ハイスクールD×D×O〜悪魔と龍と王の物語〜   作:カノサワ

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UAも60.000超え、お気に入りも200も超えて嬉しいです!ありがとうございます!
これを記念して…作者のケツを叩くべくもしこう言う番外編をしてください。と言うリクエストがあれば活動報告へよろしくお願いします!


第2話=プールと授業参観と魔法少女=

サーゼクスさんが俺の家に来た数日後、俺らオカ研は学校のプールに来ていた。

これは生徒会からの依頼でプール掃除に来ていて、しかも掃除してくれる代わりにプールは一番先に使って良いと言う条件が出ている、が…

 

「あー…今年も酷いですね」

 

「なんか中学の頃思い出すな…」

 

俺とイッセーが恐らく去年の夏から放置されたプールの惨状を見て軽くため息を吐く。

すっかり汚れた水に溜まった植物欠、浮き上がった藻にどうも目を背けたくなる落とし物。だが…

 

「けど!!これを乗り越えれば…!」

 

そのギラつく目でイッセーはある方向を見る。

それは、体操服に着替えたオカ研のみんな。これが終わり次第一番先にプールを使って良い=水着姿。それを逃さないイッセーでは無い。

 

「どうしたんだいイッセー君?凄い視線だけど…」

 

「お前に向けてんじゃねぇ!!イケメン野郎!!」

 

木場がそんなイッセーの視線に気づいたか、笑顔で返すもそう返す。これでもまぁ険悪な仲じゃなくお互いなりの仲の良さと言っていいだろう…か?

 

「それじゃ、みんな始めるわよ?」

 

「「「はい!!!」」」

 

部長のその言葉にみんなは元気よく返事し、掃除へ取り掛かった。

掃除は大変だったが、少しずつ綺麗になっていくプールには心地いいものがあり、掃除にはしっかり取り組むことが出来た。

…一番張り切っていたのはイッセーだが、アレな性欲も上手く使えば何か役に立つ…のだろうか。

 

そして掃除がようやく終わり、すっかり綺麗になったプールを眺めた。

 

「いやー…写真に撮りたいものですね」

 

「お?マリヒコ、お前も部長や朱乃さんの水着姿を収めたいのか?」

 

そんなアホなイッセーの言葉は無視しておいて、一言疑問を言う。

 

「けど、今から水入れるのにも時間かかりますよね?明日頃ですか?」

 

「大丈夫よ?全員少し離れてください」

 

朱乃さんが手を掲げると、プールの上に魔法陣が展開される。

すると、魔法陣から大量の水が滝のように注がれ、大きい水飛沫が上がる。

 

「わっ!?」

 

「魔法で入れればすぐよ?さ、着替えに行きましょう?」

 

部長のその一言に、みんなは水着姿になるべく更衣室へと向かい始める。

…魔法て凄いと改めて感じた。

 

_▲▼▲▼_

 

「拝啓、天国のお祖父様へ。初夏となりました。爛々と輝く太陽は暖かな陽光を届けてくれます。僕は眼前の光景に涙が止まりません。涙脆くなった物だと自分でも感じております」

 

なるほど、変態も一周回ると悟る物なのか…てんなアホな。あの後水着姿に着替え終えた後、イッセーはみんなの…否、女性陣の水着姿を見て感動したか涙目になりながらそう語った。

 

「もう、イッセーどうしたの?」

 

そう部長が明らかに様子が可笑しくなったイッセーに言う。

無論部長の水着…部長のイメージカラーに合う様に赤色のビキニ水着を見た途端、イッセーから鼻血が垂れる。大丈夫か?

 

「イッセーさん。大丈夫ですか?鼻から血が…」

 

アーシアがそう心配そうに言う。彼女の水着は学校指定の水着。言わばスク水とも言う物、水着の名前を書くところに可愛らしくひらがなで【あーしあ】と書かれていた。

 

「大丈夫だよアーシア!!それより水着似合ってるよ。お兄さん感動だ!」

 

「…部長はともかく、アーシア先輩には卑猥な目で見ないのですね」

 

と、そんな様子を見てた小猫ちゃんがイッセーをジト目で見る。小猫ちゃんもアーシアとお揃いのスク水で、名前の書くところに【こねこ】と同じ様にひらがなで書かれていた。

 

「うんうん!小猫ちゃんも可愛くて似合ってるよ。正にマスコットて感じで愛くるしさ全開だ!」

 

「お前なー…」

 

これは多分後で小猫ちゃんにしばかれるな。そう思い小猫ちゃんの方を見てみると。

 

「…卑猥な目つきで見られないのもそれはそれでちょっと複雑です」

 

…何かぼやいていた。なんだろう、いつも違う様な…そう思っていると突如視界が暗くなる。

 

「っ!?」

 

「うふふ…だ〜れだ?」

 

…この意地悪そうでかつ、優しい声音は。

 

「何してるんですか…朱乃さん」

 

それに正解したのか、俺の目を塞いでたもの…基手が視界から外れる、そして踵を返すよう振り返ると…。

 

「ごめんなさい?意地悪しちゃって」

 

_部長とは対極的な白い水着ビキニを着た朱乃さんが視界に入った。

その魅惑的な体に包まれた白い水着は。正に魔性の魅力とも…

 

「っ」

 

…ふと、一瞬だけ心臓が跳ね上がる感覚が体に来ると同時に、少し目を背ける。けどそれは不快な物じゃなくて寧ろ…

 

「マリヒコよ。俺はただ言える…今年の夏は最高だ。お前もそう思うだろう?」

 

…とりあえず恐らくイッセーはこのプールで恐らく悟ったであろう…変な方向に。

 

「うふふ、どうかしら?私の水着は」

 

「…えと、良い…と思います」

 

突如そう俺に聞いてくる。少し視界を逸らしながら感想を言う。

…どうも慣れないというか、オカ研に関わってからそう言うのには耐性が付いたとは思ったけどやはりまだ慣れないのもある。

そんな様子にイッセーは「このムッツリすけべが〜」と言いたげな目で見てくる。やかましいと一言言いたい気分になった。

 

「お楽しみの所悪いのだけれど、イッセー、マリヒコ。お願いがあるの」

 

「「はい??」」

 

_▲▼▲▼_

 

「いっちに、いっちに…」

 

「そうそう、足をうまく使って…」

 

