにちょっとした質問をぶつけてみる。
「そういやさ…多摩は何でここに来るの?」
「………お昼寝のためにゃ」
「昼寝だけならもっと日当たりが良かったり、良い場所があるでしょ?」
「……ここが良いにゃ」
「……猫的に?」
「猫じゃないにゃ」
「じゃあなんで?」
「……もう寝るにゃ」
「…また?」
多摩は回答を拒否して、クッションの上に頭を乗せて体を丸めてしまった。完全なる拒否態勢である。やっぱマタタビ成分が俺から溢れているのだろうか、いや興奮してるわけではなさそうだが。
「どうして……あっ…」
そこでようやく……俺は、多摩の顔が真っ赤になっていたことに気付いた。
多摩は自身の顔が見られないよう、俺の服に顔を押し当てていた。……耳が真っ赤でバレバレであるが……あれ?なんかデジャヴ。
「ほんとどうしたん?」
「……ここは…あったかいにゃ…」
「やっぱり猫かよ…」
「猫じゃないにゃ……すぅ…すぅ」
「………いや猫だろ」
提督室は今日も平和だ
続き、欲しい?
【設定集】(この小説におけるオリジナル設定を駄文長文にて説明します)
〇多摩
猫型軽巡…じゃなかった。球磨型軽巡洋艦2番艦。
特徴は語尾…なのだが、なるべく語尾が変にならないように気をつけていたりする。しかし、眠い時など意識が薄くなると、つい語尾に「にゃ」を付けてしまう。
語尾は球磨による影響が大きい(という設定)。
そのため、思考における口調はいたって普通。……だってそうしないと多摩視点なんて書けないよ(泣)
球磨とは仲良しだったが、ある事情で離れ離れになってしまった。その関係上、球磨を連れてやってきた提督に私怨を抱いていた。ちなみに、球磨のことは「球磨」と呼んでいるが、内心では「球磨姉」と呼んでいる。ただ恥ずかしくて呼べないだけだが。
好きなもの:球磨、提督の膝の上にクッションを置いて寝ること
好きな艦娘の艦種教えてください
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戦艦(航空戦艦含む)
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重巡洋艦(航巡含む)
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軽巡洋艦(雷巡含む)
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駆逐艦、海防艦
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空母、その他