俺ガイル二次作   作:ひきがやもとまち

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けっこう久しぶりになってしまった【捻くれている】最新話を更新いたしました。
色々あって遅くなりましたが、やはり捻くれ主人公は書いてて楽だとつくづく思う次第です。


やはり俺の青春ラブコメはひねくれている。第15話

 あれから一週、由比ヶ浜は奉仕部に来ていない。

 学校には来ているし、授業にも出ている。友達と普通に友人付き合いもして、外観上は前となにも変わらず元通り。

 

 ・・・ただ放課後の部活動にだけは来ていない。授業が終わって放課後になったら普通に帰宅するか友達と帰り道一緒にするだけ。部活通い拒否、とか不部活行きたい児とかの造語を造るなら、それらに当てはまるような状態だろう。

 

 ――まぁ単なる、幽霊部員とも言える状態でもあるのだが・・・・・・それ言うと静かに怒り出しそうな人に身近な心当たりがあるので絶対に言えん。言ったら怖い思いをさせられそうだから、絶対に。

 

 

「・・・あなた、由比ヶ浜さんと何かあったの?」

 

 

 そんな雪ノ下さんが遂にしびれを切らしたようです。(最近のラノベタイトル風。主人公べらんめぇ口調なのにタイトルだけ何故か敬語って多いよね、何故か)

 

「いや、何も」

 

 俺は片手に持った文庫本に視線を落としたまま答えを即答で返し・・・・・・少しだけ間を開けてから私見も追加で付け加えておく。

 

「・・・・・・と思ってはいるんだが、たぶん何かあったことになってるんだろうな・・・。少なくとも向こうの中では・・・」

「そうね。何もなかったら由比ヶ浜さんは来なくなったりしないと私でも思うし。喧嘩でもしたの?」

「・・・・・・ぐ」

 

 雪ノ下にそう返されて、思わず言葉に詰まってしまう子供の時から負の実績がありすぎる、ひねくれ人生長過ぎな俺自身・・・。

 実際、俺としては嘘は吐いていない。俺の中でアレは喧嘩ではない――と思っている。

 ただ、相手にとってどうかがまるで解らないと言うところが今回のような場合ではネックだった。

 

 昔から多かったんだ、こういう事って。たぶん他の連中でも普通にあることだと思うんだが、自分にとって当たり前の言葉が相手にとっては別の想い意味を持った受け取り方をされていた。だから怒った、なんて話は多分メロドラマじゃなくても普通によくある出来事なんだと俺自身は思っている。だが由比ヶ浜はどうかまでは俺には解らない。そういうことだ。

 

 俺にとって、あの日言った言葉は『気遣い“だったなら”辞めろ』である。

 気遣いで優しくしてるだけならムカつくだけだから辞めろと俺は本心から思っていたし、相手の言ってたとおり雪ノ下目当てで奉仕部にくる分には一向に構わん。

 だって俺、関係ないからね。他人の色恋沙汰とか友情とかの内輪問題にボッチは口出ししないよ? 巻き込まれるの嫌だし、内輪もめするの見て愉しみたいだけだし。

 

 ・・・そんな俺だから本気でこういう場合はよく判らん・・・。どういう心理で起きてるものなんだ? こういう状況の当事者同士って・・・。

 

「喧嘩なんてものは、それなりに近しい連中がするものなんだろ? だから俺たちの場合に当てはめていいものなのかどうか」

「自覚はあるのね・・・なら喧嘩というより“諍い”とか?」

「ああ、それに近い感じはするな。でも、ちょっと違う気もするかな? 当たらずとも遠からずって感じか」

 

 ソッと顎に手をやりながら考える仕草をしてから言った雪ノ下の言葉に近いものを感じて、俺は比較的賛成票を投じると、

 

「じゃあ“戦争”?」

「当たってないし遠くなったし、ついでに言えば戦争の定義決まってねぇし」

 

 受験戦争とか貿易戦争とかも戦争の中に含まれてるから、戦争って大まかなくくりだと余計にこんがらがって、よく判らん。

 

