AKIBA'S TRIP SWORD   作:ノブにまやら

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第二章 夜城での死闘

アキトはエレゲショスを一刀すると、その場にしゃがみこんでしまう。

 

エレゲショスとの戦いで相当の体力を使い、疲労しているのだった。

 

アキト「はぁはぁ・・・ 相変わらず、遠距離系の武装魔の相手は骨が折れる・・・」

 

遠距離系の武装魔はエレゲショスが初めてではなかったが、それでも近距離での戦いが基本のアキトが倒すの非常に困難なので、自然と愚痴も言いたくなるといものだった。

 

アキト「武器とグリシードは・・・」

 

アキトが武器とグリシードの有無を確認しようとした時、銃声が響く。

 

バキュン!

 

アキト「・・・!」

 

ガキン!

 

アキト(ちっ!さっきの攻撃で核を破壊出来なかったか!)

 

アキトは内心で舌打ちしながら、銃弾が放たれた方向に向き直る。

 

アキト「まだ、生きてたのか・・・」

 

エレゲショス「はぁ・・・はぁ・・・」

 

エレゲショス「貴様・・・ は・・・ 生かし・・・ て・・・ 帰さん・・・!」

 

エレゲショスはアキトから受けた、一太刀が胸に大きな傷を残し、大量の血が出ており、表情も最悪という言葉を体現したように悪い。

 

エレゲショスは何かを決断しかのような表情をするとフードを外し、拳銃に力を込める

 

エレゲショス「殺し・・・ て・・・ やる・・・! ぐらぁぁぁ!」

 

バキュン!

 

ぶわあ!

 

ギガガガ!

 

エレゲショスは雄叫びを上げながら銃弾を地面に放ち、土煙を起こす。

 

その中ではまるで機械音が聞こえてき、土煙の中からは全身に拳銃のパーツをぐちゃぐちゃに張り付けたような武装魔が現れる。

 

顔はまるで沢山の銃の部品張り付き、ぐちゃぐちゃのロボットの様になり、両腕の二丁拳銃は腕と融合し、機関銃のように変化し、足は分厚い金属にコーティングされ、野太く、がっしりとした外見となり、まさに出来損ないの機械というような姿をしている。

 

エレゲショス「ギガガガ!」

 

また、言葉も使えなくなったようである。

 

アキト「随分と変わった姿をした武装魔だな・・・」

 

アキト(本気でくるというわけか・・・!)

 

アキト「なら、こちらも全力で行く・・・!」

 

エレゲショス「ギガ!」

 

ドドドドドドドドドドドドドド!

 

アキト「なっ!?」

 

エレゲショスは両腕の機関銃から一斉に連続射撃を開始する。

 

アキトはそれをギリギリでかわし、物陰に避難するも、何発かくらってしまう。

 

アキト(この弾数と速度!さっきまでの比じゃない! 本当の意味で本気というわけか・・・!)

 

物陰に避難したものの、体のいたるところからは血が滴り落ち、迂闊に攻撃することも出来ない。

 

エレゲショス「ギガガガー!」

 

ドドドドドドド!

 

エレゲショスは怒り狂ったかのよう乱射を続け、手当たり次第に発砲している。

 

アキト(どうやら、冷静な判断ができてないようだな・・・)

 

アキト「手負いだが、それは向こうも同じ」

 

アキト(一か八かやってみるか・・・)

 

アキトは銃弾を被弾するのを覚悟し、エレゲショスの前に飛び出す。

 

エレゲショス「ギガーーー!!!」

 

ドドドドドドド!

 

アキト「紅龍!」

 

ドガガガガガ・・・!

 

エレゲショスの散弾はアキトの付近に被弾し、大きく、土煙が立ちこめる。

 

アキトの姿は銃弾と土煙の中に消えてしまう。

 

ドドドドドドド!

 

エレゲショス「ギガ!」

 

エレゲショスは土煙に中に消えたアキトに向かって連射し続け、土煙がアキトがいた周りに激しく、舞ってもエレゲショスは連射を続け、暫くして、ようやく様子を見るため、連射を止める。

 

エレゲショス「ギガ・・・?」

 

エレゲショスは静かに土煙を見つめ、仕留めたかと思案する。

 

しかし、敵の死体を見つけるまでは安心出来ないため、じっと土煙が消えるのを待つ・・・

 

エレゲショス「・・・・」

 

そうしていると少しずつ土煙が消えていく。

 

エレゲショス「・・・・・・!?」

 

土煙が消え始め、アキトがいた場所を凝視するも、そこには誰もいなかった。

 

アキト「頭に血が上りすぎたな」

 

エレゲショス「!」

 

エレゲショスはそう声がした方向に目を向けると武装魔形態に化身したアキトが上方から自身を貫こうと突進するように向かってくる。

 

ジャキン!

