「…レイナーレ様」
「お帰りなさいアーシア、さ、来てくれる?」
レイナーレはアーシアをじっと見つめ、こっちに来るように言い始める…俺らはそうはさせまいとアーシアの前に立ち、構えを取る。
「レイナーレ…お前、アーシアに何をする気だ!」
「黙りなさい、たかが転生悪魔が私の名を呼ぶんじゃないわよ」
イッセーの問いかけにレイナーレはそう冷たく言い放つ…レイナーレは続けて語る。
「まぁ教えてあげるわよ、その子の神器を抜くのよ…そうすればもうその子は異端な目で見られないし、私も神の愛を受けれて…」
「嘘だね、神器を無理やり抜こうとすれば命に関わる、君はアーシア君を殺す気でいる」
木場がそう反論し、剣を構える、反論されたレイナーレはチッ、と舌打ちをし、バツが悪そうな顔をする…あいつ、初めからアーシアを殺す気でいるのかよ!?
「ふざけんじゃねぇ!!なんでアーシアが殺されなきゃいけねぇんだよ!!」
「その子に神器が宿ったからよ、それも『聖母の微笑』、それさえあれば堕ちた私でも神の愛を受けれる…もういいじゃない?その子は最後にそれなりの幸せを味わえた、そして神の国に召されるから」
「っ…」
…アーシアは顔を下げ、震え始める…ふざけるんじゃない、そんな理由で命を奪っていいはずがない。
「イッセー…」
「…ああ、もうやるしかねぇ!!」
「そう、返さないつもりね、なら無理やり取り戻すまでよ!!」
レイナーレが羽を広げいきなりこっちに飛んで来る!
「きゃあ!?」
そしてアーシアのところまできて、無理やり抱きかかえる…ヤバイ、隙を突かれた!!
「さ、行きましょうアーシア…」
「待て!!」
アーシアを攫いこの部屋から出るレイナーレ、それに続くようにイッセーが後を追い、部屋を出る。
「イッセー!!」
「行こう!!」
俺と木場もそれに続くようにドアに走り出すも…ガチャン、とドアが自動的に締まり、閉じ込められた。
「なっ!?」
「…閉じ込められました、か」
小猫ちゃんが、ドゴォ!!とドアを殴るも開かず、クソっ…分断されちまったか!
「貴様らはここでおしまいだ、悪魔どもめ…」
「!」
突如部屋の奥から現れる集団…何者だ?
「こいつらは…逸れ悪魔祓いか!」
「マジかよ!あのフリードとか言うのと同じやつ!?」
「…あれ程の血の匂いはしません、けれど油断は出来ません」
小猫ちゃんが相手を見て構える…相手はあの人達か!
「マリヒコ君!!行くよ!!」
「おう!!」
「行きます」
俺らは悪魔祓いに突撃し応戦状態に入った_
【イッセーside】
「アーシア!!」
レイナーレを追って祭壇のところまで着く…アーシアは、アーシアはどこだ!?
「イッセーさん!!」
「!、アーシア!」
「あら、追いつかれたわね」
…アーシアは魔法陣で縛り付けてられている、レイナーレの仕業か!?
「てめぇ…アーシアを離しやがれ!!」
「嫌よ」
っ…なら、力づくで!!
「待ってください!!イッセーさん!レイナーレ様!!」
「アーシア!?」
「レイナーレ様…もうこのような事はおやめください!私の力が必要であれば幾らでも使います!けれど…どうか、私を殺す事だけはおやめください」
「あら、命乞い?あの信仰深いアーシアちゃんが死にたくないなんてねぇ…」
レイナーレが皮肉を込めた笑いでアーシアを見る、それだけでもムカつく…けど、なんでだアーシア?
「…私はイッセーさんとマリヒコさんと出会い、一緒に遊び、そして私の夢を笑わずに聞いてくれました…神はお許しにならないかもしれません、けれど私はイッセーさんともっと一緒にいたいです!!そしてレイナーレ様…レイナーレ様は苦しそうにしています!」
え?…苦しそう?
