じりじりと、日差しが強くなっている。
正午には気持ちの良い暑さだったはずが、今はもう肌を焼くような照りに変貌していた。
「あっぢ~~~~……ちょっとそれちょーだい」
「はいはい……っておい、ISスーツで胡座かくなよ。はしたないぞお前」
決勝戦の直前、第二アリーナロビー。
周囲の生徒やスカウトマンらがざわめいていた。
何せそこでは、これから優勝を巡って争う者同士が同じベンチに座り、一つのペットボトルを回し飲みしていたからだ。
「そろそろ空調入れてもいいころじゃない? 代表候補生の立場をチラつかせたらなんとかなるかしら」
「お前、絶対やめろよ。下手したら本国での査定に響くぞ」
「いーのいーの。中国の代表候補生、あたし以外基本的にザコだし」
「えぇ……」
とんでもない断言が飛び出して、さすがに一夏は頬を引きつらせた。
「事実よ。あたしがこんなスピードで専用機持ちになれたんだから、レベル低すぎって話」
「はあ……そうか……」
果たして真実はどうなのか。
それはきっと──この後の試合で分かるのだろうと、一夏は感じた。
アリーナの熱気は最高潮に達しようとしていた。
一回戦における、二度の大番狂わせ。
二回戦における、最も期待されていなかった者たちによる下克上。
それを経て頂点を巡り争うは──今日だけでその評価を覆した二ペア。
圧倒的な制圧力を見せつけた『セシリア・オルコット&凰鈴音』ペア。
圧倒的な攻撃力を見せつけた『織斑一夏&篠ノ之箒』ペア。
「どう見る?」
「……個人的には、一夏たちに一票かな」
先ほど自分たちを下したペアに、シャルロットは迷わず票を入れた。
「鈴とセシリアは、前衛と後衛を分けてる……僕らみたいにスイッチしないのなら、僕らよりも、あの気が狂ってるとしか思えない戦術のカモだ」
「……そうだな」
ナチュラルに飛び出す言葉遣いを受けて、ラウラはすっと相棒から顔を背けた。
腹黒の誹りを免れないのは事実である。横に並ぶ更識姉妹も、ちょっと表情をこわばらせていた。
何はともあれ、参加者たちも最後の結末に興味は尽きない。
「単純に、自分たちの戦術を押し通せるかどうか、がキモになるのかしら」
「多分……だけど、押し通すための工夫は、一夏たちの方が多い……」
ピットから両ペアが飛び出し、歓声が巻き起こる。
前評判を覆す獅子奮迅の活躍に、四人へはこれ以上無い賛辞が送られていた。スカウトマンらも評価の修正に上へ下への大騒ぎだ。
そんな中で、トーナメントで敗れた選手らは、あくまで冷静にアリーナを見据えている。
一組生徒も同様だ。というか、決勝戦の4分の3がクラスメイトなもので、盛り上がると言うよりは現実味がない。
「──その単純な話に帰結するかと問われれば、否である」
「……!」
声が響いた。
少し用があると言って抜け出した、『世界最強の再来』の、冷たい声。
「あら、東雲ちゃんにとって、愛弟子の戦法は頼りないのかし────」
楯無は振り返り、台詞の途中で息が止まった。
あれだけ歓声にあふれていたアリーナが、徐々に静まっていく。会場全体の温度が冷え切っていく。これより始まる決戦のことなど頭から吹き飛び、ただ全員、彼女に釘付けだった。
屋外アリーナ観客席の、通路階段。
太陽を遮るようにして、その女は革靴の足音を鳴らしながら降りてきた。
身に纏うは彼を意識した純白の法被。
太刀の代わりに、両手にはそれぞれ彼の顔と『鬼剣装填して♡』なる文字が描かれたうちわを持っている。やたら写実的な顔も文字も、手書きである。
表情は平時の通り凜としたまま、しかしそれ以外の何もかもが
──何処に出しても恥ずかしい織斑一夏オタクの外見で、東雲令が現れた。
「遅くなった。準備に手間取ってしまってな」
「来るな」
「裁縫なるものは初めてだったが、やり方を映像で見ればすぐに学習できたぞ。これは奥深いな」
「こないで」
ラウラとシャルロットは全身を使って拒絶を示した。
しかし願いは届くことなく。
会場中の視線を浴びながら、東雲は自席へと座る。
両隣のシャルロットと楯無は、顔を両手で覆い天を仰いだ。どんな罰ゲームだ。
「しかしどうだ。素晴らしい出来だろう。きっとおりむーの士気も向上する」
「東雲ちゃん喋らないで」
「……羨ましいのなら、増産するが」
「令、黙ってて」
楯無と簪は硬い声色で発言を封殺した。
もはや視界に入れたくないレベルだった。
決闘で完膚なきまでに打ちのめされた実力者。かけがえのない同期であり、数少ない友人。
それぞれが東雲に抱いていた好印象は、法被とうちわに粉砕された。
全員のリアクションが芳しくないのを確認して、ふむ、と東雲は顎に指を当てる。
(……当方、またなんかやっちゃいました?)
