「…お前、は」
「夕麻…ちゃん?」
俺の言葉の後にイッセーが夕麻に声をかける、あいつはそれを聞くと笑みを浮かべ、冷たい声で言い放つ。
「あら生き返ったの、そこの金髪ちゃんも無事だったのね…よかったわねぇ、貴方の主人、胸が大きくて」
『_』
アーシアは夕麻を見ると、怯えつつも逃げようとはしなかった、そして…
「さ、帰るわよ、今日の所は逃げ出したのは大目に見て…」
「アーシア!下がっててくれ!」
イッセーがアーシアの前に出て神器を展開する、その神器を見た夕麻はつまらなそうに見て言い放つ。
「あら、
だがイッセーはその言葉に気にせずアーシアに問いかける。
「アーシア、今日はこいつらから逃げてきたんだろ?…わかってる、アーシアがあんな奴らと同じじゃねぇてな!」
『_』
「…警告よ、さっさとその子を渡しなさい、じゃないと今度こそ…」
夕麻は光の槍を出し、イッセーに向け…
「イッセー、アーシアを連れて逃げてくれ」
…その会話を割り込み、俺はオーズドライバーを取り、腰に取り付け前に出る。
「!…マリヒコ!?」
『_!?』
すまんイッセー、けど…
「俺は悪魔じゃないからあの槍に当たっても多少は行ける、それに…」
トラとタカのメダルをセットする、そして…
「はっ、人間浮上がイキってるんじゃないわよ、そもそも貴方、メダルはフリードに奪われてるじゃない?あの時みたいに無様に殺されたいわけ?」
「悪いな、メダルは拾った」
…この間のはぐれ悪魔退治の時に拾った黄色いメダルをセットする、さぁ準備は整った。
「!…ちっ、隠し持ってたて訳ね、まぁいいわ、奪い取るだけよ!」
「マリヒコ!いつの間に…」
イッセーが驚いた瞬間、夕麻が槍を持ちこちらに急接近する…間に合う、と俺は判断し、オースキャナーを取り、メダルを読み込む!そして…
「…変身!!」
《タカ!!》
《トラ!!》
《チーター!!》
_オーズに変身し、爪で槍を受け止める、姿は頭、胴体はこの間と同じだが、足だけは黄色く、形状が少し違っていた。
「!、チッ…」
忌々しそうな顔をする夕麻をよそに、俺はイッセーに逃げるように言い放つ。
「早く逃げろ!俺はこいつの相手をする!」
「あ、ああ!アーシア!!」
『_!!』
アーシアの手を連れて逃げるイッセー、だが当然見逃すはずもなく…
「馬鹿正直に戦う必要はないわ!アーシアさえ回収出来れば…!」
「っ!!」
槍で爪を弾くと、その隙を見逃さず夕麻はイッセーらに飛び追いかける、マズイ、追いかけねぇと!
「やべぇえ!うぉおお!!アーシア!!すまねぇ!!」
『_!?』
イッセーがアーシアをお姫様抱っこし走り出す、いやあいつ急に速くなったな!…神器の効果?
「お熱いところ見せてくれるじゃない…けど逃さないわ!」
けど速さが僅かに足りず、もう少しで追いつかれ…
「させる…かぁ!!」
俺は足に力を込め走り出そうとした瞬間…
ドゴォ!!
「っ!!??」
…地面を蹴った瞬間、一瞬で夕麻に近づいた、てやば!止まりきれ…
「なっ!?」
ドガァ!!と言う音と共に夕麻に体当たり紛いの事をする、さっきのドゴォ、てのは地面を蹴った音だよな…
「いっ…てて、と、あいつは!」
俺は全身に走る痛みを耐え、吹っ飛んで行ったであろう夕麻を探す、いた、痛みを堪えつつも羽で空に飛んでいて俺を睨んでいる…どうやらダメージはあったようだ。
「っつ…よくもやってくれたわね…いいわ、今は見逃してあげるわ、けど今夜教会にアーシアを連れてきなさい、じゃないと…貴方達の家族に被害が及ぶかもしれないわよ」
レイナーレがそう吐き捨てると、姿を消す…て、家族に!?
