俺ガイル二次作   作:ひきがやもとまち

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『やはり俺は捻くれている』最新話を書いたのですが…どうも心理的に嫌な方向へ解釈しやすい状態になっていることを途中で自覚しましたので、マックで会話する解決シーンは後程にでも『エピローグ』としてお送りさせて頂こうと思いました。気分に左右されやすい作者で申し訳ございません。

*「川崎沙希ちゃん登場編のエピローグ」であって、今作のエピローグって訳ではないです。念のために。


やはり俺の青春ラブコメはひねくれている。第13話

 

「「お、おおぉぉ・・・・・・っ」」

 

 エレベーターの扉が開いて、その先に広がっていた光景を目にした瞬間、俺と由比ヶ浜による奉仕部所属の庶民コンビは異口同音に驚きの声を漏らさずにはいられなくなっていた。

 

 蝋燭のように密やかで、ともすれば暗いとすら感じられる空間。壁の片側だけがガラス張りになっていて東京湾の夜景が見渡せるようになっており、四角い間取りの角っこにスポットライトで照らし出すことで設けられた簡易的なステージ上では白人女性がピアノ演奏でジャズを弾いている。

 ・・・明らかに俺たちみたいな庶民が入っていい空間ではない。場違いすぎるほどの敷居の高さを実感させるもので満ち満ちている。

 

 それが俺たち庶民がはじめて足を踏み入れた場所、ホテル・ニューオークラ最上階に位置するバーラウンジ『エンジェル・ラダー天使の階』に抱かされた第一印象によるイメージだった・・・。

 

「おい、おい・・・マジかこれ・・・。たぶんアメリカ人がジャズ弾いてるぞ、この店・・・。本当にアメリカ人かどうかは知らねぇし、分からねぇけど。アメリカ人も日本人と中国人の違いなんて分かるはずねぇってぐらい、違いが分かる特権階級しか足踏み入れたらマズい場所なんじゃないのか? この店ってオイ・・・」

「もう卑屈なのか人種差別なのか、判別が難しくなってきてるわね・・・」

 

 俺より一歩後ろに下がった位置取りで店内に入室してきた雪ノ下が、呆れてるのか困惑してるのか頭痛感じているのか判別しづらい声でそう呟くと、いつもの調子に戻って俺に対して、いつも通り場に即した正しい態度と間違った対応をいくつか指摘しはじめてくる。

 

「――そんなことより、きょろきょろしないで。背筋を伸ばして胸を張りなさい。顎は引く。それが、こういう場所における最低限度のマナーというものよ? 比企谷君」

「雪ノ下、無茶ぶりをするな。そんなこと庶民の俺が再現しようと努力したら挙動不審になって、通報されそうになるだけだから」

「・・・最近、卑屈さが度を超しすぎて、逆に図々しくなってきたわねこの男・・・。一体どうしてあげれば正しく処せるものなのかしら・・・」

 

 なんだか怖い言葉を付け加えられながらも、俺たちは雪ノ下のお供AとBみたいになって前に立ちながらも彼女に言われるままついて行くだけで、開かれたドアの直ぐ近くで控えていたらしいギャルソンの男性が脇から出てきて案内してくれるのにも大人しく従ったまま金魚のフンみたいにして、バーカウンターへと俺たちは導かれた後、席に着こうとする。

 

 と、その瞬間。横を見たときに見知った顔でグラスを手に持って「きゅっ、きゅっ」と磨いている姿が視界に映る。

 

「お? 川崎・・・」

「・・・ん?」

 

 思わず声をかけてしまった視線の先にいた人物こそ、俺たちがここ数日、悩み解決してやろうと駆けずり回っていた川崎沙希その人だった。

 

 ・・・今更過ぎてなんなのだが、大志の姉ちゃんが夜に怪しい店でバイトしてるみたいだからどうしよう、って依頼を受けてから数日が経過してる更生プログラムだけど、実際に問題の店に来たのって今回が初めてだったんだよな・・・。

