ハイスクールD×D×O〜悪魔と龍と王の物語〜   作:カノサワ

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前回の三つのあらすじは!!
一つ!リアス・グレモリーの未来を決めるレーティング・ゲームに敗北し、そしてグレイフィアにより一つの勲章が渡される!
二つ!!そしてその敗北が納得できぬ二人は、会場に殴り込む!!
そして三つ!!!マリヒコとイッセーは『禁手』『コンボ』を発動させる!!

Count The Medals!!今オーズが使えるメダルは_

タカ ライオン
トラ カマキリ
チーター バッタ


第10話=炎の不死鳥と紅い龍と灼熱の獅子=

__マリヒコside

 

決闘開始の数分前。

俺とイッセーは長い廊下を歩いて、作戦内容を確認していた。

 

「で…本当にいいのか?腕一本を犠牲にするんだろそれ」

 

「なーに、部長を取り戻すためなら充分な代価だって、まぁ10秒しか保たないけどよ」

 

そう苦笑し、自身の籠手を見る。

 

《それにしても、まさかあの時俺らの戦いに割り込んできた奴と再会できるとはな》

 

籠手からそう重々しい声が聴こえる。

その声の主はドライグと言う龍で、古代の戦いで二天龍と恐れられた龍の一人である。

ドライグが言うに、元々オーズのベルトを持ってた王が、龍の力を求めるべくある龍との戦いに割り込み入ったらしいが、その戦いの末、王は持っていた全てのメダルをスキャンし、それにより暴走し封印されたという。

 

「だからそれは俺じゃなくて、昔の王じゃ無いの?」

 

《どうだかな、お前の持つそのメダルやベルトの力の根源は欲望だ。それに呑み込まれてあの王の二の舞にならんようにな》

 

「厳しいなー…」

 

《まぁな、お前は今から『コンボ』を使うのだろう?精々吹っ飛ばされんように気をつけろよ》

 

そうドライグの重々しい声が響き渡る。

コンボ…ドライグが言うに部長から教えてもらったオーズの伝説の色。

それが揃えるとコンボと言うものが発動し、強大な力を得れると言う事らしい。

 

「と…あのドアか、行くぜマリヒコ」

 

「おう、今度は…二人でライザーと戦おう」

 

「おうよっ」

 

そして俺らは拳を打ち合わせ、そしてドアを開いた_

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

そして場面は決闘に戻る。

今闘技場には赤い龍の鎧を纏った者と、獅子の力を纏った者がいた。

 

「これが…オーズの力か!!」

 

自身に溢れる力を感じ、そう俺は言う。

今の俺の姿は頭にライオンの様なタテガミ、腕はトラの様な爪、足はチーターの様に発達している。

それもいつも通りのオーズでは無く、身体中から凄まじい力を感じる。恐らくこの姿はそう長くは保たないだろう。

 

「行くぜマリヒコ!!これが龍帝の力!禁手(バランス ブレイカー)、『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』と!」

 

「オーズの…『ラトラーターコンボ』だ!」

 

「それが…赤龍帝とオーズの真なる力の姿か!」

 

ライザーがそう驚愕の表情を見せ、睨む様に言う

 

ラトラーターコンボ_伝説の話通りなら、高速の足に鋭い爪。

そして泉をも一瞬で蒸発させる熱をも放てる。

 

そしてイッセーの今の姿、『赤龍帝の鎧』は籠手による真の力らしく、イッセーは自分の左腕を捧げることにより、10秒だけその鎧を発動できたのだ。

 

故にこの戦いは、短期決戦という事だ。

 

《X》

 

籠手によるカウントダウンが始まる。

それと同時にイッセーは手のひらを合わせ、そこから魔力の生成を始める。

そしてそれを一気にライザーに放つと、巨大な光線となり、ライザーに迫る!

俺は魔力を放つと同時にチーターの力を解放し、駆け出す!!

 

「っ!!」

 

 

その巨大な魔力の光線に対し、ライザーは回避行動をとる。

勿論俺らはそれを見逃さず、獅子はチーターの足で飛び、龍は背中にある噴出口からロケットの様に飛び立つ!

