ハイスクールD×D×O〜悪魔と龍と王の物語〜   作:カノサワ

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お待たせしました。もう今年も終わりが早いものですね。
せめて今年中には4章は終わらせたいです。


第8話=会談と和平と混沌= 後半

_トッバ!タトバタットッバ!!》

 

「っ!!」

 

その音と共に俺の意識が戻った。

すぐさま周りを見回すと、会議室の雰囲気が少し変わっていた。ミカエルさんが窓から外見ていて、サーゼクスさんとグレイフィアさんが何かを話し込んでいた。

 

「よし!上手く行った!」

 

「やっぱオーズに変身すれば能力は弾き飛ばせるか」

 

その背後でイッセーの声が聞こえ、アザゼルさんが興味深そうに見ていた。そして今の自分の姿を見ると、何故かオーズのタトバコンボに変身している姿だった。

 

「い、イッセー!?部長!?これはどう言う事で!?…!」

 

改めて視線を部員みんなの方に向けると、何故か一部のみんな時が停まってるかのように静止していた。動けているのはイッセー、部長、木場、ゼノヴィアだけだ。

 

「念の為にベルトとメダルを持っててよかったわ…マリヒコ、見ての通り今動けているのは貴方達よ。イッセーは赤龍帝を宿す者、祐斗はイレギュラー神器である聖魔剣を持っていたから無事だったかもしれないわね。ゼノヴィアは直前になってデュランダルを発動させたみたい」

 

部長が俺を見て安堵した後、そう説明する。どうやらその言葉の通りにゼノヴィアはデュランダルを持っていて、使い終えた様子で別の空間にしまうように、歪みに剣を入れていた。

…朱乃さんを見ると、何かを感じたのだろうか構えたポーズをとっていたが停まっていた。これじゃまるで…俺がそう考えてる間も、部長は淡々と説明し続ける。

 

「貴方の場合は何も能力を持ってない人間だから当然停まったけど…オーズに変身させたら停まった状態が弾かれて解除されたようね」

 

どうやら停まった俺にオーズのベルトを付けて、部長かイッセーが俺を変身させた様だ。

 

「ぶ、部長。なんで急にみんなが停まったんですか?一体何が…」

 

「テロだよ」

 

部長にそう質問しようとした瞬間。アザゼルさんが遮る様に言う。

 

「テロ…!?」

 

「テロォ!?今後の世界情勢が色々大事な時にですか!?」

 

俺とイッセーがそう驚愕する中、アザゼルさんが「外を見てみろ?」と言わんばかりに顎で窓の方を示す。

すぐさま俺らが窓の方へ行くと…突然閃光が目に映る。

 

「危ない!!」

 

「わっ!」

 

イッセーを庇う様に前に立ち、備えた途端ドォ…ン、とこの校舎が少し揺れた気がしたが、会議室自体には何もダメージは無かった。

 

「慌てるなよオーズ?今来てる攻撃は俺とサーゼクスとミカエルで、強力無比な防壁結界でこの校舎を守ってる。おかげで学園から出られないが…今攻撃してる輩は、いつの時代も勢力と勢力が和平を結ぼうとすると、それを嫌がって邪魔するどこぞの集まりさ」

 

アザゼルさんがそう言いながら窓を見つめる。俺らも窓の外を見つめると、襲撃者の姿が見えた。

 

「…魔法使い?」

 

全身に黒いローブを羽織った者達が、杖を掲げると光の玉を生成し、この校舎に撃ち放っていた。

その姿を見た俺はそう感想を呟く。アイツらがテロ?

 

「一体何の目的で…!」

 

「魔法使いってのは当たりだぜ?悪魔の魔力体系を伝説の魔術師『マーリン・アンブロジウス』が独自に解釈し、再構築したのが魔術、魔法の類だ…放たれている魔術の威力は察するに、一人一人が中級悪魔クラスの魔力を持ってやがりそうだな」

 

「…じゃあ、もしかしてこの時間停止みたいなのは。アイツらの魔法ですか?」

 

俺は停まったみんなを見ながらそう言う。

出来ればその結果が好ましい。最悪な事実だけは避けたい思いでそう聞いた。

 

