アキトと些細なことで喧嘩をしてしまった瑠衣は自宅に帰宅すると二階の自分の部屋でベッドに倒れこみ、落ち込んでいた。
瑠衣「はぁ・・・ やっちゃった・・・ アキト、怒ってるかな・・・」
瑠衣(私・・・ なんであんなに腹が立ったんだろう・・・ アキトが私が誰とデートしても自分は関係ないって言ったから? でも間違ってはいないし・・・)
瑠衣(私は何がしたいんだろう・・・ 自分のことなのに分からないよ・・・)
考えれば考えるほど堂々巡りをする瑠衣だった。
そして部屋で落ち込む瑠衣を心配して鈴と瞬は話していた。
鈴「瑠衣ちゃん大丈夫でしょうか? あんなに落ち込んで・・・」
瞬「アキト君と何かあったようだが、話をしようとは思うものの、こういうのは当人同士が話したほうがいいだろうし、部外者が口を挟むのはなぁ・・・」
鈴「瑠衣ちゃん、アキトさんと何が理由で喧嘩したんでしょうか・・・」
瞬「さてな、無理に聞くわけにもいかないからね・・・」
瞬間(もしかしたらデートのことが関係しているのか・・・?)
鈴「マスター?どうかしたんですか?」
瞬「いや、後で瑠衣の様子を見に行くついでにやんわりと聞いてみるよ。」
鈴「そうですね!私よりはまだマスターのほうが話しやすいだろうし」
瞬「ああ、それじゃあ、下に降りようか」
鈴「はい!」
そう話すと二人は一階に降りていった。
それからしばらくして瞬は様子を見るため瑠衣の部屋に行き、部屋で瑠衣にアキトと喧嘩をした経緯を聞き、大体のことを理解した。
瞬「つまりアキト君に関係ないと言われ、腹が立ったと?」
瑠衣「うん・・・」
瞬(やはり例のことが関係していたか・・・)
瑠衣「でも本当は自分でも何で怒ったのか、よく分からないんだ・・・ 関係ないって言われたら、急に寂しくなって、腹が立って・・・」
瞬「アキト君に突き放されたように感じた?」
瑠衣「うん・・・」
瞬「瑠衣、それはお前の勘違いではないか? アキト君はお前のことがどうでもいいから関係ないと言ったのではないと私は思う」
瑠衣「え?」
瞬「アキト君は瑠衣が何をしようと瑠衣の自由という意味で自分は関係ないと言ったんじゃないか? 」
瞬「そうじゃないとしても、アキト君は違う意味で言ったのかもしれないだろう?」
瑠衣「それは・・・」
瞬「まぁ、アキト君はたしかに少し素っ気ないところがあるからな だが一方的に怒って飛び出してきたのは良くないな?」
瑠衣「・・・うん(コクッ)」
瞬「悪いと思うなら今からでも電話するなり、会うなりして謝ったほうがいい こういうのは早いほうがいいからな」
瑠衣「・・・! 叔父さん、私・・・ その・・・」
瞬「怖がっていては何も解決しないぞ?いいのか、このまま喧嘩したままでも?」
瑠衣「!」
瑠衣(嫌だ・・・!そんなの・・・!)
瑠衣「叔父さん、わたし、行ってくる!」
瞬「ああ」
瑠衣は急いで一階に降りていき、玄関を飛び出すのだった。
その頃、中央通りではハンバーガーと瑠衣の頼んだチーズバーガーをたいらげたアキトがいた。
アキト「瑠衣の奴、何をあんなに怒っていたんだ」
アキト「全く・・・ ん?マスターからメール?」
アキトは携帯に瞬からのメールが届いてるのに気づき、開くと瑠衣が公園で待っているから会ってやってほしいとだけ書かれていた。
アキト「・・・・」
アキト(まあ、このままというのも気分は良くないからな)
そう考えながらアキトは公園に向かうのだった。
瑠衣「家を出て、すぐに叔父さんに公園に居ろってメールが来たけど、なんなんだろう・・・」
瑠衣(こんなことしてる場合じゃないのに・・・!)
瑠衣は早くアキトに謝るため電話をして実際に会おうと考えていたが、瞬からメールでそこで待ってる間は電話するなと書かれていたために電話をかけられなかった。
瑠衣(叔父さんかが早く謝ったほうがいいって言ったのに・・・!)
???「瑠衣」
瑠衣「え? あ、アキト!?」
瑠衣が誰かに呼ばれ振り向くとアキトが立っていた。
瑠衣「どうして・・・ ここに・・・」
アキト「マスターにここで瑠衣が待ってると言われたから来た」
瑠衣(叔父さんが!?)
