ハイスクールD×D×O〜悪魔と龍と王の物語〜   作:カノサワ

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第6話=会合と望まぬ再会と陰謀=

エクスカリバー破壊団が結成されてから数日。俺とイッセーは昼休みでお互い弁当を食べながら、今後の事を話していた。

 

「…手がかり無し。だなぁ」

 

「ああ…部長にバレる前に聖剣見つけねぇとなぁ」

 

そう深いため息を吐きながら弁当を食べるイッセー。あれから俺、木場、イッセー、小猫ちゃん、匙の五人で夕方にエクスカリバーの捜索をしている。探し人は例のヤバい神父、フリードだ。

 

どうやらあいつは神父を狙って襲撃しているようで、俺らはゼノヴィアらから貰った魔の力を抑えると言う神父服を着て捜索していたのだが、どうも中々見つからずじまいだった。

 

「どうにか部長にはおじさんの店の手伝いとか言って誤魔化してはいるけど、そっちはヤバいだろ?」

 

「おう…俺もそれには便乗させて貰ってるけど、そろそろ限界が来ているしなぁ」

 

そうはぁっ、とため息つきつつそう言うイッセー。部長には先程言った通り店の仕込みとかあるからとか言って早く帰らせて貰っている。イッセーや小猫ちゃんも友達の手助けがしたいからと店の手伝いをすると言って早く外には出ているが、流石にバレるのも時間の問題だろう…

 

「最近難しい顔してばかりだな、二人とも」

 

と、元浜が横から眼鏡を指で上げつつ話しかけてくる。

 

「ん、元浜か…最近店の売り上げが微妙な感じでな、何か新しいメニューのアイデアとか無いか?」

 

「んー…おっぱいプリンとかどうだ?イッセーよ。どうせならリアス先輩や姫島先輩のおっぱいを再現するような」

 

俺がそう誤魔化すように言うと、元浜はいやらしい笑みを顔に出しながらそう言う。そんなもん出せるかおい。

 

「元浜…良いアイデアじゃねぇか。だがそれはつまりみんなに部長や朱乃さんのおっぱいが出回り始めるて事だろ?俺嫉妬で狂いそうになるよ」

 

「そうだな…まぁそもそもそんなんしたら先輩らの信者に殺されかねんな。学園にたくさんいるしな」

 

「そうだな、今の会話聞かれたら色々ヤバいぞおい。うちの店とか」

 

うちの店にそんな卑猥物を出そうてもんなら確実に色々問題になるぞコラ。

 

「元浜…おっぱいは命より重い」

 

「_っ、深いな。イッセー、心に響くぞ」

 

「ダメだこいつら、早くなんとかしないと」

 

そう俺が冷ややかな眼で変態どもを見てると、アーシアが頬を膨らませながら不機嫌そうな顔でむにゅうっ、とイッセーの頬を引っ張り始める。

 

「あ、あーひあ、なんひゃよ」

 

「……マリヒコさん、さっき聞こえたその… おっぱい…プリンとか出しませんよね?出したらイッセーさんが毎日そこに通ってしまいます」

 

イッセーの頬を引っ張りながら、そう睨み…いや可愛い眼で俺を見つつ、恥ずかしそうにしながら訴えてそう聞いてくる。

 

「安心しろアーシア。うちは健全な店だからそのような物は出しません」

 

そう言うと安心したような顔を見せつつ、また不機嫌そうな顔をしながらイッセーの頬を引っ張り続ける。先程までの会話聞かれてたのか…

 

「ちくしょう!!イッセーのエロ大王!いやエロ大魔人め!!アーシアちゃんにそんな事されて…羨ましいぞ!」

 

と、そんな様子を見てた松田が乱入してきて慟哭してきた。

…よし、あれ使わせるか。

 

「二人とも、『非モテの怒り』」

 

「「おう!!!」」

 

▼まつだともとはまのひもてのいかり!!

 

「おいぃいいぃ!!てめっマリヒ…ギャアアアアア!!」

 

▼イッセーにこうかはばつぐんだ!!

 

と、突如俺の頬にむにゅううぅうっ、と頬が引っ張られる感覚が走る。

 

「マリヒコさん!それと松田さんに元浜さん!!イッセーさんをいじめないでください!!」

 

アーシアに頬を引っ張られる感覚自体は痛く無いけど…なんだろ、少し良心が痛んだ。

 

▼アーシアのほおひっぱり!

 

▼マリヒコのりょうしんにこうかばつぐんだ!

