時は少し遡り、アキトが夜中の公園で死闘を演じている時の瑠衣はキヨタカからデートの誘いを受けていた。
キヨタカ「あのさ、瑠衣ちゃん・・・今度の休みに予定ある?」
瑠衣「え?どうして?」
キヨタカ「良かったらさ・・・ あの・・・ 二人で遊びにいかない?」
瑠衣「え、二人で?」
キヨタカ「ダ、ダメかな? いや、ほら!なんか俺達って他の自警団メンバーに比べて交流が少ないし、どうかなって思ったんだけど・・・」
瑠衣(今度の休みはアキトを遊びに誘おうと思ってたんだけど・・・でも、折角誘ってくれるのをアキトと遊びたいからって断るのは失礼だし・・・)
瑠衣「他の皆も一緒に行くの?」
キヨタカ「いや、あの・・・・出来れば、二人でなんて・・・ 親睦を深めるためにもさ?」
瑠衣「二人きり・・・」
キヨタカ「どうかな・・・? ・・・・やっぱり俺なんかと二人きりは嫌・・・だよね?」
瑠衣(他の自警団の人達と同じくらい交流を持ちたいからわざわざ誘ってくれてるみたいだし、断るのも失礼だよね? 二人きりで遊ぶのは初めてじゃないし)
瑠衣「うん、いいよ それでどこに遊びに行くの?」
キヨタカ「ほ、ほんと!? えっと、あの、ディズニーランドなんかどうかなって・・・」
瑠衣「ディズニーランドかぁ 行くのは初めてだよ」
キヨタカ「そ、そっか!なら尚更行かなきゃね!」
キヨタカは瑠衣と遊びに行く約束を取り付けると心底嬉しそうにディズニーランドについて話続け、日時のことなどを詳しく瑠衣に伝え、帰宅していった・・・瑠衣の心情も知らずに・・・
瑠衣「・・・・・」
瑠衣(ディズニーランドかぁ・・・パレードとか色々あるみたいだけどどんなところなんだろ・・・)
瑠衣の本音を言えば派手なパレードやロマンチックな演出よりも、他愛もない会話をしながらゲームセンターで遊んだり、カフェでお茶をしたりする方が理想的だった。アキトと過ごした時間のように。
瑠衣「でも、折角誘ってくれたんだから楽しまなきゃね」
瞬「瑠衣、よかったのか?」
瑠衣「お、叔父さん!いたの?」
瞬「いや、すまない・・・ 盗み聞きするつもりはなかったんだが」
瑠衣「良かったのかって・・・ 何が?」
瞬「いや、余りお前が乗り気ではないように思えてな・・・」
瑠衣「そ、そんなことないよ!ああ楽しみだなぁー!」
そう誤魔化すように言うと瑠衣は家に入っていき、そんな瑠衣を複雑そうに見つめていた。
瞬「キヨタカくんには申し訳ないが・・・瑠衣が本当に共に過ごしたかったのは・・・」
瞬「いや、それは言うべきではないな」
そう静かに独り言を呟くと瞬も家に入っていった。
━━翌日
昨日ことを鈴に話すとものすごい剣幕で瑠衣は詰め寄られていた。
鈴「どうして!? 瑠衣ちゃんはアキトさんとデートするんじゃなかったの!?それがなんでキヨタカさんとディズニーランドでデートをすることになったの!?」
瑠衣「ちょっと!鈴落ち着いて!デートとかじゃないから!」
鈴「え?デートじゃない?」
瑠衣「うん ただ一緒にディズニーランドに行くだけだよ」
鈴に「なんだ一緒に行くだけかぁ・・・って!それをデートって言うんだよ!瑠衣ちゃん!」
瑠衣「そ、そうなの?」
鈴「そう!一般的に男女が一緒に色々な場所で遊んだり、一緒に過ごすことをデートっていうんだよ!」
瑠衣「そうなんだ・・・(ということは私・・・・アキトとデートしたってこと!?)」
