機動戦士ガンダム00 Flamer X   作:raphel

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ツナがソレスタルビーイングと共にアロウズとの二度目の戦闘に臨みます。


第11話 陽動作戦、開始

拠点を移すカタロンのサポートとして、アロウズの目を引き付ける陽動作戦を行うことになったソレスタルビーイング。

 

現在スメラギとティエリア、アレルヤはカタロン基地に来ており、この中東第三支部のリーダーである男性ーー『クラウス・グラード』に陽動作戦のことについて伝えていた。

 

 

「……わかりました。あなた方には昨日の戦闘と言い、今回の陽動作戦と言い、世話になってばかりで申し訳ない気はしますが、是非よろしくお願いします」

 

「お気になさらず。今回の陽動作戦は、あなた達カタロンとの共闘の申し出を断ってしまったことに対する謝罪の意味合いもありますので」

 

「謝罪なんて、とんでもない! 我々カタロンが如何に力不足であるのか、昨日の戦闘で痛感させられました……ですが、それでも我々はあなた方の支援をしたい。無論あなた方の迷惑にならない範囲でですが……」

 

「わかりました。では、私達が物資の補給等で困っていた時は是非お願いします」

 

「ええ、勿論です」

 

 

スメラギとクラウスはそう言って握手を交わす。

 

ツナがこの世界に来る前、ソレスタルビーイングとカタロンの会談があり、その際スメラギ達はカタロンと違って政治的な目的で戦っている訳では無いこと、カタロンが所持するMSが太陽炉を搭載していない旧式の機体であることからカタロンからの申し出を一度断ったが……その時に沙慈の保護を迂闊にカタロンに任せてしまったことが原因で、彼らに迷惑をかけてしまった為、彼らへの謝罪の意味合いもあって、カタロンに自分達の後方支援をさせる形で共闘を受け入れることにするのだった。

 

 

「そうだ。アロウズから我々を助けてくれた真紅のガンダムのパイロットに会うことはできますか? 礼を言いたいのですが……」

 

「申し訳ない、そのパイロットは陽動作戦の出撃に向けての準備で忙しくてな。後で我々の方からあなた達の感謝の旨を伝えさせて貰うが……」

 

「そうですか……わかりました。では、我々が助けてくれたことを感謝しているのをそのパイロットに是非伝えてください」

 

「了解した」

 

「では私達は出撃準備がありますので、ここらで失礼します」

 

「ええ、どうかご武運を」

 

 

カタロンとの会談が終わり、ティエリア・アレルヤ・スメラギはプトレマイオス2への帰路に着く。

 

 

「本当なら直接礼を言わせてあげたかったけど、流石にツナ君のことを公にする訳にはいかないよね」

 

「当然だ。沢田綱吉は我々の正式なメンバーでない上に、この世界の人間では無いんだ。カタロンに変に詮索されて、彼に余計な心労をかけさせる訳にいかないだろ?」

 

「そうだね……いくら元の世界で色んな戦いを乗り越えて来たって言っても、彼はまだ子供だしね」

 

「そうね……協力者として受け入れはしたけど、やっぱり元の世界に一刻でも早く帰してあげたいわ。彼の帰りを待っている人達の為にもね」

 

「ええ。絶対に沢田綱吉……いえ、ツナを死なせはしません」

 

「あれ? ティエリアもツナ君のことを愛称呼びになったね」

 

「ああ、フルネーム呼びよりこちらの方が呼びやすい」

 

「ふふふ、ティエリアはすっかり綱吉君のことを気に入ったのね♪」

 

「フッ、そうかもしれません……ツナは目の前の現実や戦いに恐れを抱きながらも逃げずに立ち向かう勇気、そして自身の想いを貫く覚悟がある……敬意に値する人間だと思っています。それに……同じダブルオーの名を冠するガンダムに乗っているからか、彼は何処となく刹那に似ている気がするんだ。 刹那とツナは何かを変えてくれる……そう感じずにはいられない」