 

とまぁ、一旦茶番はお終いにして再び俺らは席について、話を始める。

 

「そういやさイッセー、例のボウリングとカラオケをする会合どうするんだ?」

 

そう気を取り直した元浜がそう口を開いて言う。

実は前、俺ら4人とアーシア、クラス女子の桐生、そして木場と小猫ちゃんも誘って休日の日に半日遊ぶ計画をイッセーが立てていた。

 

アーシアは勿論、桐生もノリノリで来る様子で、小猫ちゃんは意外にも誘いに乗った。真面目そうに見えて案外カラオケとかそう言うの好きなのかな?

そして木場…今の状況が状況な故、聖剣騒動の前に話自体はしたが、今の状況じゃ木場は聖剣のことで頭がいっぱいで、もうその事はもう忘れているかもしれないしな…

 

「アーシアと桐生も来るし、小猫ちゃんも来るよ」

 

「うぉおおおおぉおぉ!!アーシアちゃんと塔城小猫ちゃん!これだけでもテンション上がるぜ!」

 

「我が世の春が来たぁあああぁああぁ!!!」

 

そう叫ぶ松田と元浜、うわぁ涙まで流して…こいつら余程女子と遊びに行けるのが嬉しいんだろうな。

 

スパン!スパン!!と松田と元浜の頭が叩かれる音が響く。

 

「悪かったわね、私も行く事になって」

 

ぶっ叩いた犯人は不機嫌そうに眉を釣り上げながら二人を睨む桐生だ。

 

「ふっ、お前はアーシアちゃんのオプションさ。メガネ属性は元浜で間に合ってるが、まぁいい」

 

いや、そこは元浜でいいんかい。

 

「何よ松田、その態度は?そこの変態メガネと一緒にしないでくれる?」

 

「はっ!馬鹿め!元浜のメガネは女子のスリーサイズを数値化できる特殊な物なんだぞ!お前のとは違うのだよ!お前とは!」

 

「イッセー。なんか酷い会話が聞こえたけど、気のせいだよな?」

 

「いや?元浜のメガネが最強だってしか聞こえてないぜ?」

 

うん、イッセーに聞いた俺が馬鹿だった。だが桐生はその言葉を聞いて不敵な笑みを浮かべる。

 

「_まさか、その能力が元浜のものだけとでも?」

 

『ッッ!!??』

 

「…はい?」

 

その言葉に、変態三人組は戦慄するかのような顔を浮かべる…いやどゆこと?と思ってると、桐生の視線が下の方に行っている…ておいまさか!?

 

「なるほどなるほど」

 

そう桐生が何か調べるように言う。そして咄嗟に俺らは股間を隠すも、既に時は遅しと言う言葉が脳裏に浮かび上がる。

 

「ふふふ、私のメガネは男のアレを数値化できるのよ。極小サイズから、ごん太まで」

 

「桐生ぅうううううぅううぅ!!??そのメガネよこせ!今すぐ叩き割ってやるぅ!!」

 

「はっ!無駄よ無駄無駄!!幾らメガネを破壊した所で私が掛けたメガネは男のアレを数値化できるメガネになるのよっ!!…ふむふむ、イッセー、あんたのはそこそこだけどいい方だから安心なさい。大きすぎると女性が困るけど、それなりの大きさがないとねぇ。うんうん、グレモリー先輩もアーシアも満足できるわ、きっと。マリヒコ、あんたのは…まぁイッセーのちょい下ね」

 

俺が桐生のメガネを奪おうとするも、相手はひょいひょいと交わしながら好き勝手言ってくる…君、一応女子だよね?ねぇ?

 

「…なぁイッセー、俺の鼓膜ぶち破って?俺思いっきり女子からセクハラされてるよ」

 

そんでそんな追いかけっこに疲れた俺は荒い息を立てながら言う…うちのクラス、変態が多すぎる。

 

「安心しろマリヒコ…俺も同じ心境だ」

 

そうイッセーがげっそりした様な顔でそう答える…俺も同じ顔だろうなぁ。

 

「まっこれぐらいにしときますか…それで、木場君以外は来るのね?」

 

と、その言葉で俺とイッセーはハッ、とした様子になる。

 

「いや、なんとかして木場は来させるよ、一度は来るって言ったんだからさ」

 

「ああ。流石に木場だけ置いてけぼりは可哀想だろ?」

 

そのイッセーの言葉の後に俺もそう言う。そう、なんとしてでも木場の問題を解決してやりたい…今はそれで手一杯見たいなもんだからな。

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

「そんじゃ、またなマリヒコ」

 

「あいよっ」

 

