虫喰いでないフレンズ   作:ヘキサノイック

32 / 35
はじめて♀→♀描写した………


強い魂の持ち主 その②

 

セイウチ

「めんどくさいですわ」

 

アフリカゾウ

「そ、そうなんだ………じゃあね………」

 

ドブネズミ

「……………」

 

イエネコ

「あ、あれ?そんなんでいいの?」

 

 一行は岩の上に寝そべるセイウチを発見した。

 しかし、あっさりとイエネコが追っていた事件への関与を否定し逃げるように海に入っていった。

 不運にもセイウチの機嫌はすこぶる悪いらしく、無理やりにでも虫喰いの元へ連れて行くのは良くないと判断したアフリカゾウによりその場を離れることになった。

 

 ドブネズミは、状況に振り回されることに怒りを覚えつつ抑えて次にとるべき行動は何か考え、座り込む。

 

イエネコ

「なによ、座り込んじゃって!あんたまで動かないなんて、失望したわ!わたしはそこらへんのセルリアンまとめてブッ倒してくる!!」

 

アフリカゾウ

「イエネコちゃん!?戻ってきて、イエネコちゃん!」

 

ドブネズミ

「アフリカゾウ、イエネコは止めなくていい。わたし達は本来ならイエネコが向かった方へ進めばいいだけなんだ。でもな、目の前のこれもまた、問題なんだ。

 わたしはセイウチとの問題が先決と思うんだが………アフリカゾウはどうしたらいいと思う?」

 

アフリカゾウ

「セイウチちゃんの機嫌良くないみたいだから、無理にでもあってもらうのは難しそうだね………。

 あ、そもそもイエネコちゃんが知ってるのはどのくらい確かなことなんだろ?」

 

ドブネズミ

「それもそうか。考えてみれば、それを明らかにするべきだったか。

 イエネコがわたしたちに話したのは『放送で言ってた』とかだったな?

 その放送ってマイがわたしを研究所に呼んでたアレのことしか無いよな。

 何か他のがあればお前がすでにそれを言い出して来てるもんだと思うが」

 

アフリカゾウ

「うん。私も放送って言えばそれしか知らないね。方法はラッキーが大声で叫ぶだけだから、本当に空高く遠いところにいた私たちには聞こえてなくてもおかしくないんじゃあない?」

 

ドブネズミ

「………それなんだよ。アフリカゾウ、お前の『耳の良さ』、音を聞く力は相当なものなんだろう。見えないくらい遠くの雨雲でもその下で雨が降ってるか聞こえてるんだから」

 

アフリカゾウ

「うん。地面から聞こえてるんだ」

 

ドブネズミ

「そうだろ?イエネコの話では地面に足を着いてなかった時だったとはいえ、ラッキーの声はみんな同じだしあんだけデカい声で、それらしき音や声すらも聞こえないなんて、流石におかしくないか?」

 

アフリカゾウ

「うん、まあ、それもイエネコちゃん捕まえて話さないとね。

 あ、今も遠くの声が聞こえてるよ。

これは『助けて~』って…!?

セイウチちゃんの声だ!」

 

ドブネズミ

「何?セイウチだと?どっちから聞こえる?」

 

 あっちといってアフリカゾウが指差したのは水平線の向こうだった。遠すぎて何があるのか二人には見えない。それでも助けを求める声を聞かなかったことには出来なかった。

 

ドブネズミ

「くそ、敵は海の中だと?『ラット』が使い物にならなくなるじゃあねーか!せめて海上に安全に行ける手段があればどうにか行けるんだがなぁ」

 

 すると、ドブネズミの呟きを聞いていた神が助け船を出したかのように、文字通りの『助け船』が現れた。

 それは小型クルーザーのようで、十人程度まで乗れそうなくらいのこじんまりとした船だった。

 運転席には一人の人影があるものの、前からでは顔がわからないようにうまく隠れている。

 見るからに怪しい船はすべて聞いていたかのごとく二人の近くに止まり、乗るのを促すかのように岸まで橋を架けた。

 アフリカゾウは着岸するまでを見てすっかりその船を信じきって乗りに行った。

 

ドブネズミ

「お、おい!アフリカゾウ、なんで何も言わず近づいてきた船に乗ろうとする!そいつは何かヤバい気がするんだッ!」

 

アフリカゾウ

「行かせてよ!助けを求めるセイウチちゃんの声は間違いなく本物だよ!きっと危険なセルリアンに襲われてるんだ!