 

 

ティエリアはツナ、そして刹那に対してそう評価する。

 

それを聞いたアレルヤとスメラギは……

 

 

「「………」」

 

 

驚いた様子でティエリアを見ていた。

 

 

「? どうした?」

 

「あ、いや……ティエリアは随分と変わったなと思って……」

 

「そうね……5年前は刹那と銃を向け合うほど仲が悪かったのにね」

 

「む、昔のことはあまり掘り返さないでくれ! 昔の僕は色々と醜態を晒してしまっているのだから……///」

 

「まあまあ。誰にだって恥ずかしい過去の1つや2つはあるんだから、いつまでも引き摺るものじゃないわよ?♪」

 

「そうだよティエリア、4年間酒に溺れてたスメラギさんがこう言って「アレルヤ、4年前のように私と朝まで飲みたいのかしら?」すみません、それだけは勘弁してください」

 

「2人して何をやっているんですか、まったく……」

 

 

3人はそんな会話をしながら、プトレマイオス2へ戻って行く。

 

一方、プトレマイオス2の格納庫では……

 

 

「………」

 

 

ツナが隅っこで座禅を組み、精神統一をしていた。

 

 

「ツナはさっきから何やってんだ?」

 

「精神統一だ。緊張している心を落ち着かせる為にやっている様だ」

 

「へえ〜……ああして見ると、意外と様になってるな」

 

「そうだな。少し話を聞いたがリボーンと言う家庭教師の他にも、中国拳法の達人など様々な人物に修行を見て貰っているとのことだ」

 

「なるほどねぇ……ダブルオーフレイマーで戦ってる時の格闘家スタイルも、その修行の賜物って奴か……そういや、ツナのパイロットスーツってどうなるんだ?」

 

「イアンが先程ツナに採寸をしていたことから用意すると思うが、流石にこの後の陽動作戦には間に合わないだろうな」

 

「あー、まあそうだよな。ツナが俺達の協力者になったこと自体、今日決まったからなぁ」

 

「ああ。ツナ自身も俺達と同じパイロットスーツを着たそうに見ていたからな。内心残念に思っているだろうな」

 

「ははは、そう言うところは子供らしくて可愛いなぁ♪」

 

「フッ、そうだな」

 

 

パイロットスーツに着替えた刹那とロックオンは精神統一するツナを興味深そうに見ながらそんな会話をしていると、ガンダムの整備をしていたイアンがやって来る。

 

 

「お、ここにいたか、刹那。ちょっと良いか?」

 

「どうした、イアン?」

 

「お前のダブルオーだが、以前話した強化プランの『セブンソード』を装備させておいたぞ」

 

「わかった、後で武装を確認する」

 

「とは言っても、セブンソードは急場凌ぎの武装だ。装備が重くて機動性も少し落ちる。無理はするなよ」

 

「了解」

 

 

刹那のダブルオーは前々から強化プランとして考えられていた『セブンソード』……元々ある2本のGNビームサーベルに、GNソードIIロング、GNソードIIショート、2本のGNカタール、GNバスターソードIIの計7本の剣を装備している状態へ強化される。

 

とは言ってもセブンソードは急場凌ぎの武装で、機体の重量が増えて機動性も少し落ちていることから、イアンは刹那に無理しないように注意するのだった。

 

その後カタロンの基地からスメラギ、ティエリア、アレルヤの3人が戻り、陽動作戦の準備が完了したプトレマイオス2はアロウズの部隊がいる海上へと飛翔する。

 

プトレマイオス2が飛び去って行くその姿を……

 

 

「刹那……」

 

 

アザディスタンの皇女である長い黒髪の女性ーーマリナは戦いの中に身を投じようとする刹那の身を案じながら、カタロン基地にて見送るのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プトレマイオス2は故意にレーダーの索敵に引っかかる事でアロウズの注意をこちらに引き付け、カタロンの移送が完了するまでの時間を稼ぐつもりでおり、その為GN粒子はあまり散布せずに移動していた。