そうだよ。
アリーナ中央にて、四人は顔をつきあわせていた。
「──舞踏会にようこそ。お似合いのお連れ様ですわね」
「──二人してスーツの新調に手間取ってな。間に合って良かったよ」
唯一の男性操縦者とイギリス代表候補生が、不敵な笑みを浮かべつつ視線を交錯させる。
隣に浮かぶ箒と鈴は、その様子に苦笑を浮かべていた。
だが、その表情にすぐに真顔になる。
東雲令が視界に入ったのだ。
『………………』
箒たち三人は、両手のうちわを上下に動かす東雲と、一夏を、何度か交互に見た。
「……………………」
一夏の顔は完全に死んでいた。
ペア相手の士気が完全に沈黙したのを見て、箒は半眼で東雲を見やった。
何してくれてんだこいつ──師匠じゃなくて、ただのファンじゃん。ファンっていうか、オタクじゃん。
「一気に舞踏会から武道館になったわね」
鈴は頬を引きつらせながらそう言った。
ちなみに『世界最強の再来』を知らない人間など会場にいないはずもなく、広大なアリーナを、東雲はたった一人で無言にさせていた。
口をぽかんと開けっぱなしにしていたセシリアは、東雲を指さしながら恐る恐る問う。
「…………あれ、ジャパニーズ・ドレスコードか何かですか?」
「………………そうだぞ」
「一夏!? 何を言っているんだお前!?」
何もかもが嫌になって、一夏はセシリアを一つ誤った方向に賢くさせた。
セシリアはセシリアで「なるほど、でしたらわたくしも皆さんの分のはっぴ? を本国のデザイナーに発注しておきますか……」などと呟いていたが、鈴は知らぬ存ぜぬを決め込むことにした。
「──っと」
大型モニターにカウントが表示された。
数字を囲むサークルがゲージ代わりに減っていく。10から始まり、一つ減るごとに緊張感が跳ね上がっていく。
さすがに東雲を意識している余裕はない。
四人は自分の打倒するべき敵を、観客は試合の動向を注視した。
「……初動は4番で行くぞ」
「ガガガガッ! とだな」
一夏が番号を指定すると、箒は即座に頷いた。
表現の差異こそあれど、脳裏に描くイメージは同じだ。
(4番……最優先事項は、
(ガガガガッ! といって、とにかく密集状態に持ち込む!)
オッズ最下位ペアの戦法は至って単純。
相手の知らない戦闘論理に巻き込み、対応される前に削りきる。
攻撃パターンでなく、現状維持のための迎撃パターンをいくつも用意し、とにかく全員が密集している状態を崩さない。
至近距離であれば、箒は無敵だ。
篠ノ之流を修めた少女の技巧は、一夏をして『どうかしてる』と評価せざるを得ない代物だ。
(能動的に近接戦闘を仕掛ける。試合の流れを乱戦もどきに持ち込む。そこまでたどり着けば、俺と箒は無敵だ!)
