「んじゃパパッと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」
このトータルで最下位の場合除籍となる……か、握力計を破壊し解析不能となったのはどう響くか……
「ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」
「「「はーーー!?」」」
「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えれば分かりますわ…」
否、相澤先生はついさっきまで本気だった。緑谷の2投目を見るまでは。故に私は不安だったのだが……、何にせよ助かった。結果の順位は13位……握力は0ポイントか。普通にやっておけぱ良かった。
「相澤君のウソつき!」
「オールマイトさん…見てたんですね…暇なんですか?」
「『合理的虚偽』て!!!エイプリルフールは一週間前に終わってるぜ。君は去年の一年生…一クラス全員除籍処分にしている。『見込みゼロ』と判断すれば迷わず切り捨てる。そんな男が前言撤回っ!それってさ!君も
「……君も?随分と肩入れしてるんですね…?先生としてどうなんですか、それは…」
相澤は先程の事を脳裏に浮かべる。
(確かに…緑谷が見せた二投目は昂るものがあったが、
「…相澤君?」
「すみません…ただ、ゼロではなかった。それだけです。見込みがない者はいつでも切り捨てます。半端に夢を追わせる事ほど残酷なものはない」
いきなり波乱に満ちていた登校初日が終わった。放課後、教室にて。
「……成る程ね」
「社さん?どうされました?」
相澤先生に付けていた調査用ドローンからの映像を見ていた端末をしまう。
「いやこっちの話。それにしても凄かったね。個性把握テスト」
「そうですわね。皆さん楽しそうでした」
「私は気が気でなかったよ」
「あら?先生のウソを信じてたんですの?」
「そうだよ。私は純粋でね」
相澤先生の「合理的虚偽発言」こそがウソだった事を知った私としては乾いた笑いしか出ない。だが、わざわざ誰かに言う事でもないだろう。百ちゃんと話していると、ピンクの肌の触覚の生えた女子が話掛けてきた。
「私、芦戸 三奈、よろしく!」
「八百万 百です。宜しくお願いいたしますわ」
「社 長治だ。よろしく」
「うわっ、超セレブだ~!社長と社長令嬢の組み合わせって、何々?どんな関係?恋人?幼馴染」
「ぐ、ぐいぐい来ますわね…」
「幼馴染だ」
勢いに圧倒される私たち、これが女子高生か。
「幼馴染!ラブコメの香りがする!あ、それでね、皆で話してたんだけど、懇親会でもどうかなって」
「懇親会ですか」
百ちゃんがワクワクしている。それもそうか、お嬢様なだけあって人付き合いは限られていたはずだ。こういった気安い付き合いに憧れを抱いていたのだろう。私?部下と飲みに行っていたよ。私はソフトドリンクだが。
「それならいい店を知っている」
「おぉ~セレブが行く店か~。ドレスコードとかあるの?」
「心配しなくていい。私がオーナーだ」
ファミレスだけどな。
社コーポレーション傘下、社フーズ運営ファミリーレストラン「やしろ屋」。「やすい、しろめしに合う」がモットー、ご飯お代わり無料。利益の一部は飢えで苦しむ子どもたちの支援に充てられる。