俺とイッセーは小猫ちゃんの泳ぎの練習に付き合っていた。

イッセーがまず小猫ちゃんの両手を持ち、俺が軽い泳ぎ方の指導をしていた。とは言え素人仕込みなのだが。

これは部長の頼みで、どうやら小猫ちゃんは泳ぎが苦手らしく。泳ぎの練習に付き合ってほしいと頼まれたのだ。

 

「頑張って、小猫ちゃん!」

 

その横でアーシアも応援してて、小猫ちゃんはそれに応える様に息継ぎをしつつ、バタ足でイッセーに支えられながら泳いでいた

アーシアも泳ぎの経験が無い以上、小猫ちゃんと交代しながら泳ぎの練習をしている。俺いるのかなこれ?一応もしものためという事で見張りの役らしいが。

 

「ぷはっ。…先輩方、付き合わせてしまってごめんなさい」

 

「いやいや、別に良いさ」

 

「俺もあんま泳いだ事無いし、寧ろ良い運動になるよ」

 

そう小猫ちゃんが申し訳なさそうにいうも、イッセーと俺が安心させる様にいう。この調子なら二人とも水に慣れるのも時間の問題とも言えよう。

 

「とと、端に着いたよ」

 

「っ」

 

と、プールの端まで泳ぎきった瞬間。小猫ちゃんが勢い余ってイッセーに抱きつく様な体制でぶつかってしまう。

それに対してイッセーはドキリとした表情となる。まぁいつもイッセーがセクハラからの小猫ちゃんの鉄拳制裁と言う流れがもう決まってる様なのでそうなるのも無理はない。否、自業自得と言って良いだろう。

 

「…イッセー先輩は意外と優しいんですよね…ドスケベなのに」

 

だが、そんな思いとは裏腹に小猫ちゃんはイッセーに鉄拳制裁をせず。そう呟いた。

 

「まー…それがコイツの数少ない取り柄と言いますか」

 

「マリヒコぉ…一言余計だぞ。まぁ俺だって後輩には何かしてあげたいしさ。いつも小猫ちゃんには迷惑かけてるから、こういう時には是非とも手伝いがしたいしね」

 

俺の発言にツッコミ入れつつも、そう言いながらイッセーは小猫ちゃんを撫でる。

…それにまんざらでも無いか、小猫ちゃんの頬がほんのり赤くなってるのが見えた。

と、その時ザバンと何かが水に入る音、恐らく誰かが飛び込んだであろう音がした。その方向を見ると部長と朱乃さんが綺麗な姿勢で泳いでるのが目に見えた。

あの二人は泳ぎの経験があるのだろうか、それとも悪魔の身体能力の賜物か、水泳プロも舌を巻くほどの上手い泳ぎを発揮していた。

 

「凄いなー…」

 

と、それに感心していると…

 

《Transfer!》

 

「………イッセー???」

 

何故かイッセーの神器が発動する音が聞こえ、方向を見ると。イッセーが何故か水中に潜り神器である籠手を展開して。人差し指と親指で円を作り望遠鏡の様に覗いていた。

おいコイツまさか。

 

「……少しは見直したと思ったら」

 

あ、小猫ちゃんがポキポキと手を鳴らしてる。そして手をチョップの形にして…ゴッ!!と容赦無く水中に潜ってるイッセーの頭に一撃を入れた!!

 

「ゴボォ!?こ、小猫ちゃん!?」

 

「……次はアーシア先輩の泳ぎを見るんじゃ無いですか?」

 

いつも通り…いやそれ以上なジト目で水中から這い上がったイッセーを見つめていた。

 

「お前なー……少しは抑えろよ」

 

「イッセーさん…私じゃ物足りないんですか?」

 

俺がそう呆れつつ、アーシアもそう苦言……んんん??今なんて??

 

「ま、まぁまぁ…次はアーシアね??準備はいいかな?」

 

その疑問に考える暇もなく、イッセーはアーシアの機嫌を取るように言う。

 

「…はい、よろしくお願いします」

 

けれどまだ不機嫌なのか頬をぷくぅ、と可愛らしく膨らませつつもそう返事するアーシア。

 

「…イッセーてさ、モテるんだかモテるんだかよく分からないよね」

 

「…ですね」

 

一緒に泳ぎの練習をする二人を見て、俺と小猫ちゃんがそうボヤく。

変態だからモテるのか、変態なのにモテるのか、どうもイッセーの魅力は分かるような分からないようなものだなと思った一時だった。

 

_▲▼▲▼_

 

「はー…久々に泳ぐと疲れる」

 

アレから何回もプールを一回りして、一旦プールサイドに上がって俺らは休憩を取っていた。

イッセーは、すっかり慣れない泳ぎで疲れ果て寝ているアーシアの様子を見ていて、小猫ちゃんは日陰で本を読んでいた。

俺もまぁイッセーから離れた位置にいて、ゆっくり休むように座っていた。

 

「お疲れ様?マリヒコ君」

 

と、その横から聞き慣れた声がした。その声がした方を見ると朱乃さんが俺の横に何かを持って立っていた。何かの便だ。

 

「お疲れ様です。朱乃さんいい泳ぎでしたね?」

 

「どうも♪マリヒコ君もアーシアちゃんや小猫ちゃんの面倒見てくれてありがとね?」

 

そう言いながら俺の横に座る朱乃さん。

…どうも直視できない。別に嫌なものじゃ無いが、あまりジロジロ見るのも失礼だろうと自分に言い訳する様心の中で呟く。

 

「…ねぇ、聞きそびれたけど。私の水着姿どうだった?」

 

「っ………えと、その…魅力的と言うか…いや変な意味じゃなくて」

 

朱乃さんが、俺の耳にそう呟く。

俺はもう支離滅裂な言葉を並べる、やはりどうもこう言うのは慣れないと言うか…

 

「ふふ?マリヒコ君も意外とそう言う事は思うのね?やっぱり男の子なのかしら」

 

「も、もう…揶揄わないでくださいよ。そ、それよりそれは飲み物ですか?」

 

話の話題をすり替えるように、朱乃さんが持ってきた瓶を指差す。

 

「これ?これは日焼け止めオイルよ。悪魔は日焼けしませんが、太陽の光は外敵なの。これは部長もお気に入りの美容の特性オイルでしてよ?ほら」

 

