ハイスクールD×D×O〜悪魔と龍と王の物語〜   作:カノサワ

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サイドストーリー
=使い魔とメダル怪人と鉄の鷹=


_マリヒコside。

 

昼休み、今日はイッセーと松田と元浜で教室で昼飯を食べていたが、どうも松田と元浜の視線が痛い、何せ…

 

「貴様ら最近オカ研で昼飯を食べてたというのになぜ今日は俺らと一緒に飯を食ってんだ…あぁん?」

 

「イッセーは今日もアーシアちゃんの弁当ですな〜、いいな〜、爆破しろ」

 

俺とイッセーはオカ研に入ってからの昼飯は、部室でとっていたが、今日は部長が何か準備があるという事で教室でこの友人らと一緒に飯を食べていた。そしてこの二人の嫉妬の視線が痛い。

 

「お前らなー…イッセーはともかくとして俺にまでそんな視線を向けるなよ」

 

「何俺を生贄にしてんだおい!?」

 

「何を言うかこの金髪!!いいか!!俺らがリアス先輩や姫島先輩!そして小猫ちゃんやアーシアちゃんの様な美女と昼飯を食べれる確率なんて0に等しいんだよ!!」

 

「それを貴様らは毎日毎日…キィーッ!!」

 

と、松田は俺の肩を、元浜はイッセーの肩を掴みブンブンと揺さぶる。

 

「おいやめろやめろ!食ったものが出る!」

 

「そして元浜!なんだその奇声は!?」

 

「あの〜…喧嘩はダメですよ?」

 

「「アーシアちゃん!!」」

 

と、そんな阿保なやり取りをしてた俺らに突如救世主が現れる!アーシアだ!!

 

「あはは、これは喧嘩じゃないんだよ〜。親友とのコミュニケーションみたいなものさ!!」

 

「そうそう!そうでありますなイッセー殿!マリヒコ殿!」

 

「…調子いいなぁ、お前ら」

 

そんな俺の言葉を気にせずに二人はアーシアに下心しかない様な笑顔を見せるも、それに気にせずアーシアはいつも通り可愛い笑顔を見せる。

 

「コラァアアアッ!!お前らそんな汚らしい笑顔をうちのアーシアに見せちゃいけません!!」

 

「「なんだとゴルァ!!」」

 

そんな視線からアーシアを庇うように立つイッセーと、それにブチ切れる二人、そしてアワアワと困惑するアーシア。うんなんだろこの光景。

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

「使い魔…ですか?」

 

そんなカオスな昼休みを終え、そして放課後に何か準備が終わった部長に呼ばれ、俺らは部室へ行ったあと、部長の説明を得てイッセーの言葉がそう漏れる。

 

「そう、確か貴方とアーシアがまだ持っていなかったわよね」

 

部長の話を聞くと、使い魔は悪魔にとっていなくてはならないような存在で、例の契約に使うチラシ配りや、はぐれ悪魔の探索になどで使役されている存在だ。

…あれ、確か俺ここに来てからずっと悪魔の仕事と言えばずっとチラシ配り…と、考えていると部長は手からポン!と軽い音を出し手元から赤いコウモリが現れる。

 

「これが私の使い魔よ」

 

そう部長は紹介する。悪魔にコウモリとは中々相性がいい組み合わせだと内心思う。

 

「私はこの子ですわ」

 

次に朱乃さんが呼び出したのは手のひらに載せれるほどの小鬼だ。中々意外な印象を受けたが、よく見れば可愛いものだ。

 

「…シロです」

 

そして小猫ちゃんはいつの間にか白い子猫を膝に乗せて撫でていた。

…小猫ちゃんに白い子猫。可愛くてピッタリだ。

 

「僕のは…」

 

「あ、お前のはいいや」

 

「おいコライッセー…」

 

「つれないなぁ」

 

即否定したイッセーに軽くツッコミを入れ、木場は苦笑しつつも小鳥を肩に乗せていた。

 

中々可愛い小鳥だ。近くで見ても小鳥は怯えた様子も見せず、人懐っこい様子を見せていた。

 

突如、部室に備え付けられている電話が鳴り響き、朱乃さんはそれを取る。

 

「はい…え?はぐれ悪魔が?…わかりました」

 

「どうしたの?朱乃」

 

