今回はソレスタルビーイング視点のお話になります。
私設武装組織ーーソレスタルビーイング
4年前の戦闘ーーフォーリンエンジェルスにより多くの仲間を失い、一度は壊滅したが、新たな歪みーーアロウズを倒す為……世界を変える為に、彼らは再び立ち上がった。
そして、ソレスタルビーイングは異世界からの来訪者である大空ーー沢田綱吉と、謎のガンダムーーダブルオーフレイマーXとの邂逅を迎えようとしていた……
時はツナがアロウズ部隊を退けるより少し前に遡る。
反政府組織カタロンの基地がアロウズ部隊の襲撃を受けているとの情報を得たソレスタルビーイングの実動隊『チームプトレマイオス』はカタロンを助ける為、トレミーの愛称を持つ母艦の『プトレマイオス2』でカタロン基地へと向かっていた。
そんなプトレマイオス2の前には……
4年前の戦いを生き残ったガンダムマイスターの1人である、中性的な顔立ちをした黒紫色の髪の青年ーー『ティエリア・アーデ』が駆る、重装甲と砲戦に特化した白色と黒色のカラーリングをしたガンダムーー『セラヴィーガンダム』
同じく4年前の戦いを生き残ったガンダムマイスターの1人で、ピーリスと同じ超兵でもある金と銀のオッドアイの瞳をした黒髪の男性ーー『アレルヤ・ハプティズム』が駆る、可変機構を持つ白色と橙色のカラーリングをしたガンダムーー『アリオスガンダム』
そして、4年前の戦いで戦死したガンダムマイスターである初代『ロックオン・ストラトス』こと『ニール・ディランディ』の双子の弟で、ソレスタルビーイングの活動再開に合わせて新たなガンダムマイスターとして加入した2代目ロックオン・ストラトスである襟足が少し長い茶髪の男性ーー『ライル・ディランディ』が駆る、狙撃戦に特化した白色と深緑色のカラーリングをしたガンダムーー『ケルディムガンダム』
……以上の3機のガンダムが出撃して先行していた。
特にライルのケルディムは他の2機よりも先に急ぐように移動していた。
何故なら……
「くそっ……!(頼む、俺が着くまで無事でいてくれ……!)」
ライルはソレスタルビーイングに加入する前はカタロンの構成員『ジーン1』として活動していた。
そしてライルはソレスタルビーイングのガンダムマイスターを務める傍ら、カタロンの構成員としてスパイ活動をしている(プトレマイオスクルーの中にはその事実を知っていて、敢えてそれを続けさせている者もいるが……)。
ライルにとって今も尚仲間であるカタロンがアロウズに襲撃されていると聞けば冷静でいられる訳が無く、ライルは焦りを募らせながらケルディムを最大スピードで駆る。
そんな時、ライルの視界にある物が映る。
「! あれは、アロウズか!?」
GN-X IIIやアヘッドと言ったアロウズのMS部隊が、まるで来た道をUターンするかのように移動していた。
「間に合わなかったって言うのかよ!? くそったれ!」
ライルは向かって来るアロウズのMS部隊に向けて、八つ当たりとばかりにケルディムのGNスナイパーライフルIIの銃口を向けようとするが……
「待て、ロックオン!」
「アロウズ部隊の様子がおかしい……!」
「何?」
ティエリアとアレルヤにそう静止され、アロウズのMS部隊を凝視すると……機能が停止しているのか動けない味方を抱えながら、自分達との交戦を避けるように移動する様子が目に入った。
「アロウズのMSの中に動けない機体がいるみたいだね」
「ああ。見る限りでは機体の損傷は無い様だが、乗っているパイロットが気絶していると見て良さそうだな」
「カタロンの連中がやったのか? だが……(旧式のMSでアロウズのMS相手にそんな真似ができるとは思えねえ……)」
ライル自身カタロンが所有する旧式のMSがアロウズのMS相手に太刀打ちできないのは理解しているので、カタロンがアロウズのパイロットを気絶させられるとは思えなかった。
だが、それはライルにある希望を与える。
「あの様子だと、アロウズの連中は仲間がやられたんで撤退しているって感じだな。つまり……カタロンはまだやられちゃいねえってことだ!」
「うん、その可能性はあるね!」
「しかし、まだそうだと決まった訳では……」
「わかってる。それを確かめる為にも急ぐぞ!」
ライルはケルディムのスピードを上げ、カタロン基地へと急ぐ。
「ロックオン!」
「まったく……(ライル・ディランディ、やはり彼はカタロンの……刹那は彼の正体を知った上でマイスターにスカウトしたのか? まあアロウズを倒すと言う共通の目的がある以上、彼も我々を危険に陥れることはしないだろう……)」
ティエリアはライルがカタロンの構成員であることに気が付いていたが、ライル自身アロウズを倒すと言う共通の目的がある以上、ティエリア達を危険に陥れることはしないだろうと判断し、敢えて追求しないことにするのだった。