「いいや?恐らく力を譲渡できる神器か魔術で、あのハーフヴァンパイアの小僧の神器を強制的に禁手状態にしたんだろうな。一時的な禁手状態だろうが、それでも視界に映した者の内部にいる者まで効果を及ぼすとはな…オーズ、とりあえずアイツが裏切ったって可能性は少ないと思うぜ。何せ本気でやってたら俺たちトップ陣が何人か停まってた可能性があるし、リアス・グレモリーすら完全に停まっていた」

 

「!!…ならギャスパー君は!」

 

「とっ捕まって、利用されてるわけさ」

 

俺の疑問に答えるようにアザゼルさんが言う。

…裏切りではないことが分かり安堵すると同時に、ギャスパー君が利用されてる事実に歯を食いしばる様な思いになる。

もし俺が一緒に残っていれば、ギャスパー君を守れたかもしれない。けど今はもしもの事を考えてる暇は無い。

 

「すぐ旧校舎に行きます!!ギャスパー君を…!」

 

「待ちな。今無理に外へ出たとしても魔法使い共にやられるだけだ、それに例え突っ切って旧校舎へ近づいたとしても、ハーフヴァンパイアの小僧を人質に取られるか、取り戻されるぐらいなら殺されるかだ」

 

アザゼルさんは窓から飛び降りて向かおうとする俺を諌める様に言う。

 

「けど…!!」

 

「落ち着きなさいマリヒコ…!私達もすぐに助けに行きたい気持ちは同じ。けど下手に動けばアイツらの思うツボよ…あの子を大事な会談を荒らす為に利用するなんて…!侮辱以上の何ものでもないわ…!!」

 

部長も同じく俺を諌めるも、ギャスパー君を利用された事に怒りを感じているのか全身から紅いオーラを纏っていた。

 

「そ、そうだ!!転移とかはどうですか!?」

 

「…残念ながらこの数の魔術師がいれば、通常の転移も魔法で防がれる。恐らく相手は今日の為に念入りに策を施しているわ、アイツらはどこで情報を得たのかしら…」

 

イッセーの提案に、部長は首を横に振りながら、外の魔術師達を忌々しくみながら言う。

…相手は今日の為にギャスパー君を捕獲し、更には包囲する準備までしていた。

はっきり言って上手く行き過ぎてる、この会談は開催日はおろか、開催場所も関係者以外には伝えられてないと言う。

一瞬、俺の脳裏にある嫌な予感が浮かび上がると、アザゼルさんが窓を見ながら言う。

 

「スパイって可能性があるなこりゃ…まぁこの校舎を外で取り囲んでいた堕天使、天使、悪魔の軍勢は全員停止させられているから候補は絞られるな?まぁ自分の眷属に限りない慈悲を送るリアス・グレモリーが裏切るとは思ってないぜ」

 

「…それはどうもっ」

 

アザゼルさんは馴れ馴れしく部長の肩に手を乗せようとするも、部長はペシっとその手を払いのけた。

そんなアザゼルさんはやれやれと言った感じで、嘆息しながらその手を窓に向けると。

 

「っ!?」

 

外の空に、無数の光の槍が現れ_

 

「待った!?何を_」

 

俺の静止も虚しく、アザゼルさんが手を下げると…その槍は雨の様に、魔術師達へ降り注いだ。

 

「うわっ!?」

 

その光の槍から発せられた光に一瞬、イッセーの驚く声が聞こえた。

魔術師達はその槍を防ごうとバリアらしき物を展開するも、容赦無く貫いてしまう。

 

「ま、マジかよ…一瞬で…!?」

 

「…何を、しているんですか」

 

_校庭に、宙に浮かんでいた貫かれた魔術師達が落ちていく。

イッセーは命尽きたであろう魔術師達を見て驚愕の表情を浮かべていた。

 

「この学園は結界に覆われている。それにも関わらずこいつらは結界内に出現してきた、この敷地内に外の転移用の魔法陣とゲートを繋げている奴が…」

 

「だから…なんで殺したんですか!!!いくら何でもやり過ぎですよこれは!?」

 

…校庭に散らばる魔術師達の遺体を見た後、俺はアザゼルさんの方を向いてそう問い詰める。

だが、相手は特にそれに対して落ち着いた様子どころか、呆れた顔になっていた。

 