と、瓶を片手で持ちつつある方向に視線を向く。

…イッセーが背中を向け寝そべっている部長の背中に何かを塗り込んでいた。

 

「…あぁ、うん」

 

多分イッセーは心の声で絶頂…じゃなく絶叫してるだろうな。まぁ部長も嫌がってる様子じゃ無いし、そっとしておこう。

 

「私も塗りたいのだけれど、流石に背中には手が回らないの。マリヒコ君、お願いできます?」

 

………あの、それってもしかして。

 

「あの…俺である理由は?」

 

「アーシアちゃんと小猫ちゃんはすっかり休んでいる様子ですし、ゼノヴィアさんと祐斗君もまだ泳いでいるの。いいかしら?」

 

と、プールの方を見るとゼノヴィアと木場が何故か張り合うように泳いでいた。

『騎士』同士の対決??…あの二人もそっとしておこう。つまりは手が空いてるのは実質俺だけと言うことだ。

 

「…わかりました」

 

「決まりね?それじゃ…」

 

と、次の瞬間朱乃さんは、俺にオイル瓶を渡した後何故か水着の後ろに手をかける。

 

「ちょ!?ちょっと!?」

 

「あら?上を脱がないと背中全体塗れませんわよ?」

 

「…後ろ向いてるから、終わったら言ってください!」

 

「もう、ウブね?」

 

俺が目を閉じ向こうの方を見て、しばらくすると…

 

「準備出来ましたわよ?」

 

…目を開け、朱乃さんの方を向くと水着の上部分が無く、寝そべっている姿がそこにあった。しかも水着の上の部分が丁寧に置かれていた。つまり…

 

「…否、余計なこと考えるな。それじゃ始めますよ」

 

もう自分にそう言い聞かせ、美容オイルの蓋を開け自分の手に垂らす。

…その手を、ゆっくり朱乃さんの背中に乗せる。

 

「んっ…」

 

…その背中に俺の手は僅かに沈むよう入る、いやなんだこれ。

人の背中ってこんなにも柔らかいものなのか。いや女性特有なのか?その魅力的な肢体に目を奪われつつ、ゆっくりと背中にオイルを広げる。

 

「あ、あの…どうですか?」

 

「気持ちいいですわね…意外といやらしい触り方するのね?」

 

「ちょ、ちょっと?」

 

「ふふ、冗談よ?」

 

その言葉にヒヤリとするも、揶揄うように言う朱乃さん。

…変な触り方はしていない。これはアレ、小さい頃やったおじさんの肩叩きと同じだ。下心なんて無い。そう何度もお経のよう念じながら背中にオイルを塗り込む。

 

「…大体塗り終えましたよ??」

 

「ありがとう♪…前も塗っちゃう?」

 

「いえ!それは人道に反します!」

 

もう緊張か何かで、変な事を口走ってしまう。

…俺は目を閉じ朱乃さんが水着の上部分を着るのを待つ。

…柔らかかったな、背中。いや何考えている、決して変な事を考えているんじゃ無い。これじゃイッセーみたいな思考だ。

 

「…マリヒコ君?」

 

「ひゃい!?」

 

と、目を開けると水着に着直した朱乃さんが目に映る。それにもう何度目か分からない心臓の高鳴りが再び襲いかかる。

 

「もう、緊張し過ぎよ?お礼しようと思ったけれど…」

 

「お、お礼?」

 

少し混乱しつつも、そう鸚鵡返しで聞き返すと…何故か朱乃さんは俺の体に手を伸ばし、指でつつぅ…と撫で始める。

 

「…あの?」

 

「オイル、塗ってあげましょうか?」

 

_▲▼▲▼_

 

「準備完了ね…綺麗な背中よ?」

 

「ど、どうも」

 

俺はさっきの朱乃さん見たくうつ伏せで寝て待機していた。いやなんで?

すっかり流された俺も俺だけど、男に美容オイルと言うのは必要だろうか?いや時代だろうか。

 

「それじゃ、始めますわよ」

 

_背中にぬるりとした感触が広がる、背中にオイルが塗られてる。

それも相手の手の柔らかさが伝わる程だ、マズい。そう言う思考に走るんじゃあ無い。冷静になるんだ。

 

「男らしくてしっかりした背中…けど、揉み心地いいですわね?」

 

脳を蕩かすような囁きが聞こえる。いや違う、相手はそんな意味で言ったんじゃ無い。普通に言ったんだ。背中の触り方もどうも怪しくなってるが気のせいだ気のせい。つつぅ…と撫でるような感触も来ているが気のせいだ。

 

「…ふふ、まるでマリヒコ君の体を支配しているみたい。どうかしら…」

 

そんな、彼女_朱乃さんの艶やかな声が耳に染み込んでいき。

 

「気持ちいい??」

 

___その言葉に俺の何かが切れ、鼻に何か熱い感覚が走る。

 

「…マリヒコ君??」

 

「…ほひぇ」

 

「!!??…血!?大丈夫!?」

 

…多分、いや確実に鼻血を出した。マジでそう言うのに興奮すると鼻血が出るものだなぁ…俺はすっかり蕩け切った精神状態に身を任せ、夏独自の蝉の声と、朱乃さんの声を聞きながら目を閉じた。

 

_▲▼▲▼_

 

あの後気を取り戻し、朱乃さんに少しやり過ぎたと謝られた後。俺は少し休んでから、先に上がるべく更衣室で着替えていた。

 

「お前…朱乃さんにオイル塗られて鼻血出して気絶だなんて…逆r」

 

「鼻折るぞテメー」

 

俺を茶化すか、心配したかわからんか。イッセーも更衣室に来て俺の様子を見てた。それ以上は行けない。

 

「わりぃって…けど、お前も大人の階段登ったな」

 

何故かキラリとした目でサムズアップしながら。そうドヤ顔で言う。殴っていい??

