第五十六話 炎ナシコ炎
ついったが炎上した。
正確には、していた。
精神と時の部屋に籠っている間、カプセルホンは手元に置いていたのだけれど、電波なんて届く訳もなく。
つまり丸一日SNSでの発信がなくて。
先日のニュースでの事が何やら話題になっているらしい。
セルの事だよね、そうだよね、と薄目で確認したところ、ばっちり私の事でした……。
悟空さん相手にオンナの顔してただとか(なにそれ)、好きな男の人がいるなんて裏切りですとか(なんじゃそりゃ)。昨日、いや一昨日か、おやすみの呟きにいっぱいお返事が来ている。トレンドには私の名前と悟空さんの名前が上がっていて、ええと、あれだ。
やっべぇ。
付き合ってるの? とスキャンダルを勘繰る人、情報に踊らされてとにかく怒っている人、悲しんでる人……。
もちろん、慌てず騒がず誤解を解こうとしてくれている人もいるんだけど。悟空さんは過去の天下一武道会で優勝した人だから、格闘技が好きな私が憧れるのも無理はない、みたいな。
しかし一日の間私が音沙汰ないとさすがに鎮静化できなかったみたいで、これは非常にまずい。
……んっ? なんかトレンドにウィローちゃんの名前も上がってる。まさかとばっちりで炎上……!?
『ナシコちゃんと同時期に「個人的な日帰り旅行に出るので更新ができなくなる」つってから呟きがぱったり途絶えている』
『付き合ってるというのならこっちでは?』
……。
とりあえずウィローちゃんと仲良ししてるところの写真をアップしておいた。
よし、おっけー!
超振動するカプセルホンを放り投げ、ベッドにうつ伏せに沈み込む。
このまま寝ちゃいたいけど、タニシさんにも連絡入れなくちゃ……。
「お?」
億劫ながら腕を伸ばしてカプホを取り、画面を覗き込めば、さっきまで立ち上げていたSNSのアプリが表示される。
『やっぱりナシウィなんだよなあ』
『昨日更新が無かったのって……あっ』
おお。
タイムラインが桃色一色になっておられる。
さすがウィローちゃんだね、こんな危機にも助けてくれるなんてさすがだよ~!
『よしじゃないが!!!!!』
ウィローちゃんからダイレクトメールが届いたので、画面の電源を消して枕元に放って見なかった事にする。手を枕に仰向けに転がり、はふーっと疲労を吐き出した。
ビックリマークの数がそこはかとない怒りを感じさせられたものの、きっと本当は彼女も嬉しいはずだよ、ファンのみんなに囃し立てられてさ。だってほんとに仲良いもんね、私とウィローちゃん。
「よしじゃないが!!!!!!!!」
「ぎゃー!? 住居不法侵入!!」
シュピンッと真上に瞬間移動してきたウィローちゃんがお腹の上に落ちてきて、胸倉掴んでシャーッと威嚇してくるのに抗議する。
ノックしないのマナー違反だよ! いけないんだー! お母さんに言っちゃうよ!?
「あの部屋に入る前にちゃんと発信できなくなると伝えておけとあれ程言ったというに!」
「ちょっと忘れちゃってただけじゃん! いいでしょもー!」
「騒ぎになっているから方々に連絡しろと言ったのは!?」
「……寝てました!」
「きーさーまーはー!」
がくがくがくと揺さぶってくるウィローちゃんに、こればっかりは私が悪いのでされるがままになる。
ウィローちゃんもタニシさん達も火消しに走ってくれていたみたい。
一番良いのは私からの発信だから、さっさとやってほしかったらしいけど、さっきまで寝てたからね……。
でもなんで炎上してるんだろ。何が悪かったのかなぁ……。もうセルのことなんて誰も気にしてないよ……どんだけ悟空さんのこと気にしてんの、みんな。そんなに彼と話す私が変な顔してたの?
心配しなくたって向こうは妻子持ちなんだから、恋愛のれの字も出る訳ないのにね。
なんて、彼ら彼女らにわかるはずもないので、素直にお詫びのお知らせを発信する。ウィローちゃん監修……。私は一生独り身だよー。しいて言うならみんなが恋人? 末永くよろしくね。
「なんだ騒々しい」
「こらー、ノックしてってばぁ!」
扉を開けて顔を覗かせたラディッツは、お風呂上りなのか首にタオルをかけてほかほかしている。もー、どうしてみんな軽率に入ってくるの!? ナシコの部屋には秘密がいっぱいなんだよ! こっそり買い込んだ大量のスナック菓子とか……。
監視、監視の厳しい目線でじーっと私達を見つめるラディッツ。な、なんにもやましい事はしてないよ……ちゃんと洗濯物は出したし、部屋に掃除機かけたし、えーと。
「……」
「……」
のそのそと私の上から退いたウィローちゃんが無言で瞬間移動して消えると、ラディッツもすーっと静かに扉を閉めて帰っていった。
なんなんだよもー!