 ドブネズミちゃんが乗らないなら、私一人でもいくからね!」

 

ドブネズミ

「な、んだと………」

 

アフリカゾウ

「ねえー!そこの船のひとー!乗せてー!」

 

ドブネズミ

「ぐ………もしもセイウチが本物のセルリアンに『遭って』いたらわたしは………でも、その声自体の真偽がわからない………今どきのセルリアンは多様な特殊能力を持っているというのにこれがわたし達を陥れる罠ではないと言い切れるのか……お前もそれに出会ったことが何度もあるだろーに………」

 

 悩むドブネズミを後目に、アフリカゾウは独りでにさっさと行ってしまった。

 考えを一旦アフリカゾウに伝えようと視線を上げて海の方を見たときには、既に声も届かないくらい遠くに船の後ろ姿があった。

 

 アフリカゾウは航行の途中、操縦席に座る人影へ話しかけてみたが何も返答が無く、『この人もそういう気分じゃないんだね』と思ったのでセイウチを助けることだけを考えていた。

 クルーザーは沖へ出るとしばらくして停止した。

 

 アフリカゾウ

「あれ、セイウチちゃんの声が聞こえない?こんなに遠くまで来たのに?

 あのー!お願いがあるのー!ここでやっぱり止まらないで欲しいんだけどー!」

 

 アフリカゾウは、操縦席の方へ声を届けようとして、操縦士に近づくため足を前へ出す。

 すると、床面が衝突してきた。

 

アフリカゾウ

「なッ……!?この、くらいは受け身取れるから大丈夫、じゃあない?」

 

 とっさにマフラーで顔面より先に受け身をとり転倒を防いだかのように思われたが、右足首の違和感により予想外の理由がこの状況を招いていたことに気づく。

 

アフリカゾウ

「これは……ヒモ、っていうかワイヤーみたいなのが絡んでる……どうして…?」

 

 アフリカゾウは今まで様々な困難や危機を自らの膂力で乗り越えてきた。

 それにならい、今回もひとまずはワイヤーを引きちぎってから、なぜそれに気がつかなかったのか考えることにした。

 そのためにワイヤーを引っ張ろうと、左手を伸ばす。

 だが手は足下に伸びることはなく、突然『ピンと張った細い何か』が腕を引き止めてきた。

 『ワイヤー』を張っている先を辿って視線を動かすと、立っているときの頭上より高いところから延びていることがわかった。

 この船に乗ったときは少なからず焦っていたことは除いても、そんなものが始めからあったようには見えなかったにもかかわらずに 。

 不可思議な現象に混乱しつつ周りを見渡せば、そこは既に乗ってきた小型のクルーザーではなく広い床のある巨大な船であった。

 そして気づかぬうちに両手両足(とマフラー)に結びついたワイヤーはアフリカゾウを持ち上げる。

 股の高さがいつもの顔くらいの高さになったところで止まり、人影が見物に来たかのようにして現れた。

 

 アフリカゾウ

「あ、な、、なんだろうこれ………どこだろう、ここは………?」

 

???

「ここは私の手のひらの上も同然の場所………ようこそ『ストレングス号』へ。

私が船長を勤めるオランウータンのフレンズ、『フォーエバー』!まあ、この場では船長って呼んでくれていいわ」

 

アフリカゾウ

「オランウータン?ようこそ…?いったいぜんたい、なにがどうなってるのか………」

 

オランウータン

「ぐふふ、アフリカゾウ?貴女は今捕らえられているのよ。こんなことをするのはちょっと心苦しいけれど、私に協力してくれるなら自由にしてあげる」

 

アフリカゾウ

「そ、そうだ!セイウチちゃん!セイウチちゃん知らない?どこか海の方で助けを求めてたの。あんなに面倒くさがり屋さんなのに頑張ってるあの子を、見て見ぬ振りするまねは出来ない!」

 

オランウータン

「ああ?私ぁね、今質問してんのよあなたに。無視するとどうなるか、思い知らせてやろうかぁ」

 

 オランウータンはそう言って懐からパイプを取り出し慣れた手つきで火を着ける。

 火が着いたタイミングで、アフリカゾウは身体の表面を探る冷たくて細長い何かが服の下に入り込んだのを感じた。

 