 

「まぁなんだ…変な騒ぎ起こしてごめんな。後顔ウゼェから殴っていい??」

 

「気にすんなって。けどこれから先そんな様子じゃ夏には勝てねーぞ?後やめてください」

 

一応変な騒ぎを起こした事にはみんなには謝っていて、みんなは気にしなくて良いとは言ってる。

そして俺は私服の黒ジャージ姿に着替えた更衣室から出ていく。

 

「気になったけど…暑く無いのかそれ?」

 

「夏仕様だから薄くて丁度良いのよこれが」

 

ジャージ、やはりジャージは気軽に着れて最強の服だ。と、俺が更衣室を出るや否やばったりとゼノヴィアに出くわす。

 

「む、独也マリヒコか。丁度兵藤一誠に用事があったのだが…」

 

「イッセーなら今更衣室だよ。後呼び捨てで大丈夫だけど…」

 

態々フルネームで言うのも面倒だろうし、俺はそう告げる。

…何故かゼノヴィアは考え込んでいて、変な様子を見せる。

 

「…彼には少し荷が重いか。姫島朱乃との様子じゃああだったし…」

 

…何故か失礼な事を言われている気がする。

 

「すまない。兵藤一誠と二人きりで話すべき事だね。少し借りるよ」

 

「あ、うん」

 

と、ゼノヴィアは更衣室へ入る。

…なんだったんだ?そう思いながら俺はその場を後にした。途中何故かイッセーの絶叫が聞こえたけどまぁ大丈夫だろう。兎にも角にも刺激的な時間だったと、その一言を内心呟いた。

 

_▲▼▲▼_

 

「………」

 

「お前どーした」

 

あの後帰るべく、校庭から校門へ移動する俺とイッセー。だがイッセーは何故か唖然とした様子で歩いてた。

 

「…ゼノヴィアと何かあった?」

 

「は、ははは!!なーんでもないさ!!軽くお話ししただけだ!!あははー!!」

 

と、何か誤魔化すように笑うイッセー。いや怪しい。

 

「…ん?」

 

「おいどうし…」

 

と、突如イッセーが校門の方を見る。其処には誰かが立っていた。

…其処にいたのは外国人か、銀髪の髪を持った美少年とも言える容姿を持った人だ。誰だろう?うちの学校にはあんな生徒はいないはず。

するとその少年はその蒼い瞳俺らの方を見ると、微笑みかけて話しかけてきた。

 

「やぁ、良い学校だね」

 

「えっと…まぁね」

 

「ど、どうも…転校生ですか?」

 

相手のその言葉に、イッセーは苦笑した様子で答え。俺は質問するように挨拶する。

日本語が上手なところを見ると、この国にいた時期は長いのだろうか。とりあえずもし転校生とかなら変な態度を取らないように…

 

「いや?違うよ。俺はヴァーリ。白龍皇_『白い龍(バニシング・ドラゴン)だ」

 

_その言葉に俺達に動揺する。バニシングドラゴン?白龍皇?

 

「ここで会うのは二度目か、『『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)_赤龍帝、兵藤一誠に。オーズの独也マリヒコ」

 

_素早くポケットのオーズドライバーに手をかけるも、次の動きが取れなかった。イッセーも既に身構えていたが、同様にそれ以上の動きは取れなかった。

プレッシャーは感じない、だが何かの恐怖はあった。話通りあのコカビエルを圧倒した者…もし戦えばここの被害はどれほどの物だ。

 

「そうだな。例えば俺がここで二人に魔術的なものをかけたり_」

 

その不穏な言葉と共に、俺らに指を向けて近づけようとすると…二本の刃が白龍皇の首に突きつけられた。

その刃の持ち主はゼノヴィアと木場だ。デュランダル、聖魔剣を彼に突きつけていたが、相手は動じずにいた。

 

「何をするつもりかは分からないけど、冗談が過ぎるんじゃないかな?」

 

「ここで二人に手を出させるわけには行かないな、白龍皇」

 

その強い声音に対し、相手は平然とした態度で返す。

 

「やめておいた方がいい。手が震えてるじゃないか」

 

彼の言う通り二人の剣を持つ手は震えていた。

二人は相手との差を本能で感じ取ったのだろう。恐らく今ここで戦っても白龍皇には勝てないと_。

 

「…一体何の様ですか」

 

俺は喉から絞り出すようそう問い詰める。もしここで戦うなら…そう覚悟し、相手を見据える。

 

「何、君らの学舎を見てみたかっただけだ。良い目をしているね…話は変わるが、兵藤一誠。独也マリヒコ、君らはこの世界で自分が何番目に強いと思う?」

 

「…は?」

 

「何言ってんだ…」

 

突然の問いに戸惑う俺とイッセー、だがそれに構わず語る。

 

「君達の力は確かに強力だが、完全には使いこなせてない。コンボや未完成のバランスブレイカー状態のキミらは上から数えた場合、4桁…千から千五百の間だ。この世界には強いものが多い。『紅髪の魔王』と呼ばれるサーゼクス・ルシファーさえトップ10に入らない」

 

…サーゼクスさんさえもトップ10に入らない。その言葉にこの場にいる全員に軽く動揺が走った。無理もない、自分の主人の兄にあたる人物がそう言われてどう思わないはずもない。ましてやあの人は魔王、だったら_

 

「自分が最強、だって言いたいんですか」

 

「そんなに自信があるなら自分が一番だって言うのかよ?」

 

俺のその言葉の後にイッセーもそう言う。だが相手は肩をすくめ語り続ける。

 

「いや、1位は俺じゃない、いるものだよ…不動の存在が。まぁいずれわかるだろう。この二人は貴重な存在だ、充分に育てた方がいい、リアス・グレモリー」

 

相手が俺らの後方に視線を向ける。俺らもそれに釣られて視線を動かすとそこに、部長が立っていた。

それに部長だけでなく、その周りに朱乃さんや小猫ちゃん。アーシアも立っていた。アーシア以外は臨戦体制に入り、事が始まれば直ぐにでも戦いが始まるであろう。

 

「白龍皇。何のつもりかしら?貴方が堕天使と繋がりを持っているなら必要以上の接触は_」

 

そう不機嫌そうに相手に言うも、遮られて語りかけられた。

 

「『二天龍』と称されたドラゴン_『赤い龍』と『白い龍』過去、関わった者は碌な生き方はしていない。貴方はどうなるんだろうな?」

 

「_っ」

 

その言葉に部長は言葉を詰まらせてしまった。

…二天龍に関わった者は碌な生き方はしない。どう言う事だ?確かに赤龍帝の籠手を持つ者の人生は様々な事があるとは聞いたが、そこまでなんて…

 

「今日は別に戦いに来たわけじゃない。彼らにも言ったがこの学舎を見てみたかっただけだ。アザゼルの付き添いで来日していてね、ただの退屈しのぎだよ_『欲望の王』と『赤い龍』とは戦わない。俺にもやる事が多いのさ」