 怪しい店もなにも、何一つ知らなかった店でのバイトをやめさせる方法を色々試してみるって、考えてみたら物凄く無謀すぎる挑戦を数日前からの俺たちはしていたのかもしれない・・・。これも一応は、青春の失敗の一つと数えていいのだろうか? リア充達の判断が待たれるところである。

 

「・・・申し訳ございません。どちら様でしたでしょうか?」

 

 そして例によって例のごとく、『俺の存在なんて覚えていません知りません』アピールをしてくる、俺の顔見知りになったことのある顔はいい女性陣共の一人。川崎沙希。

 雪ノ下もそうなんだが、コイツらは俺に声かけられたら覚えてないフリしなきゃいけない共通理念でもあったりするのだろうか? いい加減パターン化してきてる対応なんだけどな、この反応は・・・。

 

「同じクラスなのに顔も覚えられてなとは、さすが比企谷君ね」

「甘いな、雪ノ下・・・ダウトだ。普通の高校生は、クラスメイトの顔なんて仲のいい奴以外はほとんど覚えない奴らの方が一般的なんだよ。俺以外の全校生徒を覚えていたお前の方が異常なだけさ・・・」

「・・・・・・(キッ!!)」

「ちょっ!? こんなところに来てまでいつものやり取りしないでよ二人とも!? か、川崎さんもど~も~・・・」

 

 そしてまた、いつもの通り俺も変わらない。たとえ他人がどう変わろうとも俺は変わらない。相手から忘れられてても、覚えてないフリされてるだけだとしても俺は何も変わらない。

 ・・・だって俺自身も、パンツ覗いちまった日より前までは、相手のこと名前さえ覚えてなかったし・・・怒る資格や傷つけられる資格が本気で0以下しか持ってねぇー・・・。

 

「雪ノ下・・・」

「探したわ。川崎さん、こんばんは」

 

 そう言って席に深く座り込みながら話を切り出した雪ノ下の言葉に、川崎沙希の顔色が変わる。

 ・・・関係ない話なんだが・・・探してたっけか? 俺たちって川崎のこと・・・。

 なんか店名の中に「エンジェル」って単語が入ってる以外は共通点0のメイド喫茶で「萌え萌えキュンキュン♪」してた記憶しかない気がするんだけど・・・これって経験してない記憶とすり替えられた系のなんかだったりするんだろうか? 相変わらず雪ノ下の言葉は謎を深めていくばかりな気がするなー・・・。

 

「――で? なにしに来た訳? まさかそんなのとデートって訳じゃないんでしょ?」

「まさかね。横のコレを見て言っているなら、冗談にしたって趣味が悪いわ」

「全く以て同感だ。横のこの真っ黒いのを外面だけ見て言っているなら、ブラックジョークにしたって趣味が悪――いえ、冗談です。ウソですごめんなさい殴らないでブホッ!?」

「ゆきのーん!? も少し場所を考えて場所! TPA―――!!!」

 

 ゆ、由比ヶ浜・・・それは多分TPOだ・・・。今ここに保護者達なんて呼んじまったら、それこそ場所と空気が読めない連中が来ちまう・・・ぞ・・・・・・ガクリ。

 

「ってまぁ、いつものボケはそろそろ終わりにするとしてだ。――夜帰るのが遅いって、弟がお前のこと心配してたぞ」

「はぁ・・・どうも周りが小うるさいと思ってたら、あんた達のせいか。大志がなにを言ったか知らないけど、気にしないでいいから。もう関わんないで」

「いや、そう言われてもな・・・・・・」

 

 人を小馬鹿にしたような癪に障る笑い方と共に切って捨てられた俺からの忠告な訳なのだけれども。

 今の返しで、一体どこをどう解釈すれば気にしないで帰ることが出来るようになるものなんだろうか? 大志からの依頼で動いている俺たちに、「なにを言ったかも知らない」と宣言された上で「気にしないでいい」と言われたところで話打ち切るため適当な口実を述べているだけとしか受け取りようないんだけど・・・こういう場合はどういう対応するのを想定された更生プログラムなんだコレって?

