虫喰いでないフレンズ   作:ヘキサノイック

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前回のあらすじ
アシストのため派遣されたというラッキーは気難しく接した果てにドブネズミを怒らせた。

するとドブネズミは野生開放してラッキーに襲いかかる。

アフリカゾウがなだめようと声をかけると怒りとともに野生開放が収まった。

ラッキーは野生開放時の戦闘データもとるつもりでいるがドブネズミは露知らず安全な寝床となる場所へ行くのだった。


やくそくのうた その①

ラッキーの案内で到着したのは、泥場だった。

雨水か湧水で土が緩くなっているのが若干掘り起こされかき混ぜられているところから、泥浴びをした者がいたのがわかった。

たしかに平坦で柔らかいが、こんなところでは静かに眠れそうにないとドブネズミには不満が募る。

 

ドブネズミ

(またアレをやらせようというわけか………

もうその魂胆には乗らんぞ………

挑発に屈しないように落ち着きを持とう………)

 

一方でアフリカゾウは「久しぶりに泥を浴びたいけどこの身体には必要ないんだよね」と独り言のようなことを漏らしていた。

そんな気持ちを想像して募っていた不満を忘れかけていたときに、ドブネズミへと一人のフレンズが一気に駆け寄ってきた。

狩りのターゲットとされたのは、ドブネズミだった。

 

「シャァーーーーーッ!!」

 

ドブネズミは足音を聞き取るも反応が間に合わず一瞬のうちにがっしりと抱えられ倒された。

気がついたときにはうつ伏せにされていて、背中に重しが乗ったように起き上がれない。

しかも両腕が纏められていて、力任せに解こうにも緩みもしなかった。

 

アフリカゾウ

「だ、誰なの!?急にドブネズミちゃんを捕まえたりして、何があったの!?」

 

ドブネズミ

「痛ってえな………何の用だ?お前は風下から襲ってきたからよほど警戒してるようだが」

 

イエネコ

「とぼけないで。あんたは多くのフレンズを困らせ、傷つけた。そんなことは許されない。私が、あんたを狩る」

 

ネコ目ネコ科ネコ属

イエネコ

Cat

 

ドブネズミ

「だってよ、アフリカゾウ。こいつを知ってるか?」

 

アフリカゾウ

「うん。イエネコちゃん、この子は、そんなことしてないよ!何があったか話を聞かせて?」

 

イエネコ

「あんた達は知らないの?

放送で言ってたの聞いてないの?

『危険なヤツが出たから安全な所に逃げろ』って

ここらでウミネコが見かけたって言ってて、駆けつけたらあんた達がいたってわけ」

 

アフリカゾウ

「そんなことが…

ごめん、聞こえてなかったみたい」

 

イエネコ

「アフリカゾウが聴き取れないなんて珍しいわね」

 

アフリカゾウ

「たぶん、飛んでたからじゃあないかな〜〜〜って…

あの山の上の方から降りるときに聴きそびれたのかもしれないね」

 

イエネコ

「飛んでた?鳥のフレンズに運んでもらってたの?まあいいわ」

 

ドブネズミ

「ちょっといい?ウミネコ?ってなんだそいつは」

 

イエネコ

「とぼけるのも作戦のうちってわけね。そんなの信用されると思ってるの?」

 

アフリカゾウ

「うーん、ちょっと疑い過ぎじゃないの?」

 

ドブネズミ

「一応は教えてくれないか?知らないんだよ、そのフレンズのことは」

 

イエネコ

「話を逸らさないで」

 

アフリカゾウ

「イエネコちゃん、このドブネズミちゃんは私とずっと一緒にいるはずだから、そっちの勘違いだと思うよ。本当はもう一人のドブネズミのフレンズがいて暴れてるんだって。こっちのドブネズミちゃんがいってたことだけど。とにかくこっちのドブネズミちゃんを傷つけるのはやめてよ」

 

イエネコ

「………そう。あんなやつに、そんなことを言ってもらえるようなフレンズがいるわけない。誤解してたみたい。悪かったわね。そもそも私がアフリカゾウに勝てるわけないもの。もう一人のドブネズミってところがわからないけど」

 

アフリカゾウ

「へへへ……」

 

イエネコはドブネズミを離し胸の前で手を組んだ。

ドブネズミは起き上がると五歩ほど離れてアフリカゾウのもとへ戻った。

 

ドブネズミ

「喜んでいいのかよくないのか……。えーと、お前はなんていうんだっけ」

 

イエネコ

「イエネコよ。あんたはドブネズミなの?」

 

ドブネズミ

「ああ。勘違いするほど似てるやつがいたというのに、まるでそいつの名前は違うみたいだな?名乗ってた名前とかでも知ってるのか?」

 

イエネコ

「ええ。ドブネズミとは言っていなかった。そいつは『虫喰い』と名乗った。私はやつと戦って、逃げられたわ。でも、おしゃべりなやつだった。色々な話をしてきた」

 

ドブネズミ

「『虫喰い』…………!」

 

アフリカゾウ

「『虫喰い』?」

 

ドブネズミ

「それがずっと存在を感じていたアイツの名前ってわけか…」

 

イエネコ

「なんですって?感じてた?」

 

ドブネズミ

「なんだかな、自分に似たヤツがいるってことを感じ…グゥッ!?」

 

アフリカゾウ「!?」

 

 

 

ののののののののののののののののの

 

 

 

???

「サあ、4番目ノ候補ハドンナ事ガ出来ルノか?

