悩み迷い続けてたせいか、【俺ガイル二次作】が先に出来ました。迷走しながら書いた話ですので中身は期待しないでくださいませ…。
もう少し真面目な事で悩めるようになったら、何か思いつく事ができるのですかな…?
*書き忘れてた部分を付けたしました。
雪ノ下が由比ヶ浜への誕生日プレゼントを選ぶため日曜昼間にやってきてた、みんな大好きでボッチおことわりなデートスポット東京BAYららぽーと。
そこに小町のオマケで付いてきちまった俺は、無事にプレゼントを見つけることはできた雪ノ下と共に帰ろうとしていた矢先に、彼女の姉と称する女性の雪ノ下陽乃さんと出会って声をかけられた。
そして―――
「雪乃ちゃん、こんなところでどうしたの? ――あ! デートか! デートだなっ! このこのっ!」
「・・・・・・」
・・・何故だかわからない内に、デパートに買い物にきて親戚のおばちゃんに出くわしちまった時みたいな会話が発生しちまっていた・・・。
なんだ? この状況・・・。雪ノ下姉の陽乃さんが、雪ノ下妹を肘でつついてからかい始めて、雪ノ下が冷め切った表情で鬱陶しそうにしているだけの姿が妙にデジャブって見えちまう気がして変な感慨に襲われそうになっているんだが・・・。
「二人はいつから付き合ってるんですか~? ホレホレ、言っちゃえよー♪」
「・・・ただの同級生よ・・・」
初見で受けさせられた印象と同じく、陽乃さんは見た目こそ雪ノ下と似ているが性格はだいぶ違うらしい。
陽乃さんは名前のごとく明るく朗らかなイメージの女性で、冷めた態度を取りたがる雪ノ下とは印象がだいぶ違う。
姉の方はコロコロと表情を変えて、笑顔ってこんなにバリエーションがあんのかよと思えるほどだ。パーツは同じでも、その使い方で与える印象がこうも違うのかと感心させられてしまった。
そして、だからこそ解る。確信を抱ける。
「いやまぁ、実際に彼氏じゃないですけどね。俺たち・・・」
「お、君もムキになっちゃってぇ。雪乃ちゃんを泣かせたりしたらお姉ちゃん許さないぞっ」
「・・・いえ、そうじゃなくて・・・・・・」
陽乃さんが「めっ!」と俺を窘めるように人差し指を立てて、それを頬に押し当ててグリグリしてくる矛先を雪ノ下から俺に対象変えて実行してきて痛たたっ。ちょっ、姉妹の内輪もめに俺巻き込まないでっ。痛ぇっつーの! 近い近い、肩に胸が当たったり離れたりするほど近くて痛くなるから止めて! 同じ親から生まれた残酷さを突きつけられる現実の感触が痛い! 主に心が!
そして、雪ノ下妹からブリザードの気配が流れてきてるような幻痛で感覚的にも痛い気がさせられてしまう・・・。雪ノ下姉妹は俺に対して優しくても優しくなくても痛みしか与えてくれない嫌いすぎる女の子のタイプだと俺は思う。
「この前、妹さん自身からの口から『クラスメイトではないし、友達でもないし、誠に遺憾ながら知り合い?』と言われるような関係だと言いたかっただけっす」
「・・・・・・おおぅ・・・・・・」
そして、聞かれたから正直に答えを返したらドン退かれた。なんでだよ。
「・・・・・・(キッ!!)」
しかも何故か、雪ノ下妹からまで睨まれる俺。・・・本当に何でなんだよ・・・。
「姉さんも、いい加減にしてちょうだいっ」
「あ・・・ごめんね、雪乃ちゃん。お姉ちゃん、ちょっと調子に乗りすぎた、かも」
誤魔化しではないと思うが、雪ノ下から地を這うような低い声で苛立ちを隠そうともせず侮蔑の視線と共に言い切られ、陽乃さんは一瞬前までのハイテンションぶりが嘘だったかのように力なく申し訳なさそうな笑いを返す。
天真爛漫な姉と、神経質な妹。構図としてはそんなところか。
――もっとも。
「ごめんね? 雪乃ちゃん、繊細な性格の子だから。比企谷君がちゃんと気をつけてあげてね♪」
その直後に元の笑顔に戻って俺の耳元にこそっと耳打ちしてきたから、演技でしかなかったのバレバレになっちまうと思うのだが・・・・・・。
まっ、わざとなんだろうけれども。
「・・・・・・」
「?? わたし、今嫌がられるようなことしちゃったかな? だったら、ごめんね」
あまりの嘘寒さに怖くなったため、思わず気付かぬ間に距離とって逃げてしまっていた俺に、その行動が不思議だったのか陽乃さんが上半身ごと右に傾けて考え込むような素振りをしてから、桜色の舌を「ちろっ」と出して謝ってくる陽乃さん。
さすがに、「それだよそれ。その狙い澄ました男の庇護欲ピンポイント攻撃が怖いんだって!」・・・とかいう理由で糾弾を返すわけにもいかないので、なんか適当に当たり障りのない返答を返そうと思って頭ひねった俺は
「あ、いや、別にそんなんじゃ、ほら、その、俺耳弱いんで」