 

 更生指導教官の雪ノ下雪乃教官に、ひとまずは見本を見せていただきたくて仕方がないので一端丸投げさせてもらうとしよう。

 

「止める理由ならあるわ。だってシンデレラの魔法が解けるのは午前0時だけれど、あなたの魔法はここで解けてしまうのだから」

「――魔法が解けたなら、あとはハッピーエンドが待ってるだけなんじゃないの?」

「それはどうかしら? 人魚姫さん。あなたに待ち構えているのはバッドエンドだと思うけれど・・・」

 

 俺が身を退いて場を譲ったことで始まった雪ノ下と川崎の言い合いは、バーの雰囲気に合わせたかのように皮肉と当てこすりを繰り返す、上流階級の遊びめいたものへと一気に深刻さを増し、変貌していく。

 ・・・まぁ、要するにだ。

 

「・・・・・・ねぇ、ヒッキー。あの二人何言ってんの?」

「端的に一言でまとめちまうと、『バイトやめろ。でないと実年齢バラす』『イヤだ』・・・というだけの言葉を、童話の比喩つかって言い合ってんだよ・・・」

「へぇー。なら、そう言えばいいのに」

「上流階級の遊びめいたやり取りだからな。婉曲な言い回しで取り繕いながら、具体的なことには互いに一言も触れ合わないのが暗黙のルールって奴なんだろう。多分だが」

『・・・・・・』

 

 なんか俺と由比ヶ浜の中間に挟まれてる雪ノ下と、あと彼女の正面に立つ川崎が微妙に気まずそうな雰囲気出してた気がするのは俺の気のせいだと思いたい。

 

「――やめる気はないの?」

 

 と、あらためて雪ノ下が川崎に聞く。・・・さっきの脅迫はどうなったんだ・・・?

 

「ん? ないよ。・・・まぁ、ここはやめるにしてもまた他のところで働けばいいし」

 

 と、あらためて川崎が拒絶する。・・・ここで働いてただけでも学校か家にチクられたら終わりだと思うのだが、そういうことはしないという前提での返事なんだろうか?

 信じられてるのか高く評価されているのか、ただ単に言い負かされたくないだけなのか全く分からん状況だな・・・。

 

「あ、あのさぁー、川崎さん。わたしもホラ、お金ないときにバイトするけど、歳ごまかしてまで働かないし・・・」

「別に。お金が必要なだけ」

「あー、それは分かるんだけどよぉー・・・」

「働いたら負けとか言ってる奴に分かる訳ないじゃん」

 

 由比ヶ浜が諭そうとして言った言葉に川崎が答え、それを俺が一応ながらも肯定して譲歩して見せたら、逆に由比ヶ浜の時より強い口調で罵倒されてしまった。

 川崎さん、完全に意固地になってきてやがる・・・。怖い態度と口調にはなっていっているのだが、それと反比例して中身がドンドン小学生の屁理屈になっちまってるんだけど・・・大丈夫なのか? コイツ本当に・・・。

 冷静さを装ってるけど、実は滅茶苦茶イライラしてる風に見えてきたんだが・・・。

 

「人生舐めすぎ。コッチは別に遊ぶ金ほしさで働いてるわけじゃない。そこらのバカと一緒にしないでよ」

 

 吐き捨てるような口調で―――ハッキリ言ってしまうなら、小中高生が同じような悪口言ってるときと異口同音の口調で吐き出す川崎。

 その反面、言いながらも手を休めずに働き続けている仕事内容は、『コップ磨き』

 

 ・・・まぁ、飲食業でバイトするときには皿洗いかコップ磨きからが基本だけどさ・・・。正直、今年になってからの同級生に『自分は別格』と言われても反応に困るだけなんだが・・・。どんだけ意固地になってるんだよ今のコイツって。

 