一夏の力強い断言は、まったく理由のない絵空事ではない。
タッグマッチという試合形式を見て、最初に思いついたのがこれだ。一夏は教科書を読み、ISバトルにおいていくつかのセオリーがあることを理解していた。
これは自分の下克上において、もってこいの概念だと一夏はほくそ笑んだものだ。
役割分担をこなし、時にはスイッチして攪乱させ、常に支配権を握り続ける。
ISバトルを生真面目にやっている人間ならば、重ねた努力と工夫が必ず結果につながると。美しい連携こそ勝利の要因だと信じている。
だが織斑一夏は違った。
真摯に努力を積み重ね、誰よりもISバトルに向き合いながらも。
彼は、
常識を粉砕するほどの威力。セオリーを無為化する破壊力。一夏が求めていたものは、教科書に載っていた。
(役割分担して、勝つための道を舗装して! そこで満足してるやつを蹴落とすための戦法! 俺は、俺たちは勝つ。あらゆる方法を駆使し、先人たちの理論を逆手に取り、素人でもエリートを討てると証明するッ!)
カウントが──ゼロになる。
一夏と箒の加速は群を抜いていた。単純な機体性能の差。構わない。それは己の武器だ。
性能差という絶対にひっくり返せないアドバンテージを活用せずして、何がISバトルか!
「うぉおおおおッ!」
正面から一夏がセシリアに飛び込む──が。
鈴は動かない。接近してくる箒相手に、両手の青竜刀を構えたまま、ピタリと静止している。
セシリアは即座にバックブーストをかけている。既にBT兵器を展開した状態。だが四門の砲火程度、突破パターンはいくつも構築してある。
どこから撃ち込んでくる、と一夏はフルに思考を回転させ。
「────ッ!? 箒5番!!」
「な!?」
目の前の戦況より、幼馴染の叫びを咄嗟に優先したのは、箒にとって僥倖だった。
ブースターとして機能していた展開装甲を
同時に『紅椿』の性能に任せて急制動。鈴への突進を九十度曲げて、一夏の前に躍り出る。
5番──展開装甲をフルに防御へ回した、守りの型。
「あら、なかなか
展開された深紅の防壁に、四方向から同時にレーザーが直撃。
一夏は箒の腰に腕を回すと、彼女を抱えたまま強引に回避機動を取り始めた。
「何だ、どうしたんだ一夏ッ!?」
「避けられない、避けられない……ッ! 何なんだよあいつッ! 今、
卓越した戦術眼が見透かしていた。
BT兵器の微細な角度調整。コンマ数秒おけば、まったく違うポイントを狙い撃てるよう待機した状態。
確実に──『白式』の機動ですら振り切れなかった。
箒を急造の手持ち盾のように振り回して、一夏は狙撃をしのいでいく。直撃よりはよっぽどマシ。だがエネルギーは減っていく。
「ちょっと、なーに密着してんのよ、妬けるわね」
声が、横から響いた。
思わず呼吸が止まった──青竜刀の刃が、もう目と鼻の先にある。
咄嗟に『雪片弐型』を割り込ませ、しかし威力をまったく相殺できず押し込まれる。白い刀身の峰が、一夏の肩部装甲に食い込む。そのまま鈴はスラスターを全開にし、二人をまとめて吹き飛ばした。
「いつ、来やがった……ッ!」
「ずっといたわよ! セシリアばっか見ちゃって、ムカつくわね!」
両手の青竜刀を軽く振るってから、鈴が突撃してくる。
ハッと箒は目を見開いた──迫ってくるのに、
「一夏! 鈴の狙いは私たちを引きつけることだ!」
「分かってる──2番で行く! 一気に突破するぞ!」