 

《IX》

 

カウントダウンが進む、それと同時に龍の拳と獅子の爪が、不死鳥を穿つ!!

そしてその勢いを止められず、俺は地面に着地すると同時に爪でブレーキをかけるが、イッセーが壁の方に衝突してしまう!

一瞬心配するが、鎧には傷が一つも入ってない様子ですぐに体制を立て直す、無事で何よりだ。

 

《VIII》

 

カウントダウンが進む。

衝突した際に壁を破壊してしまい、それによりついた壁の破片を払い、また龍は飛び始める。

それと同時に獅子も不死鳥の方へ走り出す。

 

ライザーはと言うと、先ほどのダメージが効いたらしく、かなりの警戒心を見せていた。

凄まじい魔力を放ち、虹色のオーラを羽の様に広げて俺らを睨む!

 

「赤龍帝のクソガキ!!欲望の王の力を持つ人間が!!悪いが手加減などしない!!認めたくは無いが今のお前らはバケモノだ!!主であるリアスの前で散れェェェェ!!」

 

その咆哮と共にオーラが燃え始める。

その炎を纏い、こちらに突撃してくる。もしあれに触れればオーズの鎧を身に纏ってる俺ですら危ういと思えるほどの熱気だ。

だがここで引くわけにはいかない。なら_正面で行く!!

 

「「はぁあああっ!!」」

 

俺らは突撃してくるライザーに突っ込む!チーターの高速移動で走り出し、同時にイッセーと拳を放つ!!

 

ドゴォッ!!と、お互いの拳が打ち合い闘技場に衝撃が走る。

そしてお互い打ち合うたび、俺ら自身にも不死鳥の熱が伝わり始める。

 

熱い。ただひたすらに熱い。

もしオーズの鎧を見に纏っていなければ自身はもう既にここにはいないだろうと思えるほどの熱気だ。

 

無論イッセーにもそれはあった。俺らとライザーの本来の力の差は大きすぎる、オーズとブーステッド・ギア。もしこれが無ければライザーに正面から戦うのは無理であろう。

 

そして熱気に僅かに怯む俺らを見てライザーが言い放つ。

 

「どうだ!!これが我が一族の炎!!フェニックス家の炎だ!!所詮貴様らなんぞそのベルトと籠手さえなければ一瞬で葬れる存在だ!!生まれが違う事を呪え!」

 

《VII》

 

ライザーのその言葉の後にカウントが進む。

後7秒。これで決めれなければ後が危うい。そう思ったか否かイッセーは籠手に何かを取り付け、それをライザーが放つパンチに合わせ、クロスカウンターの様な形になる様にライザーの顔面に打ち込む。

 

「そんなもの!効く_」

 

そう言おうとした瞬間、ライザーの口から大量の血が吐き出される。

 

「どうだ…お前にとって()()は致命的だろ!」

 

イッセーはライザーに先ほど籠手に取り付けたものを見せつけると、ライザーは驚愕の表情を見せる。

 

「十字架!!十字架だと!?」

 

悪魔にとって忌まわしき物。それも本格的な物_アーシアから借りたものをイッセーはライザー戦に備えて武器にした。

 

《VI》

 

カウントが進み、イッセーはライザーに対し言う。

 

「そうだ…これは俺の友達から借りたものだ!この十字架の力を神器の力で増大させてあんたを殴った。『神滅具』て言われてる神器の力を乗せりゃ上級悪魔にだって効果テキメンな訳さ。例え不死鳥のフェニックスでもこれは相当堪えるんじゃないか?」

 

「バカな!十字架は悪魔にとって忌まわしき物!ドラゴンの鎧を身に纏っても聖なる力自体は免れぬはずだ!そんな自殺行為_」

 

途端、十字架が握られているイッセーの左手を見たライザーはまたしても驚愕の表情を浮かべる。

そう、イッセーはこの戦いのために_

 

「…お前のその腕、人間の物でも悪魔の物でもない…まさか、籠手に宿る龍に自分の腕を差し出したのか…!?」

 

『赤龍帝の籠手』に宿る龍、ドライグに自身の腕を差し出し、代わりに龍の手に変貌させた訳だ。

 