 

そして、レーダーの索敵圏内に入って20分ほど経過していた。

 

 

「そろそろ索敵空域に入るわ。ガンダムを出して」

 

「了解。第1、第2デッキ、ハッチオープン」

 

「アリオス、セラヴィー発進準備ですぅ」

 

 

ブリッジのシートに座りスメラギは作戦プランを考えながら指示を出し、フェルトとミレイナがガンダムの発進を進めていく。

 

プトレマイオスのハッチが開放され、モビルスーツデッキからリフトでティエリアのセラヴィーと、飛行形態に変形したアレルヤのアリオスが運ばれ、カタパルトに固定される。

 

2機の目の前には青い空が広がっており、今まさに飛び立とうとしていた。

 

 

「リニアカタパルト、ボルテージ上昇。射出タイミングをセラヴィーへ譲渡します」

 

『了解。セラヴィー、ティエリア・アーデ行きます』

 

 

フェルトの指示に従い、ティエリアのセラヴィーが最初に発進する。

 

 

「ユーハブコントロールですぅ♪」

 

『I have control。アリオス、アレルヤ・ハプティズム迎撃行動に入る』

 

 

片言のミレイナの指示に従い、アレルヤのアリオスも続いて発進する。

 

 

「続いてケルディム、ダブルオーの発進に入るですぅ。リニアシステムクリア、射出タイミングをケルディムに譲渡しますですぅ♪」

 

『オーライ。ハロ、今日は本気モードで行くぞ』

 

『リョウカイ、リョウカイ!』

 

 

ケルディムのコクピットにて、ロックオンのサポートをするサブパイロットのオレンジ色の丸い小型ロボットーー『ハロ』が耳をパタパタしながら答える。

 

 

『ケルディム、ロックオン・ストラトス狙い撃つぜ!』

 

 

ロックオンのケルディムもセラヴィーとアリオスに続いて発進する。

 

 

「リニアカタパルト、ボルテージ上昇。射出タイミングをダブルオーへ譲渡します」

 

『刹那、しつこく言うがトランザムは使うなよ』

 

『了解。ダブルオー、刹那・F・セイエイ出る!』

 

 

イアンの忠告を受けながら、セブンソードを装備した刹那のダブルオーがプトレマイオス2から発進した。

 

残るガンダムの出撃はツナのダブルオーフレイマーXのみとなった。

 

 

「ツナ君、そろそろ出撃だけど大丈夫?」

 

 

ツナのことが心配であるフェルトが通信を入れて問いかけると……

 

 

『大丈夫だ、フェルト。いつでも出撃できる』

 

「え?」

 

 

返って来たツナの声は冷静で、フェルトのことを呼び捨てで呼んでいた。

 

そして通信でモニターに表示されたツナを見て、フェルトを始めとしたブリッジにいるメンバーは驚きの表情を浮かべる。

 

何故なら……

 

 

「つ、ツナ君……!?」

 

「額に炎が、それに目の色も……!」

 

「雰囲気もいつもと全然違うですぅ!」

 

「ええと……貴方は綱吉君……で良いのよね?」

 

『ああ。まだ説明して無かったが、俺のこの状態は超死ぬ気モードと言って、簡単に言えば俺の戦闘形態だ』

 

「そ、そうなのね……(普段の綱吉君とはまったくの別人ね……アレルヤのように二重人格なのかしら?)」

 

(裏社会の戦いを生き抜いて来たってのは、嘘じゃなかったんだな……)

 

(沢田さん、かっこいいですぅ!///)

 

(今のツナ君、何処か刹那に雰囲気が似てるような……気の所為かな?)