・・・当たり障りしかねぇ言葉で返答を返しちまった・・・。いくら何でも動揺しすぎだろ俺、キョドる姿がキモいにも程があるぞ。
初対面の年上女性に性癖晒すとか、訴えられても文句言えない立場に立たされた挙げ句、凶悪な目と研ぎ澄まされた爪を持つパンダのパンさんよりも怖い白と黒で塗り分けられたパンダカーで連行されちまっても知らんぞ・・・。いや俺自身のことだから知らなくても思い出させられるんだろうけども、パンさんすら入ったことのない留置所の檻の中で。
「比企谷君、初対面の女性に性癖を晒すのはやめなさい。訴えられても文句は言えないわよ」
雪ノ下が今日一番のド正論を言ってくれた。・・・雪ノ下よ、今その一言だけで今日のお前は俺を超えたぜ・・・。
「あっははは♪ 比企谷くん、すっごいおもしろーい!!」
そして、今のやり取りのどこがどうツボにはまれるものなのかサッパリわからないし、わからないから嘘で笑って見せただけであることが解りきってる間を開けてから、陽乃さんは俺の背中をバンバン叩きながら爆笑してくる。
だから近いっつーの、あんたのサイズだと当たったり放れたりするっつーの、「当ててんのよ」とか言われてるのと変わんないっつーの!!
「姉さん、もういいかしら? 特に用がないなら私たちはもう行きたいのだけど」
そう言ってベンチから立ち上がり、雪ノ下は言葉だけでなく行動でもって『これ以上は話す気がない』という意思を示し、陽乃さんもまたアッサリ妹の言葉に従って立ち上がり、
「それじゃあね、比企谷くん。雪乃ちゃんの彼氏になったら改めて、お茶しよーね!」
最後にぱあっと華やぐような笑顔を浮かべて、陽乃さんは別れのポーズの「Vサイン」を決めて、とてとてと軽快な足取りで去って行ってしまった。
・・・・・・何というか、すごい人だった。
嵐のような人というか、嵐を呼ぶ女子大生みたいな人というか、嵐を呼び込むためにやってくる美女とでも呼ぶべきなのか・・・・・・まぁ、何はともあれ言えることは只一言。
「・・・お前の姉ちゃん、すげぇな・・・・・・」
という平凡極まる、知り合いの姉にはじめて会った妹の男子クラスメイトが言いそうな感想トップ5には入ってそうな普通の言葉のみ・・・。
それしか言えないほど、その言葉だけで十分すぎて、それ以外には相応しくないような気がするほどに、何と言うかこう・・・・・・うん。すごい姉ちゃんだったわ。それ以外には本気で言いよう思いつかねぇくらいにスゲぇ。超スゲぇと、俺も思わず使用言語だけリア充化しちまうほどに。
「姉に会った人は皆そういうわね。誰もがあの人を褒めそやす」
「だろうな、わかるわ」
俺の呟きに雪ノ下が頷いて言葉を添えてくれたので、より納得する。
やっぱりあの人はスゲぇ。陽乃さんはマジスゲぇ。凄すぎる。
・・・・・・と思っていたのだが。
「容姿端麗、成績優秀、文武両道、多芸多才。そのうえ温厚誠実・・・・・・確かに、およそ人間としてあれほど完璧な存在もいないでしょうからね・・・」
「はぁ?」
なんか盛大に勘違いし合って認識共有できてなかったまま、解り合った気になってただけだったことが相手の口から出た言葉で判明して、人と人はやはり解り合えない生き物なんだなと改めて気付かされる。人類の確信、ニュータイプへの覚醒はどうやら月の都市が作れたぐらいの近未来じゃ無理そうだわ。
「そんなスペック評価なんざ、お前も大して変わらんだろ。遠回しな自慢かよ。
俺がすげぇっつってんのは、何? あの強化外骨格みたいな外面のことだよ」
「・・・・・・え?」
俺がそう言った言葉がよほど意外だったのか、雪ノ下がポカンとした顔で俺を見てきて、俺自身は前を向いたまま先ほどまで彼女の姉と過ごしてきた時間内での直近の記憶を振り返る。
――人当たりが良くて、ずっとニコニコしてて、俺みたいなボッチにも優しく話しかけてくれる。
しかもスキンシップが過剰で感触まで柔らかい、モテない男子にとっての理想的な女そのもの。
だからこそ。
「『仮面』だ。男どもにとって都合のいい理想の女の仮面を被って演じきることで、本音を完全に隠しきれている。
強化外骨格やモビルスーツって言うよりも、なんつーの? 機械による無作為な救済をするため専用に作られたモビルアーマーっつーか、自分の本音と別のもんが矛盾なく同居できてるマシーンみたいな女の人だったからスゲぇなって。それだけだよ」
そう。理想は理想で、現実じゃない。現実で理想が叶っていると、どこか嘘臭い。
現実は苦くて、嘘は優しくても幻想でしかない。
だからこそ、人は現実世界で理想を夢見たがる。理想嬢の女の子を追い求めるようになるんだ。―――ゲームとかの中に!!