「なら、“殲滅戦”」

「話聞いてたか? あと先生の話も聞いておきなさい。殲滅戦は戦争方式の一つだよ、最初の回答で外れてた質問の類似系を繰り返すなよ。バカだと思われても知らんぞ?」

「・・・・・・ッ!(キッ!!)」

 

 そして、揚げ足とったら睨まれる俺。初歩的な間違いしたのは相手なのに理不尽だ・・・・・・。まぁ慣れたから別に気にならないし、いーんだけどさ・・・。

 

「――では、・・・・・・すれ違い、というヤツかしらね」

「ああ、それが一番近い感じがする表現だな」

 

 まさしくそれだ、それが一番近いと感じて、俺は今までで一番心を込めて雪ノ下の見解に賛同を表す。

 ポケモンのすれ違い通信を学校やクラスで鬱陶しいネタに使われるから、わざわざ人の多い駅とかまで移動しなくちゃ行けなくなってたアレだ。

 いやしかし、ああいうゲームの通信機能は身近な奴らとのコミュニケーションを前提として付けるの辞めて欲しいよね本当に。どうせ一時のブームで流されてるだけの連中と引きこもりボッチのゲーマーとじゃ話あわねぇんだから、エンジョイプレイ向け・ニワカ向けぐらいのバージョン違いを色とは別に出して欲しかった・・・・・・閑話休題。

 

「そう。・・・なら仕方ないわね」

 

 小さな溜息と共に雪ノ下は自分も読んでいた雑誌を閉じて、諦観と共に俺の言葉責め、もとい俺への尋問と自白による原因解明を諦めてくれた。

 

「・・・・・・」

 

 そして、それっきり黙り込む雪ノ下。それがコイツなりの他人との距離の取り方であり、コミュニケーション術なのだろう。

 世間話や一つの題材について話したりはしても、個人のプライベートに触れることは希であり、他人への興味が薄いせいなのか地雷を踏んでしまわないように避けて―――いや、ちょっと待て。

 

「お前このまえ大志のときに、“大志は本校生徒の弟で相談内容は姉自身のこと”って理由で、川崎家の家庭の事情に口出ししまくってなかったか? 奉仕部の仕事の範疇だとかなんとか言って。

 だったら今回も、お前から部活来ない理由を由比ヶ浜に聞けばいい話だったんじゃねぇの?」

「・・・・・・」

 

 俺に言われて雪ノ下は、少しだけ黙って視線を逸らし。

 

「――聞くまでもないわ。私が聞いたら、あの子は行くってきっと答えるもの。たとえ来たくなくても・・・・・・たぶん、来るわ」

「いや、そうだと俺も思うんだけども・・・・・・今のお前から聞かされると、後ろ向きな思考を正当化しているようにしか捉えられない言葉になるんだが・・・」

 

 いつもの如く、いつものようなやり取りを経て、いつも通りの沈黙と静寂が戻ってくる奉仕部の部室。

 ・・・ただ、いつもだったら間に2、3回ほど由比ヶ浜からの空気読まないアホなツッコミなり発言が紛れてきてたのが定番だったので、なんとなく居づらい。

 そんな感じを今日の奉仕部部室に感じていた、丁度そのとき。

 

 

 ガララ。

 

 

「なんだ、由比ヶ浜は今日もいないのか」

 

 と、いつものようにと呼べるほどには回数来てくれてないけど、来るときはいつも通りにノックしないで入ってくるのが定番になってる奉仕部顧問な平塚先生のご登場である。

 

「先生、ノックを・・・・・・」

「彼女には、それなりに期待していたのだがなぁー・・・」

 

 そして、雪ノ下以上に人の話を聞かずにゴーイングマイウェイで自分の言いたいことだけいいながら部室へと乱入し、部屋の中央に置いてある机後ろの椅子に頬杖ついて座り込み、『はぁ~』と溜息を一つ。

 

 ・・・いやあの、すいません先生。何しに来たのか解らないんで用ないんだったら出て行って下さい。いやマジで本当に心の底から。

 

「あの・・・先生、何か用があったんじゃ・・・?」

 