 

エレゲショス「ギガッ!」

 

ドゴォン!

 

アキトの強烈な突きをエレゲショスは両腕と融合した機関銃で防ぐも、衝撃までは止められず、城の中まで吹き飛ばされた。

 

アキト「今度こそ・・・!」

 

アキトは今度こそ確実にエレゲショスを仕留めるために手負いの状態で城に入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠衣「なにこれ・・・!ファンタジーランドが・・・ お城がめちゃくちゃ・・・!」

 

キヨタカ「瑠衣ちゃ~ん! 待ってよ~・・・!」

 

瑠衣「キヨタカくん・・・! 待っててって言ったのに・・・」

 

発砲犯を追いかけ、銃跡だらけのファンタジーランドに瑠衣と後を追ってきたキヨタカがやって来ていた。

 

キヨタカ「瑠衣ちゃん・・・ やっと止まってくれた・・・ って!なんだこりゃ!?」

 

瑠衣「キヨタカくん、周りに気づくの遅いよ・・・ っていうか 何で来たの!?」

 

キヨタカ「瑠衣ちゃんだけを行かせるわけにはいかないから・・・!だから・・・・!」

 

瑠衣「・・・・」

 

心配だったとはいえ、生身の人間には危険すぎると険しい表情をする瑠衣。

 

キヨタカ「ごめん・・・」

 

瑠衣「・・・うんうん、私のほうこそ飛び出しちゃってごめんね・・・ 折角、観覧車に乗ろうって誘ってくれたのに・・・」

 

キヨタカ「い、いや・・・!瑠衣ちゃんのそういう行動的なところ俺は好きだよ!」

 

瑠衣「・・・!」

 

勝手に飛び出したのは自分なのにも関わらずに謝罪と心配をしてくれるキヨタカに瑠衣は素直に嬉しいと思った。

 

瑠衣「ありがとう キヨタカくん」

 

キヨタカ「い、いや・・・///」

 

瑠衣「話は戻るけど、この場所のこれは一体・・・」

 

キヨタカ「この地面のくぼみってもしかして・・・銃跡?」

 

瑠衣「銃跡? でも、だとしたら物凄い数・・・」

 

ドドドド!

 

キヨタカ「何だ!?」

 

瑠衣「城の中からだ・・・!」

 

キヨタカ「行ってみよう!瑠衣ちゃん!」

 

瑠衣「分かった・・・! でも危なくなったらちゃんと逃げなきゃ、ダメだよ?」

 

キヨタカ「分かってるって! さあ行こう!」

 

瑠衣「うん!」

 

そうして二人は城の中に入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人が城に入っていた頃、城の中では二体の武装魔が死闘を演じていた。

 

照明は壊れ、部屋は窓の外の月の光だけが照らしていた。

 

 

アキト「ガアアァ!」

 

ガキン!ザシュ!ザシュ!

 

エレゲショス「ギガ・・・ガガガー!」

 

ドドドドドド!

 

ガキン!ガキン!ザシュ!

 

ザクッ!

 

エレゲショス「ギガ・・・ガガ・・・」

 

アキトは銃弾弾きながら、もエレゲショスに一太刀、一太刀を浴びせ、少しずつ追い込んでいた。

 

アキト(もう銃弾を撃つ力もないか・・・)

 

アキト(こちらの余力も、殆どない・・・)

 

アキト(これで、最後だ・・・!)

 

ヒュッ!

 

そうしてエレゲショスに確実な死を与えるために紅龍を振りかざすアキトだった。

 

しかしそこに予期せぬ乱入者が現れる。

 

ガチャン!(扉の開く音)

 

瑠衣「音はここから・・・ え?」

 

アキト「!?」

 

瑠衣「何・・・・ これ・・・・」

 

瑠衣は心底、信じられないような光景を目にする。

 

瑠衣(剣を持った怪物と銃の手をした怪物が戦っている・・・!?)