 

白龍皇はそう言い残し、踵を返してこの場を去っていった。

…彼が去った後も緊張感は解けず、先程のプールでの浮かれた気分は吹っ飛んで行ってしまった。

 

_▲▼▲▼_

 

「なんだか変な一日になりましたわね」

 

あの後俺らは解散し、それぞれ帰宅するべく帰路していた。

一応警戒の為朱乃さんが俺と一緒に帰る事にしたのだ。

 

「ですね…まぁ何事も無くてよかったですよ」

 

あの時もし戦いが始まっていれば、俺たちはタダでは済んでいなかったであろう。

…俺は白龍皇とどれくらい戦える?前日のコカビエルの戦い。相手がボロボロだったとはいえ彼は余裕で倒したそうだ。しかも能力が厄介だ。

触れた相手の力を半分ずつ奪う、イッセーの赤龍帝の籠手と対する能力。もしやられたら短期で決着をつけなくちゃいけない。のだがそれが出来る程の力が俺には…

 

「…難しい顔していますね。確かに白龍皇ははっきり言って私達では倒せるかどうかの相手ですわ、けれど今考えてもしょうがないわ?」

 

「…ですよね」

 

…どうも空気が重苦しい。はっきりと現実を突きつけられた気分だ、俺は遊んでる場合じゃない、もっと何かやるべき事が_そう思わずにいられない。

 

「…それにしても、マリヒコ君の体はとっても触り心地良かったわ?私の体、どうだった?」

 

「っ!?…の、ノーコメントで!」

 

突如、あのプールでのオイル塗りを思い出させるかのように言う朱乃さん。

うん、アレは色々過激すぎた。色々と。

 

「ふふ、けどあの時はごめんなさい。マリヒコ君に喜んでもらおうと思って…まさか鼻血が出てしまうなんて」

 

「…いやまぁ。俺にも非があるような物ですし、けど流石に俺もドキドキはしますよ。女性の体をあんな風に触るなんて経験ないですし」

 

…その言葉に、朱乃さんは面食らった顔をする。え、何かまずいこと言った?

けど直ぐにいつも通りの笑顔を見せ、何か呟く。

 

「…そうなの、ちょっと安心しちゃった。マリヒコ君も男の子なのね」

 

「…どーゆー意味ですか。と、もう俺の家近くですね」

 

そんな揶揄うような言葉に少しうんざりした返事をし、自分の家…喫茶店が目に入る。

 

「それじゃ、また明日ね?」

 

「はいっ」

 

…そして朱乃さんが去ろうとした直前。

 

「あの、彼氏とかいるんですか?」

 

「…え?」

 

…その言葉に、振り返ってまた面を食らった顔をしている朱乃さんが目に入る。

いや、何を言ってるんだ俺、けどこう言うのはハッキリしておかなきゃ行けない気がする。

 

「あー、いや…スキンシップは良いけど、もし好きな人とかいるならそう言うのはちょっと…ほら、なんだか悪いですし」

 

俺は頬を指で少し掻きつつ言う。自分でも何を言ってるかと思う、これはセクハラに値するだろうか?流石に朱乃さんのプライベートに関わる事だ。

 

「ふふ、安心してください?今はそう言う他の殿方はいらっしゃいませんの」

 

そう笑顔で答える朱乃さん。

そして俺は申し訳なさそうに言う。

 

「そ、そうですか…すいません変な事聞いて」

 

「いいのよ?また聞きたい事があったらいつでも聞いてね。またね?」

 

…そして踵を返し再び歩き出す朱乃さん。

 

「…なんで、ホッとしてるんだ俺?」

 

そんな疑問を抱き、自らの家である喫茶店に入る俺。

夏の陽気とも言うだろう。俺も変なテンションになってしまったか。

 

_▲▼▲▼_

 

授業参観。それは生徒の親御さんが普段の授業を見ると言う全くもって緊張する一日だ。

俺らの教室にて、一味違った緊張感が走っていた。俺とイッセーが席をつき色々準備をしてると松田と元浜がやって来た。

 

「イッセーんところの両親とマリヒコのおじさんは来るのか?」

 

「あぁ、て言うか父さんも母さんもアーシアを観に来るんだとさ」

 

「俺のおじさんも、今日は店を休みにしてるんだって。無理に休まなくて良いのに…」

 

俺らの返事に松田が頷く。

 

「あーわかる、アーシアちゃんが娘だったら是が非でも観に来たくなるよな。後マリヒコ、お前はそれはそれで親不孝もんだぞ」

 

なんと言うか、すっかり兵藤家のアイドルポジになってるアーシア。気持ちはかなり分かる。それとその親不孝という言葉に俺は先程の発言に軽く後悔した、少しおじさんに悪い事言っちゃったな…

 

「マリヒコさんのおじ様もきっとこの日を楽しみにしていたと思います。是非頑張りましょう」

 

「「くぅ…アーシアちゃん良い子すぎる!!女神降臨!!」」

 

そのアーシアの言葉と共に松田と元浜は跪いて言う。いやちょっと信仰のしすぎでは?アーシアも戸惑ってるぞ。

 

「イッセー」

 

ふと、俺らに近づいてくるゼノヴィア。

彼女も俺らの教室の生徒の一人であり、今や男子生徒の注目の的の一人だ。体育の授業でも元エクソシストや、悪魔としての身体能力を発揮してるのか良い成績を収めており、女子でも人気が高い。

 

「なんだ?ゼノヴィア」

 

「先日は突然あんな事を言って申し訳なかった」

 

イッセーが返事するなり、突然頭を下げる。なんだ?何があったんだ?

 

「私はキミの事を考えもせず突っ走り過ぎたようだね」

 

「え、えーと。何があったのゼノヴィア、イッセー」

 

多分お互いにしかわからない事情があるのだろうが、どうも気にせずにはいられなかった。そう言えばあのプールの時、ゼノヴィアがイッセーのいる更衣室に入って行ったな。あそこで何があったんだ。

 

「あ、あぁうん!もう解決した事だ!ゼノヴィア!気にしなくていいぞ!」

 

「うむ、だからこそ私も解決の手段を持って来た」

 

そう戸惑うイッセーに対し、ゼノヴィアはスカートのポケットから何かを取り出す。それは_

 

「まずはこれを用いて練習をしよう」

 

小さい袋に包まれたピンクのゴムのようなもの。それは_

 

「お、おま!?それコンド_」

 

「わー!!ゼノヴィアダメじゃないか!!ゴム風船持って来たら〜〜〜!!」

 

イッセーがその名を言い切る前俺が塞ぐよう言う!!無論そんなモノを手にしたゼノヴィアにクラス全員はその手に持つ物に視線を移動させる!いやヤバい!?