 などと正直に聞ける訳もないので、できるだけ穏便な聞き方をする俺って超平和主義者な超ガンジー。独裁者に武器持って立ち向かおうとしない俺に誰かノーベル賞くれ、金メダルはいらん。世界で一番狙うのは独裁者の方だから、平和主義者は世界に一つだけのオンリーワン。

 

「ん? ああ、そうだ比企谷。例の勝負だが、これからはバトルロワイヤルで行こう」

 

 そして勝ち負けを愛する戦闘民族出身者の平塚先生は、いつも通りに平和主義者たちに戦い合うことを求めてくるのであった。

 なんとなくバトルロワイヤルと聞いて『これから君たちに殺し合いをして貰います』とか言われてた子供たちのシーンを思い出したのは俺だけではないと信じたいです。

 

「バトルロワイヤル・・・? 二人だけで?」

「必要なら新入部員を勧誘しても構わない。由比ヶ浜はもう来ないようだしなぁ」

 

 長い後ろ髪をサラッと片手でかき上げて流して見せながら格好付けながら言う先生なんだけれども。俺が聞きたかったのは、そこではなくて。

 

「いえ、そういう意図で質問したんじゃなくて。先生がやれと求めているバトルロワイヤルという対決方式を成立させるためには最低限三人以上の人数が必要なんじゃないかと言いたかったんですが・・・・・・。

 普通に熱く決着付けたいだけなら、デスマッチとか他にも色々と遣りようあるでしょうし、一対一の方が二対一よりも先生好みには合ってるんじゃあ・・・スクライドの最終回みたいな感じで」

「ゴホン! ゴホン!!」

 

 そして例によって例の如く、いつも通りの咳誤魔化し。これも慣れたからいいんだけどさ・・・。

 

「先生、由比ヶ浜さんは別に辞めた訳では――」

「来ないのなら同じだよ。幽霊部員など私には必要ない」

 

 反論してきた雪ノ下の言葉にピシャリと言い切り、さっきまでの穏やかな雰囲気がなくなった表情で平塚先生は寒気すら感じられそうな眼差しで俺と彼女を平等に射貫く。

 

「君たちは何か勘違いしてはいないかね? ここは君たちの仲良しクラブではない」

 

 続けて放たれた言葉は、問いかけでも確認でもなく訓告だったのだろう。疑問の形を取りながら暗に俺たちの罪科を責め立てに来たのが今回の先生が部室に来た真の目的だったのだ。

 

「青春ゴッコなら余所でやりたまえ。私が君たち奉仕部に課したものは自己変革だ。ぬるま湯の使って自分を騙すことではない。

 奉仕部は遊びではないよ。れっきとした総武校の部活動だ。やる気がない者に構ってやるのは義務教育まで。自ら選択してこの場にいる以上、意思なき者は去る他ない」

「・・・・・・っ」

 

 これまたピシャリと言い切られて雪ノ下が唇を噛みしめて、そっと目を逸らす。

 ・・・しかし、やる気がない者に構ってやるのは義務教育まで、意識なき者は去れ、か・・・。

 

 

「たしか俺って・・・【青春とは嘘であり、悪である】ってテーマのやる気ないこと前面に出しまくった作文がダメすぎたからと、罰として奉仕部に押しつけられた罪人の立場でしかなかったはずなんですけどね・・・・・・平塚先生の独断と偏見に基づく決定だけを根拠として・・・」

 

 

「ゴホン!ゴホンゴホンゴホン!!!ゴホホホン!!!」

 

 

 メチャクチャ咳しまくって逃げ出されてしまわれた・・・。

 物語最初で旅立ちの理由がショボすぎたりした作品が中盤とか後半でドシリアス展開になってきたりすると序盤の発言内容と矛盾してるツッコミを読者や視聴者たちから指摘されまくって論争起きるパターンだこれ絶対に・・・。

 なんとなくのノリで見切り発車したりするから、こうなるんだけどなぁー・・・自己満足のためだけに格好付けセリフ要らないです、いやマジで本当に心の底からガチな理由で。

 

「ま、まぁあれだ。由比ヶ浜のおかげで部員が増えると部の活動が活発化することは解ったわけだし、いい機会だ。

 君たちは月曜までに少なくとも、もう一人。やる気と意思を持った者を確保して人員補充したまえ。

 なんなら―――今から」

 