「ああ、そうだ。俺はこの力を一時的でも得るために、左腕を代価にくれてやった。俺の左腕は本物のドラゴンの腕だ。これならもう十字架は効かない」

 

「バカな!!そんな真似をすれば二度と元の腕には戻らない!…お前もそれが分かって止めなかったのか!?」

 

「最初は止めたさ。けどこいつの覚悟を無駄にしたくなかったんだ」

 

《V》

 

ライザーのその問いに俺は答える。

親友としてなら本当なら止めるべきではあったが、もし止めてたとしてもイッセーはいつか後悔すると言っていた。

なら…せめて俺は背中を押してやりたい。

 

「ああ!俺みたいな奴の腕一本で部長が戻って来られるならそれでいいさ!こんなに安い取引はないだろう?」

 

そしてまた格闘戦に入り、俺らの言葉を聴いたライザーは目元を引きつらせた。

 

「イカれている…お前らはどこかが狂っているな!?だからこそそんな一撃が放てる訳か!…恐ろしいな。恥ずべき事だが初めて貴様らに心底畏怖してるよ!下等なお前らにな!」

 

そう言い放ち、背中の炎の羽を羽ばたかせ後方へ行き、炎を一層燃え上がらせる。

 

「だから感謝するがよい!!俺は全力を出してやろう!」

 

不死鳥_炎の鳥が俺らに突撃する。

行ける。今の俺らなら!そう確信し、こちらも突撃する!

 

《IV》

 

「「うぉおおおおおおおっ!!!」

 

龍は手に十字架を握り、獅子は爪を展開し力を込める!!

不死鳥の拳、龍の拳、獅子の爪が重なり合い、そして眩い光が溢れ出す!!

 

「っ_!」

 

そして互いがすれ違った後、自身の体を確認する。

俺の体は所々焦げていてダメージは蓄積されているが、まだ立てる。

だが_

 

「…嘘だろ、鎧が解除されている!?」

 

龍の鎧は消えて、イッセーが膝をついていた。

まだ10秒経ってないはずだ!?…イッセーのその疑問を籠手に言う。

 

「どう言う事だ龍帝!?まだ10秒経ってない筈だろ!?代価が足りなかったのか!?」

 

《いや、お前が力を発動させるために俺に支払った代償自体は充分だ。だがいかんせん、お前の基礎能力自体が鎧を制御するのには足りなさすぎる。要は修行不足だな》

 

「修行不足!?…マジかよ、あんなに特訓したのにまだ足りないのかよ」

 

《ああ、あの程度では悪魔の永い生の中では微々たる物だ。本来の悪魔の修行というものは何十年と繰り返してこそ身を結ぶ物だ》

 

何十年も!?…人間の俺には相当気が長い人月だ。人間と悪魔では寿命の点が違いすぎるからとも言える。

 

「とにかく!!もう一度鎧を具現化してくれ!今度は目か!足か!?なんでもくれてやる!!」

 

《短期間で二度目の鎧は、今のお前では無理だ。それと鎧の力が解除される瞬間、ドラゴンの力を少しだけ宝玉に移せた》

 

「…クソ、悪いマリヒコ。結局大事な場面でカッコつけれねーや俺。ドライグ。その力をマリヒコに譲渡すればライザーに勝てる確率はあるのか?」

 

確かにそれをすれば、勝てる確率はあるかもしれない…だが、その戦法は一度見られていた。

 

《ああ、少しはあるだろうな…だがそれは賭けだ。一度譲渡した上での技はもうライザーに見られている。恐らくそれをした瞬間。奴は回避行動を取るだろうな》

 

「その通りだ」

 

途端、グイッとイッセーの襟元を掴み、首を絞めたままイッセーを宙に浮かすライザーの姿が見えた。

しまった!話し込んで油断しちまった…首を絞められて悶えるイッセーを見て、俺は構えを取る。

 

「おっと動くなよ?もし変な動きを見せようならばこの『兵士』の首をへし折るぞ…ああ、『兵士』と人間がよくここまでやったと褒めてあげよう。本当ならあの校舎の決戦の時にそう認識を改めるべきではあったが、どうもプライドという物があってな、ドラゴンと王の力…もしあれをマトモに受けていれば俺も危なかった」

 

