虫喰いでないフレンズ   作:ヘキサノイック

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やくそくのうた その②

 

ドブネズミは逃げながらイエネコと話し『虫喰い』の情報を得ようとしていた。

杜王町での彼(若しくは彼女)のことはよく知っているが、フレンズとしての体を手に入れてから何があったか知らない点があっては今後不利になる可能性は大いにある。

イエネコは最近まで追跡していたというのだから何か情報を持っているだろうと考えているところに、丁度よくイエネコの方から話しかけてきた。

 

イエネコ

「あなた……何故私を助けようとしてるのッ…」

 

ドブネズミ

「フッ!何故お前を助けるのか?それはお前がこうしてちゃあちっとも『虫喰い』にたどり着かないからだよ!邪魔するやつは許さないタチなんでね」

 

イエネコ

「そう…なら、早く首輪とかってのを取ってね。首を掻いても何もないみたいで変なの。ハッ!」

 

ドブネズミ

「それを早く言ってくれると良かったんだけどな!それは今からどうするか考える!

トウッ!おい、腕に余計に力込めんなよ!こんなところで無駄に力使うことはない!その『やくそく』とやらがどうなっているのか詳しくはわからないが、疲れて動けなくなっても殴りに行かなければ破ったということにされてもおかしくないからな」

 

イエネコ

「あ……ついつい楽しくなってきちゃったわ。狩りごっこしてるみたいで」

 

ドブネズミ

「楽しくなってきただあ!?……いやまて、楽しむのも悪くないか」

 

イエネコ

「そうね。あなたもちょっと楽しくなってきてない?セイッ…あ」

 

ドブネズミ

「へぐっ……そうか?なら孤島侵略型外来生物コンビ結成といくか?」

 

イエネコ

「なんかその呼び方は嫌ね。仲良くケンカしなコンビはどう?」

 

ドブネズミ

「それもそれでどうかと思うが……あとでいいや。コッチ(首輪)の方はどうするか早いとこ決めないとな」

 

イエネコ

「そっちは、もう解決したようなものじゃあないの?ずっとこうしてればアフリカゾウがどうにかしてくれるわ」

 

ドブネズミ

「いや、先に外せばアフリカゾウが敵を倒さなくても二人とも自由になれるんだぞ?本当にずっとこうしているつもりか?」

 

イエネコ

「そ、それはそうだったわ」

 

ドブネズミ

「一つもどうにかする方法がないわけじゃあないんだ。だが、これはかなり運頼みになるんだ」

 

イエネコ

「運頼み?どこを運に頼むの?せいやっ」

 

ドブネズミ

「うぉっ…『ラット』の当たり方だ。わたしのスタンド『ラット』は、スタンドだろうと溶かす毒を発射する。輪に触れないということはつまりそれはスタンドだが外さなきゃあ当たる。至近距離で撃てば外すことはまずないだろうが、真っすぐ当てようとするとお前の首ごと溶かしちまうかもしれない。威力の調節がほとんどできないからな。だから角度をつけてちょっとだけ丁度よく当たれば首輪だけ溶かせるかもって考えたんだ。練習出来ればいいんだが」

 

イエネコ

「そうね…どうしようかしらね」

 

 

 

 

 

ののののののののののののののののの

 

 

 

 

 

その頃、アフリカゾウが走り回ってセルリアンと思われる敵を探しているところをフレンズが見て呼び止めてきた。

 

???

「おーい!どうしたのー!」

 

アフリカゾウ

「はっ…はっ…」

 

???

「アフリカゾウ!おーい!聞こえてるー?」

 

アフリカゾウ

「んんん?なんか誰か呼んでるような声が聞こえるような…誰〜?」

 

???

「気づいてくれた!おーい」

 

アフリカゾウ

「あれ??誰もいない?おかしいな、確かに聞こえたのに…」

 

???

「え?そんな……ここにいるよ!ここだよ!」

 

アフリカゾウ

「ど、どこなのさ!誰もいないよ!」

 

???

「いるってば!ここにいるんだよ!」

 

アフリカゾウ

「じゃあ、見えない誰かがそっちにいるってことなのかな?」

 

???