そうイッセーと一旦別れを告げ、教室から出ていく。

まずイッセーが部室へと行き。オカ研としての部活動を済ませた後チラシ配りとかなんとか言って出て行く作戦だ。俺はまぁ、おじさんの料理手伝いの為に直へ帰るとは伝えてはいる。

 

「さて、俺も行かんと…」

 

「マリヒコ、最近イッセーと言いあんたら忙しいけど、何があったの?」

 

と、突如桐生が帰り支度をした俺に話しかけてくる。

 

「あー…うちの店とか部活とかで色々忙しいんだよ」

 

そう軽く遇らうかの様に言う。下手に桐生と話したらペースに飲み込まれてセクハラを受けかねん…

 

「何よその反応ー、イッセーはともかくとして、あんたはただでさえ堅物な顔がもっと険しくなってんだから。偶にはあの三人組みたいにハッチャケたらどうなのよ」

 

そう不満げに言う。いやあいつらみたいな性欲持ち合わせてませんからな俺は。

 

「なんだそりゃ…流石に失礼だぞお前。堅物な顔て、そんな顔してたか俺?」

 

幾らなんでも四六時中、流石に顔してねぇぞ俺?今は時期だから仕方ないけどさ。

 

「そう?だってあんた笑わないじゃん」

 

「……は?」

 

そう桐生の言葉につい、そう口を開く…笑わない?

 

「…あのな桐生、それは無いと思うぞ?俺だって笑って…」

 

_笑って…?

 

「そう?まぁ笑わないては言い過ぎたけど、なんて言うかあんた。思いっきり笑った事ないでしょ?…精精少し微笑むぐらいでさ、あんたらがまだ帰宅部だった頃。ゲーセンで遊び倒しても後ろで見てたくらいじゃん。何かこう、子どもの遊ぶ姿を見守る親見たいな?」

 

「…」

 

そう燻しげに語る桐生の言葉を聞きつつ、少し考える。

…思いっきり笑った事…そう言えば俺。声を上げて笑った事って。

 

「まっ、つまり私が言いたいのは…若いうちに犯罪にならない程度ではしゃぎなさいって事。呼び止めてゴメンねー、じゃ、またねっ」

 

そう手を振りながら教室から出る桐生。

 

「…んっ」

 

そして誰もいなくなった教室で、窓を見て俺は少し頬を引っ張りつつ、表情筋を動かしてみる。

…笑顔か、窓に映る俺の顔は意識して笑う事は出来るみたいだけど、自然に笑った事って…

 

「…いや、今はそれどころじゃないか」

 

そんな考えをさっさと振り払うかの様に鞄を持ち、教室から出ていく。

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

そして荷物を置くために一旦家に帰り、そして集合場所である公園に向かってイッセーらと合流し、そして神父やシスターなどの格好をし始める。

ちなみに十字架は悪魔であるイッセーらに配慮してか作り物であり、悪魔が持っていてもダメージは無いそうだ。

 

「…」

 

「…マリヒコ?どうしたんだよ」

 

と、色々準備している間突如イッセーが話しかけてくる。

 

「ん、どしたて…」

 

「いや、何か考えこんでる顔してたからさ…何か気になることでもあんのか?」

 

そう心配そうにしながら聞いてくる…まだ俺桐生の言葉を気にしていたんか?今はそんな場合じゃないってのに。

 

「い、いやなんでもないよ、俺は大丈夫だから」

 

「そうか?探す前に変な心配事で集中力が落ちたら大変だぞ?」

 

「…まぁ、ちょっと下らんことだけどさ」

 

流石にこれ以上は隠し事は出来ないと思い、少し口を開く。

 

「桐生にさ、普段俺は笑顔を見せないと言うか…笑わないて言われてさ、まぁいつもの弄りみたいなもんだろうけどさ」

 

そう苦笑しつつ言うと、イッセーは少し考えて言う。

 

「んー…まぁ確かにいつもお前は堅苦しい表情してるけどさ…たまーにいい笑顔してるぞ?アーシアを助けた後のパーティとか、部長を助けた時の打ち上げ…だからさ、この一件とっとと終わらせてカラオケパーティで楽しもうぜ!」

 

そう俺の肩に手を置きながら、ニッと笑いかけてくる。

 

「…そうだな、悪いな変な話して」

 

「良いってことよ」

 

うん…そうだな、俺は笑えるな、みんなもきっと笑える。だから絶対この事件を終わらせないとな。

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

その後準備も終え、俺らは町中を歩き出す。

教会が送り出した後に犠牲になった神父がやられた場所は人気が無い場所が多いらしく、できうる限りそこを中心に探索していた。

 

