慌ただしい4月が終わり5月に入ると大型連休にさしかかる。
祝日が続くこと、一般の高校で部活動に力を入れているような事がなく広々とグラウンドを使うことが許される薬師高校で連日練習を積み重ねた。
そして大型連休最後の日曜日に練習試合を行うことになった。
その相手は西東京地区の名門青道高校に決まった。
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そして練習試合当日になり、薬師高校一同は青道高校のグラウンドへ来ていた。
「おい!翔希か!?翔希やないか!」
青道高校に到着した翔希に青道高校のユニフォームを着た者が声をかける。
「おー!ゾノかひっさしぶりやな!」
難波シニア時代にチームメイトだった前園健太に声をかけられた翔希は薬師のチームメイトに先に行ってもらうよう伝えて立ち止まる。
「なんやお前、上京しとったんか!」
「いやーごめんごめん!あの時携帯とかスマホもってへんかったし、チーム辞めてから連絡取る機会なかったからな、ちょっと待ってな」
翔希はカバンからメモ用紙を取りだしてチャットが出来るアプリのIDと電話番号を書くと前園に渡した。
「これ俺の連絡先、また登録しといてや」
「登録しとく!今日スタメンで試合出るけど、翔希は投げるんか!?」
「投げるぜ、しっかしゾノやるなー。1年で名門青道の野球部でスタメンなんて、あっそうや東さんおる?挨拶しときたいねんけど」
同じシニアチームの先輩であった東に挨拶すると申し出る翔希に前園は驚いた顔をする、そしてここにはいないと翔希に告げた。
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「あれ、お前らに言ってなかったっけ。今日は青道さんの2軍と試合って」
1回表の攻撃の前に告げられ雷蔵の言葉に「この監督またやってる」と言ったような諦めのような感情を抱いた。
「1軍の方々が昨日まで遠征に行ってたみたいでよ、今日は2軍のメンバーを出すって言われてたんだよ。まっ、2軍相手なら勝てるだろ、1軍なら難しいがな」
「2軍って言っても青道の2軍ですが、勝てるんですかね」
キャプテンの山内が不安要素を口にする。青道高校は西東京地区で3本の指に入ると言われる強い高校。その青道には全国から猛者が集まるような高校の2軍相手だ。そんな山内に対して雷蔵は不敵な笑みを浮かべる。
「まあ、大丈夫だ。守りはまだまだだがバッティングは通用すると思うぜ。おーい北原〜」
ネクストバッターズサークル付近で投球練習が終わるのを素振りをしで待っていた1番バッターの翔希は雷蔵の声に反応し振り向く。
「初球からいけよ、今日も1番バッターらしくとか考えるなよ。お前を1番に置いてる意味分かってるな?」
「OKです。先陣切ってきますよ」
翔希は力強く頷き、バッターボックスへと向かう。
(練習試合で2軍相手とはいえ青道に勝ったという自信をこいつらに植え付けたい、だから頼むぜ北原。全員の不安を吹っ飛ばしてくれよ)
雷蔵はベンチでそう祈りながら翔希の背中を見送った。
そういえば前園と東はボーイズリーグ出身でしたね。まあオリジナル展開なので大丈夫ですよね。うん。(脳内補完申し訳ございませんがお願い致します。)