「…何を言い出すかと思えば、くだらないわね」
「聞いてくださいイッセーさん!!あの時の夜、フリード様様がイッセーさんの服を切ろうとした時レイナーレ様がそれを庇いました!!」
あの時の夜…確か依頼者がフリードに殺されたあの夜だよな、あの時は色々とキツかった…遺体とか、あの時救えなかったアーシア…て、庇った?
「それに、私がこの教会を抜け出せたのもレイナーレ様が警備を減らしたからと思います…レイナーレ様、お願いです!どうか…」
「…黙りなさい!アーシア、あれは全て気まぐれよ、どうせ死ぬなら最後にはいい思いをさせてあげようと…」
レイナーレが同様していながらも余裕の言葉でアーシアに言う…信じられない、けど本当の様だ…
「レイナーレ様!!」
「…煩い!!もういいわ!あなたの眼の前でこの悪魔をズタボロに殺してあげる!!そうすればあなたも絶望するでしょうね!!」
!、レイナーレが自棄になった様子で光の槍を取り出す…来るのか。
「アーシア!!…ありがとうな」
俺はアーシアがレイナーレを説得しようとした事に礼を言う…あの子は優しい、自らを殺そうとしたものを許すからな、けれど…
「悪いアーシア…こいつだけは、1発殴らねぇと気がすまねぇ」
「見なさいアーシア!!あれがこいつの本能よ!自分が殺された恨みで…」
「違う!てめぇらはアーシアの優しさを利用しようとした!…俺は、それにキレてんだよ!!レイナーレ…歯ぁ食いしばれ!!」
「…なんだっていいわ!お前さえいなければ計画は成功した…アーシアに見せつけてやるわ!!貴方の死に様を!!」
俺とレイナーレが走り出し、お互い交戦状態に入る…アーシア、絶対助けるからな!!
【マリヒコside】
「これで…終い!!」
「ぐふぉあ!!」
最後の一人の首に目掛けハイキックをかます!…終わった、数が多すぎるだろこいつら。
「それだけはぐれ悪魔祓いがいるということです」
小猫ちゃんが涼しい顔でそう説明する、悪魔祓いも世知辛い世の中のなのかなぁこれ、それはともかく戦闘内容と言えば、俺はトラの爪で相手の武器を壊し、後は格闘で気絶させて行った感じかな…木場は冷静に剣で相手を斬り倒してたし、小猫ちゃんも相手を殴り飛ばしてたからね。
「さ、早く行こう、一誠君とアーシア君が心配だ」
「そうだな、早いとこ行かないと!!」
「一誠先輩がやられる前に行かないとマズイです」
俺らはすぐさま部屋から出て、長い廊下を走り出す…そして階段を駆け上がり、すぐさま祭壇に着く。
「吹っ飛べ…この野郎!!」
「キャアアアア!!?」
ドゴォオオ!!
「うぉ!?」
…イッセーがレイナーレを思いっきり殴り飛ばす光景が目に入る、て…腕の籠手の形が変わってる気がする。
「終わったようだね…それに、一誠君の神器に変化があったようだ…とと」
一瞬フラついたイッセーを支える木場…そして向こうを見ると、魔方陣みたいなもので拘束されているアーシアが目に入るが、魔方陣が消え解放された。
「たく…おせぇよ色男に悪友が」
「そりゃどうも…それで、その腕どうした?」
「あー…何かは知らんが形が変わった、いきなり力が湧いてよ」
イッセーは形が変わった籠手を見る、もしかしてパワーアップか?
「と…アーシア!大丈夫だったか?」
「はい…所でレイナーレ様は?」
アーシアのところへ駆け寄り容態を確認するイッセー、そして向こうまで飛んで行ったレイナーレを見て心配そうに問いかける。
「…多分死んではいないだろうな」
「終わったようね?」
「あらあら、流石ですわ」
「て…部長!?」
「それに…朱乃さん?」
突如部長と朱乃さんが入り口から入り、イッセーに近づく…て、なんでここに?