「そこにじっとしてて!今そっちにいくから!」

 

アフリカゾウ

「わかったよ、『コノハガエルちゃん』」

 

ミツヅノコノハガエル

「もーっ、なんだぁわかってるじゃん!」

 

無尾目(カエル目)

コノハガエル科

コノハガエル属

ミツヅノコノハガエル

Long-nosed horned frog

Megophrys nasuta

 

 

アフリカゾウ

「ごめんごめん、カエルの子はいっぱいいるから間違えちゃうかもって思ったんだ」

 

ミツヅノコノハガエル

「あたしは他の子の名前で呼んでくれても怒んないよ。でも、ありがと」

 

アフリカゾウ

「うん…フフ……そういえば、コノハガエルちゃんはなんでここに?」

 

ミツヅノコノハガエル

「あ、それはね。

イエネコが『ヤバいフレンズがいるからとっちめる仲間が欲しい』みたいなことを言ってたんだ。

だけど、最初はあの子が『ヤバいからとっちめる』なんて言い出すのは変じゃないの?って思ったのさ。

でもあの子があんなに深刻そうな顔してるのは見たこと無かったから詳しく話を聞かせてもらったんだ。

そしたら、たしかに『ヤバい』みたいだね。もしかしたらセルリアンよりおっかないかも……。結構怖くなったけど、それより今困ってる子のことを助けたいなってなった…ってわけ。実は困らせてる方が一番困ってるなんてこともあるし…」

 

アフリカゾウ

「そ、そうなの。じゃあ『虫喰い』って子は知ってる?多分その子が『ヤバい』って言われてるフレンズなんだけど…」

 

ミツヅノコノハガエル

「へー、『虫喰い』?するとぉ、あたしと同じカエルの子なのかなぁ?てか、なんで遠くまで歩き周ってたっていうアフリカゾウが最近のここらへんのこと知ってるの!?」

 

アフリカゾウ

「ああ、それはね。

ちょうどさっき、その『虫喰い』を追ってるっていうイエネコちゃんから聞いたんだ。

でも、突然セルリアンの技みたいなもので苦しみだしたんだ。それから助けるために、そのセルリアンを探してるところなの。

そのセルリアンには丸まった針みたいな返しが付いてる四足歩行らしいんだけど、見てない?」

 

ミツヅノコノハガエル

「なに、今度はイエネコが苦しんでるって?大丈夫なのかなぁ?」

 

アフリカゾウ

「イエネコちゃんのことは、ドブネズミちゃんに任せてる。ちょっと心配だけどね。今探してるのはこうなってるところがあるセルリアンなんだけど見た?」

 

ミツヅノコノハガエル

「ドブネズミ?その子はどんな子なのかな?ネズミっていうならアカネズミとかと似てる感じかな?」

 

アフリカゾウ

「思ってるより似てないと思うよ。」

 

ミツヅノコノハガエル

「そ〜う。セルリアンの方は見てないなぁ。セルリアンはいつもやり過ごしちゃうから見過ごしてるかもしれないんだよ。でも取り敢えずは、これからはセルリアンをしっかりと『観る』ことにするよ」

 

アフリカゾウ

「うん、ありがとうね。じゃあ、私はこっちを探してみる……いやちょっと待って。一つだけ聞きたいことがある」

 

ミツヅノコノハガエル

「なんだぁ?」

 

アフリカゾウ

「たしかにコノハガエルちゃんは隠れるのが上手いよ。でも、ここまで全くみえないどころか周りまでどこかおかしくなったりしないはずなの。今はそう思わない?思わないって言うならいいんだけど」

 

ミツヅノコノハガエル

「ふぅ〜〜〜む……そもそもさ、今もさっきも『全くあたしからは隠れようとしてない』んだよね〜。

今も見えてないのに話しはできてるみたいだし………

不思議だよね〜」

 

アフリカゾウ

「なん………だって?」

 

ミツヅノコノハガエル

「え?」

 

アフリカゾウ

「いや、あ、ありがとう!じゃあ、ね。」

 

