お嬢様は男子校生   作:男子校生A

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入学式

はてさて時が流れるのは早いものであり、

つい最近転生したと思えばあれよあれよという間に小学校への入学だ。

 オレ達は誠一と菫が通っている、いかにもお金持ちしかいなさそうな小学校へ入学し、今日は入学式だ。

 

 

 雲一つない晴天が広がり、校庭には桜の花びらが舞い踊る。

そんなこの学校の名前は桜ヶ丘小学校。この綺麗な桜吹雪を見れば誰も「名前が安直すぎる」とは言えないだろう。

 

 

 

 入学式は試練だ。友達を作り、校長の長話を聞き、自分とは合わなさそうな生徒を見つけなければならない。

前世では友達も沢山いたし、学校生活もそれなりに楽しかっただけあって、今回の入学式はとても不安だ。

もし友達ができなかったら、なんて考えるだけで背筋に冷たいものが走る。

「暗い顔してどうしたの?」

そんな事を考えていると葵が喋りかけてきた。

「友達が作れなかったらオレ、どうしようかな、って…」

オレが素直にそう言うと

「ききょーちゃんなら大丈夫!もし友達が作れなくてもわたしがいるもん!」

「そっか…うん、それもそうだな!ヨシ!」

oh…deer my sister…

 前世では妹に、オレに彼女がいないだけであんなに苛められたんだ、今世では思いっきり甘やかしてやろう、という決意を胸に秘めたところで、講堂に集まるよう招集がかけられた。

 

 

 

 案の定、校長の話はとてつもなく長かった。15分ぐらい話をしていたのに体感時間では30分に感じるぐらいのつまらなさだった。ここまで話がつまらないのはある種の才能があるのではないかと思うほどであった。

 何がつまらないかと言うと、オチもあるし起承転結がハッキリしている話なのにつまらないのだ。意図的にやってるとしか思えないぐらいだ。前世の校長はオチのない話を延々と話していたが、こっちはハッキリとおもしろくない理由がある分マシだ。話が終わった途端に、戒めから解放されたかのようにスッキリした気持ちになったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 式が終わると、新入生はHRのため教室へ。保護者は引き続き体育館に残って説明会だそうだ。

 葵は意気揚々と、オレは少し緊張しながら先導する教師に付いて行った。……普通逆じゃない??

 

 

 案内された校舎は、前世の高校よりも広かった。小学生が使うには広すぎると言っても過言ではないほどの広さだ。しかも全室空調完備、プロジェクター付きですよ奥さん。私こんな所で学生生活送りたかったですわよ。

 

 

 それはさておき。

 校舎は全部で3棟あり、1年生から3年生までが使う低学年校舎、4年生から6年生までが使う高学年校舎、理科室や家庭科室や食堂が入った共通校舎がある。

低学年校舎に入った途端、生徒が一斉にクラス分けの表が貼られた掲示板に突撃した。各クラス35名、それが3クラスあるので35×3の1学年105名の人混みは、到底今の自分に掻き分けられるハズもないので、自分のクラスを知った子供達が散らばっていくのを見届けてから、自分のクラスを確認することにした。

オレと葵は同じクラスだった。やったぜ。

 

 

「ききょーちゃん同じクラスだね!よかったぁ!」

とても嬉しそうに笑う葵は可愛い。

「席も近かったらいいな。」

「そうだねー…離れてたらどうしよ…」

 そんな一抹の不安を抱えながら自分達の教室へ向かった。教室にはオレの高校で使っていたような黒板があり、その真ん中に席順が記された紙が貼ってあった。どうやらオレは教室の窓際の一番後ろの席で、前が葵だ。出席番号順の並びをこれほどありがたがった事はない。

 葵はオレの方をずっと向いていたので、先生に見つかったら大激怒待ったナシだと思い、ちょっと忠告することにした。

「葵、授業中はちゃんと前向いておくんだぞ?」

「それぐらいわかってるよ!怒られるのイヤだもーん」

 

 ヨシ!(指差し確認)

 オレの妹は優秀だな!どこに出しても恥ずかしくないぜ。

 

 

 オレが葵を褒めていると、教室にスーツを着た女性の教師が入って来た。

 葵を前に向かせて教師の話を聞くように言い、自分も聞き耳を立てるようにした。




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