だが結果は出ず、時間はただ残酷に過ぎていくだけであった。そろそろ夕陽も落ちてきた時間だ、そろそろ帰らないとマズい、部長たちや生徒会にも知られたらそれはそれでまずい。

 

「ふぅ。今日も収穫無しか」

 

「だな…どうも手掛かりという手掛かりが少ないなこりゃ」

 

気落ちする匙に対し、そう俺は返す。

どうも今回の一件…基木場の過去を聞いた匙は相当気合が入っている様で、探索も積極的にしてくれる。

 

意外と根性があって驚いたが、こいつもこいつでイッセー並に変態な事もあってか俺の内心は複雑であった…なんだよデキ婚て…。

そう頭を痛ませつつ歩いていたが、突如先頭を歩いていた木場が足を止める。

 

「…祐斗先輩」

 

小猫ちゃんも何か感じ取ったか、そう小さく呟く。

_瞬間、俺の全身に何か寒気を感じた。これは殺気…?

それを感じ取った俺は後ろポケットにしまってあるオーズドライバーに手をかけると_

 

「上だ!!」

 

そう匙の声が響き渡る、と同時に全員が上を見上げると、長剣を持った白髪の少年親父が上から襲撃をかける様に降ってきた!!

 

「神父の一団にご加護あれってね!!」

 

そして木場が素早く魔剣を創り出し、ギィイイイイィン!!と刃がぶつかり合う音が響き渡る!

 

「フリード!」

 

「やっぱりお前か…!」

 

そのイッセーの一言に続き、忌々しく言う俺の言葉が聞こえたか、イカれた目でこちらを見てくる。

 

「!、その声はイッセー君にマリヒコ君かい!?へぇえええぇ、これはまた珍妙な再会劇でござんすね!どうだい?ドラゴンパゥワーとよくぼぉうの王の力は使いこなしてるかい?そろそろ殺していい?」

 

相変わらずヤバイ奴だよこいつ…あんな奴がエクスカリバーを持ってるなんて心底信じたくない。

俺らは神父の服を脱ぎ捨て、いつも通りの制服姿になる。

 

そして俺の腰にドライバーを取り付け、フリードの動きに注意しつつメダルを装填する…また撃たれて奪われたら溜まったもんじゃないしな。

 

「行くぞ!マリヒコ!」

 

「ああ!変身!!」

 

だがフリードはただこちらをニヤつく目で見るばかりで何もしてこず、オースキャナーでメダルを読み込む!

 

《タカ!》

 

《トラ!!》

 

《バッタ!!!》

 

「ブーステッド・ギア!!」

 

《Boost!!》

《タットッバ!タトバタットッバ!!!》

 

俺はオーズへと変身し、イッセーは籠手を展開する。

今回事前に打ち合わせた戦い方はイッセーは木場に力を譲渡するためのサポート役に徹して、俺は出来うる限り木場の横で戦う形だ、ただトドメは木場に任せるという話だが、もしピンチになれば話は別。

 

「伸びろ!ラインよ!」

 

突如匙の手元からピューッ!と黒く細い触手がフリードに飛んでくる。

手の甲には可愛らしく黒いトカゲの顔らしきものが乗っていた、触手はどうやらトカゲの舌の様だ。

 

「ウゼェっス!!」

 

その触手から逃れる様に聖剣で振り払おうとするものの、舌は軌道を下に落ちるように変え、ピタリとフリードの右足に着き、グルグルと巻かれていく。

 

「そいつはちょっとやそっとじゃ斬れないぜ。木場!これでそいつは逃げられねぇ!存分にやっちまえ!」

 

その匙の言葉通りにフリードは剣で舌を斬り捨てようとしても、実体がないようにすり抜けている。

あんなものを匙が持ってるとは驚いたが…今は作ってくれたチャンスを無駄にする訳にはいかない!

 

「ありがたい!」

 

俺は木場と一緒に素早く詰めていき、二刀の魔剣でフリードを攻めつつ、俺は爪で牽制していった。

 

「チッ!2体1とか卑怯じゃありませんかねぇ!?とっその複数の魔剣所持、もしかして『魔剣創造』でございますか?わーおっ、レア神器持ちとは中々罪なお方ですことっ!」

 

フリードはそうぼやきつつ俺と木場の攻撃をいなしつつ、そう減らず口を叩き…

 

「だが!俺様の持ってるエクスカリバーちゃんはそこいらの魔剣君ではっ!!」

 

ガキィンッ!!と、聖剣の一振りで魔剣が砕け散る音が響き渡り_

 

「相手になりません!ぜっ!!」

 

「っ!!」

 

そして木場に振り下ろされようとした瞬間…ギィンッ!!と俺はその剣を木場を庇うかの様にトラの爪で防ぐ!

