俺は転生して殺生丸   作:修平

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俺の名前は殺生丸

 

 

 

「行かれるのか………父上」

 

「止めるか、殺生丸」

 

目の前の犬の大妖怪である父の背中を見る。

 

「止めはしません。だがその前に牙を。鉄砕牙と叢雲牙をこの殺生丸に譲っていただきたい」

 

「渡さぬ………と言ったらこの父を殺すか?」

 

「………」

 

それに俺は何も言わずに無言を通す。

 

「それほどに力が欲しいか。なぜお前は力を求める」

 

「我、進むべき道は覇道。力こそその道を開く術なり」

 

「覇道………か。殺生丸、お前に守るものはあるか?」

 

守るもの?そんなの………

 

「そのようなものこの殺生丸に必要ない」

 

そう言うと父上はこれ以上の問答は無用とばかりに妖怪の姿へ変化し凄まじいスピードでいなくなった。おそらく人間の女とその子供を救うために。俺と腹違いの弟か妹が今日生まれるようだ。妖怪と人間の間に生まれる半妖が。

 

「………くだらん」

 

そう呟くと俺は後ろを向き空を飛び歩き去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くそっ!!これからまた怖い思いをしなければならないのか!!俺は弱いんだぞ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父side~

 

「無理ですじゃ!無茶ですじゃ!お館様はまだ創造主(ライフメーカー)との戦いの傷が癒えておりませんではないですか!」

 

蚤妖怪の冥加が私の体にひっつきながら苦言を言う。

 

「あれを死なせるわけにはいかん!それに………私はもう長くはない」

 

「お館様!十六夜様と御子息を気にかけるのはよろしいですが殺生丸様はいかがされるのですか!」

 

「………あれはもう立派な妖怪だ。私の血を色濃く受け継いでいる。今ではナギやラカンにも引けをとらないだろう」

 

先ほど話していた息子を思い浮かべる。妖怪としての才能は百年に一度の逸材だ。あと百年もすれば私も追い抜く大妖怪となるだろう。だが心に余裕がない。まるで何かに怯えるように力を求めている。

 

「そうですが………」

 

「アイツはいずれ私を超える大妖怪となる。その時に私の力は必要ない」

 

「ですが!」

 

「この問答は終いだ。着いたぞ」

 

眼下には大きな屋敷が見える。十六夜今行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺生丸side~

 

俺には前世の記憶がある。ただの高校生だった。そんなある日登校中に俺は居眠り運転手のトラックにより吹き飛ばされ死んだはずだった。しかし次に目が覚めた時には赤ん坊になっていた。しかも妖怪になったそうだ。俺が生まれたのは戦国時代だが妖怪なので何百年も生きていた。そしてとうとう俺の生きていた時代に近づいてきた。俺はビビリで弱い妖怪なのだ。父上や母上、冥加などにはとても期待されていたがよく分からん。それに口調だが母上や冥加に言われこんな偉そうな口調になってしまった。それに母上も冥加も自分の覇道を目指せと言った。だから父上が自分が死期が近づいていると言った時に父上の刀である鉄砕牙と叢雲牙を譲ってほしいと言ったのだ。

 

なのに

 

「父上が………死んだ?」

 

俺は刀々斎の顔にまじまじと見てしまう。

 

「うっ、そんな睨まんでくれ。犬の大将も本望だったんだ」

 

いや、睨んでるつもりはないのだが。っていうか最強の妖怪とされる父上が死ぬなど一体どんな化け物と戦ったのだ?

 

「いや、大将は人間と戦って一緒に死んだ」

 

「人間だと?」

 

「ああ。十六夜と犬夜叉を助けるためにな」

 

十六夜は聞いたことがある。父上のもう一人の妻だった女だ。普通に思えば不倫以外のなにものでもないが妖怪にはそういうのはない。つまりハーレムを作っていたのだ父上は。くそっ!羨ましいが強い男ができることで俺みたいな弱い妖怪には無理なのだ。だって普通の妖怪も俺を見た途端に逃げていくもん!いや、俺ってそんなに不細工?美男美女の両親のもとに生まれたはずなんだが………。

 

っていうか

 

「犬夜叉?」

 

「ああ、大将の子。つまりお前の弟だ」

 

「弟か………どうでもいい。それより父上の牙はどうなった」

 

「どうでもいいって………冷たい兄貴だぜ」

 

「早く言え」

 

弟にも会ってみたいがそれより俺の命優先だ。その二振りの刀があれば俺の生存確率がグンと上がるのは間違いない。

 

「大将の遺言通りにするとだな、鉄砕牙は犬夜叉が。お前さんには………これじゃ」

 

「なに?」

 

せめてどっちか!っていう俺の願いは崩れ去っていた。いや、この際鉄砕牙は犬夜叉に譲ろう。アイツだって半妖で大変になるだろうし!じゃあ叢雲牙のほうは!しかし刀々斎の持っている刀は………

 

「天生牙」

 

「ああ、これがお前さんにって言われたそうじゃ」

 

父上………あなたはこの殺生丸のことが嫌いなのですか?天生牙って死んだ者を生き返らせるチート剣だがこれって生きてるヤツは切れないんですよ?