そんなことを考えると何故か猛烈に自分の顔が赤くなっていく瑠衣だった。以前妖主である母から異性との交流について教わり、デートの意味は異性との深い交流であり、互いの関係を深めるためのもので、カゲヤシである自分達には必要ないと教わっていた。
瑠衣(母さんは必要ないって言っていたけど・・・じゃなくて!つまりは私は・・・アキトと・・・そういうことをしてたんだ)
何故か卑猥な感じの感想になってしまっているが、不思議と瑠衣に嫌悪感は無く、少しだけ嬉しいとすら感じていた。しかし同時にそういったものアキト以外の、それもアキトの友人と過ごすと理解した時、瑠衣は少しだけ気が重くなった。
鈴「ねぇ・・・瑠衣ちゃん本当に行くの?」
瑠衣「だってもう行くって言っちゃったし・・・」
鈴「今からでも断れないの?」
瑠衣「そんな失礼なことできないよ!それにあくまでも交流を深めるためにだし、キヨタカくんとは他の自警団の人達より交流が少なかったからお互いにもっと仲良くなれたらいいと思ったから行くんだよ」
鈴「そう?ならいいんだけど・・・ アキトさんにはこの事伝えるの?」
瑠衣「え・・・アキトには・・・多分キヨタカくんが伝えてるよ」
鈴「確認しなくて大丈夫?」
瑠衣「大丈夫だよ それに確認なんてしなくても友達と遊びに行くだけなんだから(ニコッ)」
そう無理をして、笑っているように見える瑠衣に鈴は心配しながらもそれ以上なにも言えなかった。そして瑠衣は気分転換に一人で散歩してくると言い、行ってしまった。
鈴(本音を言うとキヨタカさん苦手なんだよなぁ 瑠衣ちゃんのことジロジロよく見てるし、話すこと自分のこととか自慢ばっかりだし・・・)
鈴は瑠衣のことを以前から気にしているキヨタカにあまりいい印象がなかった。何故ならキヨタカは必死に瑠衣の関心を引こうと自分はすごいところの高校出身だとかアキトの話題が出ると直ぐに話題を変えようとするところがあまり良い印象を持てなかった(自分とサラ以外はそういったことに全く気づいてないようだが)
鈴「瑠衣ちゃん・・・」
そう心配そうに呟く鈴だった。
瑠衣は中央通りに来ていた。何をするわけでもなく、ふらふらと歩いていた。そしてその心中は複雑だった。
瑠衣(ただ友達と遊びに行くだけなのにどうしてこんなに気持ちが重いんだろ・・・)
瑠衣(私は何がしたいんだろう・・・こんな気持ち初めて・・・)
瑠衣(君なら・・・この気持ちが何か教えてくれる
かな・・・アキト?)
初めての複雑な気持ちが自身の中に次々に生まれていき、考えれば考える程アキトことばかりが頭に浮かぶ、だがこんなことばかり考えてはいけないと頭を振る。
瑠衣「はっ! ダメダメ!こんなこと考えちゃ!キヨタカくんに失礼だし! あれ、向こうにいるのは兄さんと・・・・アキト?」
瑠衣は視線の先には兄である阿倍野優と自身の悩みの根元ともいえる人物、桐生アキトだった。何やら深刻そうな表情で話している。
瑠衣「珍しいな、あの二人が一緒ににいるなんて・・・でもなんだか話しかけづらい雰囲気だな・・・ 少し様子を見よう」
そうして様子を見ていると優は行ってしまい、話しかけに行こうかとするもアキトは電話に出てしまい、それがかなり長く続き、「まだ終わらないのかな・・・」と思い始めた頃、ようやく通話が終わると瑠衣は話しかけようとアキトに近づいていく。
瑠衣(兄さんと何の話をしていたのかな? それにアキトの顔なんだか疲れてる?)
そんなことを考えながら、辟易した表情をしているアキトに瑠衣は近づいていくのだった。
今回は瑠衣の心情を書いてみました。良ければまた読んで下さい