楓は樹海化し部員が解散した後大赦本部へと赴いていた。
正面から入り、奥にあるとある一室へと向かう。
「入るよ、二人とも」
楓は声をかけ、返事も待たずに扉を開け足を踏み入れる。
その部屋は異様だった。
学校の教室程の部屋の中央に医療用ベッドが二つ置かれている。
その上には二人の少女が横たわっている。
そして、その周りにはその二人を奉るようにいや、封じ込めるかのようにお札が張り巡らされている。
楓はその二人に近づくと、声をかける。
「久しぶり、園子、銀」
園子と呼ばれた少女はその、包帯だらけの手を挙げて答える。
「ぶっきー先輩お久しぶりー」
その身体にはいたるところに包帯が巻き付けられている。
少し遅れて、銀と呼ばれた少女が楓に声をかける。
「久しぶり、伊吹先輩」
その少女は右腕と左脚がなかった。
そのふたりに楓は尋ねる。
「二人とも身体に異常はないか?」
「アタシは大丈夫、園子は?」
銀は心配ないと片方しかない腕を挙げる。
「私も大丈夫なんよ~」
園子も明るく答える。
「それより、わっしーたちはどう?」
「あぁ、僕もそれを伝えに来たんだ」
園子の問いにそう前置きすると話し始める。
「昨日一体目のバーテックスが侵攻してきた。そこで勇者になったのは僕を除いて三人。須美、いや、東郷は変身できなかった」
「そうか、で、今日の状態は?」
楓が一度区切ったところで銀が相槌をうつ。
それに促され、楓は続ける。
「で、今日は三体、銀の手脚を奪ったやつが攻めてきた。今東郷とずっと一緒にいる結城友奈がピンチになって東郷は変身することができた」
「そうか、須美も変身したのか」
そこで、いままで黙っていた園子が口を開く。
「ねえ、ぶっきー先輩、満開のことは言ったの?」
それに、楓は答える。
「いや、まだだよ。風が満開のことを知らないみたいで、機能のことは説明していない。次の襲来のときに一人追加が来るみたいだから説明はその子に任せるつもり」
「分かったよ、ぶっきー先輩。ありがとう」
「ああ、じゃあまたね、ちょっと遠いからあんまり来れないけど時々来るよ」
そういうと、楓は踵を返して扉へと向かう。
「あ、伊吹先輩」
楓は立ち止まって振り返る。
「須美は記憶が戻ってる感じあった?」
銀の質問に、楓は悲しそうな表情で首を横に振る。
そして、楓は二人に見送られて部屋を出る。
夜、暗くなって家に帰りつくと楓は、晩飯も食べずに布団にもぐりこみ、泣き始める。
「くそっ!僕が守り切れなかったからふたりは!」
後悔と怒りで、頭が痛くなる。
そして一通り泣くと、泣き疲れ寝てしまった。
やっぱり色々考えないといけないから難しい