 

「ゴム風船??何を言っているんだ。これはひに」

 

「もー!!!ゴム風船で遊びたいなら授業が終わった後!!ね!!ね!!」

 

俺はクラス全員に、コレはゴム風船だ、健全な遊び道具だ。そう認識してくれと言わんばかりに言う、それに察したのか生暖かい視線を送る。ただ一人を除いて。

 

「たくー、童貞臭いわよアンタ。ゴム程度出したくらいで顔真っ赤にしてピーキャー騒いで」

 

「桐生!頼む!少し黙って!イッセー!どう言う事だ…!?」

 

「いやーマリヒコクン!!これはね!!山より高ーく海よりふかーい訳が……」

 

「桐生、イッセー。彼はコレを知らないのか??流石にそれはマズイと思う…いいかマリヒコ。コレは妊娠をさせたくない時_」

 

「俺らは高校生!!まだ早い!!卒業してから!!」

 

と、そんなカオスな騒動の後漸く収まり、授業。基授業参観に入る。

俺らの背後にはクラスメイトの親御さん、そしておじさんがカメラを持って俺らの授業を録画撮影をしていた。少しむず痒い…と言うかさっきのカオスな騒動がまだ頭に入ってて、授業に集中できるのかこれ?

今から始まるのは英語の授業で、上手くできるかどうか分からない。イッセーやアーシアは悪魔の能力で会話自体は自分のあった言葉に調整されるらしく少し羨ましいと思った。流石に紙などで書かれた文字までは読めないらしいが。

 

だが、なぜか俺らの机には袋に包まれた長方形の物体。表面には紙粘土と書かれていた。紙粘土?なぜ英語の授業でこれが配られたのだろうか。恐らくクラス全員がそう疑問を抱いている。その疑問に答えるべく先生は嬉々として言う。

 

「いいですかー、今渡した紙粘土で好きなものを作ってみてください。動物でも良い、人でも良い、家でも良い。否、未知なる物でも良い。自分が思い描いたありのままの表現を形作ってください。そう言う英会話もある」

 

その言葉に恐らくクラス全員はこう思っただろう。

 

「「「(ねぇよ)」」」

 

何故英会話で紙粘土工作!?図工の授業の間違いじゃないだろうか!?

もう前日に復習して来た英会話単語が全て無駄になってしまった瞬間だ。いやなんで!?

 

「レッツトライ!」

 

もう理解が追いつかない。恐らくあの先生は異世界から来た先生だ、きっと異世界の英会話は紙粘土を用いてする物だ。いやどうやってだ。

だがそんな現実逃避は虚しく、みんな袋を破き紙粘土工作を始める。良いのかそれで??良いの?

 

「む、難しいです!」

 

「アーシアちゃん!ファイトよ!」

 

「アーシアちゃんかわいいぞぉ!!」

 

アーシアも英会話と言う名の紙粘土工作に入ってしまい、イッセーの父や母が応援する。いや貴方の息子さんは?応援したくなる気持ちはわかるが。イッセーも戸惑いながら紙粘土を持ち上げる。俺もさっさと取り出し英会話…工作を始める。

 

「マリヒコ君がんばれー…」

 

おじさんもカメラ片手で俺に応援する。いやそれは嬉しい、嬉しいけど…

 

「…いや何作れば良いんだよ」

 

紙粘土を持ち上げグルグルと見回す。もうAて文字を作れば良いの??いやそれは違う気がする。俺らしい、俺らしく脳裏に思い浮かべた物…自分の家の喫茶店…イタリアンを名乗るのに内装は何故か恐竜の化石や埴輪とかそう言うのが並んでる。民族喫茶店て名前変えた方がいいんじゃないだろうかと思う店。

そして俺ができたのは_

 

「!…良く出来た埴輪だ!」

 

おじさんがそう歓喜の声を小声であげる、そう、俺が作ったのは埴輪。ハニワだ。

 

「ふむ、独也君のは埴輪ですか。なぜ埴輪と呼ばれるかは色々諸説ありますが、古代日本の古墳。言わば墓場に輪のように並べられたから埴輪…そして埴輪は生贄の代わり、そう言った闇の部分を表現された。正に一つの英会話と言っていいでしょう。良い英会話ですね」

 

そして俺の作った埴輪を見てそう語る先生、いやそんな深い意味ないよ??と言うか日本の物なら英会話じゃないと思うよ??

もう疑問は全て投げ捨て、周りを見る。クラスのみんなは何かのキャラクターマスコットや置物、もう適当にAとか英語を模したものを作っていた。

アーシアは自身の使い魔、ラッセーをモチーフにした物を作っていた。ゼノヴィアは…わからん…

 

イッセー?イッセーは多分もう検討が付いてる。そう思いそっちの方を見ると。

 

「………は??」

 

_領域、人は集中するとその極地に至るとかそう言う話を聞く。

イッセーは目を閉じ、紙粘土で何かを作っていた。無駄の無い動き、工程。

鼻血を何故か出しながら細かい手作業で作っていく。どうせアイツはおっぱいの山を作るのが関の山。だがそんな浅はかな考えを打ち破る様に、イッセーが作ったのは_

 

「ひ、兵藤君…」

 

先生も出来上がった物に驚き、ゆっくりとイッセーの肩に手をかける。

我に返ったか、イッセーは目を開き自分が作った物を見る。それは_

 

「「おぉおぉ!?」」

 

クラスメイトの生徒も、一部を除いてそれを見ると歓声を上げる。何故なら。

 

「…こ、これ俺が作ったんですか!?」

 

_リアス・グレモリーの像。言わばフィギュアと言って良いものがそこにあった。いやなんで!?しかも全裸じゃねーか!?色々やべーぞこれ!?