 そう言いながら笑顔で部室を扉を開き、お客様をエスコートするかのように片手で部室の外を指し示す。

 要するに、“出て行け”“さっさと探しに行け”“三十秒じゃないけど、月曜までに支度しな!”・・・とまぁ、そういう事をジェスチャーで伝えたいのだろう。

 直接口にすると、生徒の権利を侵害だなんだとか小うるさくなってきた世の中だからなぁ~。言質を取られるような発言は極力控えたいって気持ちはリスク・リターン的によく判る。

 学校は遊びではなく、教師も遊びじゃないからな。格好付けセリフで職失ったらシャレにならん。

 

「まぁ、先生が横暴なのは今に始まったことじゃないので別にいーんですけどね・・・・・・」

「心外だな。私なりの優しさのつもりだがね」

「平塚先生、一つ確認しますが」

 

 先生に言外で命令されたとおり俺たちは廊下に出て、空き教室の鍵を持ってきていた先生が施錠する背中を眺めながら会話を続けていたところ、今まで何か考え込んでいたらしい雪ノ下が、ここに来てようやく口を開き。

 

「人員補充をすればいいんですよね? 必ずしも新入部員を勧誘しろと言われたのではなく」

「その通りだよ、雪ノ下」

 

 そう言って最後に短く、『健闘を祈る』と一言だけ言い残して平塚先生は背を向ける。

 そして格好良く去って行こうとして―――雪ノ下から最後に締めの一言を。

 

 

「わかりました、ありがとうございます先生。―――それと、これは私個人からもう一つだけ」

「ん? なんだね雪ノ下。言ってみなさ―――」

「由比ヶ浜さんを迎えに行くよう促したいのでしたら、次からハッキリとそう仰って下さい。正直言って義務教育ウンヌンの件は、聞かされる方が不快なだけで無意味でした」

「ゴホン!ゴホン! ゴホホォォォォォォッン!!!!!」

 

 

 そして足早に急な用事を思い出して逃げ去っていく平塚先生による、いつも通りの寸劇が終わり。いつも通りに二人きりのときは沈黙が下りてきやすくなる俺たち奉仕部残留確定されたメンバーの二人組。

 

「――で? どうすんだ?」

「決まっているでしょう。由比ヶ浜さんに戻ってきてもらうのよ」

「・・・まぁ、それしか道はないよなぁ・・・」

 

 溜息を吐きながらでも、俺は雪ノ下の案に賛同せざるを得ない。

 単純に平塚先生が課してきたノルマを月曜までに満たすだけでいいのであれば、戸塚とかなら入ってくれるかもしれないが、さっきの先生の様子を見る限りでは字面だけノルマ達成したところで何やかやと別の理由を持ってきて由比ヶ浜を迎えに行くよう遠回しに強制されるのがオチだろう。

 

 何故なら彼女が俺たち奉仕部メンバーに求めているのは『自己改革』であって、課されたノルマを形だけ達成するお役所仕事で、上役である先生自身を騙そうとすることじゃないからだ。

 

「まぁなんだ、自分が顧問受け持ってる零細部活動の部員の一人が幽霊部員っていうのも、職員室とかで肩身狭そうで哀れだしな」

「そうね。案外、今日来たのも居づらくなって逃げてきただけだったかもしれないわね」

「けど簡単に戻ってきてくれるもんかね? あんましこういう経験ないから分からんのだが、離れていったヤツって戻ってくるもんなん?」

 

 いまいち具体的にイメージできずに俺は懸念も表明しておく。

 何しろ俺が今日まで動けなかった最大の理由は其れだからだ。よく判らん、これに尽きると断言できる。

 極端な話、由比ヶ浜に頭下げて余計なこと言っちまって悪かった~、とか、喧嘩になっちまったみたいで悪い次から気をつける、とかの詭弁なら絶対に言えないって訳でもないし、言いたくなって程もない。普通に言える。

 