◆
セルゲーム開催まで、残り4日。
精神と時の部屋の使用を望む者全員の修行が完了した。
ラディッツとターレスには常時超サイヤ人でいる事を義務付けている。
前からそうしようとしていたみたいだけど、どうにも興奮が抑えられなかったらしく、それは戦闘力の上昇という形で解決されたのだとか。
ブルマさんに誘われて、私達は桜吹雪の巻き起こる丘にお花見にやってきていた。
という事は、たぶん、来るんだよね……。伝説の超サイヤ人とともに、あのサイヤ人が。
一応心にとめておいたけれど、正直今はセルで手一杯。できれば来ないでほしかった、なんて言ってもしょうがないから、もう覚悟は決めてるよ。
たくさん考えて、一案二案と作ってきたから、なんとかしてみせる。
爽やかに吹き抜ける風に、囃し立てる人々の声と熱意が乗る。
カラオケ大会の名目でマイクを握らせてもらった私は、寄せ集めの木箱なんかで作ったステージの上で歌っていた。うちの子達の他にチチさんや悟飯ちゃん達、ブルマさんちの子達に、クリリンや亀仙人に、ウーロンなんかが集まっていて。
悟空さんは、ほんのちょっと前に界王様からの通信を聞いて瞬間移動してしまった。
その際、なぜか私に「伝説の超サイヤ人って誰か知ってっか?」なんて聞いてきて、不意打ちだったからきょどきょどして答えそうになってしまった。
でも作戦があるんだから、うっかり言っちゃう訳にはいかない。笑顔で乗り切れ大作戦でなんとか誤魔化せた。
そんなこんなで歌う私。
私を一目見ようと、歌を聞こうととてもたくさんの人が円状に広がっていた。
その様相を一言で表すなら、花よりナシコって感じかな。
まずはご挨拶から? あちら、私の妻のウィローちゃんです。えんやえんや。
ひゅっと飛んできた厚焼き玉子をお口でキャッチ。うー、あまあま。お行儀悪いことしちゃった。
風が吹き、花が散る。
気を取り直してお歌タイムだ。
深紅の髪にかかる桜色。
遠く伸びる声に乗って、蒼い鳥が羽ばたいていく。
『──もし幸せ……』
大人が二人立てばもう満員のステージの上で、その半分を使って、小さな身振りと共に声を発する。
遊びの場だけど、心をこめて。いつだって本気で、人の心を動かすために。
手を伸ばして、今はただ自分の世界に入り込む。
『未来を信じて──』
独特な歌詞だの、とブリーフ博士が呟くのが聞こえた。私もそう思う。
でも最近思い出して、頭から離れなくってさー。カラオケにも入ってないんだもん。アカペラで歌うっきゃないよね。この世界にニャムコのアイドルさん達はいないのです。
「ナシコちゃーん!」
ぴゅうい、と指笛を吹いて囃し立てるクリリンは、ステージには立ってない。
さっきまで気持ち良さそうに歌ってたんだけどね、おべんと突っついてた私と目が合うとヘイパースとばかりにマイク投げ渡してきたの。お箸でつまんでた厚焼き玉子を慌ててウィローちゃんのお口に突っ込んで、飛び上がりざまにマイクをキャッチ。着地とともに決めポーズ!
オフでもぴろんと星を飛ばして、可愛いナシコちゃんなのでした!
会場でもなんでもないこの場所は、人がひしめこうとすればそうできちゃう状況。整備してくれるスタッフさんもいないし、手を伸ばせば私に届いてしまう。
ので、今日もカラーシスターズが出動だ。
「列を乱しては駄目よ~?」
「ボクより前に出ちゃだめだよ。わかってるとは思うけど」
セル近辺にも人員を割いているから、やっぱり人手は足りないんだけど。
幸いにしてお行儀の良い人ばかりなので、少ないメイド少女でも整備できて、楽しいお花見になっている。
……お花見に参加できずお仕事する羽目になったシロちゃん、めっちゃ暴れてたなー……あとでお花いっぱい包んで持ってったげよう。
「おお……?」
「なんだあれ」
ざわめきが広がったのは、三曲目が終わったくらいの頃。
気持ち良く歌わせてもらってるけど、他の子にマイク渡さなくて良いのかなーって思っていたら、巨大な宇宙船が近くに着陸した。
すんごい風が木々を揺らして、いっそう花が散っていく。
ああ、桜の命は短いのに、その寿命を縮めるだなんて残酷。
その儚さや美しさに、人は惹かれるのだ。
誰も見てないのをいいことに、緩やかに腕を広げて生命の残滓を浴びる。
私から零れる光の欠片に当たった花びらが一瞬で燃え尽きて、花の香りが広がる。
じゃ、趣向を変えよっか。
「なんだきさまら」
マイクを握って目をつぶり、息を静める。
向こうの木の裏で一人寂しくやっていたベジータが──まだ人の輪に加われる程気安くなってはいないのだろう。一匹オオカミというやつだ──わらわら集って来た青装束にヘルメットの怪しげな集団に問いかけた。
宇宙のならず者達だ。やっぱり来ちゃったよ。来なくてよかったのに……。
「即興曲、いくよー!」