ミツヅノコノハガエル

「うん、またね」

 

アフリカゾウはミツヅノコノハガエルの声だけを頼りにして会話してきたが、『姿が見えないことはコノハガエルには関係ない』という明かされた事実に恐怖を覚えた。

この得体のしれない現象が何者かによる攻撃であるという可能性が頭をよぎったからだ。

そのとき何を考えたかを悟られないようにすぐその場を離れようとしたが、ミツヅノコノハガエルの目にも明らかに動揺していた。

だが、コノハガエルは大したことではないと判断して触れないことにしたためアフリカゾウが説明に追われることは無かった。

そして最終的には、コノハガエルと再会する前とそう変わらぬ早足に戻ったアフリカゾウは先を急いでゆくのだった。

 

 

 

 

 

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一方でイエネコとドブネズミは、時折パンチする側とされる側になりながらも安全に首輪を外す方法を試行錯誤していた。

『ラット』の形状を利用して上手く引っ掛けて外そうと近寄るとモロにパンチを喰らい吹き飛ばされたり、離れていれば良いかと思えば首輪の攻撃が始まり近づかざるを得ないことが判明したり、少し引っかかったと思ったらイエネコが首輪ごと引っ張られてきつく締まるだけと失敗が重なり二人共徐々に疲弊していった。

 

ドブネズミ

「いろいろ試したけど、どれも効果がないなんてな……

やっぱり『ラット』で溶かすしかないのか……」

 

イエネコ

「いえ、まだまだ方法はあるはずだわ。ここで諦めるなんてのは有り得ない。チャンスを掴み取るまで、探っていきましょう」

 

ドブネズミ

「ああ、そうだな。すまない。いろいろストイックなんだな」

 

イエネコ

「こんな状況、誰だって嫌でしょう。早く『虫喰い』にたどり着きたいって思ってるんじゃあなかったの?」

 

ドブネズミ

「そのつもりだが、疲れてるだろ。あんたもさ。そのガッツはどこから来てるのか気になったんだ」

 

イエネコ

「ガッツ、ねぇ……。そんなこと考えたことも無かったわ。すぐ答えが出ると期待しないでくれるなら答えてあげる」

 

ドブネズミ

「へ、そうかい。ならいいや。ちゃっちゃと外してやらんとな」

 

「外すゥ?なんて知能の低い解除方法だろうかァ!おめーの能力で溶かせば一発なのによーお?」

 

イエネコ

「その声は…まさか、『虫喰い』!?なぜここに!?ボスの放送の情報では今たしか砂漠のエリアにいるはずだったのに…嘘だったというのッ!?」

 

ドブネズミ

「なんだと!?ヤツが近くにいるというのかッ!?テメーッ姿を見せろ!!」

 

「おっと、勘違いしてるようだな、人家の邪魔者さんたち。この虫喰いの声がするところをよく見な!何が見えるね?」

 

ドブネズミ

「何ィ!?これはッ」

 

「そう、スピーカーのセルリアンだ!スピーカーが声を発するものだってことは説明するまでもなくわかってるだろーがな。こいつはスピーカー部分だけ地表に見えてて本体は地中に埋まっている!地中の移動はこいつにはお手の物さ!つまりィ?おめーさんたちは今からコイツの餌食になるんだァァァ

まあ、スピーカーの部分をじっくりと見てりゃあ近づいて来るのがわかるかもなああひゃひゃひゃひゃひゃ…ゲホゲホォ」

 

イエネコ

「くっ、厄介なことしてくれやがったわ『虫喰い』は」

 

ドブネズミ

「もうアイツの言う通り首輪を溶かすしかない!イエネコォ、じっとしてろよ」

 

イエネコ

「今この状況で何言ってんの!セルリアンがいるすぐそこから来てるってのにさ」

 

ドブネズミ

「いいから待ってろ!作戦があるんだよ!飛びきりの作戦が!」

 

イエネコ

「どういう意味よそれは!」

 

ドブネズミ

「来たッ!今だ!思いきりジャンプするぞ!」

 