アフリカゾウ

「ひゃっっ!?ごめん無視したつもりじゃ…」

 

オランウータン

「お、入ったねえ。

 これからお楽しみが始まるのよぉ、ぐふふ、フォッホ!」

 

 アフリカゾウの半ズボンの表面、チャックがある部分に顔を近づけ鼻を押し付けられる。

 

 アフリカゾウ

「あの、、ちょっと、なにしてるの……?ここのニオイを嗅ぎたいっていうの?」

 

 オランウータン

「あなたは知らなくていい………こんなことを知ってなんになると?まさか、あんたも同じことしたいっていうの?」

 

 アフリカゾウ

「え………それは、嫌だな……」

 

 オランウータン

「ふん、意外と、あんまり面白くないわ。口も利けなくなるくらいドン引かせて怯えさせるつもりだったけど、流石に陸上最大は肝が据わってるようね。『他』のがマシだったわ」

 

 アフリカゾウ

「他……?ほかって、ひょっとして…」

 

オランウータン

「お、気づいちゃった?ニオイも声も消してるけどカンがいいわねぇ」

 

 アフリカゾウの脳裏には想像を絶する屈辱を受けさせられるセイウチの姿が過った。

 これまでも友人の危機には敏感になり無鉄砲に行動してきたものだが、明らかな映像として危険を認識したアフリカゾウは、もうそれを排除するまでは敵を執拗に攻撃する復讐者と化した。

 

アフリカゾウ

「お、オオオオオオオオオ!パオオオッ!!」

 

オランウータン

「く、やり過ぎたか?だがもう遅いわ!既に手のひらの上にいると言ったのを忘れてるの?」

 

アフリカゾウ

「あ、アアアア『アフリカ』アアッ!!」

 

オランウータン

「ほ!スタンドが姿を現した。でもね、例えどんなに力が強くたってこんなのはどうってことないわ!」

 

 人の形をした岩盤のスタンド、アフリカが出現しオランウータンの頸もとに迫り来る。

 しかしやはり、アフリカの腕は頸を捕らえることなくして見えない糸に引かれたように急停止した。

 オランウータンはアフリカゾウがスタンドを出したと同時に背後に飛び退いて距離をとったためだった。

 それを見てなお暴れているアフリカゾウを見たオランウータンは、計画の都合上やり方を変更せざるを得なくなってしまう。

 

オランウータン

「クッ、クライアントの依頼は『アフリカゾウとドブネズミをなるべく傷つけずに捕らえること』だから、不本意だが強く固定するしかないか。

 でもスタンド自体の射程距離はあまりないようね。

 せいぜい1、2メートルってところ?」

 

 オランウータンはアフリカゾウのスタンド能力を分析しながらその場から立ち去って行く。

 その後ろ姿を見て、アフリカゾウは密かに進めていた反撃の準備を実行に移した。

 

オランウータン

「ウキャ!?」

 

 振り返ってみると、アフリカゾウの攻撃の正体を目撃した。

 アフリカゾウの胸元がはだけて手が丸ごと入りそうな狭間が見え、拘束していたはずのマフラーがいつのまにか自由になっている。

 そして甘い匂いが自分の頭の後ろからしてくることを合わせると、隠し持っていた物を何かしらの方法で拘束を解いたマフラーで投げてきたことが思いつく。

 現在他に誰もこの船には乗っていないことを知っているオランウータンは、不意を突かれたことで沸々とこみ上げてくる怒りを押さえられなかった。

 

オランウータン

「ほんっといい度胸してるわ!あんた、あたしがこの場を支配してるってことを『徹底的にわからされたい』ようねェッ!?

 まずこの甲板にあんたの身体を埋めるッ!そのちょこまかとうっとおしいミミズみてーな首巻きは特にきつくねェ!