「ええ…大公からのご連絡で、どうやらはぐれ悪魔がこの街に逃げ込んだとの情報がありまして、はぐれ悪魔自体はそこまで危険な者ではない様ですが、様子がおかしいとの情報がおありですわ」

 

「…そう、仕方ないわね。ごめんなさいみんな。折角準備したのにこんな事になってしまって…」

 

部長は残念そうな顔を見せる。

イッセーとアーシアは仕方ないとは思っても、少し残念そうな顔を見せる。

 

「あのー…よかったら俺が行きましょうか?」

 

そんな様子に俺はそう言う。

 

「え?でも流石に一人じゃ危険よ?」

 

「大丈夫ですよ、そのはぐれ悪魔はそこまで危険じゃないんですよね、一応俺も戦えますし」

 

「けど…」

 

「では私が同行致しますわ」

 

悩む部長にそう朱乃さんはそう言った。

 

「……そうね、はぐれ悪魔は貴方達二人に任せるわ。けど無理は禁物よ?」

 

「ええ、お任せください」

 

そして部長らは使い魔がいるという森に繋がる魔方陣に向かう。

 

「凄い使い魔を持ってくるから楽しみにしとけよ?」

 

「はいはい、期待しないでおきますよ」

 

と、イッセーと会話を交わし、俺と朱乃さんははぐれ悪魔を追うために外に出た。

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

「ここにそのはぐれ悪魔が…?」

 

「ええ、気をつけてね?」

 

そしてついた先は廃工場。

何かとはぐれ悪魔は廃工場など人が寄らない場所に潜む傾向があり、今回もそのパターンの様だ。

 

そして廃工場に入ると、何か人影の様なものが見える…

 

「…見つけましたわ、はぐれ悪魔ジン!」

 

その一声で相手はこちらを向く。

 

「貴方は主人の下から逃げ出し、その後盗みを繰り返して来た様ですけど、まだ殺しに手を染めてない以上、大人しくするのであれば身の保証は…」

 

「ち、近づくな!…今の俺は俺が抑えきれない…これ以上はもう!」

 

突如相手は何か怯えた様子を見せる。

俺と朱乃さんはそれに少し驚くが、よく見ると相手の体から何かが零れ落ちている…

 

「あれって…銀色のオーメダル!?」

 

この間のレイナーレが暴走し、メダルの怪物と化した時撃破した後に零れ落ちたあのメダルと同じものだ。

 

「なぜ貴方がそれを…それに抑えきれないてどういう…」

 

朱乃さんがそう聞いた瞬間_

 

「ぁ…ァアアアアあ!!??」

 

はぐれ悪魔の体から、何かミイラの様なのが這い出て、その後脱皮するかの様に変化し_

 

「っ!?」

 

「あれって…!」

 

カミキリムシの様な怪人となり、鳴き声を上げ、俺らを見る。

…そう言えばあのミイラの様な怪人、どこかで見た気が…確か_

 

「…リヒコ君!?危ないですわよ!」

 

「…え?うわっと!?」

 

と、あれこれ考えているといつの間にかカミキリムシの怪人がこっちに来ていて、寸のところで噛み付かれそうになったが朱乃さんの声で気付き、どうにか回避できた!

 

「あっぶなぁ…ありがとうございます!」

 

そう言いながら俺はオーズドライバーを腰につけ、メダルを取り出す。

 

「とにかく今はこの怪物を倒しますわ!いけるかしら?」

 

「はい!…変身!!」

 

そしてメダルを三枚入れ、そしてオースキャナーでスキャンし_

 

《タカ!》

《トラ!!》

《バッタ!!!》

 

《タットッバ!タトバタットッバ!!》

 

オーズに変身し、爪を相手に向ける!

 

『オーズカ…コアメダルヲトリコンデオレノチカラニカエテヤロウ!!』

 

と、カミキリムシの怪人が先手を打つ様に再び斬りかかる!

それをトラの爪で弾き、バッタの足で蹴り飛ばす!