 

「っ…ぐぅっ!!」

 

「マリヒコ君っ!!」

 

が、エクスカリバーの威力は相当なもので一撃で防御体制が崩れる。

爪自体は破損はしていないが、これは何発も受け切れないぞ…!?

 

「チッ!信号機怪人がヨォ!邪魔すんじゃねぇっす!」

 

そしてフリードはイラついた様子で俺に狙いを定めるかの様に剣を振るい続ける!それに対し俺は何度か回避行動を取るも、徐々に追い詰められていく…!

 

「木場!譲渡するか!?」

 

「まだやれるよ!マリヒコ君は早く下がって!!」

 

イッセーが木場にそう聞いてくるも拒否してくる。木場の声音を聞いた感じ大分苛ついている様子だ、心情を考えれば当然といえば当然だが…

 

「ハハハ!随分とエクスカリバーを見る目が怖いねぇ!!何かあったかは知らないけど、こいつで斬られると悪魔君は消滅確定ですぜぇ?人間君が斬ったら多分魂が浄化されるだろうけどよぉ!!どうせなら一緒に斬られちゃう?死んじゃうよ?死んじゃうぜ!一緒に死んじゃえよぉ!!」

 

「っ!!」

 

ギィイイィンッ!!と青白い聖なる光を纏った聖剣の一撃を再び防ぐが、今度は耐えきれず後方へ思いっきり吹き飛ぶ。

 

「あがっ…木場!!」

 

「オラまずはてめぇからだ悪魔君よぉ!!」

 

そして相手に目を向けると、フリードは木場に襲い掛かろうとしていた。

マズい…木場がやられる!と、そう思った矢先_

 

「…マリヒコ先輩、イッセー先輩をぶん投げます」

 

と、そう後方から小猫ちゃんの声が聞こえた。その方向を見るとなんと、イッセーが小猫ちゃんに持ち上げられている光景が見えたではありませんか。

 

「ちょっ!まっ!小猫ちゃん!!俺は便利アイテムじゃないんだよ!?投げちゃダメェ!!!」

 

「……イッセー先輩、祐斗先輩を頼みます」

 

ブゥうウゥンッ!!と哀れなイッセーは思いっきり木場の方向へぶん投げられた!

 

「うぉおおおおおぉおおぉっ!!??木場ぁあああぁあ!!譲渡すっからなぁあああぁ!!!」

 

「うわっ!?イッセー君!!」

 

と、上手く木場に飛びついた瞬間、籠手が赤く光り出し!!

 

《Transfer!!》

 

その音声と共に、木場の体が赤く輝きだす!…譲渡に成功したか!

 

「…もらった以上は使うしかない!『魔剣創造』ッッ!!」

 

その叫びと共に、ザシュウウウゥッ!!と周囲一帯に刃が咲き乱れる!路面、電柱、そして壁からも。

 

「チィイイィッ!!」

 

フリードは舌打ちしながら自身に向かってくる魔剣を聖剣で破壊していく。

 

「マリヒコ!こうなりゃコンボ使え!」

 

「!…わかった!」

 

そしてイッセーの一言と共に黄色のメダルを二つ取り出し、ベルトに取り替える様に装填し_キン!キン!!キィンッ!!!とスキャンする!!

 

《ライオン!》

《トラ!!》

《チーター!!!》

 

《ラタラタァ〜ラトラーターッ!!!》

 

_黄色い光と共に、獅子の鎧を纏う!!

 

「ゲェッ!?それが噂のコンボってヤツですかい!どいつもこいつもめんどくせぇなぁ!!」

 

木場の神速で縦横無尽な攻撃を受け流しつつそう吐き捨てるフリード…そして俺はクラウチングスタートのポーズを取り_

 

「木場!今いくぞ!!」

 

ダァンッ!!と思いっきり地面を蹴り駆け走る!

そしてフリードに近づくなり、爪を展開し連撃を放つ!

 

「この獣やろうガァっ!!ウザってぇっすよぉ!!!」

 

だが、フリードはそう言いつつも手にした剣で爪を弾き返す。

 

「下がって!」

 

と、そう木場の声が耳に届き、僅かに後退した瞬間に無数の剣がフリードに対して飛んでくる!

恐らく俺とこいつが交戦している間に投げたものだが_

 

「うっは!こりゃあ面白いねぇ!!この腐れ悪魔共がぁぁあぁあ!!!」

 

狂った表情を見せ、飛んでくる魔剣をフリードは素早い剣戟で打ち落としていく!

