伊吹楓は勇者である   作:水歩

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センター無事終わったので投稿しまーす。


勇者

白い光が晴れると、辺り一面が樹木の根と化していた。

「樹海、不思議な所だよな。」

さっきまで一緒にいたはずの風を探す。

しかし、辺りを見回しても人影らしきものはない。

「てことは、僕だけ転送先が狂ったか、、、」

ここに来ているはずの風たちを探すため、スマホを取り出し、narukoのマップを起動させる。

画面上で光っている点は6つ、神樹に近い点が自分だろう、そして、そこから2キロ程壁に近い場所に4つの点が固まっている。

「そこか、よし。」

風たちと合流するため、制服から黒百合を思わせる黒紫色の戦装束へと変身する。

戦装束を纏った楓は、跳躍しおよそ1キロを一足で近づく。

神樹の加護により、その動きは軽く、風よりも疾く早い。

「おーい!」

先に見えてきた4人に声をかけながら加速した身体に制動をかける。

「楓!遅い!」

皆のところに着くなり風に怒られる。

「いや、何故か僕だけ離れたとこにいてさ。」

風はとりあえずそんな場合では無いと思いなおし、完全に置いて行かれている3人に目を向ける。

「みんな、落ち着いて聞いて、私たちは大赦から派遣された人間なんだ。」

「『大赦』って神樹様を奉っているところですよね?」

友奈が不安そうに聞いてくる。

「そうだよ、僕が転校してきたのもこのためなんだ。」

「もしかして何か特別なお役目なんですか?」

勘の鋭い東郷は鋭く問う。

「えぇ、お役目ではある。」

風は東郷の問いに答えると、説明を始める。

「まず、今見えているこの世界は神樹様が作った結界」

「じゃあ、悪いところじゃないんですね?」

ほっとした顔で友奈が問う。

「えぇ、でも神樹様に選ばれた私達はこの中で敵と戦わなければならない。そして、この世界には今私たちしか存在しない。」

「他に誰もいないの?お姉ちゃん」

すると、アプリのマップを見ていた友奈が近づいてくる1つの点に気づく。

「あの、この乙女型って点は何ですか?」

「来たな…」

視認出来るようになり、指をさす。

「敵ってまさかアレですか?」

「アレはバーテックス神樹に到達し世界を殺す人類の敵」

「世界をコロスって…」

友奈たちが怯える。

「お姉ちゃん、ずっと一緒だったのにそんなの今まで聞いた事ないよ…?」

「今初めて話したからね…」

「バーテックスの目的は神樹を殺すこと。そうなれば世界は死ぬ。そうならないためには誰かが戦うしかない」

「そんな、あんなのと戦える訳が…」

(東郷でもこれか、仕方がないのか)

「大赦の調査で僕達が最も適性があると判断された。戦う意思を示せばアプリがアンロックされ神樹の勇者になる」

勇者という言葉に目に見えて友奈が反応する。

「勇者…」

そこで、東郷がバーテックスの動きに気づく。

「みんな、何かくる!」

「風、あとは頼んだ!」

楓が刀を取り出し、迎撃を始める。

バーテックスは下腹部から卵形の物体を吐き出し攻撃してくる。

それを楓は全て切り捨てる。

切ったときの爆発の余波で出来た煙が晴れると、楓がしっかりと立っていた。

「楓!大丈夫!?」

「あぁ、それより友奈と東郷は?」

「友奈に避難してもらってる。」

「分かった、樹は戦ってくれるのか?」

「はい!私も一緒に戦います!」

樹は決意を感じさせる表情で頷く。

「よし、僕が先行するから2人は合図したらきて。」

そう言うと、楓は刀を肩に担ぐように構え、体勢を低くする。

次の瞬間、身体中のバネを使い一気に飛び出す。

そして、一瞬でバーテックスに肉薄すると、刀に炎を纏わせ袈裟に切りつける。

瞬間、バーテックスの表皮が音を出して燃え上がる。

「何!?あの炎!?」

「あれは精霊の力ね、よくあそこまで使いこなせるわね…」

すると、風のスマホに通話がかかる。

『風先輩!さっき大きな炎が見えましたけどそっち大丈夫なんですか?バーナントカってのと戦ってるんですか?』

「えぇ、大丈夫、さっきの炎は楓の攻撃!こっちは3人でなんとかする!そっちこそ東郷は大丈夫?できるだけ離れてて」

東郷は暗い顔で風に謝る。

『…ごめんなさい私…』

『東郷さん!いいよそんなの誰だって怖いんだからね?さぁ早く安全なとこに行こう!』

友奈の言葉に風も謝りだす。

「友奈、東郷黙っていてごめん、2人はアタシが助ける!」

『…風先輩はみんなのために黙ってたんですよね、ずっと1人で打ち明けることも出来ずに、それって、勇者部の活動目的どうりじゃないですか!風先輩は悪くない!』

楓は1人で抑え込めずにバーテックスは風と樹に向かって卵形の爆弾を吐き出した。

「チッ、風、樹!」

楓の声に気づき風と樹は防御に入る。

しかし、爆弾は2人を巻き込む。

「くそぉ!」

楓は必死で抑え込もうとするが、バーテックスは友奈と東郷に向かって卵形の爆弾を吐き出した。

 