宇宙船の方からここまで続くならず者の波をモーセのように割って歩んでくる褐色隻眼のサイヤ人をチラ見で確認して、集まった花見客達へ指を突きつける。わあっと湧く声は、200も300も重なると負けちゃいそうなくらいすっごい声量だ。
ウィローちゃんへ手を振って、アルコール0%なお酒で一杯やっている彼女を簡易ステージまで呼び寄せる。
「せまいのだが」
「ごめんね! ……あのサイヤ人、戦闘力いくつ?」
窮屈そうに私の腰に腕を回して落ちないようにするウィローちゃんに短く詫びる。大人のナシコを解除するわけにはいかないのだ。ちっちゃいままだとナメられちゃうからね。
「9000だ。エリートと呼ばれるタイプか。にしても高いな」
「ふぅん……さあみんな、盛り上がっていこうね! 『せい、ハッピー!』」
『ハッピー!!!』
しゅばっと腕を上げ、片足を上げ。
呼びかけた彼ら彼女らの声に負けないように、私も大きく息を吸って、今考えた曲を紡いでいく。
『聞こえるかい? 素敵な夢の声♪』
「新惑星、ベジータにお越しいただきたく──」
『見えるかな? 熱くなる胸の鼓動♪』
身振り、手ぶり。指先にまで気持ちを乗せて、シンクロしてくれるウィローちゃんと一緒に心を掴んでいく。
意図して、声を絞って指向性を持たせる。ベジータを誘惑するパラガスを囲むならず者達の、端っこの一人が頭を傾け、こちらを向くのが見えた。
『何がしたい、どこへ行こう! 期待は右往左往して♪』
ぴょんっと台座から飛び降りる。
人々を抑えていたアカちゃんやミドリちゃんがうげって顔をするのが見えた。
追いかけて下りて来たウィローちゃんも咎めるような顔をしているけれど、お祭り気分なんだし大目に見てよ。
『やるなら良いことがいいよね? したいよね!』
前に出した手を振り振り、指を振り振り。
割って入ったならず者の輪。紫色のバイザー越しに見える、案外普通の男の人の視線が私を見上げる。
『悪い事がしたい? だめよ、だめだめよ♪』
荒んだ心を包むように、この歌で、信仰するものを変えさせて。
『改心しよう!』
ぱっと振るった指から飛んだ輝きが光の海を作り出す。
ミルキーウェイ。乙女の花道。
落ち行く花弁に混じる私の気持ちに、傅く奴らが次々に顔を上げていく。
『歌は好き!?』
ビシッとみんなを指させば、
『おおーー!!!』
と元気なお返事が。
『ナシコが好き!?』
『おおーー!!!』
びびびっと腕を突き上げて答えるならず者達に、何事か、と振り返るパラガス。
腕を組んで立つベジータも顔を上げて私を見た。
「ありがとー、せんきゅー、みんなお花見楽しんでねー! じゃあはい!」
ぽいっとパスしたマイクは、誰かの伸ばした手が掴み取った。
そのままシームレスにおうたをうたい始めるのに、ガラガラな声だけど大変楽しそうで結構、と頷く。
それから、勝手に退いてくれるならず者たちの間を通って、パラガスの横に立って腰に手を当てる。
「行けば? 新惑星ベジータ」
「……なんのつもりだ」
「伝説の超サイヤ人を倒せるのはあなたしかいません、だってさ」
私の歌声や歓声に遮られまくってたけど、健気に話すパラガスの声も聞こえてはいた。
超サイヤ人を維持しているラディッツやターレス、悟飯ちゃんを見て、「伝説の……!?」と驚いているのも見えていた。そこにだいぶん怯えが混じっていたのもね。目を抑える仕草からは痛々しさが窺えた。
「アイドル……ナシコですな? あなたの名声は遥か銀河の彼方まで届いております」
「そうなの? 嬉しいわ」
私にさえ腰の低いパラガスにくすっと笑みが零れた。
追いついてきたウィローちゃんが手を引くのに、私からも手を握って指を擦る。
なあに、構ってほしいの? 今はちょっと待っててね。
「伝説の……超サイヤ人……」
「南の銀河一帯を、その脅威のパワーで暴れ回っております!」
考え込むベジータに、パラガスが勢い込んで説明する。
王としての責務を果たせ、と迫っているみたい。
プライドを刺激されたベジータは、口角を吊り上げてその気になった。
「王子から王にランクアップ? じゃお祝いにたくさんお食事包まないとね」
「いらん。パラガス、案内しろ」
「ははっ、こちらへ!」
さっさと宇宙船に向かっていくベジータを横目に、ウィローちゃんの背に手を当てて、「家からあれ持って来てくれる?」と頼む。
「あれか」
しゅっと消えた彼女は、十秒せずにぱっと戻って来た。
手にしたカプセルケースを渡してくれるのに、ありがとうって頭を撫でる。
ああー、さらさら……手の平が心地良い。
「てっきりターレスのホイポイカプセルだと思っていたのだが」
「んー、これね? 私が用意したやつだよー」
「なぜそれほどの食料を? 腐ってしまうぞ」
ケースを開けて確認すれば、8つのカプセルが並んでいる。
どれも食料や飲料水がたんまり詰め込まれている。これは自分で食べるものじゃないから大丈夫。
「伝説の超サイヤ人か……」
「んだよ、面白そうな話してんじゃねぇか」