 

「俺様のエクスカリバーは『天閃の聖剣』!!速度だけならっ!負けないんだよッッ!!」

 

マジかよ…道理でラトラーターコンボの素早い爪の攻撃も、木場の神速の剣も受け流し切れたて訳か…!

そして飛んでくる魔剣を全て斬り落としたフリードは、木場へと向かい斬りかかる!

 

「木場ぁっ!!」

 

「死・ね」

 

俺は咄嗟に木場を庇うように立つも、相手は剣を振りかぶり_

 

「やらせるかよ!!」

 

その瞬間匙が自身の腕にあるトカゲの舌を引っ張り、グンッ!とフリードの体勢バランスを崩させ、フリードの剣を逸らした。

そしてトカゲの舌に淡い光が放たれ、それはフリードから匙へと流れていく。

 

「!…ちぃっ!!俺っちの力を吸収するのかよ!!」

 

「へっ!!どうだ!!これが俺の神器『黒い龍脈』だ!こいつに繋がれている間はお前さんの力は、この神器に吸収され続ける!お前がぶっ倒れるまでな!」

 

あれが匙の持つ神器か!相手の行動を制限した上に力を吸収するなんて…もし相手するなら相当面倒そうだな、しかもフリードはそれを斬ろうとしてもすり抜けてしまっている。

 

「木場!マリヒコ!!文句は言ってられない!とりあえずそいつを倒せ!!エクスカリバー問題はその後だ!こいつは敵対しているだけでも危ない気がビシビシと感じる!こんな奴放置してたら俺や会長にまで害がありそうだ!俺の神器で弱らせるから一気に叩け!」

 

「…不本意だけど、ここでキミを始末するには同意する。奪われたエクスカリバーは後二本ある。そちらの使い手に期待させてもらうよ」

 

「ああ…匙の言う通り!こんな奴放置する訳には行かない!」

 

その匙の提案を聞き、木場は魔剣を創り、俺は爪を構える。

 

「ハッ!他の使い手さんよか俺様の方が強いんだぜ?つまりだ!俺を五人がかりで倒した瞬間、満足な相手がいなくなるって事でございますよ!いいんかい?俺を殺したら満足できる聖剣バトルは無くなるぜ?」

 

「っ…」

 

そう不敵な笑みを浮かばせながらふざけた事を言うフリード。

木場もそれを聞き、複雑そうな顔をしながら目元を引きつらせていた。

 

「木場!あんな奴の言う事聞くんじゃ無い!」

 

「…ああ、わかっているさ」

 

そう言いながら木場は剣を構えた時…

 

「ほう、『魔剣創造』か?そして『欲望の王』…まさかここで会えるとはな」

 

その時、何者かがそう言って現れる。

そっちの方に目線を向ければ、親父の格好をした初老の男が立っていた。

 

「…バルパーのじいさんか」

 

フリードの言葉に全員が驚きを隠せない様子を見せた。

バルパー!?…そいつは確かゼノヴィアらが言っていた『聖剣計画』の責任者、そして…その計画に関わった子供たちを殺した…!

 

「バルパー…ガルレイっ!!!」

 

そう木場は憎しみを込めた声を放ちつつ、その男を睨む。

 

「フリード、何をしている」

 

「じいさん!この訳のわからべぇトカゲくんのベロが邪魔で逃げられねぇんスよ!!」

 

「そうか、まだ聖剣の使い方が十分では無いか。ならお前に渡した『因子』をもっと有効活用してくれたまえ。体に流れる聖なる因子を出来るだけ聖剣の刀身に込めろ。そうすれば自ずと斬れ味は増す」

 

「へいへい!」

 

フリードが聖剣を力強く握り込めば刀身に白く輝きだすオーラが集まり、益々聖剣が輝き始める!

 

「こうかっ!そらよ!」

 

そして舌に斬撃を放ち、ブシュッ!!と言う音とともに舌は斬られた…!

 

「フリードよ、他の聖剣使いを足止めしている間に奴の黄メダルを回収しろ」

 

他の聖剣使い?…ゼノヴィアとイリナの事か?とそう考えていると、フリードが面倒臭そうに頭を掻きながら…

 

「あーもう人使いが荒いっスね!と言うわけでオラ死ねや!!」

 

そう言い放ち、再びフリードがこちらに剣を構え、突撃し出す!!

 

「っ!!」

 

「マリヒコ!!」

 

そしてイッセーらもこちらに走り出そうとした瞬間、バルパーが何やら破片をイッセーらの方へ投げ出す!