 そして!服を全部脱がして晒し上げる!『鑑賞用ドール』みたいになってもらうわッ!いいえ、それだけじゃなくってウキャ!?」

 

 頭に血が上ったオランウータンに冷静さを取り戻させるように、ズドンという音が響いた。

 なんだなんだと音がする方へ身体を向けると巨大な氷が甲板に突き刺さっている。

 その上信じられないことに中には人影があり、こちらに視線を感じる。

 もっとよく見ようと近づいたオランウータンは、爆ぜて飛んでくる氷の欠片を避けることが出来ないまま吹っ飛ばされる。

 

ドブネズミ

「さぶ、は、はくじょん!カゼひいたらお前のせいだぞ!」

 

ペットショップ

「お前がこうしろと言ったのを忘れたのか?それにお前たちのようなのは病気に強いらしいが」

 

ドブネズミ

「わーったよ!これから二人も大人しくさせなきゃならんのにこっちで言い合いしてる場合じゃあねーからな!」

 

ペットショップ

「後でやるということか」

 

ドブネズミ

「忘れろってことだよ!来るぞ!」

 

 ドブネズミとハヤブサ、二人のスタンド使いが船上に乱入したのは、わずか10分前に合流したドブネズミとハヤブサの共闘作戦による。

 ドブネズミがアフリカゾウと別れたのは30分前になる。

 その間にドブネズミは、アフリカゾウの帰りを海を眺めて待っていようとしても退屈してしかたないので、海岸でなにか食べられそうな物がないか漁っていた。

 そのあたりの食べられそうな物といえばひっくり返した石の裏にカニや貝が潜んではいるものの、ほとんどがフレンズでも持ち上げるのに本気でかかる必要がある巨石の下に集中しているため、ドブネズミには一つも見つけられなかった。

 やきもきして岩場ごと溶かして全部あぶり出そうとしたところに、見慣れない二人のフレンズを連れたハヤブサと虫喰いが歩いてきた。

 

ドブネズミ

「ハヤブサ!え、虫喰い!?またわたしに会いに来たのか!?」

 

虫喰い

「会いに来たのはお前の方からだろう。

 それより、アフリカゾウはどこだ?おまえ一人とはらしくないじゃあないか」

 

ハヤブサ

「何か困ってそうに見えるな。ドブネズミ」

 

ドブネズミ

「あ、ああ!そうそう。アフリカゾウが、助けを呼ぶセイウチの声を聞いたとかで、海の中か上まで助けに行っちまってな。

 セイウチの声を聞いたっていう直後に怪しい船が来て、それに乗って行きやがった。

 罠かも知れないっていったけど聞く耳持たなくて」

 

虫喰い

「なるほど。アフリカゾウを海の方に探しに行きたいわけだ。すると、ハヤブサ、頼めるか?これもフレンズ助けの仕事だ。相手はおそらく俺の知ってる顔だろう。俺も後から行こう」

 

ハヤブサ

「わかった。引き受ける。ノロジカ、コハクチョウ。しばらくこの近くで待っててくれないか?」

 

ノロジカ

「うん……危ないことは、しないでね?」

 

コハクチョウ

「信じてるよ。ぜったい、帰ってきてね」

 

ドブネズミ

「ん?こいつらが前に言ってた二人か」

 

ハヤブサ

「そうだ。自己紹介は後でもたっぷりできる。急ごうか。背中に乗ってくれ」

 

 ドブネズミはハヤブサに負ぶられて空を飛んだ。

 上空を移動中の会話で作戦を練り、そして氷塊に閉じこもり強襲する時点へ至る。

 

オランウータン

「ガアアアアッ!なんなのよ!?あんたたちは!!」

 

ドブネズミ

「あ、本当だ。見覚えあるぞ、お前の顔。オランウータンだろ」

 

ハヤブサ

「私も一度だけ見かけたことはあるがそちらからはどうだ?」

 

オランウータン

「ヒッ、知らないわ!あんたたちのことなんて!だから、色々教えて貰うわ!力ずくで!!」

 

ドブネズミ

「おいおい、話がしたいならそんな手段はいらないだろ。何も隠してないのによぉ」

 

ハヤブサ

「スタンド能力、じゃあないか?流石にいくら親しくても底まで見せろとは言わないだろう、あれは」

 

オランウータン

「察しが早くで冴えてるのね。あんたは何のフレンズ?ちょっと覚えがある気がするの」

 

ハヤブサ

「ハヤブサだ。お前、たしかエンヤのところのえ………類人猿(ヒト科)か?変わった趣味があると評判だったが、よりにもよってそんなこととは。まるでこの身体になることを知ってたかのようだ」

 

オランウータン

「ギギギ……何言ってるのか私にはさっぱりだけど、『あのお方』といったら何か存じ上げて?」

 

ハヤブサ

「………知らない。聞いたこともない」

 

オランウータン

「そう………じゃあ、お隣のおチビさんは?」

 