金髪緑眼の人相の悪い二人組がザッと私達の前へ立ち塞がった。
悪漢だ。この食料を奪おうとしているのかもしれない。
「こらナシコ、胸に物を仕舞おうとするのはよせ。人目もあるのだぞ」
「確か前にてめぇが話していたよな、伝説の超サイヤ人とやらを」
「気のせいじゃない?」
ケースを谷間に押し込もうとした手を掴まれて叱られるのに、オカンだったかと再認識。
そだ、先に仙豆出しとこ。
ケースを開き、8番目のカプセルを取り出して軽く投げる。
ぽんっと出て来た袋を掴み取って、腰に括りつけておく。
「それじゃ、私達も新惑星の観光と行こうか」
「興味があるのか? ならば一応、周りにここを離れる事を伝えておけ。お前目当てに集まったやつもいるようだからな」
「はーい」
完全オフなんだけども、ラディッツが言ったように私やウィローちゃんを見ようってやって来た方もいるからね。それをないがしろにするのは駄目だから、さよならくらいは言わないと。
「悟飯ちゃんは行っちゃだめだ! 春休みの宿題だって残ってんべ!」
酔っぱらった亀仙人が宇宙船へ乗り込もうとするのを止めようとする悟飯ちゃんやウーロンに、チチさんが腕を振るって怒っている。でもあえなく逃してしまった。
できれば彼らには地球に残っていて欲しかったんだけどなー……向こうは戦場になるかもだし。
でも、私が上手くやれれば戦う事もないかもだから、大丈夫……かな?
みんなを引き連れて宇宙船へ乗り込む。囲むならず者達が気さくに話しかけてくるのには短期アイドルモードで対処。なぁに、みんな普通な感じだね? 宇宙の暴れ者って訳じゃないのかな。
「母さん! オレが必ず父さんを連れて帰ります!」
超サイヤ人の存在を信じ切ってのこのこ連れ去られてしまったベジータを追って、トランクスも飛んでくる。
そうして、私達は決戦の舞台へと旅立った。
◆
「息子です。なんなりとお使いください」
カスだな。
大人しそうというか暗い人相のブロリーを見て、ターレスの第一声がそれだった。
ああや、私がウィローちゃんにあの子の戦闘力計ってみて、って聞いたから先んじて答えたのかも。
「5000程度だ。あれもエリートか?」
「んー、潜在パワーは?」
「5000だ。変動はしなさそうだな」
ウィローちゃんの計測でも、それがブロリーの限界値だと出てるみたい。
もうちょっと観察すればわかるかな?
「たぶん完全体のセルより強いと思うんだけど」
「何!? ……なんだと」
こしょっと耳打ちして再計測を頼んでみる。訝し気に左手を頬に当てた彼女は、ベジータに連れられて宮殿から出てきたブロリーを見て、しかし首を振った。
「驚かせるな。早々あんな怪物を超える奴がいてたまるか」
「そっかー……」
「しかしお前がそう思うという事は何かあるのか? それとも……知っているのか、奴を」
曖昧に微笑んで誤魔化す。
さて、どうしようか。今の、制御されて弱体化しているブロリーの抹殺をはかるというのが当初の私の作戦。
それをした場合の懸念が一つ、不安が二つある。
まず懸念。
本当にそれで殺し切れるのか? ってこと。
全力全開でノーマルのブロリーに攻撃したとする。
制御が外れて伝説の超サイヤ人となって暴れ回る可能性がある。
なにせサイヤ人だからね。その肉体的タフさは未知数だ。
フリーザ様のスーパーノヴァを受けて、星の爆発に巻き込まれるまで原型をとどめていたバーダックの例もある。
ただ、セルの自爆に巻き込まれた悟空さんの例だってある。案外あっさり殺し切れるかもしれない。
不安の一つは、それで殺せなかった場合、悟空さんがいないと全滅しそう。パワーを一点集中しようと提案しても、満場一致でパワーを与えてやろうって思えるのが悟空さんの他に悟飯ちゃんしかいない。でも悟飯ちゃんじゃ、ブロリーの初撃に耐えられそうにない。想像を絶する耐久力を有する悟空さんでなければ、ベジータが他人に力を分け与えることを納得するまで凌げないだろう。
もっとも、映画と違ってここにはラディッツやターレスに、私も、ウィローちゃんもいる。
その分少ない人数でブロリーを上回れるパワーを悟空さんに与えられるかもしれない。
戦闘に入ったらブロリーがどう動くかなんてわからないから、皮算用に他ならないんだけど。
そして、もう一つ。
もしブロリーを殺せたとして。
その実行犯である私への不信感は確実に強まるだろう。
だって、彼が伝説の超サイヤ人であると証明する手段がない。
ない、っていうか、あるにはあるけど……弱い者イジメどころか一方的な殺戮を突如行ったという印象は強く残るだろう。
それが怖い。悪感情や否定的な感情は、私の大嫌いなものだ。ちょっとでもそれを向けられたらって思うと、蹲ってしまいたくなる。
だから、やっぱり、ここでブロリーを攻撃するのはやめた。
別の作戦を採用する事にする。
その名も、パラガス説得大作戦!