 

 

ツナが超死ぬ気モードになっていたからで、普段の気弱で優しそうな少年から一変し、鋭い眼光で凄まじい威圧感を放つ歴戦の戦士のような雰囲気へと変わったことに、スメラギ達が今のツナを別人のように感じてしまうのも無理はなかった。

 

そんな中、フェルトだけはハイパー化したツナが刹那に雰囲気が似ているように感じるのだった。

 

 

『そろそろ発進する。指示を頼む』

 

「は、はい! リニアカタパルト、ボルテージ上昇。射出タイミングをダブルオーフレイマーへ譲渡します……ツナ君、頑張ってね」

 

『ありがとう……ダブルオーフレイマー、沢田綱吉出る!』

 

 

ツナはいつも生身で戦う時のようにXグローブから炎を逆噴射し、ダブルオーフレイマーXの足を固定していたカタパルトが火花を上げ高速で移動し、そのまま勢いに乗ってプトレマイオス2から発進する。

 

そして、ツナのダブルオーフレイマーXは背中から大空の炎を灯し、背中の大空の炎と腰部のツインドライブの推進力により猛スピードで飛翔し、先に発進していた刹那達のガンダムに一瞬で追い付く。

 

 

『お、速いなツナ……って、ツナお前、頭が燃えてるけど大丈夫か!?』

 

『そ、それに、雰囲気がさっきと全然違う……!?』

 

「驚かせてすまない。これは超死ぬ気モードと言う俺の戦闘形態だ。額の炎は俺の頭を燃やしている訳じゃないから安心してくれ」

 

 

スメラギ達と同様ガンダムマイスター組からも驚かれ、ツナは苦笑しながら超死ぬ気モードについて簡単に説明する。

 

 

『驚いたな、さっきまでとは別人のようだ。それに気の所為か、何処となく刹那に雰囲気が似ているな』

 

『そう言われて見ると、確かに似てるね』

 

「『そうか?』」

 

『見事にシンクロしてんぞ、ダブルオーコンビ』

 

「ダブルオーコンビって……」

 

『ふむ……悪くない響きだ』

 

『刹那は満更でも無さそうだね』

 

『まあ、それは置いとくとして……ツナ、君はスメラギ・李・ノリエガのミッションプラン通り敵を戦闘不能にするか、僕達のサポートをするかのどちらかで臨機応変に対応してくれ』

 

「わかった、全力でやってみる」

 

『頼りにしてるぜ、ツナ♪』

 

『だけど、無茶だけはしないでね』

 

『行くぞ、ツナ』

 

「ああ」

 

 

5機のガンダムは戦場に向かって飛翔して行き、後方にいるプトレマイオス2もそれに続くのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、カティ率いるアロウズ部隊側はブリーフィングルームにて、監視衛星の索敵網に探知されたソレスタルビーイングの輸送船撃破の為の作戦会議を開いていた。

 

 

「監視衛星がソレスタルビーイングの所在を掴んだ。モビルスーツ隊はプランE-3で輸送艦を包囲する」

 

 

スクリーンに映し出される地形図を元にマネキンはブリーフィングルームに集まった兵に説明をして行く。

 

 

「そこで我々は……」

 

「失礼する」

 

 

作戦会議の真っ最中、仮面を付けた男ーーミスターブシドーが突然扉を開けてやって来た。

 

 

「お前は……!」

 

「肩に動力のある青の二個付き、そして背中から未知の炎を放出する紅の二個付き……この2機のガンダムは私が合間見える。干渉、手助けは一切無用だ」

 

「何だと……!?」

 

 

マネキンは作戦会議の途中で割って入ってきた上に、独断で青の二個付きーー刹那のダブルオーと、紅の二個付きーーツナのダブルオーフレイマーXと戦うと言うミスターブシドーの発言に苛立つ。

 

そんなミスターブシドーにピーリスが異を唱える。

 

 

「待ってください! 青の二個付きと戦うのはまだ良いとして、紅の二個付きとも戦うつもりですか!?」

 