「おいおい…アイツらが説得程度で止まるならもうとっくに終わってる。こっちも最初に警告は出したさ?けど今の状況はこれだ。それに見ろよ」

 

そう促す様にアザゼルさんは視線を外に向ける。

俺もそれに釣られて外を見ると、校庭の各所に魔法陣が現れる。

その魔法陣が怪しく輝いた途端、先程と同じ姿をした魔術師達が現れる。

 

「…な…なんで…」

 

その光景に俺は言葉を失った。

自分らの仲間が殺されてるのにも関わらずまた現れて、この校舎に同じく攻撃を仕掛けてくる。

よく見てみれば、先程殺された魔術師以外にも、他に遺体が見えていた。

 

「さっきからこれの繰り返しだ。俺達が倒しても倒しても現れる。オーズ、残念ながらこれが現実だ。自分達の目的が達成されるなら自分の仲間や、自分が死んでも後を継ぐ者がきっとやってくれる。今のうちに自分が優しくすればきっと相手もわかってくれるなんて考えは捨てた方がいいぜ。それに…」

 

先程の戯けた声音と違い、そのアザゼルさんの声音は重みを感じるものだった。

そうこう話してる間に相手の魔術師は何かを取り出し、自分の額に充てる。それは…1枚の銀色のメダルだ。

 

「オーメダル…!?」

 

すると魔術師の額に、自販機に硬貨を入れるような入り口が開いてそれにメダルを入れると…エクスカリバー事件後に部長らに教えてもらった体からミイラのような怪人、バルパーらがヤミーと呼んでた怪物がはいでてくる。

 

「奴さん、セルメダルも持ってやがる。上からは魔術師、下からはヤミーの軍勢…無論逃げる気はねぇがこりゃ面倒だ。学園全体に貼った結界を解かないと俺達は外へ出られない。だが結界を解いたら人間界に被害を出すかもしれないだろ?ここで籠城して相手の痺れを切らしたら、アイツらの親玉が出てくるのを待ってんだがな。今回の黒幕を知りたいのも俺だけじゃないはずだぜ。下手にさっきのオーズ様みたいに外へ出て突っ走ろうなら敵の思う壺かもしれないってわけだ」

 

余裕そうにアザゼルさんは窓を見ながら言う。

更にはサーゼクスさんも真剣な顔で考えながら俺らを見て告げる。

 

「このように今、我々首脳陣は敵の下調べ。更には敵の対処中で動けない、だが先ずはテロリストの活動拠点となっている旧校舎からギャスパー君を奪い返すのが目的となるね」

 

「お兄様。私が行きますわ、ギャスパーは私の下僕です。私が責任を持って奪い返してきます」

 

部長がサーゼクスさんに強い眼差しを込めて言う。

それ見たサーゼクス様が笑みを浮かべながら言う。

 

「ふふ、リアスならそう言うと思ったよ。だが君も分かっての通り旧校舎の転移は魔術師の術に阻まれる。君の事だから考えはある筈だ」

 

「…旧校舎。恐らくギャスパーが囚われている部室に未使用である残りの駒『戦車』が保管されています」

 

「なるほど、『キャスリング』か。相手も旧校舎へ突撃して取り戻す事は想定しているから対策はされている筈だ。だがそれなら相手の虚を突ける。それなら何手が先んじえるね」

 

キャスリング。まだ勉強中だが実際のチェスでもあるルール上の技みたいなものだ、これも悪魔の駒でもあるとは勉強で知った。

『戦車』と『王』の位置を瞬間的に入れ替える術。それならすぐにギャスパー君を助けにいけれるが…。

 

「だが一人で行くのは無謀だ。相手も恐らくセルメダルによるヤミー生成を行えるはずだ。グレイフィア、『キャスリング』による転移術を私の魔力方式で複数人転移可能にできるかな?」

 

「はい、ここでは簡易術式でしか転移できそうもありませんが、お嬢様と後2人は転移可能かと」

 

「サーゼクス様!俺が行きます!」

 

サーゼクスさんとグレイフィアさんの話にイッセーが挙手する。

俺も行きたいところだが、問題があった。

 