日中に手分けしてシャモ星人達を労働から解放し──監視していたならず者達は、地球から戻って来たならず者達と話すと、納得した風に引き上げていった。
ので、大々的に「もうお仕事しなくていいんだよー」と呼びかけて集め、ホイポイカプセルを放って食料を振る舞う。
こっちのカプセルは飲み物だよー。こっちは簡易のおうち、いっぱい。
地べたに座って食事は不衛生だもんね。惑星シャモに戻るまでは仮設住宅で過ごすといい。ちゃんと浄化水槽も電気系統も完備してるから、きっと快適に過ごせるよ。この星、空気が乾いてるけど、家の中なら湿度もちょうどいい感じ。
お料理ロボットもついてるよ。あ、メイドさん型じゃないのは残念かな?
「ありがとう!」
ちっこいシャモっ子が目を輝かせてお礼を言うのが、なかなかに可愛かった。
夜半。
みんなが寝静まった頃にベッドを抜け出す。
これは、急ごしらえの宮殿に備えられた硬いベッドでなんか寝られない、と家から持ってきたものだ。
「んぅ……」
縁に腰かけて軋ませると、寝入っているウィローちゃんが可愛らしい声を漏らした。
もぞもぞと緩やかに体勢を変えている。傍にあった暖かいものを探しているみたい。
頬に手を当てて撫でる。
「行ってくるね」
小声で囁くと、反応した訳ではないんだろうけれど、ちっちゃく開けていた口を閉じたウィローちゃんがんくっと頷いた……気がした。
冷たい廊下を行く。
明かりはないけれど、私自身が赤く発光しているから視界は悪くない。
吹き抜けの窓とかから月明かり……月じゃないか。衛星か何かの光も入ってくるし。
パラガスの気を求めて歩めば、そのうちに部屋に辿り着いた。
石材でできた宮殿は息苦しくてたまらない。はやいとこおいとましたいものだ。
木製の、宮殿らしい装飾の両開きのドア。
その前に立って、浅く短い呼吸を一つ。
拳を持ち上げて、二回、軽く叩く。
「……!」
「……?」
少し慌ただしい気配がした。
やや間をおいて扉が開かれる。
「こんな夜更けに何か用かな?」
顔を覗かせたのはパラガスだ。部屋の中を隠すように僅かに開けたドアの隙間を塞いでいる。
「少々、お話がありまして」
「……話?」
訝しがる彼は、考える素振りを見せてから、私を中へ通した。
「散らかっていて悪いがね、ここでよろしいか?」
「ええ、はい」
なんらかの機械や雑多な鉄片、それに紙片が転がる、椅子が一つきりあるばかりの殺風景な部屋。
端で彫像のように待機するタコ科学者がシュールだった。
「あなたの協力がしたい」
「ふむ、ナシコ殿も戦える事はわかっておりますが、相手は伝説の超サイヤ人……ここはベジータ王にお任せいただくのが──」
「復讐のお手伝いがしたいんです」
「っ!?」
言葉足らずで勘違いしている様子の彼に、改めてはっきりと伝えれば、ばっとこちらを見た彼は汗を浮かべていた。
緩やかに上げた手が私に向けられている。その手には、制御装置の片割れがセットされていた。
「……なんの話ですかな?」
「ベジータをぼこぼこにしたいなら、協力します。それで妥協してくれないかなって、思いまして」
「な、こ……わかっているというのか……!?」
一足飛びに話を進める。
臨戦態勢に入る彼に、「ブロリーの暴力性の発露も私達が引き受ける」と告げれば、何もかもお見通しと理解したのか、パラガスは苦い顔で私を睨んだ。
「この事は、他には……」
「知らないと思います。誰にも話してないませんし、勘付いている子も……」
「……地球には、真実を知る事の出来る種族が存在するという噂は本当だったか」
え、なにそれ。初耳なんだけど。
……まあいいや。どうにか応じてくれると嬉しいんだけどな。
平和的な解決が一番だよ。ちょっとベジータはボロクズになるかもしれないけど、これが一番良い解決法だと私は考えた。
できる限り信頼しやすいように、わざわざ大人の姿もとっている。でもやっぱり、信じよう、協力しようって気になるのは難しいかな。胡散臭いもんね。それなら排除しちゃえってなるかなー……。
ある程度の力を示す覚悟はできてるけど……ううん、私一人の作戦じゃ結構行き当たりばったり感が半端ない。みんなに相談できればよかったんだけど……。
「それはできない相談だ。積もりに積もった恨みは簡単には消えん。ベジータを八つ裂きにして地獄に葬り去り、オレ達以外のサイヤ人を抹殺し、全宇宙をこの手に収めるまでは止まらんよ」
「そうですか。なら──」
実力行使でいくしかない。
といっても殺しはしない。こっちの要求が通りやすくするために、ちょっとだけどつくだけだ。
「とは言ったものの、協力するという申し出は素直に嬉しい」
「え、そうなんですか?」
「ああ。帝国を建設するために、必要不可欠な協力はね」
ふっと笑った彼は、マントを翻して踵を返し、部屋の奥へ歩いて行くと私に向き直った。
さっそく、仕事を一つ頼みたい。静かに申し出てくる彼に、よく呑み込めないまま頷く。
なんだかわかんないけど、私を受け入れてくれてるっぽい……?