「ズバッとだな!」
2番。一夏も箒も真正面から単一の敵に攻撃を打ち込む、攻撃の型。
どこまでいってもタッグマッチは2VS2だ。しかし状況によっては、数の変動があり得る。
ペアが撃墜されたとき、或いは片方が引き剥がされたとき。数秒間にも満たない、1対2が成立する。
BT兵器に細心の注意を払いながらも、一夏の斬撃と、箒の篠ノ之流攻撃技が猛る。
それを──鈴は獣のような笑みを以て。
「……ッ!? 10番に移行!」
「ズガッと──!」
10番。同時攻撃は変わらず、しかし刹那の突破力に重きを置いた、超攻撃的な型。
箒が右手に持つ刀身がエネルギーをため込み、発光。
銘は『
タイミングを合わせて一夏も再度ブーストをかけ、鈴の横合いから刀を突き込む。
「はー……番号、やっぱ見栄えはイイのよね。セシリア、あたしたちも欲しくない?」
「はいはい、そうですわね」
だが。
「な、んで──2番から16番へ!」
「ズバッといってシュバーだろう!?」
指示に合わせて箒が刃を振るう。
一夏もまた、必死に攻撃を繰り出す。
それら全てを弾き、受け止め、叩き落とし。
「守りに徹するのも案外楽しいじゃない。
中国代表候補生は──その場からほとんど動かないまま、一夏たちの猛攻を無力化していた。
「三人でそんなに密着状態なんて、楽しそうですわね?」
ゾッと、背筋を悪寒が走る。
一夏は確かに、首元に死に神の鎌が添えられるのを感じた。
間に合わない──四つの光条が、一夏と箒の鎖骨部分と背中を撃ち抜いた。
装甲が砕け散る中、二人は同時に戦慄する。
(くず、せない……!)
(なんだ──私たちは今、何を相手に剣を振るっている……!?)
巨岩を相手取り、必死に棒きれを振るっているのではないか──そう錯覚してしまうほどの、手応え。
鈴はPICをフルに駆使して、常に微細な位置調整を行っている。
攻撃の勢いをポジショニングだけでそぎ落としているのだ。
さらに注目すべきは、僅かな手首の
巨大な青竜刀は、それだけで躍動し、連撃全てを弾いてみせた。
(──駄目だ。二人で鈴を崩せないのなら、一夏の戦術は根底から否定されている!)
箒は体勢を整えながら思考する。
超攻撃的な型──ルーキーが逆襲するためのタクティクス。
だがその脆弱性がここに露呈していた。
結論。
王道を極めに極めた相手には、所詮素人の奇策は、通用しないのだ。
「一夏ッ!」
「……ッ、箒、やっぱそうだよなァッ……!」
名を呼び合うだけで思考は連結した。
ちょっと鈴がムッとしているのもセシリアは捉えていたが、優しいので見なかったことにした。
(
(一人一殺の形に持ち込まなくては、私たちは何も出来ないまま殺されるッ!)
つまり──
「箒……0番で行くぞ!」
「バビュバビュガシャーンギュォォンだな!」
「もう全然意味わかんねえけどそれだッ!」
大幅なプラン変更。
箒が一気に加速し、鈴へと飛びかかる。当然受け止められる──が、既に背部展開装甲は花開いている。
「……ッ! へえ、あたしとタイマンするんだ。
「ゼロパーセントよりはマシだっ!」
思い切りの良さに、鈴は余裕の笑みを浮かべつつも、内心で舌を巻いた。
(あーあ。シャルロットとラウラ相手に快勝したし、もう少しその戦法に拘泥してくれたら嬉しかったんだけど……無理よね。勝ちに来てる一夏が、そんな判断するわけ無いか!)