信頼ニ価スル個体デアルカ見セテ貰オウか…

見ル限リデハ行動ニ制限ヲ掛ケル事ノヨウダが…

コレモ狙イ通リト見テ間違イハ無イニシテも、変化スル可能性ヲ否定出来無イトイウノガ腹立タシい…

コノママ何モ起キナイダロウガ、見守ッテオコウ…ウム?コレは…」

 

 

 

ののののののののののののののののの

 

 

 

イエネコ

「そうだった…話なんかしてられない………あんたを…あんたを…『殴らなきゃ』…」

 

ドブネズミ

「な、なんなんだ!?突然殴らなきゃって、どうしたんだ!?」

 

イエネコ

「『やくそく』したの…やくそくは絶対…」

 

アフリカゾウ

「やめてよ!ドブネズミちゃんは違うって言ってるのに!」

 

突如ドブネズミを殴り飛ばしたイエネコは再度ドブネズミに一撃を見舞おうと近づく。

しかし、アフリカゾウは羽交い締めにしてイエネコを抑える。

するとイエネコは叫んだ。

ただ、それは単に拘束を解いてほしいというだけの叫びではないようだった。

 

イエネコ

「──────────!!!」

 

ドブネズミ

「な、なんなんだ?様子がおかしいぞッ

イエネコはッ……他に激しい苦痛を受けているんじゃあないか?そうでもないとこんなッ…こんな耳を劈くような声は出さない」

 

アフリカゾウ

「イエネコちゃん………どうしようッ………うわあッ」

 

ドブネズミ

「アフリカゾウ、イエネコを解放していいッ。いや今すぐしてくれ!イエネコはわたしがなんとかするからだ!」

 

アフリカゾウ

「え…?う、うん……」

 

ドブネズミ

「さあ、そのやくそくとやらについて聞かせてもらおうか!イエネコ!」

 

イエネコ

「うん………でも、『やくそく』を………守らなくちゃ……あああッ」

 

ドブネズミ

「うぐぁッ!カハッ……ま、先ずは一つ質問するぞ!お前のその首輪、どこで着けたんだ?わたしはそれに何かあるとにらんでるんだが」

 

アフリカゾウ

「首輪って…まさか…前は着けてなかったからどうしたのって聞こうとは思ってたけど…『やくそく』の方は聞かなくていいの?」

 

ドブネズミ

「そっちよりも大事な気がするんだよ。ハブの頭に取り付いたやつがいただろ?またそんな感じの敵なんじゃあないかって思ったんだよ」

 

アフリカゾウ

「ああいたね」

 

イエネコ

「かっ……く、首輪というと……おととい、寝てる時に変なセルリアンが来てて追い払ったらここらへん(首)に何かあるような感じがしたのはわかるけど……その……」

 

ドブネズミ

「なるほど、やっぱりスタンド攻撃だ!何らかの条件で攻撃している敵のスタンドは遠くにいるはずだ!こういう敵は探し出して倒さないと根本的に解決しない!アフリカゾウ、お前はそのどこにいるかわからない敵を探し出してくれ!でないと私が保たないしな!イエネコ、正直に言ってくれて助かった!助けてやるぞ!あぐぁっ」

 

ドブネズミはしっかりと攻撃を喰らいながらも、なんとか話をしている。

 

アフリカゾウ

「あのさ……その変なセルリアンってどんな感じの見た目だったかわかる?イエネコちゃん」

 

イエネコ

「ごめんなさい……あのときはすぐ見えなくなって姿を確認できなかったからわからないわ……あ、全体的に赤かったかな」

 

ドブネズミ

「…そうか。いや、気にしないでいいみたいだぞ!首輪は敵から出てきたものだろうからデザインくらいは似てるはずだ。つまりその首輪に似た部分をもつセルリアンを見つければ、そいつがその首輪の敵だ!アフリカゾウはラッキーを連れて行け!こちらを邪魔されちゃあ困るしそっちには必要だろうからな!ぶげっ」

 

アフリカゾウ

「ドブネズミちゃん!」

 

ドブネズミ

「いいから行くんだ!わたしはなるべく喰らわないようにする!」

 

イエネコ

「うあ……ああ…ごめんなさい……」

 

ドブネズミ

「大丈夫だよ。わたしも、お前もな。おっと」

 

イエネコ

「はあッ………はあッ…」

 

ドブネズミ

「やっぱし、攻撃することさえ妨害しなければイエネコは大丈夫らしいな。回避出来ればわたしは傷つけられないしイエネコも他人を傷つけずに済む!わたしのことは大丈夫だ!敵本体を探してくれ、アフリカゾウ!」

 

アフリカゾウ

「う…わかったよ。あの首輪の返しみたいな部分を持ってる赤っぽいのセルリアンを探せばいいんだね!待っててよ、自分のことも守っててね!ラッキー、一緒に行くよ!」

 

アフリカゾウが駆け足でその場を離れる。

ラッキーが抱えられて遠ざかってゆく光景を穏やかな目で眺めた後、真剣な目になってイエネコと向き合った。

 

ドブネズミ

「……行ったか。さて、あとはこちらが耐えるだけだな。かかってきな!」

 

イエネコ

「う…みゃあああッ……」

 

 

ののののののののののののののののの

 

 

アフリカゾウはセルリアンが居そうなところを探して駆け回る。

近くにいたフレンズを見逃していたことにも気づかないで………

 

アフリカゾウ

「ハッ…ハッ…どこにいるのかな?あんな変なヤツはっ……見つかるといいけどッ……赤いヤツなんて、そんなに珍しくないから探せるかどうか……」

 

???

「あれは………アフリカゾウ?あんなに急いでどうしたんだろう?」

 

ラッキー

(これではマズいね…でも成り行きに身を任せるのも悪くないかな)

 

←To Be Continued…

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