「あんたらもさー、偉そうなこと言ってるけど、あたしのためにお金用意できる? うちの親が用意できないものをあんた達が肩代わりしてくれるんだ?」

「そ、それは・・・」

 

 川崎から冷え切った視線と言葉で切り裂かれ、由比ヶ浜の言葉が途切れ途切れになっていく。

 まぁ、言ってること自体は間違っていない。たしかに俺たちには川崎のために、川崎の両親が用意できなかった金を立て替えてやれるほどの財力はないだろう。それを言われたら否定できる言葉はなくなってしまうのは仕方がない。

 ・・・だって、立て替えてやる理由がないものな、俺たちって別に・・・。川崎が年齢ごまかしてバイトしていることを注意することと、川崎が欲しがっている金を俺たちが払ってやれないこととは正直言って何の関わり合いもない全くの別問題なのだから。

 確かに金を用意できないという点では、俺たちに否定できる言葉も資格もないが、別に金を用意できても出来なくても川崎の違反バイトを注意してはいけない理由には特にならない。

 

 その程度のこと分からないほど頭悪い成績じゃなかったはずなんだが・・・・・・少し視点を変えて考え直してみる必要があるのかな? コイツの置かれている状況って。

 え~っと、たしか川崎は中学まで真面目で、総武高に入学してくるほど成績も良くて、変わり出したのは最近の高二になってからで・・・・・・高二? ――って、あ。

 

「その辺りでやめなさい。これ以上吠えるなら・・・・・・」

「――ねぇ、あんたの父親さ、県議会委員なんでしょ? そんな余裕がある奴にあたしのこと、わかるはずないじゃん・・・」

「――ッ!!」

「ちょっと! ゆきのんの家のことなんて今、関係ないじゃん!!」

 

 なんか俺が考え込んでて、正しい答えにようやく行き着けてる間に場がヒートアップしていたらしく、由比ヶ浜が噛みついてて、雪ノ下がグラス零してて、川崎が気まずそうに横向きながら唇をへの字に曲げている。・・・何があったんだ、俺が頭の中で考え続けている間に一体なにが・・・。

 

 ひねくれ者は場の雰囲気にながされないまま、皮肉屋の視点で冷静に考え過ぎちまう癖がある。だからこういう時には毎度のように乗り遅れて、置いてけぼりを食らっちまう。

 まぁ、今回に限らず大方は俺の方が悪いんだけれども。皮肉屋の視点で客観的に見すぎると当事者達から遠ざかり過ぎちまう恐れがあるから気をつけましょうと、何度も思い知ってきてるんだが、また俺は間違えてしまっている。

 ひねくれ者の青春っていうのは、こんな失敗ばっかだよな。まっ、慣れたからいいんだけど。

 

「・・・・・・なら、あたしの家のことも関係ないでしょ」

 

 そして、ポツリと呟く川崎の断片的な言葉だけが俺の耳に木霊して、痛く響いてくる。

 自分の不真面目さのせいで話を断片的にしか聞くことの出来なかった俺には、今の川崎が放った一言だけが評価基準の全てにならざるを得ない。

 だから、この言葉だけで判断するが――これだけ聞くなら仰るとおり、議論の余地はないと断言できるだろう。

 たしかに俺も雪ノ下も由比ヶ浜も、川崎自身と川崎家の抱える事情との間になんの関係もありはしないし、仮に川崎の行いが法に背くことだったとして、それを咎めるのは親や教師であって、裁くのは法でなければならない。友達でもなんでもない俺たちが、彼女の家庭の事情にしてやれることなんて何一つもありはしない。

 

 ―――とはいえ。別にそんなものがあろうとなかろうと、今回の件には一切全く関係ない事柄だから気にしないで口出ししていいんだけどな? 