 

「一応、戦えるようには鍛え直してしておいた。冥道もお前次第で使えるはずだ」

 

「叢雲牙はどうした」

 

「あぁ~、言わなきゃダメか?」

 

「殺されたくなければな」

 

本当は小妖怪を殺すので精一杯なのだが見栄を張っておく!だってどうしても叢雲牙が必要なのだ!本当は呪いで精神を乗っ取られるらしいのだが俺が一度握った時にはなんともなかった。その時父上が俺に「さすが私の息子だ」ととても喜んでいたのに。

 

「あれを扱えるのは今ではお前だけだからな。麻帆良学園にあるぞ」

 

「麻帆良だと?」

 

あそこは確かここ数十年で西洋の魔法使いが住み始めたようだがなぜそんな所に?まぁ、いいか。俺の影薄さスキルで盗んでくるか。

 

「行く気か。さらには反対する者は皆殺しか………」

 

いや、皆殺しはできないのだが………刀々斎も俺が強いと勘違いしてるらしい。そんな刀々斎の勘違いを正そうとするが無視して

 

「あそこには知り合いがいるんだよ。皆殺しは困る。だから今は行くな」

 

「貴様程度がこの殺生丸に命令するか」

 

「だから交渉だ。ほら、剣を打ってやった。強い鬼の妖怪の牙で打った剣だ、銘は闘鬼刃」

 

そう言うと抜き身の剣を俺に寄越した。怨念染みたもを感じるんだが?と思いながらも受けっとみると一瞬のうちで邪気がなくなった。勘違いか?

 

「一瞬で怨念が身を潜めたか。まぁ叢雲牙が従うくらいだからな。おかしくはないか」

 

そう言って刀々斎はため息を吐き出した。いや、俺は悪くないよね?

 

「ほれ。試しに振ってみろ」

 

まあどれほどの力があるか分からないから軽い気分で降ったら冥道が開いた。あれ?

 

「って誰が冥道を開けって言ったんだ!?うおおおお!?」

 

刀々斎はいそいそと逃げ回っている。ちょっ!?俺は!?

 

「これでお前も冥道を使えるんだ!俺は用済みだろ~」

 

そう言って三ツ目の牛に乗ってどっかに飛んでいってしまった。

 

「お~それと犬夜叉は人間界に紛れ込ませるために『犬上小太郎』って名乗ってるはずだ~」

 

「犬上小太郎………か」

 

いずれ会うことがあるかもしれない。その時に話せばいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父上が死んでから十年近いの時が流れた。

 

俺は今麻帆良にいる。刀々斎との約束は残念ながら果たせなかった。だってこの十年間変なヤツが襲ってくるんだもん!石化の魔法を使う白髪のフェイトとかいう子供が『君があの大妖怪の息子だね?』とか言って襲ってきたんだよ!思わず奥義である『蒼龍破』を使って吹き飛ばしてしまった。奥義なんて名前と見せかけだけの吹き飛ばし技だなので傷能力はほぼゼロなのだ。

 

そのあと『さすが彼の息子だ。強すぎる』とかなんとか喋って水の転移魔法で消えた。別に強くないんだよ?ただ吹き飛ばしただけなんだよ?

 

そんなハプニングもありやっぱり叢雲牙が俺には必要なのだと感じこうして麻帆良まで出向いたのだ。やっかいな結界があったけどそこは俺の影薄スキルでどうにかなった。

 

よーし!待ってろよ叢雲牙!

 

「待たれよそこの妖怪」

 

俺の意気込みは一気に勢いが失せてしまった。声がした方をみると刀を持ってメガネをかけた長い髪の美人の人間の女と

 

「ぬらりひょん?………いや気配は人間。半妖か」

 

「いや、純血の人間なんじゃが………」

 

老人が口を引き攣らせながら言う。半妖かと思ったら人間のようだ。それにしては随分長い後頭部を持っている。

 

「よくわかったな」

 

「当たり前じゃ。結界を一瞬で通り抜ける化け物など気づかないとでも思っておったのか。してお主は何者じゃ?なぜここに来た」

 

「叢雲牙を返してもらいにきた」

 

「叢雲牙じゃと!?お主どこでそれを知った!」

 

「貴様らに言う義理はない。殺されたくなければ早く言え」

 

「大きくでましたね。私は神鳴流剣士です。あなたも妖怪ならば不利なはずです」

 

老人の隣にいた女が言う。

 

「神鳴流?」

 

ってあれか?随分と昔に『私は神鳴流剣士の剣士だ!妖怪め、退治してくれる!』などと言って襲ってきたので返り討ちにしたのだ。そこまで強くなかったと思うが………怖いから一応名乗っておこう

 

「神鳴流などでこの殺生丸に勝つ気でいるのか。女」

 

なんか偉そうな口調になってしまった。お願い怒らないで!

 

「せ、殺生丸!?」

 

すると女はどうしたことか青い顔をして一歩後ろに下がってしまった。え?俺の名前でなんでそんな顔するの?そこの老人も目を見開いてるけど。

 

「なるほど、お主が殺生丸か。闘牙お「それ以上口にするな」…!!」

 

老人がアホなことにも父上の名を口にしようとしていた。強い妖怪ならいいが人間などが口にしていい名前ではないのだ。と思わず睨みつけてしまったが黙ってくれて嬉しいぞ。でもいくら俺の目つきが悪いからってそんな汗をダラダラかかなくてもいいのに。

 

「人間程度が父上の名を口にしようとするとは何とも愚かな。このまま殺してくれる」

 

一応脅迫はしておく。俺の容姿のせいか、びびってくれてるみたいだし。

 

「い、いや失言じゃった。許してくれ」

 

「ならさっさと叢雲牙の場所を教えろ」

 

「う、うむ~。一応刀々斎との約束があっての。教えるわけには………」

 

「最後の問答だ。叢雲牙はどこだ」

 

「う、うむぅ………」

 

そう言って老人は考え込んだ。そして意を決して言う瞬間に懐かしい声が聞こえた。

 

「近右衛門どの~~~って殺生丸様!?」

 

「冥加」

 

蚤妖怪の冥加だった。刀々斎といい最近昔馴染みに会うことが多いな。

 

 

 

 

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