「待っ…て、そういやイッセーは!」
「お、おぉここだ…しかしすげぇなおい、今の速かったぜお前、マリヒコと夕麻ちゃんがぶつかってなけりゃ捕まってたぜ」
マジか、と、アーシアの方を見ると、深々とアーシアがお辞儀をする、無事助けれてよかったな…そう思い俺は変身を解除する。
『__』
「ありがとう、だってよ」
「サンキューイッセー、アーシアを助けれてよかった…けど」
「…俺も聞こえた、今夜教会に、か」
行かなきゃ家族に被害…か…あ
「…部長達になんて言っとく?」
「…よし!俺らだけで行くぞ!」
うん、確実に殺されかねないよねこれ、こうなりゃ俺らだけでも…と、俺のスマホに受信音が鳴る、イッセーにも来たようだ。
「どれどれ…」
…『オカ研共通グループ』から来てる、これは一応連絡が取りやすいように部長が作ったメッセージグループ…あ
「…イッセー君?そっちになんてメッセージが入ってる??」
「…お前こそ、なんて?」
…メッセージには『今すぐ部室来なさい、じゃないとお仕置きよ』と部長から、俺とイッセーは軽く絶望的な顔を浮かばせる。
『_!!??』
それを見たアーシアが動揺する、うんごめん、色々とごめん!!
___
ドゴォオ!!!
「「ギャアアアアア!!」」
部室に鈍い音がした後男二人の悲鳴が聞こえる、部長が怒りながら俺とイッセーにゲンコツを叩き込む音だ、痛い、痛いです。
「全く…シスターと接触し、堕天使と交戦…これはまだいいわ、けど連れ帰った挙句堕天使に宣戦布告…これ、どう責任とってくれるかしら?」
『__』
そう言いながら部長はアーシアの方を見る、アーシアはと言うとソファに座って紅茶などを飲んでくつろいでいた…一応客としては扱ってくれるそうだ。
「あらあらうふふ…これは大問題ですわねぇ」
朱乃さんが笑顔を浮かばせながら俺らを見てる、いや笑顔が怖いです。
「少し失礼しますわよマリヒコ君」
と、朱乃さんが俺の耳に触れる…いやそこまで近づくと少し緊張します、いやいろんな意味で…と、不意に俺の耳にバチィ!と電流が流れる。
「あでぇ!?」
「マリヒコさん!?」
その声でアーシアが反応…て、あれ?
「…アーシア、俺の言葉わかる?」
「…あれ?先程までマリヒコさんの言葉は分からなかった筈なのに…」
「マリヒコ君に翻訳などが出来る魔術をかけましたわ…効き目は一週間ほどですけれど」
マジか!朱乃さんサンキュー!
