怪物達の死闘を目撃した瑠衣とキヨタカは人が来る前にその場を立ち去り、ディズニーランドを後にするのだった。
そして帰りの新幹線の中では先程の怪物の話題が上がっていた。
瑠衣「あれは、なんだったんだろう・・・」
キヨタカ「あんな化物見たことないよ・・・ クソッ! ランドを滅茶苦茶にしやがって・・・!」
瑠衣「うん・・・」
キヨタカ「みんなにも伝えた方がいいよね?」
瑠衣「え?」
キヨタカ「あの怪物のこと・・・」
瑠衣「そうだね・・・ 私も叔父さん達に伝えておくよ」
そう話し合いながら二人は静かに新幹線の窓から見える夜のディズニーランドを見つめるのだった。
その頃、どこかの路地裏ではエレゲショスを倒すも、深手を負ったアキトが息を潜めていた。
アキト(まさか・・・ あの二人に見られるとはな・・・)
先程の二人の自身への視線や怒りなどが自然と心を軋ませる。建物を破壊したのは自分ではないが、戦闘始めたのは事実であるため否定もしなかった。
アキト(化物、か・・・)
アキト(事実・・・ だがな)
アキト「正体がバレなかっただけマシか・・・」
寂しげに呟くとアキトは手負いの体を引きずるように路地裏の奥に進むのだった。
瑠衣とキヨタカは駅前に着くと先程の出来事について話していた。
瑠衣「私は家に帰ったら、すぐに叔父さんに伝えるよ でも・・・ 信じてくれるかな・・・」
キヨタカ「それだよな〜 夢と思われる可能性の方が圧倒的に高いし・・・」
瑠衣「うん・・・ でもダメ元でも伝えるしかないよね・・・」
瑠衣「やっぱりちゃんと伝えなきゃね・・・」
キヨタカ「そうだな・・・ 俺は明日アジトで自警団のみんなに伝えとくよ」
瑠衣「うん、分かった」
瑠衣「ねえ・・・ キヨタカくん」
キヨタカ「ん?何?」
瑠衣「あの、今日は本当にごめんなさい!」
瑠衣はそう告げると深々と頭を下げる。
キヨタカ「え!? な、なんで瑠衣ちゃんが謝るの!? 頭を上げてよ!」
瑠衣「だって、折角誘ってくれたのに、私が勝手に飛び出したからキヨタカくんまであんな・・・!」
キヨタカ「いやいや!瑠衣ちゃんは悪くないって!悪いのはあの化物なんだからさ!」
瑠衣「キヨタカくん・・・」
キヨタカ「だからさ・・・?」
瑠衣「・・・」
瑠衣「ありがとう(ニコッ)」
キヨタカ「・・・!(ドキッ)」
キヨタカ「い、いや~ なんのなんの! あはは・・・」
瑠衣は申し訳なさそうにしつつも、笑顔で礼を言い、キヨタカはそんな瑠衣を見て、照れながらも嬉しそうにわらうのだった。
そうして二人はそれぞれ帰路につくのだった。
瑠衣は自宅に向かいながらもあの怪物について考えていた。
瑠衣(あの怪物は一体何なんだろう・・・)
瑠衣(あの怪物は何故、同じ怪物を殺していたんだろう・・・)
瑠衣(そして、何故、私たちを殺さなかったんだろう・・・)
頭に疑問ばかりが浮かぶ中、瑠衣はあることを思いだす。
瑠衣「あっ! みんなのお土産忘れてた・・・」
そんなことを考えているといつの間にか自宅の前に着いていた。
自宅の前には瞬が立っていた。
瑠衣「あっ 叔父さん・・・ ただいま・・・・」
瞬「おかえり、随分と遅かったじゃないか 予定より遅いから駅まで行こうかと思っていたんだが、その必要はなかったか」
瑠衣「うん・・・」
瞬「どうかしたのか? 顔色が悪いが・・・」
どこか気分が暗そうな瑠衣に心配そう瞬はその身を案じる。
瑠衣「叔父さん、これから話すこと・・・ 信じれないかもしれないけど、聞いてほしいの・・・」
瞬「信じられないこと・・・? とりあえず家に入ろう 話はその後だ」
瑠衣「うん・・・」
そうして瑠衣と瞬は自宅に入っていくのだった。そして瑠衣は先程の出来事を詳しく伝えた。
瑠衣「それが私たちが見た出来事の全てだよ・・・」
瞬「・・・」
瑠衣「叔父さん! 信じられないかもしれないけど本当に・・・!」
瞬が目を閉じ、何かを考え込むような仕草に瑠衣は信じてもらえてないのではないかと不安に感じ、必死に伝えようとする。
瞬「瑠衣、その怪物はどんな姿をしていた?」
瑠衣「え? えっと・・・ どっちも武器を持っていて・・・ 一人は剣ともう一人は銃を持っていて・・・」
瑠衣「あと、どっちも生き物というより・・・ なんだろ・・・ 武器と一体になったみたいな姿をしてた・・・」
瞬「武器と一体化した様な姿・・・」
瑠衣「叔父さん・・・?」
瞬「怜のところに行こう 全員で話した方がいい」
瑠衣「えぇ!? どうして急に・・・」
瞬「その怪物は我々カゲヤシにとっても人間にとっても危険な存在だからだ」
瑠衣「叔父さんはまさか・・!あの怪物のことを知っているの!?」
瞬「ああ 見たのはもう随分昔の話だがな・・・」
瞬「奴らは・・・」
瞬「武装魔」
瑠衣「武装魔・・・?」
瞬「意思を持った武具が人間に取り憑き、その身を異形へと変えた存在・・・」
瑠衣「人に取り憑く!? え、どういうこと!?」
瞬「詳しくはアジトで話す」
それだけ告げると瞬は二階で寝てるであろう鈴を起こしに行ってしまった。
それから準備を整え、三人はアジトに向かうのだった。
キヨタカは夜道を複雑な気分で歩いていた。
キヨタカ「クソッ! 何なんだよ!、あの怪物は・・・!」
キヨタカ「折角、瑠衣ちゃんと良い雰囲気だったのに・・・」
キヨタカは怪物を見たことより、瑠衣とのデートを邪魔されたことの方が重要であるらしい。
キヨタカ「でも瑠衣ちゃんには良い印象持ってもらえたよな・・・!」
キヨタカ「今日、あんなに色々な所に一緒に行って、楽しい思い出を作ったんだから・・・!」
キヨタカ「へへっ」
そう言いながら、キヨタカはだらしなく頬を緩ませている。
先程の怪物への危機感はもう既に無いようだ。
キヨタカ「おっと、自警団のみんなに連絡しないと」
キヨタカは自警団のみんなに「明日、どうしてもアジトに集まってもらいたい!頼む!理由は明日話すから!」と送るとすぐに全員から返信がきた・・・・ アキトを覗いて。
キヨタカ「よし!みんな来てくれるな・・・ あれ?アキトだけ返信が来てない?」
キヨタカ「まあ、メールは送ったし、その内、気づくよな」
キヨタカ(みんな、驚くだろうな〜 あの怪物のこと!)
キヨタカ(そして何より、俺が瑠衣ちゃんとデートしたこと!)
キヨタカ(ニヤニヤ)
キヨタカはことの重大さを知らぬまま、呑気に帰宅するのであった。