イエネコ

「えッ!?」

 

そう言ったドブネズミは作戦とやらを理解できていないままのイエネコとともに宙を舞った。

余りにも勢い良くセルリアンが足下から盛り上がり出てきたのでジャンプする必要があったのかわからないほどのスピードで飛ばされている。

 

ドブネズミ

「これで『飛びきり』の作戦は成功だ!これで『ラット』を安全に撃てる!地上は射程距離外になるから地上に弾丸は届かないし、二人ともほとんど同じ速さで飛ばされたから離されることもない!」

 

イエネコ

「たしかに飛びきりだったわね…。ど、どうして敵が足下からくるってわかったの……?」

 

ドブネズミ

「ヤツの作戦はわたしには全部お見通しなんだよ。

スピーカーの真下から突き上げてくると思わせて直接わたしたちの足下を狙ってくると読んでたんだ。

言ってただろ?スピーカーの部分だけ見えてるとか。

あれは多分、別々のセルリアンが動いていたんだ。

罠に他人を嵌めるのが巧いアイツの策は見切っていかなきゃあわたしまではめられてたかもしれないことがあったし、多分知らない内にはめられてることもかなりあると思う。

それくらいアイツは狡猾だ。

いくら突拍子もない奇襲をかけようがスタンド能力を利用して幾らでも罠が作れるだろう。

それくらい危険なやつなんだ。わかってくれるか?」

 

イエネコ

「………」

 

ドブネズミ

「だからその、いきなりだが、任せてくれないか?『虫喰い』の件。手を引けというわけじゃないけど、わたしの方が効果的にアイツに対処できると思うんだ」

 

イエネコ

「………くっ」

 

ドブネズミ

「どうした?」

 

イエネコ

「………ぁ…ァがッ」

 

ドブネズミ

「マズい、殴ってこないなんて!苦しいのか?仕方ない、この状態で首輪をすぐ溶かして取るぞ!」

 

イエネコはこの殴りにいくのを忘れるほどにドブネズミとの話に夢中だった。

それによって空中を落ち始めていることに気がつかなかった。

 

ドブネズミ

「うおおおおおおお!

上空へ高く放り出されたのに着地のことはなんにも考えてねえのを思い出したアアアア〜〜〜〜ッ!」

 

アネハヅル

「よっと!さっきぶり!大変そうだけど、何があったの?」

 

ドブネズミ

「助かった…山の上で会った二人か。イっ、イエネコは!?」

 

インドガン

「なんとか掴めた。この通りよ」

 

インドガンは抱えているイエネコを見せてきた。

そのとき既にイエネコは気絶していて呼んでも返事をしなかった。

その眠ったような表情で項垂れている様子に渡り鳥の二人は青ざめるが、ドブネズミが経緯を説明して落ち着かせた。

 

アネハヅル

「あ…あ…い、イエネコは大丈夫なのかい?」

 

インドガン

「どう見ても普通じゃあないッ!これが大丈夫だって!?」

 

ドブネズミ

「大丈夫さ。二人が協力してくれたらな。イエネコの首にはセルリアンが取り付けた輪っかが取り付いている。これを取れる方法が、イエネコの意識が無くて空中にいる今なら実行できるんだ!頼み事ばかりで申し訳無いが、協力してほしい。頼まれてくれるか?」

 

アネハヅル

「ふっ、やるしかないね!」

 

インドガン

「あたしたちが何とかするしかないならそうするさ!」

 

ドブネズミ

「ありがとう……本当に…すまん、じゃあ作戦をいうからきいてくれ」

 

 

 

 

 

のののののののののののののののののの

 

 

 

 

 

アフリカゾウ

「コノハガエルちゃんは何ともなさそうでよかった…イエネコちゃんのためにも、早くセルリアンを見つけて倒さないとっ」

 

「ほほう、セルリアンをお探しとは変わってるねェ〜〜〜!この虫喰いが用意して差し上げようかァ?ま、お前を食わせるためだがね!!」

 

アフリカゾウ

「虫喰いッ!?」

 

←To Be Continued…

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