さっすがナシコ! ふふん、私のかわいさならいけると思ったんだよね! パラガスやブロリーが味方になってくれたら、この先の未来がだいぶん生きやすくなる。ベジータには悪いけど、鬱憤を晴らすための相手になってもらう事になっちゃうけども。
「戦力はブロリー一人で十分なのだよ」
「……? そう、ですね。伝説の超サイヤ人がいれば、確かに」
「だが、オレやブロリーだけではせっかく帝国を築き上げても、そこまでなのだ」
「……、……はい」
何が『そこまで』なのかはさっぱりわからんけど、とりあえず神妙な顔をして頷いておく。
なんだろ……人手は、ならず者達で足りるでしょ。えー、資金的な……? それくらいは提供できる。
うん、なら協力者的な強さはあるかも。って、いきなりお金の無心? パラガスって意外とあれだね!
「ではさっそく頼めるかな?」
「はい!」
元気よく頷いたはいいものの、うーん、ゼニーでいいのかな?
それに今はあんまり手持ちがないんだけど。一回地球に戻らないと、そんなにたくさんは用意できないよ。
というか、ベジータをおびき出せ! とか、弱点を教えろ! とかじゃないんだ? そんなに復讐は優先順位高くないのかな。
「聞いていただろう、ブロリー。この娘とまぐわうのだ」
「はい?」
まぐ……なに? えっ、ブロリー!?
パラガスの視線が私の背後に向いている事に気付いて振り返れば、ようやくそこにブロリーがいる事に気付いた。
うそ、気配なんか全然なかったのに……!?
「……」
「え、え、なに、なに、なに……!?」
一歩、また一歩と近づいてくるブロリーに思わず後退ってしまう。
無言が怖い。てゆーかでかい! 大人な私も背は高い方なのに、ブロリーの胸にも届いてないよ!
「あの、ぱ、パラガスさん!? これはどういう……」
「なんと、初心なのだな。お前とブロリーには子を成してもらおうというのだ。それがオレ達の帝国建設の第一歩となる。どうだ、女ならではの協力方というものだろう?」
「えっ、え、何それ、話が違う!?」
『こ』って、子供!? ブロリーと!? いやいやいや、冗談じゃないんだけど!
あ、よく見たらこいつ制御装置光らせてる! それでブロリーに私を襲わせようって……?
ちくしょー、お金と見せかけてそんな要求してくるなんて、騙したな! さすがサイヤ人きっての智謀……! すっかり好意的になったと思わされてしまった!
「あの、あの、ちょっと……」
のそ、のそ、のそ。
無表情で寄ってくるブロリーがめちゃくちゃ怖い。両手で待ったをかけつつ後退して、コードに踵が引っかかって転びそうになる。
こ、こういう展開は予想してなかった……! あああ、どう話を運ぶのか忘れちゃった! 頭の中こんがらがって、えっと、えっと、どうすればいいのー!?
「やってしまえブロリー!」
「うっそでしょ!?」
制御装置を突き出して鳴らしたパラガスが明確な命令を出せば、ぐっと顎を引いて表情を変えたブロリーが襲い掛かってきた。
「っい!」
肩を押され、壁にぶつかってそのまま破壊して突き進む。
あ、あれっ? てっきり貞操の危機かと思ったんだけど、違うっぽい……?
な、なーんだ、やっぱパラガスは私の排除を決意してブロリーに『殺してしまえ!』と命令したんだ。
なら話は早い。私相手ならブロリーの制御が外れてしまう事もないだろうし、こてんぱんに叩きのめしてしまおう!