 

『グゥッ!?』

 

「はぁっ!」

 

朱乃さんが追い打ちをかけるように雷を放つ!が…

 

『フッ!デンゲキハ…オレニハキカン!!』

 

相手が口を開き、その雷を吸収するかの様に口に吸い込む。

 

「っ!?そんな…!」

 

『クラエ!!』

 

朱乃さんが動揺した隙を狙って相手がその雷を放つ。

 

「危ない!!」

 

俺は朱乃さんの前を庇うように立つ。

 

「っ…ぐぁああっ!?」

 

「マリヒコ君!?大丈夫!?」

 

「っ…どうにか…!」

 

打ち返された雷を喰らい、膝をつくもどうにか立ち上がる。

…相手は雷、基電気を喰って跳ね返せるのか。

 

『クク…オトナシクオンナトメダルヲオイテイクナラミノガシテヤッテモイイゾ?』

 

「誰が…こうなったらもうコンボで!」

 

「待って!コンボは体に負担が大きいですわ!…少しいいかしら、相手は口から雷を吸収しましたわよね?」

 

「…確かに、それじゃ隙をついて口以外の場所に雷を打つんですか?」

 

「…いえ、それよりも…」

 

そして朱乃さんに耳打ちを受ける。

 

「…なるほど、わかりました!」

 

そしてメダルを取り替え、再びスキャンする!

 

《ライオン!》

《カマキリ!!》

《バッタ!!!》

 

そして全身が変わり、ライオンの頭に腕にはカマキリの刃、足は変わらずバッタの様なものであった。

 

『フッ!ドウヤラムダナテイコウヲスルヨウダナ!シネ!!』

 

相手はそれに怯まず、再び襲いかかる。

カマキリの刃を展開し、応戦するも相手は手練れた様子で受け止め、殴り返す。

 

「よっ、と!」

 

そしてそのパンチを回避し、隙をついて斬撃を放つ。

それを相手は喰らい、怯みながら銀色のメダルを落とし始める。

 

「そこですわ!!」

 

そしてその隙を突き朱乃さんは再び雷を落とす!が…

 

『バカメ!ソノテイドヨメルゾ!!』

 

相手は口を開き雷を吸収する!そして俺に向けて雷を放とうとするが…

 

「そこだっ!」

 

カッ、とライオンの頭から強烈な光を出し、相手にそれを浴びせかける!

 

『ッ!?』

 

突如浴びせかけられた光に怯む。そしてその隙を突くように俺はバッタの足で朱乃さんの方向に行く様に蹴り飛ばす!

 

『ガァッ!!??』

 

「トドメ!!ですわ!!」

 

朱乃さんは自分の方にくるカミキリムシの怪人に向け、魔方陣を展開し_

 

ドガァアアン!!と、稲光が怪人に包まれ、衝撃が走った。

 

「…やった、か…?」

 

…メダルがチャリンチャリンと散らばる。

どうやら倒せた様だ…ふぅ、と俺は息を吐き変身を解除する。

 

「大丈夫でしたか?朱乃さん」

 

「ええ…それにしても、あの怪物は一体何だったのかしら」

 

そう言いながら朱乃さんはメダルを拾い、不思議そうに見る。

 

「うーん…この間のレイナーレみたいな感じかな、けど…」

 

辺りを見ても、落ちているのは銀色のメダルだけで、俺が持つ様な金色の縁のメダルは無い。

…そう言えばあの怪人、確かコアメダル…とか言ってたな。この銀色のメダルも別の呼び方があるのかな。

 

「…!、魔方陣!?」

 

「え?」

 

と、朱乃さんの声を聞き、地面に落ちてるメダルを見ると、なんと小さな魔方陣がメダルを取る様に動いている。

 

確かあの形は部長の使う魔方陣じゃなく、どこかで見た気が…

 

「…っ!?」

 

と、次に廃工場の窓から何かが飛んでくる!…鳥?にしても金属の輝きを発してる。あれは一体…

 

《タカー!タカー!!》

 

そう鳴き声を発し、小さな魔方陣と取り合うかの様に銀色のメダルをくちばしで咥え、取りはじめる…て言うか鳴き声がそのまんますぎじゃ無い!?