なら、ここから先は。
「じゃあ思う存分相手になってあげるわ! ただ──セシリアが途中で来ても恨まないでよね?」
トーナメント会場は言い知れぬ緊張感に包まれていた。
箒と鈴の剣戟が鳴り響く。
されど注目を集めているのは、そこではなく。
相対する、
「……狙撃技術の伸び、すごいな、お前」
「今までとは世界が違って見えますわね……我ながら驚いています」
観客の誰もが、呼吸することすらはばかられた。
戦術の無力化を受けて、ついに始まった、二つの決闘。
タッグマッチにおける悪手──だが、極まった技巧は連携を打ち破ることがあると、誰もが知っている。
それを突破するには、あえて連携を諦める必要があることも、知っている。
だから彼の決断は決して愚策ではないのだ。
──相手がセシリア・オルコットでなければ。
「では……右肩」
「ッ」
動こうとして──明確に未来予測できた。
移動先に置かれている? スピードが間に合わない? 否。
結果──大きく右へ旋回しつつバレルロール。刀身が面になるよう振り回し、レーザーを弾く。
「あら。回避から防御に切り替えましたか。賢いですわね」
「……『イージス』を貫通してた女に、選びたくはなかったんだけどな」
避けられない。避ける余地がない。
もはや次元が違う。
セシリアは撃って当てているのでは、ない。
それは、完全に――織斑千冬や東雲令の理論だ。
認める。
認めるしかない。
今完全に、セシリア・オルコットは織斑一夏の遙か高みにいる!
(
一夏は胸の奥底から湧き上がる歓喜に、口元をつり上げた。
ならばここで、彼女を食らい養分として、己も飛翔しよう。
(俺がそうであるように! お前も成長してる──ああそうだ! ライバルとして、こんなに嬉しいことがあるかよッ!)
好敵手の成長を喜ばない理由など、どこにもない。
口元を歪めて、絶死のレーザー雨へと一夏はその身を投げ出した。
唯一の男性操縦者としてもの珍しく見てくる女たち。会うことも出来なくなった男友達。特別扱いという、両足につけられた重い鎖。
だが、今は、
今自分をクロスサイトに収めている女だけは──違う!
(ああ、お前と会えて良かった。お前こそが俺の──運命なんだ!)
彼女が高みへ至れば至るほど──それを食らえるという楽しみは増すのだ。
そして、それは、お互いに同じである。
(一つ一つの機動のキレ……状況判断能力……ええ。認めましょう。クラス代表決定戦の時と比べれば、わたくしも貴方も──もはや別人ですわね)
冷徹な瞳が、網膜に表示されるターゲットサイト越しに彼を見据える。
セシリア・オルコットの生涯の中で、女など競う相手として認めたことはなかった。階級意識が強いからこそ、セシリアの肩書きを聞いて、誰もがこびへつらってきた。女相手にへりくだる男。貴族の長女にして幼き当主相手に道を譲る女。どれもこれも不愉快極まりなかった。
だが、今は、
今自分の喉笛をかき切らんとしている男だけは──違う!
(ああ、やはり、貴方こそがわたくしの──運命そのもの!)
よく育ってくれた。
互いの進化を望み、互いの成長を喜び。
織斑一夏とセシリア・オルコットは、もはや運命共同体ですらあった。
(お前をぶっ倒してこそ俺は前に進めるッ!)
(貴方を打倒したとき、わたくしは更なる高みへ至れるッ!)
意識はこれ以上無く共有され、互いに認識していた。
タッグマッチトーナメント、その頂上決戦にて。
二人はもう──互いのことしか、見えていなかった。
(突然ファンサがなくなったな……)
法被を着て両手に団扇を持った東雲は、釈然としない様子でむくれていた。
誰がどう考えてもトチ狂ったとしか思えない外見だが、まあ『世界最強の再来』だし、可愛がってる弟子だし、これぐらい東雲さんならするかなと一組生徒らは受け入れている。
全員IQが5しかないのか? 早く起きろ。
(それにしても鈴ちゃんすごいなー、防御に関しては国家代表クラスあるんじゃない? セッシーの狙撃もあれモンドグロッソの射撃部門でいいとこいける気もするし。ふえぇ……黄金世代で肩身が狭いよぉ……)
は? 全然可愛くないんだが。
(どうせなら同期のサインとか今の内に集めておこうかな。どれくらいで売れるんだろう)
世界最強の再来は、愛弟子の決戦の最中──小銭稼ぎに向けてその頭脳を回転させ始めた。
セシリアは人格と環境に隙が無いのでどれだけ強くなっても正直違和感がない
次回
52.トーナメント決勝戦(後編)