 怒った理由は分からないまま、解った“フリして”『部室に戻ってきて貰うため』という目的達成だけを求めるなら、そこに俺の嘘がないから一切の罪悪感なくできてしまうし、たぶん由比ヶ浜の方でも『そうだったんだ~、私の方こそ勘違いしちゃってゴメーン』とか言って普通に部室に来るようにはなると思ってはいた。

 

 

 表面的に元通りにするだけなら簡単だ。メチャクチャ気まずくなる上に、俺まで部室に来たくなくなることを承知の上でやると言うなら、絶対にできないって程じゃあない。

 

 ただ、そんな場所に何の意味があるのかとも思うし、理由も解らずに解ったフリしてペコペコ頭下げてもボロ出しやすくなるだけで、崩壊が少し遅くなっただけに終わるような、そんな予感しかしなかった。

 

 だから今日まで動かなかったし、何もしなかった訳なのだが・・・・・・雪ノ下には何か代案があるのだろうか?

 

「六月十八日、なんの日か知ってる?」

「知らん」

「・・・即答で断言できてしまうのだけは、さすがのコミュニケーション能力ね。・・・由比ヶ浜さんの誕生日よ、たぶん」

「そうなのか? ・・・って言うか、“たぶん”?」

「ええ、たぶんよ。アドレスに0618って入っていたから。だから、たぶん」

「・・・つまり直接確認したことないから確証はない、と?」

「・・・・・・」

 

 そしてまた目を逸らし、沈黙して、ツッコミ入れたら睨まれる。いつも通りのパターンな奉仕部終わった帰りの部活動後。

 

「で? それが?」

「・・・だから誕生日のお祝いをしてあげたいの。たとえ今後、由比ヶ浜さんが来ないとしても、これまでの感謝はキチンと伝えたいから・・・」

「そうか」

 

 雪ノ下はソッと目を伏せながら恥ずかしそうにそう言って、再び沈黙する。

 ・・・あー、これって俺って出る幕ないわーと思い知らされた瞬間だった・・・。

 

 どう考えてもお呼びじゃない。二人の友情だが、友情未満だかに冷めたひねくれ者が混じっていても空気読めずになんか言っちまってブチ壊しにするシーンしか思い浮かばん。

 今回は家で大人しくしてよう。そうだ、それが一番いい。エコだし地球に優しいし。・・・今までずっとそれが一番だった気もするけど、終わったこと穿り返しても後の祭りで虚しくなるだけだから思い出さないようにしておこう・・・。

 

「ね、ねぇ、比企谷君・・・・・・」

「あん?」

 

 そう思って、今回の一件は既に頭の中で他人事にしかかっていた俺は、雪ノ下に声をかけられて振り返らせられ、思わずギョッとしてしまうことになる。

 

 ギュッと自分の胸元を握りしめて、緊張しているのか『こくっ』と喉を鳴らす。

 頬は桜色に上気して、潤んだ瞳で俺を見上げてきていた姿で見つめてきていたのである。

 

 世の男性諸君、敢えてハッキリと言おう。無駄にエロい姿だったですと。

 

「そ、その・・・あの・・・・・・つ、付き合ってくれないかしら?」

 

 さらには続けて放たれたセリフがこれである。しかも見た目だけはクール系の極上美少女から言われた言葉として。

 ここまで来ると話の文脈とか前後の繋がりとか無視してイヤらしい展開を男としての期待感から信じたくなる気持ちも分からなくはないだろう。

 

 が、しかし。

 

 

「・・・・・・買い物にか?」

「・・・?? ええ、そうだけど・・・・・・他に何かあるの?」

 

 

 コテンと小首を可愛らしく傾げて、本気で不思議そうに聞いてくる雪下雪乃さん。

 世の美少女キャラ好き諸君、敢えて言おう。

 

 

 ヒロインポジションにいそうなスペック持ちが、難聴系の鈍感ラブコメ主人公やってる俺の青春は間違っている、と・・・・・・。

 

 

つづく




*書き忘れてたこと。

原作だと平塚先生の口から『君たちには殺し合いをしてもらいます』と告げられていて、アニメ版ではなかったため逆用してネタに使わせてもらった次第です。
原作を知らない訳ではありませんので、誤解なされないようお願い致します。
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