「先程の言葉通りだが、何か問題でもあるのかな?」

 

「当然です!昨日説明した通り、紅の二個付きはMSのダメージをパイロットにも与える特性を持っています! ライセンス持ちである貴方にこう言うのは失礼ですが、近接戦闘型である貴官のアヘッドでは紅の二個付きと相性が悪い!」

 

 

ピーリスはツナのダブルオーフレイマーXがMSのダメージをパイロットにも与える特性があることに気付いており、昨日の戦闘から圧倒的な格闘戦能力を持つツナのダブルオーフレイマーXに近接戦を挑むのは無謀であることを痛いほど身に染みており、ミスターブシドーの搭乗機である近接戦闘型アヘッドーー『サキガケ』はツナのダブルオーフレイマーXと相性が悪いと指摘する。

 

 

「ピーリス中尉……紅の二個付きと交戦した貴官の言うことは説得力があり、近接戦で無類の強さを誇る紅の二個付きと私の機体では相性が悪いと思うのも最もだ」

 

「それなら……!」

 

「だが遠距離からの攻撃を仕掛けても、紅の2個付きに神速のスピードで一気に間合いを詰められ、結果的に相手の得意な近接戦に持ち込まれる。それに紅の二個付きのパイロットも相当な技量の持ち主だ。下手な鉄砲も数撃てば当たると言う訳では無いことを、紅の二個付きと交戦した君自身よく理解していると思うが?」

 

「そ、それは……!」

 

 

ミスターブシドーのその切り返しに、ピーリスは言葉を詰まらせる。

 

昨日の戦闘でツナのダブルオーフレイマーXを相手に近接戦は不利と判断し、部下達と共に遠距離からの一斉射撃を仕掛けたが、ミスターブシドーの言う通りダブルオーフレイマーXの神速の如きスピードとツナの超直感により当てることさえ叶わなかったのも事実なので、反論の余地が無かった。

 

 

「近接戦も遠距離からの攻撃も通用しない化け物相手にどう挑むつもりだ?」

 

「無論、私の得意とする近接戦で挑むつもりだ」

 

「何を馬鹿なことを……! 馬鹿正直に真っ向勝負を仕掛けるつもりか!?」

 

「如何にも。下手な小細工をするよりは、多少のダメージを覚悟に真っ向勝負を仕掛けた方がマシと言うもの。それとも、マネキン大佐には紅の二個付きに対抗する為の上等な策がおありなのかな?」

 

「くっ、それは……!」

 

「無いのであれば、これ以上私の戦いに口を挟むのはご遠慮願いたい」

 

「何だと……!」

 

 

カティとミスターブシドーの間に流れる、一触即発が起こりかねない空気を見かねた一人の兵士ーー『バラック・ジニン』が立ち上がり、マネキンをなだめようとする。

 

 

「まあ良いではないですか、マネキン大佐。ライセンスを持つ噂のミスターブシドー、その実力拝見したいものです」

 

 

ジニンは威嚇するように棘のある言葉でそう言う。

 

それに続くようにブリーフィングルームに居る者全てがミスターブシドーに煽る様な眼差しを向けるが、ミスターブシドーはその視線を一切気にしていなかった。

 

 

「ご期待にはお答えしよう。叱らば」

 

 

一言そう言うと、ミスターブシドーは立ち去った。

 

 

「作戦を開始する」

 

 

カティはミスターブシドーの後ろ姿を見送った後、ソレスタルビーイング打倒の為、作戦を開始する。

 

 

『はっ!』

 

 

ブリーフィングルームにいた全員が起立し、カティに敬礼をする。

 

カティもそれに答えて敬礼を返すと、兵達は各自のMSに搭乗する為、部屋から出て行く。

 

それから暫くして、連邦軍の大型空母からアロウズのMSが随時発進をして行く。

 