それから少しして、カタロン基地が視界に入る位置まで来たライル達は驚愕する光景を目の当たりにする。
それは……アロウズのMSが肉眼で捉えられない程のスピードで動く『何か』によって次々にぶっ飛ばされて行き、砂漠の大地へと叩きつけられた機体はそのままピクリと動かなくなるのだった。
「! これは……!」
「な、何が起きてんだ!? アロウズのMSが地面に叩きつけられて動かなくなったぞ!?」
「何かと交戦している様だが、速すぎて目で捉えられない……!」
目の前に光景に驚くライル達に、アロウズのMS部隊を蹴散らす何かはある程度攻撃したところで、その動きを止めた。
アロウズのMS部隊と交戦している者の正体を確かめようと、ライル達が視線を集中すると……
「「なっ!?」」
「あ、紅い、ダブルオーだと……!?」
現在別行動中のガンダムマイスター『刹那・F・セイエイ』の愛機であるダブルオーガンダムに似た頭部で、真紅色のカラーリングをしたツインドライブ搭載型のガンダムの姿に驚きを露わにする。
そして、そのガンダムの姿は遅れてやって来たプトレマイオス2でも確認されていた。
「スメラギさん! あのガンダムは……!」
「あ、紅い、ダブルオー……!?」
「色や形状は刹那のダブルオーと違うが……!」
「セイエイさんのダブルオーと同じツインドライブを搭載してるですぅ! しかも、太陽炉はどっちもオリジナルですぅ!」
プトレマイオス2の艦長兼戦術予報士で、セミロングの長さがある茶髪と豊満な胸が特徴的な女性ーー『スメラギ・李・ノリエガ』
プトレマイオス2の戦況オペレーターで、ポニテールにしたピンクの髪と豊満な胸が特徴的な女性ーー『フェルト・グレイス』
フェルトと同じくプトレマイオス2の戦況オペレーターで、クルーの中では最年少である茶髪を巻き髪状のツインテールにした少女ーー『ミレイナ・ヴァスティ』
プトレマイオス2の砲撃士兼操舵士で、予備のガンダムマイスターでもある筋肉質でガッチリとした体格の男性ーー『ラッセ・アイオン』
……プトレマイオス2のブリッジにいる4人のクルー達もガンダムマイスター達と同様、真紅のガンダムの姿……特にオリジナルの太陽炉によるツインドライブを搭載していることに驚いていた。
「イアン、あのガンダムを開発した覚えはある?」
『ある訳無いだろ! ただでさえ刹那のダブルオーのツインドライブに今も手を焼かされているのに、新しいツインドライブ搭載型のガンダムの開発どころか、オリジナルの太陽炉を新規に製造する余裕なんて儂等には無い!』
スメラギの問いに、通信越しにいるプトレマイオス2やガンダムの総合整備士で、ミレイナの父親でもある眼鏡をかけた中年の男性ーー『イアン・ヴァスティ』がそう答える。
『因みに刹那のダブルオーはちゃんとトレミーの格納庫にあるから、ツインドライブが盗まれたと言うことは無いぞ』
「そう……(じゃあ、あの紅いダブルオーは誰が……それに、あのガンダムから放出されているあの炎は一体……?)」
スメラギは真紅のガンダムの開発者と、背中から放出されている橙色の炎にただ疑問を抱くばかりであった。
それ暫くして、真紅のガンダムはアロウズの隊長機と思われるカスタムアヘッドーースマルトロン以外のMSを退けると、GNビームサーベルとシールドを構えるスマルトロンと対峙する。
スマルトロンはシールドを前方に構えた状態で突進し、対する真紅のガンダムがその攻撃を回避すると、スマルトロンはその瞬間を狙ってGNビームサーベルを振るう。
しかし、真紅のガンダムは左手の甲にある青い円形のクリスタル部分からビーム状のシールドを展開してスマルトロンのGNビームサーベルの斬撃を防ぐと、そのまま押し返すように弾き飛ばす。
それによって体勢を崩したスマルトロンに、ダブルオーフレイマーXは脚部からビーム刃を展開した状態で蹴りを放ち、スマルトロンのGNビームサーベルを持つ右腕を斬り裂く。
さらに追撃とばかりにダブルオーフレイマーXは右拳の先端にある小型のビーム砲から粒子ビームを連射。
その攻撃にスマルトロンはシールドで防御するが、粒子ビームの1発が右肩に命中して体勢を崩してしまう。
その隙を突いて真紅のガンダムが掌底による攻撃を繰り出し、その掌底から獅子の形をした衝撃波が放たれ、スマルトロンはその衝撃波によって大きく吹き飛ばされ、砂漠の大地へと叩きつけられた。
「な、何だ、今の!? アロウズのMSが凄い勢いでぶっ飛ばされたぞ!」
「す、凄い……あのガンダム、とんでもない性能だ……!」
「ああ……だが、ガンダムの性能だけじゃない。パイロットも相当な手練れの様だ」