「俺も行きたいけど…転移は眷属じゃないと出来ないんですよね?後1人は…」

 

「それなんだがマリヒコ君。君に会談が終わり次第渡そうと思った物があったのだが…変身してるから気づかなかったかもしれないが、自分の左腕を確認してみてくれ」

 

俺の言葉にサーゼクスさんはそう促す。

何かと思い自分の左腕を触ってみると、何かが巻き付いてる感覚はあった。

 

「君が停められてる際に勝手で済まないが、ある腕飾りを取り付けさせて貰った。その腕飾りの機能は後で説明するが…それを付けていればリアスの眷属同様リアスの転移術に対応できる。どうする?」

 

「!…それなら俺も行きます!」

 

まさかの願ってもいない贈り物で俺は声を上げるように言う。

それを待ってたと言わんばかりに俺に笑みの表情を見せた後、サーゼクスさんはアザゼルさんに視線を向けて言う。

 

「アザゼル。この部屋に何か仕込んでいるだろう?」

 

「あららバレたか。まぁもしもの時の外部支援を呼ぶ転移術だ、1人しか呼べねぇけどよ」

 

その問いにアザゼルさんは悪びれもしない様子でサラリと言った後、指をパチンと弾く。すると…地面から魔法陣が現れ、アザゼルさんに跪く様にそこから何者かが現れた。

 

「…!」

 

「お前は…!」

 

俺とイッセーがその現れた人物に目を見開かせた。

…見覚えのある黒く長い髪。

その人物は黒い皮ズボンに、黒のライダースにサングラスをつけた女性。だがその人物とは出会った事があった。イッセーがその人物の名を喉を絞り出すように言う。

 

「れ…レイナーレ!?」

 

「…アザゼル様、ただいまここに。そして久しぶりね?貴方達」

 

その人物…レイナーレは立ち上がり、俺達を見るなりそう言う。

部長はレイナーレを見て何かに気づくような顔になる。俺とイッセーも部長の視線の方を見ると、レイナーレの腰部分に付けられたベルトを見て。それが何かがわかり、それを聞くように俺が呟く。

 

「この間の銀のスーツが付けてた…」

 

「そ、今は私はこのベルト…バースシステムの実験台。そっちは色々言いたい事もあるでしょうけど、それはこの事態が終わった後ね」

 

…前に会った、基敵対していたレイナーレは自身溢れるような笑みを浮かべていた。

だが今の目の前の彼女は、サングラスを付けて相手の目はよく見えないがどこかやさぐれた様子を見せていた。

 

「そう言う事だ。それと赤龍帝にリアス・グレモリー、話があるから少しこっちに来な」

 

「お、おう…それとさっきから赤龍帝とかオーズて…俺には兵藤一誠と言う名前と、アイツは独也マリヒコて言う名前があるんだぞ?」

 

「…アザゼル。貴方は一体何を考えているの」

 

そこから横入りするようにアザゼルさんがイッセーと部長を呼ぶ。

二人は怪訝そうな様子を見せながらもアザゼルさんの方へ移動し、何か話し込み始めた。

 

「…マリヒコ。アーシアは元気してるかしら?今は停められてるけど…」

 

唐突にレイナーレがそう俺に聞き始めた。

 

「…うん、イッセーや部長達と一緒に生活してて元気してる」

 

「そう」

 

俺の答えにサラリとした様子で言う。

いや、自分で聞いておいてその反応は少し無いと思う。

 

「自分が狙った獲物がどうなってるか少し気になっただけよ。あぁ、安心なさい?今アーシア…基アザゼル様が許可した者以外に手を出そうものならこの首輪が反応して、私の喉をレーザーで掻っ切るから手出しはしないわ」

 

レイナーレが自負する様に自分の首に付けられた、白い十字架みたいな模様が刻まれた黒いチョーカーを指差す。恐らくアザゼルさんが会談時に言ってたレイナーレの堕天使としての能力を封じる首輪だろうか。

 

「今の私は至高の堕天使どころか、堕天使の力も封じられてる。まぁ死刑になってもおかしくなかった事をしでかしたから、ある意味ラッキーね」

 

「…じゃあこの間のコカビエルとの戦いに乱入したのは」

 