最新型のGN-X IIIとアヘッドで構成されたMS部隊が飛び立っていく。

 

無論その中にはミスターブシドーのサキガケや、ピーリスのスマルトロンのカスタムアヘッドの姿があった。

 

 

『ガンダムを確認した、これより作戦行動に入る。これより各小隊に分かれてガンダムを各個撃破する。ミスターブシドー』

 

「何か?」

 

『ドライブ二個付きのガンダム2機は任せますよ』

 

「望む所だと言わせて貰おう」

 

 

ジニンの言葉に、ミスターブシドーはそう返す。

 

 

「紅の二個付きはミスターブシドーに任せ、我が隊は羽根付きを目標とする。アンドレイ少尉、昨日の怪我が完治していないんだ。無理はするな」

 

『了解です、中尉』

 

 

ピーリスの言葉に、昨日の怪我から応急処置で復帰したアンドレイが通信でそう答える。

 

 

「行くぞ!」

 

 

ピーリスの機体に3体のGN-X IIIが続き、その中には……

 

 

「ついに仇が討てるよ、パパ、ママ……」

 

 

沙慈のガールフレンドで、4年前にネーナの『ガンダムスローネドライ』によって両親を奪われた過去を持つ短い金髪の少女ーー『ルイス・ハレヴィ』は憎しみの光を募らせ、ガンダムへの復讐に静かに燃えていた。

 

 

『全機、攻撃……!』

 

 

視認したソレスタルビーイングのガンダム5機に対し、ジニンが全機への攻撃開始の命令を出そうとした……その瞬間、紅の二個付きことツナのダブルオーフレイマーXが視界から消える。

 

 

『何っ!?』

 

「紅の二個付きが消えた!?」

 

『中尉!』

 

「各機、注意しろ! 何処から紅の二個付きの攻撃が来るかわからないぞ!」

 

「何処から来る、炎のガンダム……!」

 

 

アロウズのMS部隊がツナのダブルオーフレイマーXからの攻撃に警戒する中……

 

 

『うわああああっ!?』

 

『っ!?』

 

 

1機のGN-X IIIが何かにぶっ飛ばされたかのように猛スピードで落下と同時に海へと叩きつけられ、そのまま力無く海に浮かんでいた。

 

1機のGN-X IIIを殴り飛ばしたのは勿論ツナのダブルオーフレイマーXで、アロウズのMS部隊の前にその姿を現す。

 

 

『こ、こいつ!』

 

『よくも!』

 

『くらえ!』

 

 

2機のGN-X IIIと1機のアヘッドがそれぞれGNランスとGNビームライフルから粒子ビームを放つが……ツナのダブルオーフレイマーXはまたもや視界から消える。

 

 

『また消えた!?』

 

『一体、何処へ……ぐああっ!?』

 

『がああっ!?』

 

 

突如2機のGN-X IIIの背部から小規模の爆発が発生し、2機のGN-X IIIのパイロットは背中に大きな激痛と火傷を負う。

 

何が起きたかと言うと、背後に移動したツナのダブルオーフレイマーXがGNブレイズガンからの出力調整した粒子ビームを放ち、2機のGN-X IIIの擬似GNドライブを狙い撃って破壊したのだ。

 

 

『し、しまった、擬似GNドライブが!?』

 

『うわああああああっ!?』

 

 

擬似GNドライブを破壊された2機のGN-Xは機能停止し、そのまま海へと落下するのだった。

 

 

『おのれ!』

 

 

1機のアヘッドがGNビームライフルから粒子ビームを連射するが、神速のスピードを持つツナのダブルオーフレイマーXに掠りさえできず、接近を許してしまう。

 

 

『速っ……ぐっ!?』

 

 

ツナのダブルオーフレイマーXは脚部のGNビームブレイドでアヘッドのGNビームライフルを持つ右腕を切断し、さらには炎を灯した拳撃をアヘッドの胴体に叩き込む。

 