ドブネズミ

「ケッ!わたしにも何のことだかな。大体お前自身はその『あのお方』をどういうもんだと思うんだ?何か聞いて思い出してもらうときは、それくらいのヒントもなしじゃあ聞いてる方が悪いと思うんだが」

 

オランウータン

「ヘン、そんな露骨に言ったら周りに知れ渡るに決まってるじゃない。秘密の話は分かりにくくて当然なのよ、『おチビさん』」 

 

 二度、身長に関する名で呼ばれた。

 ここで同じ呼び方をした一度目の時のことを思い出し、違和感を覚える。

 たしかに背はオランウータンより低かったのは事実だが、オランウータンとあまり身長差のなかったハヤブサも同様にオランウータンより低い位置に頭がきていた。

 

ドブネズミ

「そうか、なるほどを確かにこれは強力だな

『ラット』」

 

 オランウータンの頬を掠めて毒針が飛ぶ。

 

オランウータン

「ギニャアアア!?フレンズの顔を傷つけるだとぉ!?信じらんねーわ!」

 

ドブネズミ

「どんなに強力なスタンドでも、別にお前をやれば済むんだぞ?それに、今のはお前を狙ったんじゃあない。そこに顔があったというだけのこと」

 

 オランウータンの頬は一部が溶けてただれている。

 負傷した部位を押さえていると、今さっきの忠告のことを思い出した。

 

オランウータン

「って、まさか、つまりそれって」

 

アフリカゾウ

「フウウウウウ………」

 

 ドブネズミとハヤブサがいるのと反対の向きに振り返ると、解き放たれたアフリカゾウのスタンドが拳をつくり今にも殴りかかってきそうな映像が飛び込んできた。

 それはオランウータン自身の痛い経験を想起させるには十分なほどの恐怖であった。

 

オランウータン

「いやァァアアアアア」

 

ドブネズミ

「カワイソーだが少し意識を失ってもらう、オランウータン。

 お前自らが認識してるかは知らんが、セルリアンがお前に取り付いてる可能性があるからな。

 まあ、アフリカゾウをこんなことにしたってことはお前もけっこうやることやったんだろ?」

 

ハヤブサ

「や、ヤることって……」

 

アフリカゾウ

「パオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオオオオオオッ」

 

 拳の雨がオランウータンに降り注ぐ。

 ドブネズミはこのかけ声を聞いて、安堵した。

 フレンズをボコボコにすることにはなったが、アフリカゾウのように捕らえられるフレンズがこれ以上増えないだろうということで。

 ハヤブサが連れてきたノロジカとコハクチョウはあまり戦いが得意そうには見えなかったので、そのようなフレンズが仮に捕まったら、抵抗できず力尽きてしまうのではないかという不安が湧いていた。

 ドブネズミには、そのような者を守ろうとするハヤブサの姿勢はなにか輝くものがあるように見えて、頼りになると感じたのだ。

 ところが、実はオランウータンについてのことをもっとよく考えなければならないことになっていた。

 

 オランウータンは突如いなくなっていた。

 そして床に埋まっていた足は更に深く沈んで行き、頭の先までズブズブと底なし沼のように埋もれてしまった。

 辛うじて呼吸ができる程度の狭い空間に全員押し包まれたのだろうとドブネズミは思いながら、更に深く下へと沈んでいく。

 あるところで足から上に動くようになっていき、どこかの空間に落とされた。

 周囲を見渡すと、どうやらドアに鍵のかかった一つの部屋のようだ。

 出入り口らしきところは鍵つきのドア一つだけに見える。

 天井には電球で明かりが点けられている。

 そして、天井も床もどの方向の壁にも、監視カメラが置かれている。

 それ以外何もなく、鉄板で覆われた無機質な部屋だった。

 そこまで把握したところで何かガツガツという音と揺れが伝わってきた。

 

ドブネズミ

「アフリカゾウは隣じゃあないようだな、それなりに隔離されているのか。

 それにしても、なんてことだ………わたし達ごと捕まって監禁か。

 あの部屋※を思い出すな。いや、まだあの部屋の方がまだごちゃごちゃしてたが」

※一話のドブネズミが目覚めた部屋 

 

オランウータン

「よよ、よよよくも私をあそこまで追い詰めてくれたわ!でも逆にあんたたちを閉じ込めてやることができた!これでもう逆らおうなんて考えないことよ!」

 

ドブネズミ

「なんだって……?」

 

←to be continued…





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。