「さ、それで二人とも…この件どうしてくれるかしら?貴方達の行動は個人の勝手じゃ済まされないわ、私、それに部員、そして貴方達の家族にも影響が及ぶかもしれないのよ?イッセーはグレモリー眷属、マリヒコはオカ研の部員、その自覚はあるかしら?」
と、部長が言う…確かに、俺がした事はもしかしたら誰かの迷惑になる、そのせいで誰かが傷つくかもしれない…けど。
「部長、だったら俺を眷属から外してください」
「俺も部員はやめます、もうここには来ません」
それでもアーシアを見捨てるわけには行かない。
「貴方達ね…どうしてわかってくれないの?私は貴方たちが心配なのよ!イッセーは光にやられれば消滅、マリヒコは殺されても消滅はされない、けど今の手持ちの駒じゃ転生できない、それをわかって」
「それでも俺は自分がした事に後悔とかありませんよ、誰かを助けれるてなら」
俺は部長にそう言う、そうでなきゃ意味がない、のうのうと生き残るなんてできやしない。
「!…いい?私はイッセーを眷属に外すのも、貴方をオカ研から追い出す事はしないわ」
「部長、お話のところで申し訳ございませんが…」
突如朱乃さんが割り込み、部長に何か耳打ちをする。
「!…わかったわ、私は用事ができたから朱乃と外に出るわ」
「部長!まだ話は!」
イッセーは納得が行かぬように部長に言う、けど部長はその言葉を気にせずにイッセーに言う。
「イッセー、貴方は『兵士』の駒が捨て駒要因だと思ってるだろうけれどもそれは違うわ、『兵士』には他の駒とは違う独自の能力を持っているわ」
「え?」
部長はイッセーに『兵士』の能力を教える、敵陣の拠点に乗り込むとプロモーションと言う能力が使えるようになり、『王』以外の駒の力を使えるようだ…例えるなら堕天使の拠点、教会に乗り込めれば主人が許可を下ろす限りは発動できるようだ。
「そしてイッセー、神器は想いの力で動き出すの、貴方の神器はありふれたものかも知れない、けれど神器には未知の可能性があるわ、想いなさい、貴方のしたいことを」
「それでは失礼いたしますわね」
…部長はイッセーにアドバイスを送ると、朱乃さんと外に出て行った。
「…行くぞイッセー」
「おうよ」
「二人だけで行くつもりかい?無茶じゃないかな」
教会へ行こうとする俺らに木場が言う、勿論だ、俺らが行かんとアーシアとおじさん、それにイッセーに被害が及ぶ。
「ああ…止めても無駄だぜ木場」
「止めるつもりは無いよ、ただ僕も同行させて貰うかな」
「…え?」
イッセーのその言葉の後に木場は意外な言葉を言った、イッセーと俺は驚きを隠せなかった。
「僕も君達がやられるのは嫌だからね…それに、教会には少しに…」
…木場は一瞬何か私怨めいた顔を浮かべるが、すぐにいつもの表情に戻る…今のは?
「私も行きます」
「え、小猫ちゃんも!?」
「ちょ、これは俺らの事情だから何も…」
「…私はみんながいなくなるのは嫌です、ついて行きます」
…ジッとこちらを見つめる小猫ちゃん、これは断れそうに無いな…
「わかった、けどその代わり危険と感じたら逃げるんだぞ?」
「それは貴方達にも言えます」
うん、小猫ちゃん大正論、と、アーシアが何か申し訳無さそうな顔でこちらを見て言う。
「…申し訳ございません皆さん、私のせいで…その部長?さんも怒らせてしまって」
「…アーシア」
「大丈夫だと思うよ?少なくとも部長は君に怒ったりしてないから、部長が怒ってるのはこの二人が危ない事をしたからだと思う」
木場は優しくそうアーシアに言う、けどアーシアはまだ罪悪感が残ってる様子で木場に言う。
「ですが、私は元とは言え教会の人…悪魔とシスターは相容れぬと何度も神父様に言われました、私はここにいるべきでは…」
「アーシア!そんな事はない!俺は悪魔だけどよ…今日は二人で楽しく遊んだじゃねーか!」
イッセーがアーシアにそう諭すと、次に小猫ちゃんがアーシアが飲み干した紅茶のカップを見る。
「もし部長が貴方を歓迎していなかったら…紅茶は注いでません、部長は少なくとも貴方を受け入れています」