 

『ぐはあ……っ!?』

 

 

鳩尾に激しい衝撃を受けたアヘッドのパイロットはそのまま気絶し、アヘッドは力無く海へと落下する。

 

 

「くっ……ガンダムーーー!!」

 

『ハレヴィ准尉!』

 

「よせ!」

 

 

仲間達を次々に戦闘不能にされ、怒りに燃えるルイスのGN-X IIIがピーリスやアンドレイの静止を無視して単機でツナのダブルオーフレイマーXに突撃する。

 

ルイスのGN-X IIIの突撃に気付いたツナのダブルオーフレイマーXは炎が灯されている右手を前に出す。

 

 

「その自慢の拳を串刺しにしてやるーーー!!」

 

 

ルイスはツナのダブルオーフレイマーXの右手に目掛けてGNランスを突き出す……しかし。

 

 

「なっ!?」

 

 

ルイスのGN-X IIIのGNランスはツナのダブルオーフレイマーXの右手を貫くことは無く、逆に先端が高密度の炎の熱によって溶け、押し潰されたかのような形へと変形した。

 

 

「くっ、だったら!」

 

 

ルイスは使い物にならなくなったGNランスを捨てると同時にGNビームサーベルを取り出し、ツナのダブルオーフレイマーXに向けて振り下ろすが……

 

 

「う、嘘……!?」

 

『ば、馬鹿な!?』

 

「ビームサーベルを、マニピュレーターで掴んだだと……!?」

 

 

なんとツナのダブルオーフレイマーXは炎を灯した右手でルイスのGN-X IIIのGNビームサーベルの光刃を掴むと言う、普通のMSではできないことをやって見せるのだった。

 

そして、ツナのダブルオーフレイマーXはGNビームサーベルの光刃を掴んだ状態のまま……

 

 

「がはあっ!?」

 

 

GN-X IIIの胴体に炎を灯した左拳による拳撃を叩き込み、ルイスの鳩尾にダメージを与え、さらには背後に回り込むと……

 

 

「あう……っ!?」

 

 

GN-X IIIの首筋に炎を灯した手刀を叩き込み、ルイスの首筋にダメージを与えた。

 

その攻撃を受けたルイスは……

 

 

「パパ……ママ……ごめん……」

 

 

意識を失い、ルイスのGN-X IIIは力無く海へと落下した。

 

 

『ハレヴィ准尉!!』

 

「くっ! 1分も満たない内に5機も戦闘不能にされるなんて……!」

 

『あ、あれは本当にMSなのか……!?』

 

 

ピーリス、アンドレイ、ジニンを始めとしたアロウズのMSパイロット達は、1分も満たない内に5機も戦闘不能にしたツナのダブルオーフレイマーXの恐るべき強さに戦慄する中……

 

 

「何というスピード、何というパワー、何という常識外れ! 素晴らしい! 少年以外でここまで私を魅了するガンダムが存在するとは! それでこそ戦い甲斐があると言うものだ!」

 

 

ミスターブシドーは強敵に出会えた喜びから興奮し、ツナのダブルオーフレイマーXへの闘志を漲らせていた。

 

一方、ダブルオーフレイマーXに乗るツナも……

 

 

「俺の死ぬ気の炎が燃えている内は、フェルト達……プトレマイオスの皆を誰1人やらせはしないぞ、アロウズ!」

 

 

ソレスタルビーイング……プトレマイオスクルー達を守ると言う覚悟のもと闘志を漲らせ、それに呼応してダブルオーフレイマーXの炎は炎圧と共に純度を増し、さらに燃え上がらせるのだった。

 

ソレスタルビーイング VS アロウズの戦いはさらに激化する……!

 

 

To Be Continue……




次回の話ではツナだけでなく、刹那達も頑張って活躍させます(^◇^;)

次回も応援よろしくお願いします^_^
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