 

…そんな光景が収まり、すっかりメダルは朱乃さんが拾った物以外取られ、あの金属の鳥…鷹はすっかり飛び去ってしまった。

 

「…と!そう言えばあのはぐれ悪魔は!」

 

「……気絶しているだけですわ。起きなさい」

 

朱乃さんは魔力で水を精製し、相手の顔にかけ起きらせる。

 

「…っ!確か俺…」

 

「どういう事か、説明して頂けるかしら?」

 

朱乃さんはそう笑顔で言う…怖い笑顔で。

相手は軽く怯み、自身に合ったことを言いはじめる。

 

…きっかけは主人と人間界の街を歩いている時、突如自分の中に何かが入れられる感触を感じたのだ。

 

そしてその後自身の欲望を満たすべく、主人の下から離れ、盗みなどを働いたそうだ…が、ギリギリ理性を保ち殺しなどの一線を超えたことはせず、被害が及ばぬ様に隠れたが、自身に積もる欲望が抑えきれず半端発狂しかけたとの事だ。

 

「…嘘はついてない様ですわね、けどやった事は事実ですわ」

 

「…朱乃さん、まさかこの人を…!?」

 

「ま、待ってくれ!盗んだものは返す!罰なら受ける!だから命は…」

 

「落ち着きなさい。貴方の主人に連絡をして罰はそちらに任せますわ、経路さえ説明すれば死刑は無いですわよ」

 

その説明に、俺とはぐれ悪魔はふぅ、と安心した様子を見せる。

流石に殺しは近くで見たくないしな…うん。

 

「では貴方を然るべき場所に送りますわ、いい?」

 

「…ああ、頼む」

 

そして朱乃さんは連絡を入れ、恐らくこのはぐれ悪魔の主人である魔方陣が展開され、転送された…

 

「…それにしても、誰がこんな事をしたんでしょうか?」

 

「…あのメダルを取った魔方陣、あれは堕天使が使う魔方陣でしたわね」

 

俺のその疑問に答えるかの様に朱乃さんは答える。

それじゃあ、あのはぐれ悪魔を暴走させたのは堕天使の仕業!?…でもなんでそんな事を。

 

「…とにかく戻りましょう、長居は無用ですわ」

 

朱乃さんは出口へ向かう、俺もはいっと答え朱乃さんについて行った_

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

「…以上、ですわ」

 

「そう…わかったわ」

 

部室へ帰り、朱乃さんは部長に廃工場出会った事を説明した。

部長は「堕天使の仕業なら警戒は怠らないようにする」と言って、この件は一先ず終えた。

 

「…あの、一つ気になったことがあるんですけど」

 

「何かしら?マリヒコ」

 

「……イッセー、どうしたんですか?」

 

俺はソファに寝転がって泣いてるイッセーを見る。

 

「ぅう…スラ太郎よぉ、触手丸ぅ…」

 

スラ太郎、触手丸…うん何を言ってんだこいつ。

どうやら部長曰く、イッセーが女性の服だけを溶かすスライムと、女性の分泌物を好む触手を使い魔にしようとしたが、アーシアが今抱いてる蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)の電撃で消し炭にされてしまってあの様子だという事だ。よかったよかった。

 

「よくねーよ!!俺の使い魔にピッタリだったんだぞあの二人は!?スラ太郎と触手丸さえいれば俺は無敵になれたんだぞ!?」

 

「…最低です」

 

謎理論をかますイッセーにそうジト目で言う小猫ちゃん。

まぁそんな変態(イッセー)は無視し、アーシアが抱えているドラゴンに近づく。

 

「あ、気をつけてください。この子男の人が嫌いだそうで…」

 

「…え?」

 

時は既に遅し。撫でようとした俺に蒼雷龍が俺に電撃を浴びせたのは言うまでも無かった。

 

「…まぁじかぁ、ゲホッ」

 

「だ、大丈夫ですかマリヒコさん!!??」

 

「マリヒコ…わかったか。スラ太郎と触手丸の苦しみを!」

 

「…まずは、お前が常識を分かってくれい」

 

そんなこんなでアーシアの治療を受け、俺らは帰宅した…

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

_???side

 

_様が研究室で例の鷹型の機械で集めたメダルを見て、軽くため息をついている。

 

「たく…コカビエルの野郎。あいつメダルを集めてアレを使う気か?おい_。悪いが一つこいつを持って駒王街にまで探りに行ってきてくれないか?」

 

「…はい、___様」

 

私は___様に譲り受けたベルトを持つ。

 

「それと…これを例のオーズに持って行ってやれ」

 

と、一枚の緑のメダルを受け取る。

 

「これは…良いのですか?」

 

「ああ、少なくとも今のオーズには必要な物だ。いいな?」

 

「…はい」

 

そして私は踵を返し、魔方陣を展開する。

 

「それじゃあ頼むぞ…___」




サイドストーリーと言う割には本編にガッツリ関わるフラグを立ててしまいました…上手く書けるか不安ですが頑張りたいと思います!

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