…小猫ちゃんがそう笑顔でアーシアに言う、イッセーは「なんだ、部長優しいとこあるじゃん!」て嬉しそうに言う…うん、ほんとよかった、オカ研のみんなが優しくて。
「…そいじゃイッセー!」
「おう…行くぞ!」
___
レイナーレside
「…チッ」
私は教会地下で椅子に座りあいつらが来るのを待っている…我ながら醜く苛ついていると感じた、それでもアーシアを取り戻し、神器さえ抜き取ればこの苛つきも治ると信じている。
「お〜、どうしたんすか姉さ〜ん」
…イラつく顔でフリードがこっちに近づき話しかける、味方じゃなかったら今頃光の槍で突き刺しているところだ。
「…話しかけないでくれる?つい手が滑りそうで槍が貴方に突き刺さるかもしれないし」
「おーこわ…いやー残念だったすね〜、まさかあのアーシアちゃんが隙を見て逃げ出すなんて…しかもよりによって警備が薄い日に!!」
「…ええ、完全に油断したわ、けど今日はあいつらが来るからそれで」
「へー…テッキリ俺、ワザとアーシアちゃん逃がすために警備を薄くしたと」
その瞬間、フリードの首に光の槍の刃が間近に展開する。
「…バカな事言わないでくれる?、なんで態々そんな事をしなければいけないかしら」
「ちょ!落ち着いてくださいて!!…いやーあの時アーシアちゃんがあのクソ悪魔の服を大事そうに持ってるから目の前でズタズタに斬り捨ててやろうとしたら姉さん、『別にそんな事しなくていいわよ、お気に入りの男の服ぐらい持たせてあげたら』な〜んて言うから俺テッキリ〜」
…うざったい、尚且つ似てない声真似であの夜の出来事を言う、まぁその通りあの夜、増援に駆けつけた私の目にいやらしい顔を浮かべながらアーシアが持ってたあの男服を取ろうとするフリードが映った、ほっといてあげてもよかったけれど、気にくわないから邪魔しただけ。
「…別に、ただの気まぐれよ」
「へ〜…まぁ警備を薄くしたのも気まぐれ、逃したのも気まぐれ、て訳すか〜…あ、後メダルはどうすか?何かわかったすか?」
「…あのメダルには生物の力が備わってる事は確かだけれど…オーズドライバー以外での力の発揮のさせ方はわからないわ」
あいつらから奪ったバッタ、それと日本へ来るとき組織から持って行ったもう一枚の緑のメダル、あの二つを調べたけれど全くわからない…もし成果を上げればアザゼル様に一目置かれるかもしれないと言うのに。
「あらま、じゃ、俺上に行ってきますな〜、クソ悪魔切るの楽しみ〜」
黙って行ってくれればいいと言うのに一々うざったい声を上げながらフリードは上の階へと行った…私が、アーシアを逃がすために警備を薄くした…ええそうよ、それは間違いなく事実、けれどそれには計算があった。
「…っ」
私は二つの緑のメダルを持ちながらそう自分に言い聞かせる、アーシアを泳がせればあの二人の元へ行く、そうすればあの男の神器とメダルとドライバーを回収できる。
ホントウニカ?カワイソウダカラニガシタじゃないのか
そして眷属になったあの男とオーズに変身できるあの男を始末できれば後はアーシアを回収できる。
チガウ、ドウセシナセルナラセメテシアワセナジカングライハオクラセテヤロウト
そうすればアーシアの神器とオーズの力を同時に手に入れて私は至高の堕天使に…
ムリダ、オマエハイツモチュウトハンパ、ダカラキットコンカイモシッパイスル
そして今夜、教会に来るあいつらさえ始末できれば。
ダカラノゾメ、オレノチカラ、ソノヨクボウヲ
「…っ!!」
…なに、さっきから頭痛が酷い…ストレス?いや、こんな事で止めるわけには行かない…そうよ、妥協は捨てなさいレイナーレ、そうすればきっと、私は至高の堕天使になれる、そう、そうよ。
チャリン
「…え?」
…今何か音がした気がする、けれど見回してもその音の元は見当たらなかった…気にしてる場合じゃないわ、私はメダルをポケットにしまい、あいつらを出迎える準備をする。
表現がgdgdですいません…戦闘シーンが本当難しいです、二次創作を書かれる先輩方が本当に凄いと思います