しかも、その出来は舌を巻くと言って良い。細かいところはすぐに目を逸らしたから分からないが、髪の流れ、表情は完璧といっていいものであった。欠点があるとすればまだ色が付いてないことだろう。

 

「す、素晴らしい…!兵藤君!キミにこんな才能があったなんて…やはりこの授業は正解だった!また一人、生徒の隠された能力を私は引き出したのです…」

 

そう先生は目に涙を浮かばせ、感動に打ち震えながら語る。いや良いの!?英会話どこに行った!?工作ならまぁ100点だろうけど、英会話としてどうなんだ!?イッセーがまさかアレほどの技術を持ってるのは驚いたが、色々どうなんだ!?

 

「頼むイッセー!!俺の作品と交換してくれ!!」

 

「誰が交換するか!!おとといきやがれ!!」

 

松田が自分の作った作品であろう謎のイモムシモンスターを持って来ながら言う。だがそんな取引にイッセーが応じるはずも無かった。

 

「なら五千だ!!五千出そう!!」

 

次に元浜が金で交換しようとする。いやダメだろ!!

 

「ならば俺は六千!!」

 

「私は七千円出すわ!」

 

「なら俺は八千!!」

 

「一万。まだまだ金はあるぜ」

 

もはやオークション会場と化した教室。イッセーの親御さんも自分の息子の才能に驚いたか、何故か嬉し涙を流してた。

 

「いやー…凄いねイッセー君。将来有望だね!」

 

「…そーだねおじさん」

 

おじさんのその言葉に、俺は気が抜けた返事しか出来なかった。

 

_▲▼▲▼_

 

「良くできているわね」

 

お昼休み。俺らが休憩がてら外に出て飲み物を買いに行った時に自販機前で偶然部長と朱乃さんに出会った。部長はイッセーが作った部長紙粘土像を持ち上げ微笑していた。いいんだ…

 

「結局売らなかったんだなイッセー」

 

「たりまえだ!!百万積まれても売らん!」

 

俺の言葉にそう自信満々に言うイッセー。そこはまぁ流石だと言って良いだろう。きっと。

 

「後は色を塗れば完成だけど…」

 

「そこなんだよ…!!部長の美しく紅い髪!!艶やかな肌!!そしておっぱい!!俺に…今の俺にそれを表現できる塗装技術があるのか…!!」

 

俺の言葉に苦悶するイッセー。もうガレキ職人になった方が良いだろうかこいつは。けどアレは全集中して出来たもの。普通の精神状態で出来るものかは分からないらしい。

 

「ちなみにマリヒコ君が作ったのは……」

 

「あ、これです朱乃さん」

 

朱乃さんのその問いに俺は自分の作ったものを見せる。

 

「…埴輪ね」

 

「えぇ、埴輪ね」

 

「埴輪ですね」

 

「埴輪だな」

 

俺以外が全員そう答える。いや埴輪ですね、まごう事なき埴輪。

 

「…英会話ってなんだろ」

 

「??」

 

俺のそのぼやきに疑問を浮かべる朱乃さん。その時木場がこちらへやってくる。

 

「あら、祐斗。お茶?」

 

部長のその問いに首を横に振り、廊下の先にある体育館を木場は指差す。

 

「いえ、何やら魔女っ子が撮影会をしていると聞いたもので、ちょっと見に行こうかなと思いまして」

 

その返答に俺たちは首を傾げながら顔を合わせる。

魔女っ子?なんだそれ。

 

_▲▼▲▼_

 

体育館、その中心にカメラのフラッシュが焚かれて、カメラを持った男達が何かを撮影していた。

 

「何々、なんだろ…」

 

「!、アレは…」

 

人集りを抜け、その隙間から見えたのは魔女っ子…と言うよりアニメの魔法少女のコスプレをした少女が魔法のステッキらしき物をクルクルと回してポーズを取ってた。

 

「アレは俺のお得意先が見てる魔法少女アニメ!『魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブ』の主人公キャラじゃ無いか!」

 

「説明どうも!けどなんで…」

 

「ごめんなさい!少し通るわ…てっ!?」

 

イッセーの謎説明口調にツッコミを入れた後部長も人垣を通り抜け、例の魔法少女を目にした途端何故か驚く。あの子は部長の知り合いか?と、突如匙が現れて人集りへ突撃し始めた。

 

「オラオラ!!天下の体育館で撮影会とは良いご身分だぜ!ほら解散解散!公開授業の日に変な騒ぎを作るな!」

 

そんな事を言いながら撮影してる人にここから立ち退くよう命じる。

カメラ男子は文句をブツクサ言いながら立ち去り、次に匙は魔法少女に注意し始める。

 

「あんたもそんな格好をしないでくれ。もしかして親御さんですか?それはそうだとしても場に合う衣装ってもんがあるでしょう。困りますよ」

 

「えー、だってこれが私の正装だもん☆」

 

匙は残ったコスプレ魔法少女にそう注意するも、相手はポーズを取り全く聞き入れてくれない。どうするんだこれ?助け舟を出すべきか?

 

「何事ですか?サジ、問題は簡潔に解決しなさいといつも言って_」

 

そこへ支取会長、基ソーナ・シトリー会長が二人の紅髪の男性と共にやってくる。

彼女ならこの問題も解決してくれるだろう。そう思った矢先_

 

「ソーナちゃん!見つけた☆」

 

と、突如魔法少女はいきなり会長の元へ走り、抱きついてきた。

どういう事だ?まさか魔法少女と会長は家族関係なのだろうか。どうも真面目な会長と対照的な魔法少女、とは言えよく見れば顔はどこか似ている気がしている。

そして会長と一緒にやってきた紅髪の男性の一人であるサーゼクスさんが構わず話しかける。

 

「やぁ、セラフォルーか。キミもここへ来ていたんだな」

 

…セラフォルー?