校舎の決戦…あの時相手の『女王』と『僧侶』に防がれてしまい、決めれなかったのを思い出す。

ライザーもそれを思い出したの苦笑し、話を続ける。

 

「本当に俺の眷属は有能だ。だからこそ今の俺は手段を選ばん!…もし一年、いや半年修行を積んでいたらドラゴンと王の力になれたお前らに負けていたかもしれんな。安心しろ人間、お前が何もしなけりゃこいつは気絶で済ませるさ、そろそろ限界だろう?」

 

…俺自身ももう肩で呼吸している状態だ。幾ら修行してスタミナを鍛えたとしてもこの鎧に溢れ出る力に耐えうるほどのスタミナはまだ充分じゃないと言える。

 

ふとライザーを見ると、相手の体が再生はしているものの、その再生力が遅く見える。恐らくはパワーアップした十字架が効いているだろう。

もしこれで後一押しあればいけるが、その一押しが困難だ…

 

「なに、悔しがることはない。特別に今回の件は許してやろう。俺がリアスの婿になったらお前らを鍛えてやろうじゃないか。リアスの『兵士』、お前は強い悪魔になるぜ。人間、お前には信頼できる知り合いの悪魔の眷属にさせてもらおうじゃないか。そんな力を持ってて人間のままじゃもったいないぜ?」

 

余計なお世話ですよ…とは流石に口に言えず、ただ睨むようにイッセーの首を掴むライザーを見ている事しか出来ない。

 

「さて、そろそろ眠ってもらおうかな。少し意識がなくなるだけだ。起きた頃には無事式も終わってる…ああそうだな、お前の相手が残ってたな。まぁせめてのも舞台、しっかりと相手してやろうじゃないか!」

 

そうライザーは勝ちを確信する表情を見せる。

もしこのままイッセーが気絶した後俺が戦うとしても、スタミナがそろそろ底を尽きそうだ。

もはやジリ戦しかないか…そうあれこれ考えていると、ふとイッセーが何かニヤリ、とした表情を見せた。

 

「…安心しろって、俺にはもう一つ策があるのさ!」

 

そう言うとイッセーは懐から何かを取り出す。

それは水が入っている小瓶。あれは…!

 

「火を消すなら、水だよな!!」

 

それを見たライザーの表情が一気に青ざめる…あれはもしかして聖水か!?

 

「ちくしょう!!」

 

イッセーの狙いを止めるがべく、手に力を入れて首を絞めあげようとする。

させん!!俺はチーターの爪で素早く駆け寄り、その首を締め上げるライザーの手に向けて、爪を振り上げる!

 

「っ!!」

 

ザシュッ、と肉を切る感覚が伝わる。

ライザーの腕が切られ、解放されたイッセーが瓶の蓋を開ける。

 

「マリヒコ!!爪!」

 

「おう!!」

 

その声に応える様に爪をイッセーの方に向けると、聖水を爪にかけて、そして…

 

「ブーステッド・ギア!!ギフト!!!」

 

《Transfer!!》

 

そして籠手の力が聖水がついた爪に譲渡される!よし、これなら聖水と同時に俺自身の爪の力も増加できる!

 

「なっ…!?」

 

それを見たライザーが咄嗟に後方へ逃げようとする!

 

「逃す…かぁ!!」

 

そのライザーを逃さぬ様に俺は走りだし、そして聖水が付いた爪で斬りかかる!!

その爪がライザーに触れた瞬間、ジュワアアアッ!!と、水が蒸発するときに出る音が闘技場に響き渡る。

 

聖水が効いているのか、ライザーは苦悶の表情を見せ俺の爪から逃れようとするが、力足りずかこっちの方が押し勝ち、そしてトドメと言わんばかりに爪で相手に一線の傷を付ける!!