 

キヨタカ「瑠衣ちゃん! って何だ!?この化物は!?」

 

瑠衣「キヨタカくん・・・!」

 

アキト「・・・」

 

アキト(化け物か・・・)

 

知らぬとはいえ、親しい者から化物と呼れるのは、この体に慣れたアキトでも心にくるものがあった。

 

アキト(まぁ・・・ 間違ってはいないか・・・)

 

アキトはそう内心で、自虐的な感想を述べながらも、エレゲショスに向き直る。

 

アキト「邪魔が入ったな、今度こそ終わりだ!」

 

キヨタカ「しゃ、喋った!?」

 

瑠衣(あの怪物、喋れるの・・・!?)

 

アキト(いちいち、驚くな・・・)

 

アキトは内心で毒づきながらエレゲショスに斬りかかる。

 

ドンッ!

 

アキト「ガアアァァ!」

 

シュバッ!

 

エレゲショス「ギ・・・・・ガガガ・・・ガ・・・」

 

アキトは地面を力の限り踏みしめ、エレゲショスを頭から一刀両断にし、真っ二つになったエレゲショスの遺体は左右に転がるのだった。

 

瑠衣「殺した・・・」

 

キヨタカ「化物が・・・化物を・・・!」

 

アキト「・・・」

 

アキトは二人の自身を見る目には見覚えがあった。

 

恐れ、驚愕、畏怖、理解できないことへの違和感などを宿し、向けられて決して嬉しい感情ではないため、自然と気が重くなる。

 

そうしてアキトは瑠衣とキヨタカに向き直る。

 

瑠衣「・・・!」

 

キヨタカ「な、なんだ!お前!瑠衣ちゃんに何かしたら、ただじゃおかねぇからな!」

 

アキト「・・・」

 

瑠衣は驚愕し、キヨタカは心底、恐ろしいものを見るような目で警戒している。

 

アキト「・・・消えろ」

 

瑠衣「・・・え?」

 

アキト「さっさとこの場から消えろと言った」

 

アキトは獣のような声で、できるだけ、感情を圧し殺して、そう二人に告げる

 

キヨタカ「な、なんでお前にそんなこと、指図されなきゃいけねぇんだよ! 城やファンタジーランドを・・・滅茶苦茶にしやがって!」

 

アキト「・・・」

 

瑠衣「あなたは一体・・・ どうしてここで戦ってるの?」

 

キヨタカ「る、瑠衣ちゃん!危ないって!」

 

瑠衣はキヨタカが止めるの聞かずに赤い異形の怪物に近づいていく。

 

アキト「・・・」

瑠衣「ここを滅茶苦茶にしたのは、あなたなの・・・?」

 

アキト「・・・・だとしたら?」

 

瑠衣「だったら許せない・・・! ここはただの建物じゃない! ここで過ごした人達の思い出の詰まった大切な場所なんだよ!?」

 

瑠衣「それをこんな風に・・・!」

 

瑠衣は怒りと悲しみを含んだ、瞳で目の前の赤い異形の怪物を睨む。

 

自身が今日一日過ごしたこともあって、余計に胸にくるものがあったのだろう。

 

アキト「・・・」

 

アキト(言ったって、どうせ・・・)

 

アキト(お前達には、分からない・・・)

 

アキト「・・・(チラッ)」

 

瑠衣(・・・?)

 

瑠衣(あの、怪物・・・ 一瞬、私の方を見た・・・? でも・・・・ 今・・・)

 

瑠衣は自分の方を見た怪物に戸惑いを覚える。

 

瑠衣が呆気にとられている内にアキトは一瞬でエレゲショスの武器とグリシードを拾い、窓の方を向き直る。

 

シュッ!

 

バリン!

 

アキトはエレゲショスの元となった武器とグリシードを回収すると、窓を破って、その場から逃走するのだった。

 

瑠衣「・・・!」

 

キヨタカ「アイツ! 逃げやがった!」

 

瑠衣「・・・」

 

瑠衣(なんでだろう・・・ さっき私の方を見た瞬間、あの怪物が・・・悲しそうにしてるように見えたのは・・・)

 

キヨタカ「なんなんだよ!あの化物は・・・」

 

瑠衣「うん・・・ カゲヤシの私でもあんなの見るの初めてだよ・・・」

 

二人「・・・・」

 

そう沈黙する二人を窓の外から、月の光が照らすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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