 

「貴様らはこいつらと遊んでいろ」

 

そうすると破片からズタボロのミイラの様な物ができ始め、イッセーらに襲いかかる…あれは…確か例のメダル怪人の!だがよく見れば所々ボロボロで、動きもあまり良く無い。

 

「よそ見とは余裕満々じゃねぇっすか!!」

 

「っ!」

 

ギィンッ!!とフリードの剣を受け止めつつも、イッセーの方を見る。

 

「完全に分断された…マリヒコ!木場!!こっちは大丈夫だ!お前達はそのイカれ親父をぶっ飛ばせ!!」

 

「…頑張って」

 

「お、おう!てかなんなんだこいつらぁ!」

 

メダル怪人はどうやらイッセーらに集中的に狙っていて、俺と木場に目もくれなかった。

小猫ちゃんは余裕そうな顔で蹴り技で轟音を放ちつつも怪人を蹴り飛ばし、匙は困惑しつつも応戦していた。

 

「バルパー!今までのメダル事件もお前の仕業だったのか!…僕らを実験体にした挙句他の悪魔にも手を出すとは!」

 

「このメダルは研究者である私にも興味深いものでね…それはその応用方だよ」

 

木場のその問いに、イッセーらが相手しているメダル怪人を見ながらそう言う…ふざけやがって!

 

「はぁっ!!」

 

「っ!ちぃっ!!」

 

ガギィッ!!とその怒りに任せて振るった爪が聖剣に当たり、フリードは僅かにバランスを崩し…

 

「そこだぁ!!」

 

そして木場がフリードが持つ聖剣に魔剣で一撃を放つ。

フリードはそれに応戦するも、僅かに隙が出来た!

 

「ここでお前を…打つ」」

 

キン!キン!!キィン!!!とメダルをスキャンし_

 

《スキャニングチャージ!!!》

 

_全身に黄色いオーラが迸り、爪に金色の光が放たれる。

 

「ドラァアアアアッ!!!」

 

チーターの脚で駆け寄り、フリードに爪による攻撃を放つ!!

 

「っ!!」

 

咄嗟に対応したか、聖剣で防御して、ギィイイイイイインッ!!!と爪と剣が競り合う音が響き渡る!!

 

「フリード…覚悟しろっ!!」

 

「っ…や、ヤベーッ!!バルパーのじいさん!ここままじゃ!このままじゃ聖剣が折れちまうっすよぉ!!」

 

そうフリードは慌てた様子で叫ぶ…だが!今この攻撃を邪魔する奴はいないっ!俺は下から上に上げるように爪を振り上げ、ガギィンッ!!と言う音と共にフリードの持つ剣を上げさせる。

 

「これでっ…!!」

 

そして俺は爪をフリードの肩に振り下ろそうとした瞬間_

 

「せ…聖剣が破壊されるゥ!!!」

 

「…っ!!!」

 

_ガッ!!と言う何かに爪が防がれる感触が腕に伝わった。

 

「なっ…」

 

「き、木場!!??」

 

俺とイッセーはその邪魔した正体に驚く…木場が魔剣で俺の爪を防いだのだった!

 

「マリヒコ君…エクスカリバーの破壊は僕の悲願…その役目だけはっ!!」

 

「バカ!!そんな事言ってる場合じゃ…」

 

「ほら邪魔だ邪魔!!」

 

ゲシッ!とフリードは俺を蹴り飛ばし距離を離れさせる…あいつ!聖剣が破壊されるとかそう言って木場を煽り立てたのかよ!?

 

「マリヒコ君のお陰でお前のエクスカリバーはもう限界だ…ここで打ち壊す!!」

 

木場は今までの恨みを晴らすかのように叫び、魔剣を創り上げてエクスカリバーに振り放つも…

 

「バァアアアアアッカじゃねぇのぉ!?」

 

バキィンッ!!と魔剣が聖剣の一撃により砕け散る音が響き渡る…!