「それは…『
「ブーステッド…」
「ギア?」
俺とイッセーは疑問そうにそう言う、部長は続けて説明するように言う。
「そう、神器の中でもレアの中のレア、その籠手に刻まれてる文字が何よりの証拠よ、それは『
「え、えーと…」
うん、イッセーがちんぷんかんぷんな顔をしてるな…
「まぁつまり、例えばイッセーの力が1とすると、10秒経てば2、20秒経てば4て増える倍々て感じですか?」
「あ、なるh…ておい!!1てどーゆー事だ!?せめて2か3だろ!?」
「所で…あの堕天使はどうします?」
そんなやりとりをしてる中、朱乃さんが倒れたレイナーレの方を見る…レイナーレははぁ、はぁと荒い息遣いをしながら立ち上がる…
「…まさか、そんな子どもに神滅具が宿ってるなんて…っ」
「私もそこは誤算だったわ…でも侮ったあなたの負け、死んでもらうわ」
「!…まだよ!私には仲間が!!」
「これの事?」
部長が手から何かを落とす…羽?あの黒い羽は…
「…嘘!?」
「もうあなたの仲間は倒したわ…さ、観念しなさ…」
「待ってください!…レイナーレ様は見逃してもらえませんか!」
アーシアが前に出て、レイナーレを庇う…部長はそれに少し驚きの顔を見せるが、すぐに冷静な顔になる。
「わかってるの?そいつは貴方の命を奪おうとした者よ、罰を与えるのは当たり前じゃ無い?」
「いえ!レイナーレ様は少しだけ私を助けてくれました!どうかお願いします!!」
「ダメよ、この地を管理するものとしてあの堕天使は見逃せない、そこを退きなさい」
アーシアは必死にレイナーレを助けるように説得をする…だが、部長はアーシアをまっすぐ見て、そしてアーシアに近づく。
「…でしたら私の身を捧げます!悪魔の契約として私を好きにしてください」
「!…貴方、なんでそこまで言えるの!?そいつは貴方を殺そうと…」
「私は、レイナーレ様を助けたいのです!その願いだけは変えられません!」
「…アーシア」
…イッセーがアーシアの強い目を見る、俺もその目を見て確信した…あの子は強い子だと、体じゃなくて心が。
「…ふざけないで」
が、レイナーレはその事に納得が行かぬかのように言い放つ…そして何かを取り出す…あれは!
「…メダル!」
俺が奪われたバッタと…もう1枚のメダルを取り出す、もう1枚の持ってたのか!!
「ふ、ふふ…さぁ!私に力を貸しなさい!!こいつらを…こいつらを倒せるだけの!!」
_ソレガオマエノヨクボウカ
「…え」
…!?、今変な声が…
「!、抵抗はやめなさい!」
「待ってください部長!!…今声がしませんでしたか?」
「声?…いいえ、私には聞こえなかったわ、祐斗、聞こえた?」
「いえ、僕にも…」
…部長達には聞こえないようだ、声は響く。
ソウダ、ノゾメ、オレノチカラヲ
「い、いや…やめて!何を…」
途端、メダルを握るレイナーレの右手が…
ソノヨクボウ__
「…離れてみんな!!」
「!、アーシアこっちに!!」
俺は嫌な予感を察し、みんなは下がる、イッセーは急いでアーシアをこちらに寄せる。
「あ、あ…」
カイホウシロ
__銀色のメダルが現れ、レイナーレの体を覆い…
「あ…ぁああアアアアアア!!!」
「…なんだよこれ」
「何…これ」
部長とイッセーは戸惑う…無理のない、先ほどまでのレイナーレの姿が…
『…ァアアアアア!!!』
巨大な虫のような怪物の姿になったからだ。
次回のハイスクールD×D×Oは!!
「あれがメダルの力…!?」
「皆様、お願いです…レイナーレ様をお救いください!!」
「…ああ、任せろ!!」
「ああ!!」
《スキャニングチャージ!!》
【虫の怪物と願いと救いの手】
「掴め…レイナーレぇ!!」