 

「あの、朱乃さん。サーゼクスさんが言ったセラフォルーてのは…」

 

「お察しの通り、レヴィアタン様ですわよ?」

 

………その言葉にしばらく理解が追いつかなかった。

 

「イッセー、あの方は現四大魔王のお一人、セラフォルー・レヴィアタン様。そしてソーナのお姉様よ」

 

部長がそうイッセーに説明すると、勿論イッセーも驚いた顔になり声を上げる。

 

「えぇえええぇええぇえぇ!?ま、マジですか!?」

 

その絶叫が体育館にこだまする。いやうるさい…けど気持ちはわかるが。いや俺が勝手にイメージしたせいだろうか。

てっきりこう、クールビューティーなお人だと思ったがそのイメージは粉々に砕けてしまった。

 

「セラフォルー様、お久しぶりです」

 

「あら、リアスちゃん☆おひさ〜☆元気してましたか?」

 

そう挨拶した部長に、軽い口調でそう返してきた。

こ、これが大魔王様?先日のサーゼクスさんと言い、威厳がまるで無い…とは言わないが、こうイメージと違いすぎると言うか。部長もセラフォルーさんの対応に少し困った様子だ。

 

「は、はい。おかげさまで。今日はソーナの授業参観に?」

 

「うん☆ソーナちゃんたら酷いのよ?今日の事黙ってたんだから!もう!お姉ちゃんショックで天界に攻め込もうとしちゃったんだから」

 

お願いします。そんな軽いノリで戦争の引き金引かないでください。

 

「そ、そうですか…二人とも。ご挨拶なさい」

 

そんなノリに困惑しつつ、俺とイッセーに挨拶するよう命じる部長。

 

「は、初めまして。兵藤一誠、リアス・グレモリー様の下僕『兵士』をやってます!よろしくお願いします!」

 

「お、俺…いや自分は独也マリヒコです。リアス・グレモリー様の…助っ人をしています。よろしくお願いします」

 

「初めまして☆私、魔王セラフォルー・レヴィアタンです☆『レヴィアたん』て呼んでね☆」

 

そうピースサインをしてポーズを決めるコスプレ魔法少女_否、魔王レヴィアタン様。

…え、本当に魔王様?実はドッキリとかじゃ無い?え?

 

「ねぇ。サーゼクスちゃん、この子達がオーズとドライグの力を持ってる子?」

 

サーゼクスさんをちゃん付け!?いやさん付けしている俺も俺だが、そこは魔王同士でOKと言う暗黙の了解があるのだろうか!?

 

「そうとも、彼らがその力を宿すものだ」

 

そのちゃん付けすらも何も言わず、俺らを見てそう言うサーゼクスさん。今日でこの言葉は何度も言ったが言ってしまおう、良いの?良いのかこれ?

そう思ってるとセラフォルー様がふと俺の顔をじっと見てた。え?何?何か不敬買ってしまった?

 

「え、えと何か…」

 

「マリヒコちゃんだっけ☆キミ、コスプレとか興味無い?良い線行ってると思うの☆」

 

と、セラフォルー様が突如そんな事を俺に言う。え、コスプレ?何の?

 

「…ちなみにどの様なコスプレですか?」

 

「魔法少女☆」

 

いや無い!!俺男!!!確かに髪型は金髪ポニテだけどそれは無い!?

 

「話の途中すまないが、セラフォルー殿。これは奇抜な衣装ですな。いささか魔王としてはどうかと思いますが…」

 

そこへもう一人の紅髪の男性。この人は部長とサーゼクスさんの父。流石にセラフォルー様のそのコスプレ姿にツッコミを入れる。よかった、マトモな感性を持ってる人がいた。

 

「あら、グレモリーのおじ様☆ご存じないのですか?今この国ではこれが流行りですのよ?」

 

「ほう。そうなのですか。これは私が無知だったようで」

 

丸めこまれた!!??

 

「ハハハハ、父上。信じてはなりませんよ」

 

サーゼクスさんも苦笑混じりでそう言ってくる。こ、これが大魔王様達の会話?何と言うか…こう、予想と違うような。

 

「伝えるのが遅れましたわね…余り部長もこの事は知られたく無かった事ですが、現大魔王様方はどなたもこんな感じですわ。プライベート時はこの様な感じで軽いですのよ」

 

「え、ぇえええぇえぇ…」

 

朱乃さんのその解説に俺は無意識にそんな気が抜けた声が出てしまった。部長もイッセーにそれを説明したらしく、イッセーもめっちゃ動揺していた。

そして会長はすっかり顔を真っ赤にして下を俯いてた。いや気持ちは分かる、もし身内にこんなのがいたらもうどうしようもなく恥ずかしいですよね。

 

「ソーナちゃん、どうしたの?お顔が真っ赤ですよ?せっかくお姉様である私との再会なのだから、もっと喜んでくれても良いと思うのよ?『お姉様!』『ソーたん!』て抱き合いながら百合百合な展開でも良いと思うのよ、お姉ちゃんは!」

 

そんな会長の顔を心配そうに覗いてはそんなトンデモ語りをする。

 

「…お、お姉様。ここは私の学舎であり、私はここの生徒会長を任されているのです…。いくら、身内としても、お姉様の行動は、その、あまりに…その様な格好は容認できません」

 

プルプルと擬音が出るほど体を振るわせ、目元を引き攣らせながらそう反論する会長。だがそんな事は構わずセラフォルー様は涙目ながらで反論して来た。

 

「そんな!?ソーナちゃん!!ソーナちゃんにそんな事言われたらお姉ちゃん悲しい!お姉ちゃんが魔法少女に憧れてるってソーナちゃん知っているじゃ無い!煌めくスティックで天使、堕天使を纏めて抹殺なんだから☆」

 

「お姉様、ご自重ください。魔王のお姉様が煌めかれたら小国が数分で滅びます」

 

コワイ、もう魔法少女じゃなくて魔王少女だよこれ。

 

「すいません朱乃さん。頭痛薬とかありませんか?」

 

「もう暫くの辛抱ですわ」

 

最早今日何度もあったそんなカオスな光景に俺の脳のキャパがオーバーしそうになっていた。

 

「もう耐えられません!」

 

「待って!?ソーナちゃん!お姉ちゃんを置いてどこ行くの!?」

 

と、魔王少女と会長の言い争いは完全に会長の負けであろうか、会長が涙目で体育館から出るべく走り出した。魔王少女も勿論追いかけていった。

 

「付いてこないでください!!」

 

「いやああぁあぁあん!!お姉ちゃんを見捨てないでえぇえぇえぇえぇ!!ソーたああぁあぁぁん!!!」

 

「『たん』付けはおやめになってくださいとアレほど!!」

 

…姉妹は体育館から出て行く様に追いかけっこを始めた。

…全て忘れよう。そうしよう。

 

 




カオスナコトニナッテルチュン。
こう言うはちゃめちゃ具合もハイスクールD×Dのユニークなところですね。個人的には大好きな部分です。

なおアンケートは7/10にて締め切ります。よろしくお願いします。
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