虫喰いでないフレンズ   作:ヘキサノイック

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1999年、M県S市杜王町。

二匹のドブネズミがいた。

彼らは人間の手により『弓と矢』に射られスタンド使いとなっていた。

杜王町を訪れていた空条承太郎は、彼と同じスタンド使いである東方仗助を連れ彼らを対象に『狩り(ハンティング)』を行った。

スタンド使いのネズミが人間にどのような影響を与えるかわからなかったからだ。

そのため、当初は捕獲が目標だった。

しかし、ネズミ達の足取りを辿ると、駆除が必要であると判断されることになった。

1匹は無事に仕留められたが、もう1匹はスタンドと同時に手に入れた高い知能を駆使して二人を翻弄する。

だが、それを上回る仗助の策によりついにもう1匹も仕留められた。

二人を苦戦させたドブネズミは承太郎により耳の形状から『虫喰い』と名付けられていた。

一方で先に仕留められた方のドブネズミは、どのような名も付けられていない。

この物語は、後者の虫喰いと呼ばれていない方のドブネズミの物語である。


【挿絵表示】




ドブネズミは虫喰いでない

「ルームに搬入完了しました」

………………………………………

「精製サンドスター放出準備完了」

……………………………

「サンドスター放出開始まで5秒前」

……………………

「3」

……………

「2」

………

「1」

 

わたしは負けた

 

わたしは敵に負けた

 

わたしは自由だった

 

わたしはもっと自由に生きたかった

 

わたしは…わたしは…

 

「わたしは……?」

 

「アニマルガール化、成功しました」

「ついにアニマルガールを人類が…」

「いや、スタンド使いの方がまだ未解明だ」

「今回もサンドスターという存在を虫が食ったくらいの大きさの穴から覗き見ただけに過ぎん。アニマルガールの意図的な誕生は人類に利益と成り得るのかはこれから調べればよい…」

「アニマルガール・ドブネズミが目覚めました」

 

黒いヤツがわたしに撃ったものが命中し苦しんだ記憶が蘇る。

周りを見回すとわたしは威圧感のある鋼鉄とガラスの窓(なぜ知ってる?)に囲まれていることが確認できた。

狭いところは嫌いじゃないが自由がないところは嫌いだ。

再び自由を得るために壁をブチ抜いて此処から出ようとした。

 

「…しかし、なぜこれほどまでに危険な動物の死体しか残っていないのでしょうか?」

「オランウータンやボストンテリアのイヌやハヤブサがいたそうですがいずれも損傷が激しく保存が困難であったそうです。DNAを採取してあるのはこのうちボストンテリアのみで、そのほかは死体の在りかすら不明です」

「しょうがないだろ、スタンド使いの戦いは熾烈を極めるというからな。死体すら遺らないなんてのは人間対人間でもよくあるんじゃないか?」

「サンドスターに負けず劣らず謎だらけなスタンドについて調べるスピードワゴン財団が平和的に我々に協力しているのは奇跡のようなものだ。『セルリアン』の脅威に対抗できるのはアニマルガールとスタンド使いだけだから、あながち分からなくもないが。」

 

『セルリアン』?

脅威ということは『そいつ(セルリアン)』は敵なのか?

外に『そいつ』がいるのか?

尚更外に出たくなった。

『そいつ』を排除してわたしは自由を得る。

それが当面の目的だ。

まずは出口を作る!

 

『ラット』!

 

「おい!アニマルガールがスタンドを出してるぞ!壁を攻撃するつもりか?」

 

「なんだと!?そいつの攻撃には絶対に近づくな!触れただけでもヤバい!」

 

ガラス窓の向こうの奴らがなにやら騒いでるがわたしには関係ない。

ラットで弾を円く壁に撃ち込み穴を開けた。

壁は厚かったがわたしにはなんてことはない。

ラットに溶かせない物はないのだ。

壁の向こうは左右に渡る通路らしきところであったが本能の赴くまま反対側の壁も溶かし出口を作った。

実は通路のどちらに行っても奥へ奥へと進み出られなかったのだが、自由を求めるドブネズミには関係なかった。

壁という壁を溶かしつつも追っ手を撒くために関係のない壁も溶かして廻り、元から迷路のような研究所を迷宮へと作り替えた。

やがて建物外と隔てる壁を溶かし外に脱出した。

 

「ここで奴らを撒くための策を行使するとするか」

 

『ラット』!

 

ここでドブネズミはラットの砲身を起こす力だけで飛び上がり壁を超えてまんまと脱出した。

ドブネズミはさらに距離を稼ぐため走りだした。

物陰から自らを観察する者がいるとも知らずに…

 

to be continued…

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