ゲームの中の女の子は誰がプレイヤーでも優しくしてくれて、画面の向こう側にいて操作してる奴がどんな欠点を持っていようと関係なく、完璧主人公と同じように惚れてくれる。
だが、忘れてはならない。彼女たちが惚れてくれるのも話しかけてるのも“主人公”であってプレイヤーじゃない。プレイヤーのことなんて彼女たちは最初っから見ていない。
たとえダメな男主人公だった場合でも、男に好かれるため計算づくで作り込まれた理想的な女の子ヒロイン達が優しくしてくれるのは、【主人公の中の人達】など彼女たちにとってはどうでもいい存在だからであることを現実はクソゲーでゲームの方がいいとか思ってるボッチゲーマーたちは決して忘れてはならないのだ。人生踏み外したらヤバいから、絶対に。
……いや実際問題、最近のゲーム機ってスゲぇ性能いいからさぁ。もう現実いらねぇんじゃねぇかって思うときとかってあると思うんだ誰だって。
人は辛い現実から逃げるために、ゲームという名の理想世界を想像して現実逃避を楽しんでいる。
現実逃避先のゲームが現実になっちまったら、逃げる場所なくなってやだし俺。
「・・・驚いた。腐った目でも、いえ腐った目だからこそ見抜けることが、あるものね・・・・・・」
「お前、それ褒めてるつもりか? だとしたら見当違いもいいところだぞ」
ハッと嗤って、俺は雪ノ下が告げた底の浅い人物鑑定眼に肩をすくめて、外人みたいに「やれやれ」と格好つけて見せてやる。
相手からムッとしたような空気が伝わってくるが構いやしない。今回のことはコイツが悪い。コイツの底の浅すぎる世の中の腐りを見る目のなさが全部悪かったのだから。
「腐ってる奴らが、都合のいい理想を現実に求めたがるもんだろう?
普通の女にさえモテない野郎の前に、理想的な都合のイイ女の方からやってきてくれる・・・・・・そんな上手い話が現実にあり得ると思いたがる奴らの方こそ腐ってるに決まってるじゃねぇか。
主に、パクリ小説書いてきては玉砕して帰って行き、しばらくしたらまた持ってくる真夏でも厚っ苦しいコートとグローブでキメた気になってる、理想実現を現実に求め続けてる剣豪将軍とかが・・・・・・」
「・・・・・・・・・比企谷くん、反論に困ることは言わないでくれるかしら? あの彼を例に出すのはさすがに卑怯だと思うのだけど・・・・・・」
まぁ、こんな感じで。
何でか知らんが、由比ヶ浜の誕生日プレゼント買いに行って雪下の姉の陽乃さんと初めてであった日の終わりには、頭の中に『はーっはっは八幡!!』という変な笑い声がエンドレスで流れ続ける変な一日が終わりを告げた。ようやっと終わってくれた。
いや本当に。・・・・・・変な一日だったなと後になってからも思い出し、初めての出会いの印象を陽乃さんから聞かれて困りまくることになる未来の自分を、今はまだ知らないのは幸いだったなと過去を振り返りながらそう思うわ。未来だとの話だけれども・・・。
つづく
*前書きに書き忘れましたが、迷走中に書いた話のため後で書き直す可能性も視野に入れ乍らの投稿となってしまいましたことを謝罪いたします。
もし書き直すときには通達いたしますし、先に進めてからの書き直しはない様に努力するつもりでもいますのでご容赦頂けたら助かります。