「うっ!?」
ドッと背中に何かが当たって、視界が半転する。
後頭部をぶつけてまぶたの裏に星が飛んだ。
「ったぁ~……あ?」
「ぐぅうぅう……!」
目の前にブロリーの顔がある。
というか、伸し掛かられている。
「お?」
肩を押さえられていたのが、いつの間にか手を押さえられている。
そいでもって、視界がぐるんとしたのは私が仰向けに倒れたからで、何かにぶつかったと思ったのは、硬い石のベッドっぽくて。
「……ぴんち?」
「ぐぁう!」
「ひえっ!?」
マウント取られただけなのかって思おうとして、ブロリーが口を開いて顔を寄せてくるのに、というか噛みついてくるのに慌ててしゅるるっと子供になる。
そうするとさらに押し潰されるようになっちゃうんだけど、頭の上で鳴った「ガチッ!」て音に、間一髪だったと理解した。
え、え、やっぱ命の危機の方? 今顔噛もうとしたよね? してたよね!?
「こんにゃろ!」
「がぁあ! うぉおぉお!!」
獣の声というか、獣そのものの動作で掴みかかってくる彼の手を弾き、胸を押し返して……くっ、力つっよ! 私今ルージュ……いや、子供になったから解除されてるのか!
それでも基礎戦闘力は天と地ほどの差があるってのに、何このパワー! 制御外れてるとかない!?
「抵抗するか。大人しく協力するのならば快く迎えてやろうと思ったのだが」
「あったり前でしょ! 止めてよ!」
壁に開いた穴を通って入って来たパラガスは、愉快そうに笑っていた。顔は見えないけど声でわかる。ああ、もう、むかつく!
ていうかブロリー怖すぎ! さっきからガチッ! ガチッ! て噛みつこうとしてくるんだもん! なんなのそれ! どういう意図の動作!?
「ブロリーに対抗できるとは、ナシコ殿は思った以上にパワーがおありのようだ……そうだな、ブロリー。その娘に制御装置を取り付けて、お前の言う事を聞く人形にしてやろう!」
「ぐぁおう! が……、……ぬぅ!」
うんっ? なんかめっちゃ不穏な言葉が聞こえたと思ったら、ブロリーの動きが止まった。
苦し気に表情を歪めて、気のせいか、その視線は背後に向かっている気がした。
私の首にかかっていた手も緩められている。チャンス……? 逃げ出すなら今かも、って思ったけど、わりかし力強い。もちょいパワー上げないと!
「……? どうしたブロリー。それはお前のモノだ。めちゃくちゃにしてしまって構わんのだぞ。どうにも頑丈そうだからな」
「ぐっ……がああ!」
「きゃっ、え、ちょ」
ピロロロッて制御装置の音が聞こえた途端、ブロリーは再び勢いを取り戻して私の胸元を掴んだ。
そのまま衣服が引き千切られるのに、さすがにこれはやばいと危機感を募らせる。
もはや作戦だとかご近所迷惑とか寝てる皆に配慮とか、そんな事を考えている場合じゃない! これ、命じゃなくて貞操の危機の方っぽい!
「はっ!」
バチッとスパークが散り、スパークリングに移行する。
戦闘力は40倍。もちろん、今のブロリーが私に敵う訳もなく、ぐいっと簡単に体を押し上げられて。
「があっ!!」
「はぁ!?」
ボウッと緑の光を噴出させたブロリーに目を剥く。
こ、こいつ超サイヤ人に……! 緑髪って事は制御されたままなんだろうけど、あれ、あの、力負けしてるんですけど……!?
そ、想定外! いろいろと想定外! エマージェンシー! 誰か助けて!
破いた服を放り捨てたブロリーは、次は私の肌着を捲り上げて、いよいよおっぱじめようって気になっているみたいだった。
ほんとにそうなのかなって疑問もあるけど、服取られちゃったもんね、反撃しないとヤバいかも!
「ごはー、ごはー……」
「……?」
押し返された腕で体と顔を庇って何されても対応しようとしていたんだけど、ブロリーは息を荒げるばかりでなんにもしない。
……私の肌を見てはいるものの、それに興奮してるのかどうかはわかんない。生暖かい吐息がくすぐったくて身を捩る。……そうしても、やっぱり彼は動かなくて。
ひょっとして、だけど。
もしかして、なんだけど。
「……なにしていいのか、わからないの?」
「ごはー、ごはー……」
「な、あ、ぶ、ブロリー……!?」
パラガスが困惑する声がした。
やっぱりそうなんだ。ブロリーの奴、服を剥いだまではいいものの、その後何していいのかわかんないんだ!