 

「うがあああぁぁぁぁぁああああぁぁあああッッ!!!??」

 

そして体に付いた傷の爪痕から煙が立ち上り、のたうち回るライザー。

 

「はぁ…はぁ…大丈夫だったかイッセー?」

 

「ゲホッ…ああどうにかな、たくっ思いっきり絞めやがって…それでドライグ、ライザーは…?」

 

《殺せる所にまでは達してはいないが、恐らく相当なダメージは与えたと思うぞ。それにしてもよく思いついたな。オーズの爪に聖水をかけるとはな》

 

それは俺も驚いている、こいつ意外と変な所じゃ頭がいいからな。

 

「まぁな、どうせならそっちの方が効くだろうと思ってさ、まぁ半端賭けだったけどよ」

 

そう言いつつライザーを見る。

ライザーはもうズタボロの状態で倒れてはいたが、僅かに立ち上がろうとしている。

 

《そろそろ奴も不死身とは言え精神的には限界だろうな…思いっきり叩き込め》

 

その言葉にお互いうなづくと、イッセーは十字架を龍の腕と化した左腕に再び付け、そしてもう二つある聖水をまずは自身の腕に振りかけ、そして「ほら」と俺にもう一つの聖水を向け、俺の爪に振りかける。

 

「準備万端だ。アーシアが言っていた。十字架と聖水は悪魔が苦手だって、それを同時に使って強化したら悪魔には相当なダメージだよな!」

 

お互い走りだし、立ち上がったライザーは俺らを見て顔を強張らせていた。

恐らく相手はどちらか防ぎたい、なら優先すべきは!

 

「木場が言っていた。視野を広げて相手の周囲を見ろと!」

 

「そして次の一手を考える!」

 

素早くチーターの足でイッセーより先に詰め寄る!

 

《Transfer!!》

 

その音声が響く。恐らく籠手の力が十字架と籠手に譲渡されただろう。

そして防御態勢をとるライザーに対し、爪による斬撃でその防御態勢を崩す!

 

「朱乃さんが言っていた。魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集める。意識を集中させて魔力の波動を感じればいいと!」

 

「そして大事なのはスタミナだって!」

 

腕を切られたライザーが逃げるように後方へ歩き出そうとするも、僅かに残った俺のスタミナが勝ったのか、それに追いついてライザーが逃げ出せれぬ様にまた斬撃を放ち、ライザーの動きを止める!

 

「小猫ちゃんが言っていた。打撃は体の中心線を狙って、的確にかつ抉り込む様に打つんだと!!」

 

「そして足をしっかり踏み込み!軸足がぶれない様に打ち込む!!」

 

イッセーがライザーに拳を打ち込める範囲内にまで入り込めると、一気に構えを取る。

俺はそれと同時にオースキャナーを取り、メダルを再びスキャンする!

 

《スキャニングチャージ!!》

 

_全身に力が溢れ出す!これは俺だけの力が生み出した結果じゃない。

オカ研部員のみんなの教えが、思いが生み出した結果、それを絶対に無駄にはさせない!

 

「ま、待て!わかっているのか!?この婚約は悪魔の未来のために必要な!大事なものなんだぞ!?それを何も知らない小僧悪魔に台無しにされていいものじゃないんだぞ!?」

 

最後の一撃を叩き込まんとする俺らにライザーが慌てる様に言うが、イッセーは構わないとばかりに吼える!

 

「難しい事はわからねぇよ。だがな!お前に負けて気絶した時、少しだけ覚えていることがある。_部長が泣いてた、部長が泣いてたんだよ!!そしてさっきも泣いていた!俺がてめぇを殴る理由はそれだけで充分だぁあああ!!!」

 

「っ_人間!!こいつを止めろ!!こいつの友と言うなら今とんでもない間違いを犯そうとしているのがわかるだろ!?止めたら幾らでも褒美をやろう!!金でも地位でも女でも!!!」

 

「いりませんよ!…俺が欲しいのはみんなの笑顔!!それにこいつがやっているのは間違いじゃない!そんなもんで…止めれると思うなっ!!」

 

ライザーの要求をそう打ち捨て、そして_

 

ザシュウウウッ!!!…と、スキャニングチャージの影響で光り輝き、聖水を受けた爪がライザーを斬り裂き、ドゴォオオッ!!!と、十字架と聖水が合わさったイッセーの拳がライザーの腹に深く、抉り込む!!