瑠衣「アキトは・・・ 叔父さんに言われたから・・・その・・・ 来たの?」
アキト「それもあるが、それだけじゃない」
瑠衣「?」
アキト「さっきのこと・・・ 瑠衣が何故、怒ったか、俺は分からない・・・ だからちゃんと理由を言ってほしい、もしそれで俺が悪かったら、ちゃんと謝りたいと思ってる」
瑠衣「アキト・・・」
瑠衣(アキトがそんなことを考えていたなんて・・・ それなのに私は・・・)
瑠衣「うんうん!アキトは悪くないよ! 私が勝手に一人で怒っただけだから・・・」
アキト「だが、理由があるだろ、それを聞きたい」
瑠衣「それは・・・ 関係ないって・・・・言ったから・・・(ボソボソ)」
アキト「何?」
瑠衣「だからさ、アキトが私が誰とデートしても自分は関係ないって言ったから・・・ (///)」
そう絞り出すように瑠衣は顔を真っ赤にし、ぷるぷる震えながら怒った理由を話す。
アキト「それが怒った理由なのか? だが、瑠衣が何をしようが、誰とデートしようが瑠衣の自由だ 俺が口を挟む権利はない・・・ そう思ったから関係ないと言ったんだが・・・」
瑠衣「!!!」
瑠衣(アキト・・・君は・・・)
瑠衣(叔父さんの言うとおりだった・・・ アキトは別に私がどうでもいいから関係ないって言ったんじゃない・・・ 私の意思を尊重してくれたんだ アキトはそういう人だった、だから私達の人間とカゲヤシの共存という意思を信じて、私のワガママだって叶えてくれたんだ・・・! それなのに私は・・・ )
瑠衣「アキト・・・ あの、ごめんなさい・・・ 一方的に怒って、お店を飛び出してちゃって・・・ 本当にごめんなさい!」
そう深々と頭を下げる瑠衣を見てアキトはかなり気まずくなった。
アキト「その・・・ 頭を上げてくれ、俺は元々、気にしていないし、俺の方も瑠衣の気分を悪くさせてすまなかった」
そう言ってアキトもまた、深々と頭を下げるのだった。
瑠衣「・・・・ふふっ なんだかお互いに謝っちゃったね?」
アキト「そうだな・・・」
瑠衣「じゃあ、お互い様ってことでいいかな?」
アキト「ああ」
瑠衣「ふふふ、君はこういう時でも真顔なんだね? ふふっ」
アキト「むっ・・・ 何がおかしい」
瑠衣「さぁ~?何のことだろ?(クスクス)」
アキト「からかうのはやめろ・・・」
瑠衣にからかわれ、面白くなさそうにするアキトを見て、楽しそうに笑っている瑠衣には先程の暗い表情はなかった。
そして、時計を見るともう七時を回っていた。
瑠衣「もうこんな時間・・・ そろそろ帰らなくちゃ」
アキト「そうか、どうりで空が暗いわけだ」
瑠衣「今日は本当にごめんねアキト・・・ あのさ、また、一緒に遊びに行ってくれる・・・?」
アキト「ああ、もうチーズバーガーはごめんだが」
瑠衣は「もう!それについては謝ったでしょ!バカ!」
恥ずかしそうにその場を去ろうとする瑠衣にアキトは咄嗟に声を掛けた。
アキト「瑠衣」
瑠衣「え? 何・・・?」
アキト「ディズニーランド・・・ 楽しめるといいな」
瑠衣「・・・うん ありがとう!」
瑠衣「それじゃあ 今度こそ、ばいばい」
そう言って手を振り、今度こそ瑠衣は帰っていき、アキトは夜の公園に一人残されるのだった。
アキト「・・・・」
アキト(仲直りはできたが、結局、瑠衣が怒った理由はよく分からなかった・・・)
アキト「・・・行くか」
アキトが公園から去ろうとした時、着信が鳴り出した。着信先はカルマだった。
アキト「なんだ」
カルマ「武装魔の新しい討伐依頼だよ♪」
アキト「例の武装魔か!?」
カルマ「いや、残念ながら君の探してる武装魔じゃ・・・ でも今回は久々の大物だよ」
アキト「・・・・それで武装魔の情報は?」
カルマ「名前はエレギショス、元となった武器は拳銃で遠距離攻撃が得意な武装魔だよ 人間体の時はフードを被ったロン毛の優男で写真を後で送るよ、遊園地の閉店間際とかになると人をこっそりさらって殺してるみたい」
アキト「人間態になれるやつか・・・ 何故、遊園地なんだ」
カルマ「さぁ? 人混みだと隠れやすいからじゃない?ちなみにいつも通り極秘の仕事だから人目につかないように倒してね~♪」
アキト「・・・場所は?」
カルマ「ってあれっ?このノリ無視?相変わらず冷たぁ~い♪」
アキト「さっさと言え!」
カルマ「怒こらない怒こらない♪ 場所はディズニーランドだよ」
アキト「ディズニーランド・・・?」
カルマ「あと、エレギショスは人が多くなる休日に好んで姿を現すみたいだから土日に張るといいよ」
アキト「・・・」
カルマ「お~いアキト? お~い、ア」
ピッ!プー、プー、プー
カルマが何か喋ろうとしているのも無視して電話を切り、アキトはため息を吐くのだった。
アキト(武装魔が現れる場所がディズニーランドだと!?それもよりによって休日ばかりを狙って現れるなんて・・・!)
アキト「たしかキヨタカが今週の日曜と言っていたな・・・ 土曜の内に決着をつけられればいいんだが・・・」
憂鬱そうにしているアキトを夕闇が静かに包んでいた。