戦闘を見ていたガンダムマイスター達は真紅のガンダムの驚異的な性能は勿論、パイロットの技量の高さに舌を巻くのだった。
そして残っていたスマルトロンも戦線から離脱し、アロウズのMS部隊は全機カタロン基地から去ったのだった。
「アロウズ部隊の撤退を確認。残存戦力はありません」
「カタロンの方は被害が軽微みたいですぅ!♪」
「そう、良かったわ……あのガンダム、たった1機でアロウズのMS部隊を退けるなんて凄いわね……」
「ああ。にしてもあのガンダム、変わった戦い方をしてな。まるで格闘家みたいだ」
カタロンの被害が軽微であったことに一安心したスメラギはたった1機でアロウズのMS部隊を退けた真紅のガンダムの強さに舌を巻き、ラッセも真紅のガンダムの戦い方が格闘家のようだと評価するのだった。
プトレマイオス2のブリッジにティエリアからの通信が入る。
『スメラギ・李・ノリエガ、あのガンダムのパイロットとコンタクトを取りたいのですが、よろしいですか?』
「ええ、良いわよ。だけど、機体共々得体の知れない相手だから、慎重に対応して」
『了解です』
スメラギはティエリアからの真紅のガンダムのパイロットとコンタクトを取りたいと言う申し出を承認すると同時に慎重に対応するよう言い、ティエリアもそれを了承するのだった。
そして、ティエリアらガンダムマイスター達は……
「僕があのガンダムに通信で呼びかける。ロックオンとアレルヤは警戒したまま待機してくれ」
「わかった」
「おいおい、そんなに警戒しなくても良いんじゃねえか? 向こうはアロウズと戦ってたし、同じガンダムに乗ってるんだから味方だろ?」
「確かにアロウズに対して敵対行動を取っていたが、だからと言って味方とは限らない。イアンも言っていたが、あのガンダムは我々が開発した機体では無いからな」
「んじゃ、誰が作った機体なんだよ?」
「流石にそれはわからないけど……あれ?」
ガンダムマイスター達がそう会話していると、真紅のガンダムの背中の炎とツインアイの光が消え、そのまま力無く地面へと落下して行く。
「なっ!? 一体、どうしたってんだ!?」
「まさか、パイロットが気を失っているのか!?」
「大変だ! 助けないと!」
アレルヤはそう言ってアリオスを猛スピードで向かい、何とか真紅のガンダムを抱き留めた……その時。
「うわぁっ!?」
真紅のガンダムが突如橙色の炎へと姿を変えたことに、アレルヤは思わず驚きの声を上げ、アリオスは炎に変わった機体から手を離す。
「アレルヤ!」
「大丈夫か!?」
「な、何とか……だけど、この炎は一体……ん?」
アレルヤ達が真紅のガンダムが炎へと姿を変えたことに疑問を抱く中、炎の中からGN粒子で形成され球体に包み込まれた『何か』が飛び出し、アレルヤはアリオスのマニピュレーターである両手で受け止める。
そしてGN粒子が消え、包み込まれていたものの正体を現す。
それは……
「こ、子供!?」
「何だと!?」
「まさか、この子供があのガンダムのパイロットだって言うのか!?」
茶髪のツンツン頭をした年端もいかない少年であり、ガンダムマイスター達はアリオスの手の中で意識を失っている少年が真紅のガンダムのパイロットであることに驚きを隠せなかった。
そして、真紅のガンダムだった橙色の炎は……少年の右手にあるリングの中へと吸い込まれた。
「っ! 炎が子供の指輪の中に!?」
「おいおい、一体どうなってんだよ!?」
「わからない……まずはこの少年を保護するのが先だ。話は彼が目覚めてから聞かせて貰うとしよう」
「そうだね。それじゃあ、僕はこのままこの子供をトレミーのメディカルルームまで運ぶよ」
「頼む。僕はこのままカタロンの様子を見てくる。ロックオン、君も来るか?」
「ああ。俺もカタロンの様子が気になるからな」
その後、ガンダムマイスター達はスメラギの了承を得た後、ロックオンとティエリアはカタロンの基地へ、アレルヤはプトレマイオス2へと移動した。
アリオスの手の中で眠る少年ーーツナこと沢田綱吉は、リボーンの地獄の修行や真紅のガンダムーーダブルオーフレイマーXでの初戦闘の緊張による疲労や、ソレスタルビーイングが危険な存在では無いと感じたことによる安心感から、糸が切れたように寝てしまった様だ。
こうして、ツナはソレスタルビーイングの母艦ーープトレマイオス2へと知らずの内に招かれるのだった……
To Be Continue……
ツナのヒロイン、どうしようかな?
候補としてはフェルトにしようかなぁとは思ってますが、アニューも捨てがたい……まあ、アニューの場合はライルとのカップリングが好きな方が多いかと思いますが(^◇^;)
次回も応援よろしくお願いします^_^