 

「っ_!!??」

 

その攻撃を受けたライザーが吹っ飛び、起き上がる様子を見せずにいた。

 

「バカな…こんなところで俺が…」

 

そう一言漏らすと、ライザーは起き上がる様子がなく、倒れた様子を見せていた。

 

倒れ込んだライザーの様子を見るべく俺らは近づこうとした瞬間、一つの魔方陣が展開され、誰かがその魔方陣から現れる。

 

ライザーの妹さんだ。無言で俺らをにらみ何かを訴えようとしていた。

 

「文句があるなら俺達の所に来い。いつでも相手になってやる!」

 

そうイッセーは妹さんに左腕を突き出し、立体モニターに映し出されている悪魔たちに聞こえる様にそう宣言する。

 

「…ごめん、大事な式を無茶苦茶にして、でも。こいつにとって部長は…大事な人だから」

 

俺もそう詫びるかの様に言うと、妹さんは軽く驚きを見せる表情を見せるも、それ以上は何も言わなかった。

 

《…え、えーと!勝者!リアス・グレモリーの兵士!…と、助っ人。二人は会場に転移する魔方陣に行ってください》

 

そうこの戦いを仕切っていた男性悪魔の声がすると、後方に会場に戻る魔方陣が展開される。

 

そして俺らは踵を返し、魔方陣の方へ歩き出す。

 

「…」

 

そして何も言わず、お互いを讃えるかの様に龍の左腕と、獅子の右腕をコツン、と打ち合わせた。

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

そして会場に帰還し、イッセーは部長の方へ歩き出す。

…後は二人に任せよう。俺はみんなの方に視線を移す。

 

「よく頑張りましたわね…マリヒコ君にイッセー君」

 

「素晴らしい頑張りだったよ」

 

「…少し信じられませんけど、よく出来ました」

 

そう笑顔で迎える朱乃さん。

爽やかな笑顔でそう言う木場。

少し毒はあるけどそう笑顔で言う小猫ちゃん。

 

「ありがとうございます!…まぁ部長を取り戻したのはイッセーで、俺はその御付き役ですよ」

 

「ふふ、立派な御付き役です事。所でそろそろ変身を解除してもいいのではないかしら?」

 

その言葉に自身の姿を見る、あの激戦からうっかりしてたか、まだ変身状態な自分の体が目に入る。

 

「あ、すいません。それじゃ失礼して…」

 

俺はそう行ってベルトを傾けると、変身が解除され、元の姿に_

 

「…あ、あれ、体が…」

 

「!…マリヒコ君!?」

 

_戻った瞬間、地面が傾き始め_

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

_朱乃side

 

「マリヒコ君!?」

 

彼が変身を解除した瞬間、倒れこむ。

私は駆け寄り様子を見る…どうやら疲労状態で倒れた様で、命に別状は無いみたいだ。

 

「!、大丈夫かマリヒコ!?」

 

「!…コンボの反動が来たらしいわね」

 

イッセー君とリアス部長が近づき、彼の様子を見る。

 

「…大丈夫、休めておけば命に別状は無いみたいですわ」

 

そう二人に伝えると安心したかの様な表情を見せる。

私は彼を両手で持ち上げ、部長に言う。

 

「私はいつものルートでこの子を連れて帰りますわ。部長とイッセー君は?」

 

「あ、確かグレイフィアさんに…」

 

と、イッセー君が懐から魔方陣が描かれた紙を取り出し、広げると眩い光が放たれ_

 

キュイイィィッ!!と会場中に響き渡る鳴き声を放ち、魔獣が召喚される。

 

「っ!?」

 

イッセー君が驚きの表情を見せる…鷹の頭にライオンの体を持つ獣、この魔獣は恐らくグリフォン。

恐らくあの魔方陣をくれた人はこれで会場から逃げろ、て言う事ですわね。

 

イッセー君と部長がグリフォンに乗ると、グリフォンはひと鳴きして会場の窓から飛び立つ。

 

「みんな!部室で待っているからな!!」

 

そのイッセー君の一言に、私を含めたみんなが笑顔で軽く手を振る。

 

「では、そろそろ私達も行きましょう」

 

「はい、副部長」

 

「…呑気な寝顔ですね」

 

そう小猫ちゃんが私が抱えている彼の寝顔を見てそう言う。

 

「そうですわね…ふふっ」




次回 epilogue。
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