「アザゼル様の命令よ」

 

そう言うも彼女は、自虐的な笑みを浮かべる。

この間の戦いのこともそう言うことらしい。

そしてアザゼルさん達の話が終わったか、イッセーらがこちらへ来る。

近づいてきたイッセーの手に何か腕輪サイズの輪っかが二つあった。

 

「お、イッセー…それは?」

 

「あぁ。なんでもアザゼルが作った『禁手』を対価を支払わずに出来るやつだって。まぁ最後の手段に使えって。それとこれも渡しとけって」

 

マジか!?前から思ってたけどアザゼルさんて色々作れるんだな。

バースと言い、禁手を行える腕輪。けどなんでここまで色々作っているかも疑問に思った。

そしてイッセーが俺に何か渡す。これは…剣?青いラインが走った全体的に黒い片刃の剣だ。

 

「なんでもメダジャリバーて言う剣でな?念じて使えば相手を切らないでスタンガンみてーに気絶に留めれるってよ」

 

「あ、あぁ」

 

俺は怪訝そうにメダジャリバーと呼ばれた剣を受け取るも少し困惑する。

嬉しいと言えば嬉しいが、この剣をしまう場所とかは後で考えるべきだろう。

…イッセーと部長がレイナーレに顔を見合わせた途端、お互いに微妙な空気が走る。

 

「……」

 

「……」

 

「お嬢様、こちらへ」

 

「…えぇ」

 

お互い言葉を交わさなかった。

部長はグレイフィアさんの方へ行き、部長の額にグレイフィアさんの指が当てられて何か術式らしき物が施される。

 

「おいヴァーリ、レイナーレ」

 

「なんだ?アザゼル」

 

「…」

 

アザゼルさんが二人を呼ぶと、窓を見ながら言う。

 

「お前達二人は外で暴れて敵の目を引け。白龍皇や未知の敵が前に出てくれば、野朗共の作戦も多少は見出せるはずさ。ヴァーリは魔術師、レイナーレはヤミーを頼む」

 

「なるほど、この堕天使の存在はあっちは知らない訳か。だが旧校舎のテロリストごと、停まってる原因でもあるハーフヴァンパイアを吹き飛ばした方が早いんじゃないのか?」

 

「なっ…お前!!」

 

作戦を聞いたヴァーリは当たり前の様に言う。俺はその言葉に反応する様にヴァーリに掴み掛かろうとするも、アザゼルさんが手を上げて抑えるようにしながら言う。

 

「和平を結ぼうと言うのにそれはやめろ。無論どうしようも無い時はそうするが、魔王の身内を助けれるなら助けた方がいい。下手に喧嘩を売る様な発言は抑えとけよ」

 

「了解」

 

それにヴァーリはやれやれと思う様子を見せながらも、同意はした様だ。

そしてヴァーリは魔術師の方へ向き、カッと何かが光るとヴァーリの背中に、光の翼が展開された。

 

「アレが奴の神器…」

 

「_禁手化(バランス・ブレイク)

 

《Vanishing Dragon Balance Blaker!!!!!!!》

 

イッセーがそれを見てる中、ヴァーリが禁手を発動する様に呟くと、その音声の後にヴァーリの体に白いオーラが纏う。

その光が収まると…頭部を除く全身に、白い輝きを放つ龍を模した様な鎧を身に纏っていた。

最後に頭部に兜が覆った後にヴァーリはこちらを一目見た後、会議室の窓を開いて背中の羽を展開して飛び出した。

 

「アレが本当の禁手化か…俺があそこに辿り着くまでどれ程の努力をすりゃ…!」

 

ドォン…!と、外に爆風を巻き起こし、魔術師やヤミーを一掃する様に光の軌跡を描く様に飛ぶヴァーリ。

それを見たイッセーが戦慄する様に言う。

俺もそれに言葉を失った…強い。強すぎる。

魔術師らもヴァーリに魔力による弾丸の集中砲火をするも、それも通用せず成す術もなくやられていくだけだ。

 

だが、それでも止まらず魔法陣が展開して新たな魔術師が出てきて、ヤミーを作り出していった。

 

「これ、私が出る必要あるかしら…アザゼル様」

 

「あぁ。変身許可認証だ」

 

