バーテックスの放った大火球を相手取り、消滅させようと試みる。
「くっ!熱い!どうすればいい!?」
しっかりと握った刀で受け止めるが、火球の熱さに顔をしかめる。
そして楓は、自身の纏う炎の火力を上げ、火球のエネルギーを吸収しようとする。
しかし、火球の火力が強すぎ、楓が押される。
「ぐ、うう~~!」
数秒後、火球の威力に押され、弾かれる。
「がはっ!」
背中から地面に叩きつけられ、肺の中の酸素を全て吐きだす。
肺の中身が全て外に出たことで一瞬意識が飛ぶ。
意識を取り戻し、立ち上がる。
その時目に入ったのは、封印されたバーテックスと空を見上げ呆然としている勇者部の四人。
そして、大気圏より高度に浮く、巨大な御霊だった。
「…何から何まで規格外すぎるわ…」
「しかも御霊の出てる場所、宇宙!?」
「お…大きすぎるよ、あんなものどうやって…」
「最後の最後に、チクショウ!」
その、あまりにも巨大な御霊に、勇者部の面々は打ちひしがれる。
「大丈夫。御霊なんだから今までと同じようにすればいいんだよ」
そんな仲間の様子に友奈が元気を与える。
「どんなに大きくたってあきらめるもんか!」
そんな友奈の言葉に東郷が答える。
「友奈ちゃん行こう!今の私なら友奈ちゃんを運べると思う」
「二人は封印をお願い!」
友奈が満開した東郷の戦艦のようなユニットに乗り込みながら夏凜と樹に託す。
「早く殲滅してきなさいよ!」
「任せてください!」
封印を任された二人が力強く答える。
それを見て東郷と友奈は御霊に向かう。
「どんなに大きくたってあきらめるもんか!」
そんな友奈の言葉を聞いた楓は御霊を破壊すること方法を考え始める。
そこで、やっと放置していた火球のことを思い出す。
そして、一つの方策を考え付く。
それはバーテックス自身の放った火球を誘導しぶつけるというものだった。
しかし、一つ問題があった。
それは火球は直線的にしか進まないというのが問題であった。
「やるしか、ない!」
とにかく、神樹に火球が辿り着く前に止めるため火球を追いかける。
そして、楓は火球に追いつくと、火球の進行方向の後ろから斬りつける。
すると、核となるものが破壊されたのか、火球の勢いがおとろえ、地面に落ちる。
楓はそのいまだに赤々と燃える火球の前に立つ。
そして、その火球を包み込むように炎を伸ばし、火球を取り込む。
すると、楓の纏っている炎が大きく燃え盛る。
「これは!」
そして、バーテックスが封印されているところへと急ぐ。
走り出したとたんに、これまで感じたことのない加速感が襲う。
その感覚に耐えながら御霊にいそぐ。
東郷と友奈が御霊の元へと出たあと、封印している場所が侵食が始まる。
「…くそっ!侵食が速い!」
「時間がない、拘束力がなくなちゃう!」
すると、一つの風がが吹き抜ける。
「なに!?」
夏凜が御霊の方を見ると、大きな蒼い炎が御霊に向かっていた。
御霊に向かっていた友奈達は、御霊からの攻撃をしのいでいた。
「迎撃するわ!地上には落とさない!」
東郷は、6門の砲を使って無数に落ちてくるキューブを撃ち抜いていく。
(くっ、数が多い!)
しかし、数が多く、反応が遅れ始める。
「東郷さん…」
その様子を見ている友奈が心配そうな声を上げる。
「大丈夫、友奈ちゃん見てて」
東郷は、友奈を安心させるように友奈の手を握る。
しかし、キューブを撃ち落とした後、一際大きなキューブが落ちてくる。
そのキューブを撃ち落とそうと東郷は溜めて砲撃するが、傷一つつかない。
すると、蒼い炎の塊がすごい勢いで東郷を追い越し、その東郷の砲撃でも傷すらつかなかったキューブに突っ込んでいく。
その蒼い炎の塊がキューブに接触した瞬間、そのキューブと炎が弾け飛ぶ。
その爆発の中から人影が落ちてくる。
それは、体中ボロボロになった楓であった。
楓はキューブに突っ込んだ後、緩い重力にひかれて落ちていく。
(くそっ、もう体が動かない…)
すると、ふと、落下感覚が消える。
「楓さん!」
「伊吹さん!?」
東郷が足場で受け止め、友奈と東郷が声をかける。
「ああ、君たちか…」
楓は、何とか声を出す。
「あとは、頼んだ…」
そういうと、楓は力尽きる。
「はい…!」
友奈は力強く頷くと、東郷に向き直る。
「東郷さん…!見ててね、やっつけてくる!」
そういうと、友奈は足場から飛び出す。
そして、友奈は満開する。
そして、大きすぎる拳が顕現する。
その後、満開した友奈が御霊を破壊した。
ちょっと、戦闘回が長引いてるな…