 

 

友奈は風と樹が爆発に巻き込まれるのを見ていた。

「風先輩、樹ちゃん…」

すると、バーテックスが友奈達に向かって卵形の爆弾を吐き出した。

「友奈ちゃん!私といたら友奈ちゃんが危ない、私を置いて行って」

しかし、友奈は動かない。

「お願い逃げて!友奈ちゃんが死んじゃう!友奈ちゃん!」

すると、あろう事か友奈はバーテックスに向かって走り出した。

そして、爆弾が直撃する。

煙がはれると、左腕だけ勇者服に変化した友奈が立っていた。

「ここで友達を見捨てるような奴は勇者じゃない!」

すると、バーテックスが数個の爆弾を吐き出す。

しかし、友奈は全ての爆弾を潰しながら変身していく。

「嫌なんだ」

右足で爆弾を蹴る。

「誰かが傷つくこと辛い思いをすること」

左回し蹴りで爆弾を蹴り飛ばす。

「みんながそんな思いをするくらいなら私が頑張る!」

そんな言葉と共に友奈は変身を完了する。

そして、バーテックスに向かって飛び上がると、右の拳を繰り出す。

「勇者…パーンチ!」

その拳は、バーテックスの3分の1を消し飛ばした。

 

 

 

友奈のパンチに3人は感嘆する。

「凄いパンチだけであんなに削るなんて」

「友奈さんすごいパンチ!カッコイイ!」

「なんだかみなぎってきた!」

しかし、友奈が消し飛ばしたところが再生を始める。

「治ってる!?」

「バーテックスは攻撃しても再生してしまう!『封印の儀式』をしないと絶対に倒せない!」

「説明するから攻撃を避けながら聞いてね!」

風の指示でみんながバーテックスを囲む。

「位置に着きましたぁ」

「こっちもついたよお姉ちゃん…!」

「じゃあ、指示どうりに」

「祝詞を唱えるんだよね?ってうわぁぁこれ全部?」

風の指示どうりに友奈と樹は祝詞を唱え始める。

「「かくりよのおおかみあわれみたまい」」

「せい!」

楓の一声で封印を開始する。

「「えぇ!?それでいいんですか!?」」

2人は信じられないという顔で声を合わせる。

「えぇ、魂込めれば言葉は問わないの!」

「早く言ってよお姉ちゃん」

すると、バーテックスの中から紡錘形の物体が出てくる。

「な、なんか出てきた!」

「あれは御霊、封印すると出てくる言わば心臓。破壊すれば勝ちなんだよ。」

「なら、私が行きます!」

そう言うと友奈は飛び上がり、上から拳を繰り出す。

ガンッと硬質な音が響く。

「かったぁーーーーい!硬すぎるよこれ!」

「友奈どいて、僕が行く!」

楓は飛び上がると刀に炎を纏わせる。

「雷閃!」

そのまま垂直に切りつける。

すると、御霊に大きな罅が入る。

そこに友奈が拳を叩き込む。

「どうだっ!」

すると、罅割れから御霊が割れ、バーテックスは砂になり消滅した。

「友奈ー!やったねナイス友奈!」

「倒した…や…やったぁ!」

風が喜びながら友奈の手を掴む。

「痛たたた!」

御霊への最初の一撃で痛めたらしい。

東郷は少し離れた所にいた。

「勝った…よかった…」

数分後花びらが舞い、白い光に包まれて、元の世界に戻った。

 

 

 

元の世界にもどると、学校の屋上にいた。

「あ…あれ?ここ…学校の屋上?」

「神樹様が戻してくださったのよ」

屋上には小さな祠がある。そこに目掛けて戻したのだろう。

4人から少し離れた所に東郷がいた。

「東郷さん!無事だった?ケガはない?」

「友奈ちゃんこそ…」

「うんもう安全!…ですよね?風先輩」

「えぇ、ほら見て」

風の声にみんな学校の周りを見渡す。

「…みんな今の出来事気付いてないんだ」

「あぁ、他の人からすると、今日は普通の日て、僕達はこの日常を守ったんだ」

「よかったあ…!」

「あ、ちなみにこっちの世界の時間は止まったままだったから今はモロ授業中だと思う」

その事に楓と風以外は驚いている。

「まぁ、後でフォロー入れておいてもらうよ」

そこが大赦のおかしなところなのだが。

すると、樹が日常に戻って緊張が緩んだのか風に抱きつく。

「お姉ちゃん怖かったよぉ…」

「よしよし、よくやったわね…冷蔵庫のプリン半分食べていいから」

「あれ元々私のだよぅー」

(風のじゃなかったんかい)

姉妹の様子に楓は少し苦笑を漏らす。

しかし、東郷だけは暗い顔をしていた…。




戦闘シーン難しい…。
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