 あくまで俺の推測した事情が正しかったらの場合ではあるが、状況から見て十中七八ぐらいは正解を的中している自信があるし多分いける。大丈夫だと俺は俺を信じられる。

 

「そうかもしれないけど、そういうことじゃなくて! ゆきのんに――」

「由比ヶ浜さん、落ち着きなさい。ただグラスを倒しただけよ。別に何でもないわ、気にしないで」

「・・・はぁ。今日はもう帰ろうぜ」

 

 そしてまた、別の視点から状況を観察した上でだとクールダウンが絶対必須の心理状態に全員がなってるらしく見えたので一時休憩を提案。

 答えわかってるのが俺だけじゃ役に立たねぇし、頭に血が上ってる状態で理屈も道理も通りやすいわけがあるはずないし。

 

「今日はもう疲れた。正直言って眠い。これ飲み終わったら俺帰るわ。勘定払っといて」

「あなたね・・・せめて自分で飲んだ飲料分ぐらいは払ってからいきないよ・・・」

「ま、まぁまぁ。ゆきのん、今日はもう帰ろ? ヒッキーの分も明日がっこうで請求すればいいだけなんだし・・・ね?」

 

 そして意外と冷静なところのある由比ヶ浜。悪意もなく俺を追い詰めてくるときがたまにあるコイツのことが、俺はたまに苦手にならなくもない。

 

「由比ヶ浜、後でメールする。・・・川崎のことについてのことでだ」

「・・・・・・へ? え、え。あ、うん、わかった。・・・待ってる、ね」

 

 それだけ告げて、最後の部分だけ雪ノ下に聞こえないよう小声で付け加えてから由比ヶ浜を送り出す。・・・これで良し。

 良くも悪くも雪ノ下は嘘をつくのが下手すぎる性格の持ち主だ。事前準備のために前もって情報を知らせられて黙ったまま時を待つとかできそうなタイプとは到底思えん。

 頭良くて理屈を口にしまくるくせに、方法論は正面突破の突撃しか知らない単純すぎる奴だからな。こういう時には由比ヶ浜経由で知らずに連れてきてもらった方が都合がいい場合もある。

 

「川崎。明日の朝時間くれ。五時半に通り沿いのマック。いいか?」

「はぁ? なんで?」

「少し、大志のことで話しておきたいことがあるんだよ・・・」

 

 そう言うだけで過剰に反応を返してくるところから見てもコイツは絶対来るなと確信できたが・・・念のためだ。策を完全なものにするため、もう一手間打っておこう。

 

「言っておくが、お前に拒否権はない。断るなら今夜俺が見聞きした内容をすべて、平塚先生と、お前の親と大志と、PTAと学校側にバラす。来なくてもバラす。わかったな?」

「ちょっ!? あんたそれひきょ――っ!?」

「返事は言わなくていい。どうせYesか、ラジャーのどちらかしかお前には与えられていないのだからな・・・ククク。

 バイトして稼いだ金でなにがしたかったのかは知らんし興味ないが・・・今までの努力全てを無に帰させられたくなければ、お前にとってのより良い道を選択することをお勧めさせてもらおう。悪いようにはしない。それじゃあな・・・」

「ち、ちっくしょぉぉぉぉ・・・・・・ッ!!!」

「クックックックッ・・・・・・」

 

 ――完全に悪役な去り方になっちまったけど、まぁ別にいいとしよう。提示する問題の解決案は犯罪とは真逆の方法論なんだし、むしろ今の時点の方が軽犯罪に抵触しかかってるか、既に触れちまってるかのどちらかなんだし。それと比べりゃ俺がヒール役演じて嫌われ者になるぐらい、どうってこともないだろう。

 

 もしかしたら、今ほど捻くれなければ少しぐらい違ったやり方を選んでたかもしれない。

 だが、今の俺のやり方はこれだ。今の俺は捻くれたやり方を貫こう。

 ひねくれ者が貫きたがるやり方は、いつでも全く同じ屁理屈。

 

 正々堂々、真っ正面から卑屈に最低に陰湿に―――不意を打ってご覧に入れよう、萩原子荻。ひねくれ八幡、心の一句。字あまり過ぎ。

 

つづく(次話の川崎沙希エピローグは短い予定なので急ぎます)

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