 

「なっ…!?」

 

「エクスカリバーが折れるぅ?破壊されるぅ?んなわきゃねーだろボーケ!!嘘だよ嘘!!お前は騙されて折角のチャンスを自分から捨てたんだよ!!ねぇねぇどんな気持ち?折角俺を倒すチャンスを自分から捨てて勝手にピンチになっちゃってさぁ!!」

 

木場を煽りながらも神速の斬撃を放ち襲い掛かる…木場自身はどうにか魔剣を創り上げるもそれを盾にするのが精一杯で、何度も何度も折られてしまう。

 

「き、木場!!…邪魔するなよっ!!」

 

「っ…意外と硬いです」

 

「ききき木場逃げろぉ!!!悪魔が聖剣に斬られたら終わりだぞ終わりぃ!!!」

 

イッセー、小猫ちゃん、匙がボロミイラのメダル怪人に苦戦しながらそう言い放つ…そして。

 

「そうだよ!!終わりだよ!!今からその光景を見せてやらぁ!!!」

 

等々力尽きたか、魔剣を創り上げれず空手となった木場に聖剣を振り上げ_

 

「…木場ぁああああああ!!!」

 

…させるか、そう思いを込め、脚に力をいれる。

ダァン!!と一気にチーターの脚で木場に駆け寄り_

 

「っ…!?」

 

ドッ、と木場を横に薙ぎ倒すように押し出し、そして_

 

_体に一線の斬り傷が入り、全身に痛みが走った

 

「ぁっ…がぁっ…!」

 

「なっ…」

 

「まっ、マリヒコぉ!!」

 

木場がそう驚く様子を見せ、イッセーの叫び声が耳に響き渡った。

 

「はいトドメェ!!」

 

そしてフリードが下から上に上げるかの様な斬撃を再び放つ。

その衝撃でベルトからメダルが飛び出る…!そして地面が起き上がるかのような感覚に陥り、俺は地面に倒れながら変身が解けていく感覚が走った…

 

「っ___」

 

恐らく俺の口からは悲鳴が出ているだろう…が、再び斬られた衝撃かもう意識が朦朧とし、それすら認識できない…!

 

「ほいっと、おーいじーさん!これでいいかーい!!」

 

「上出来だフリード…さてそいつは邪魔だ、殺してベルトを奪え」

 

「へいへい」

 

フリードは剣を振り上げ、そして_その凶刃が俺に振り下ろされた。

 

「やっ…やめろぉ!!!」

 

そしてイッセーの声が僅かに聞こえた…

…だが俺の体にこれ以上の痛みが来なかった、それと同時にガギィン!!と金属がぶつかる音が響き渡った。

 

「イッセー君!!!それとマリヒコ君!?」

 

「すまなかった!!途中ミイラの様な怪物に邪魔されて遅れた!」

 

…聞いたことがある声が聞こえる…イリナにゼノヴィアか…?

そう思考を動かそうとすると、うつ伏せになっていた俺の体が上向けになる様な感覚が来る。

 

「マリヒコ先輩…無事ですか…!」

 

「あのミイラ怪人はゼノヴィアが斬った!もう大丈夫だからな!!」

 

イッセーと小猫ちゃんが、ドンドン薄れていく視界に入る…。

 

「ちぃ!!パルバーのじいさん撤退だ!ちと面倒だこりゃ!!」

 

「…致し方あるまい、メダルだけでも回収できたのがよしとしよう」

 

「あばよ!教会と悪魔の連合どもが!!」

 

そうフリードとバルパーの声が聞こえると、一瞬光が走った様な気がした…

…あいつら、逃げたか…状況を判断しようにも、少しずつ視界も、聴力も薄れていくような感覚で段々判断が出来なくなる。

 

「追うぞ!イリナ!赤龍帝!お前はそのオーズの保護を頼む!!」

 

「うん!!お願いねイッセー君!!」

 

「…すまないマリヒコ君…イッセー君!!マリヒコ君をアーシアさんの所に連れて行ってくれ!僕はあいつらを追う!!」

 

_薄れていく視界の最中に、三人は追いかけるように去って行った…

 

「お、おい!!木場ぁ!!…マリヒコ!!しっかりしろよ!!絶対助けるからな…!!」

 

「…無事でいてください…!」

 

「お、おいマリヒコ!?死なねぇよな!?お前は人間だから聖剣に斬られても無事だよな!なぁ!?」

 

_最後にイッセー、小猫ちゃん、匙の声が遠く聞こえ…。

 

_____

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

イッセーside

 

マリヒコは目を閉じ、気絶してしまった…ちくしょう!!フリードの野郎…!

 

「…まだ息はありますが早く手を打たないと…よいしょっ」

 

小猫ちゃんはマリヒコを背負い、そう言う。

そしてアーシアのいる家に行こうとしたら…

 

「イッセー!?」

 

「マリヒコ君…!」

 

と、聞き覚えのある声がした方へ振り向くと…

 

「何があったのイッセー!…説明の前に手当てが必要ね、アーシアを呼ぶわ!朱乃はアーシアが来るまで治療具を取り出して手当てを!」

 

部長は俺たちの状況を察したのか、すぐさまそう指示を下した。

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