…………ええー。
「ぐあ!」
「ひゃっ」
肌着の裾を掴んで戻そうとしたら、手を掴まれてがばっと捲り上げられた。あ、それは駄目なの……。まあ、手で隠せる範囲だし別にいいけど……。
それでもって、固まるブロリー。「そ、そういえばそういう教育はしてこなかった……」とパラガスが呟いた。
女っ気なさそうだもんね……なんか悲しくなるね……。
「よしよし」
肌着を戻そうとしさえしなければ、手は自由にしてもいいみたい。
なので、なんか子供っぽく見えてきたブロリーの頭を撫でてみた。
おお、ごわごわ。さすがサイヤ人、剛毛だね。
「ごはー……ごはー……」
「いい子、いい子。ナシコちゃんと一緒におねむしようねー……」
「ごはー……ナ……」
「よし、よし……。ブロリーはいい子だねー?」
「…………ナシ、…………コ」
ゆっくり、優しくさすってあげていれば、ブロリーの超化が解けた。
それだけでなく、だんだん目もとろんとしてきて……。
やがて彼は、自分の親指をくわえながら私の薄い胸に顔を埋めて、すやすやと眠り始めた。
……なんか勝ったー!
「気を高めろブロリー!」
「……! うおおおおお!!!!」
「ひゃあっ、あんもうっ、せっかくいい子で眠ってたのに!」
パラガスが慌てて突き出した制御装置が光り輝き、ぐわっと膝立ちになったブロリーもまた緑の光を纏って猛っている。大口を開けたその形相は、無理矢理パワーを引き上げられて苦しんでいるみたいだった。
「がああ!!」
「ん、もう、ごめんね!」
私を見下ろした彼が覆いかぶさってくるのに、さっきの僅かな間にルージュスパークリングを発動させ、股の下から抜き出した両足を腹に当てて蹴り飛ばす。
天井に沈んだ彼が苦悶の声を上げて落ちてくるのを、ベッドから転がり落ちて避ける。
「結局こうなっちゃうのか、な!」
「でぁあ!!」
キッと私を睨んだブロリーが両腕を持ち上げて突進してくるのを後方へ跳躍して避け、さらに跳んで宮殿の外へ飛び出す。
追って飛んできたブロリーを、さてどうしたものかと見上げつつ逃げていく。
「追えブロリー! 捕まえるのだ!」
計画を知られた以上は生かして返さぬ、みたいなノリなのか、窓枠から乗り出したパラガスが指示を追加するとブロリーのサークレットの宝玉が輝き、声を張り上げた。やっぱり苦しそう……。
でもさ、でもさ、それって制御されてる苦しみだよね。解放したら喜んで破壊の限りを尽くし出すよね! かわいそうって思っちゃいけないんだから!
「というか……!」
「ぐああ!」
振るわれた腕を掻い潜り、翻弄するように飛び回る。
制御された力では、やっぱり天性の戦闘センスを発揮できてないみたい。私でも避けられる。
パワーも、さっきは驚かされたけど、私の方がまだ上っぽい……!
「でもじり貧だよね!」
「ごあ!」
突き出された手を、振り返りざまにすれすれで避け、腕を掴んで一本背負い。
でも空中だから叩きつける先はなく、一回転したブロリーは湖の上に浮遊すると腕を広げて構えた。
このままフルパワーで戦えば、たしかに倒せるかもしれない。
制御されたブロリーを、だけども。
それで制御から外れて伝説の超サイヤ人になられてしまったら何もかも終わりだ。
でも戦わなかったら殺されちゃうだけだし……。
「あ、そうだ」
「ぐぅうあ!」
突進してきたブロリーを前に、ぽんと手を打つ。
直後にお腹に頭突きを受けて吹き飛ぶ。
林の方、木々の中まで吹き飛ばされて、バウンドして転がる。
ぱあっと赤い光が散って変身が解けてしまった。
「う、う……」
「よし、よくやった……ブロリー」
土を掻いて、けれど、それだけ。
もはや起き上がる力も残ってない。
呻く事しかできない私に、やって来たパラガスは満足げに笑った。
「連れて行くぞ」
「……」
指示に従って近づいてきたブロリーに担ぎあげられる。
その時には、もうブロリーは通常状態に戻っていた。
それを待っていた。
(死んだふり大作戦だっ……!)
心の中で得意にしつつ、だらーんと瀕死を演じる。
もうちょい油断したら一発で消し飛ばす方針に切り替えたのだ。
もはやそれくらいしかとれる手段がない。
できればもうちょいスマートに解決したかったんだけどなあ……無理だった。
説得大作戦から抹殺大作戦への変更を余儀なくされた私は、とりあえず宮殿へと連れ戻されるのであった。
TIPS
・ブロリー
制御されたサイヤ人
戦闘力は5000~?
制御超サイヤ人は5億
彼女いない歴=年齢
かなしい。
・アカちゃん
カラーシスターズの長女
ボクっ娘
・パラガス
帝国を建設するのにならず者だけじゃなーと思ってたら
ちょうどいいのがノコノコやってきたので利用しようと思った
わりと行き当たりばったり