その一騎当千を見たレイナーレがそう愚痴るも、アザゼルに何か確認する様に聞いたのち、ポケットから1枚の銀のメダル…セルメダルを取り出す。

それを指でコイントスの様に弾き、落ちる瞬間に握る様にキャッチして…。

 

「変身」

 

それをベルトにガチャンと装填する。

そしてハンドルをガチャガチャと回すと…カポォン、と全身にカプセルの様な機械が展開され、ガシャンガシャンとレイナーレの身体中に鋼のアーマーが展開される。

最後に頭部のアーマーが展開されると、そこにはこの間現れたSFアーマーの人物…バースがその場に佇んだ。

 

「アレが…」

 

「あぁ。俺が開発したセルメダルを燃料にした新兵装。バースだ」

 

更にはもう一度ベルトにメダルを装填し、ガチャガチャとハンドルを回すと…。

 

《Cutter Wing》

 

バースの背中に金属の羽が展開され、先程のヴァーリと同じく窓から出て飛び立つ。

背部のウィングからブースターを吹かしながら飛び、バースが何か大きな機械式の銃を取り出してそこからヤミーらに発砲していく。

流石にヴァーリ程の無双ぷりは見せないが、いきなり現れた敵に魔術師らは動揺しながらも対応していった。

 

「アザゼル、君は何を考えているんだ?メダルの研究だけでなく神器集め。『神滅具』所有者も何名か集めてたそうだな?神もいないのに神殺しでもするつもりだったのかな?」

 

「備えていたのさ」

 

サーゼクスさんがそうアザゼルさんに問うも、首を横に振りながら答える。

 

「備えていた?戦争を否定するばかりで不安を煽る様な物言いですね?あの様な兵器まで作るとは」

 

ミカエルさんは呆れながらも外で魔術師と戦うバースを見る。

 

「言ったろ?お前らとは戦争はしないさ。こっちからも戦争はしかけない。だが平和を保つためには自衛の手段が必要だ。だがその自衛はお前らの攻撃に対してじゃない」

 

「では、何者に対して?」

 

「_『禍の団(カオス・ブリゲード)』」

 

「…カオス」

 

「ブリゲード?」

 

アザゼルさんが呟いた単語に俺とイッセーが言う。

そんな物は聞いたことないし、サーゼクスさんも知らないのか、眉を寄せている様子だ。

 

「恐らくは今回の事件の組織犯だ。判明したのはつい最近だが、それ以前からはうちの副総督シェムハザが不審な行為をする集団に目をつけていたのさ。そいつらは三大勢力の危険分子を集めているそうだ。無論禁手に至った神器持ちの人間も含まれている。『神滅具』持ちも数人確認してるぜ。まぁメダルに関してはほぼこっちが保管してるから多分『青』のメダルはあっちが持ってるだろうが…」

 

「その者達の目的は?」

 

その説明にミカエルさんがそう聞く。

 

「破壊と混乱。単純だろう?この世界の平和が気に食わないのさ…テロリストだ。しかも最大級にタチが悪い。組織の頭は『赤い龍』と『白い龍』の他に強大で凶悪なドラゴンだよ」

 

『_ッ!!』

 

アザゼルの言葉に、俺とイッセー以外の全員が絶句していた。

こんな事を引き起こした者のボスが並のものじゃないのは確かだが、みんながそこまでになる者とは一体…。

 

「…そうか、彼が動いたのか。『無限の龍神(ウロボロス)』オーフィス_神が恐れたドラゴン…この世界が出来上がった時から最強の座に君臨し続けている者」

 

サーゼクスさんが険しい表情を見せながら言う。

ウロボロス…オーフィス?世界が出来上がった時から最強?そんなとんでもない事実に混乱する中、突如聞きなれない声が耳に入る。

 

『そう、オーフィスが「禍の団」のトップです』

 

その声と同時に会議室の床にまたしても魔法陣が浮かび上がるが、それは堕天使の物や部長が展開する魔法陣の模様じゃない。

 

「そうか、そう来る訳か!今回の黒幕は…グレイフィア!早く三人を飛ばせ!」

 

「はっ!」

 

サーゼクスさんが何かに気づいた様な顔を見せた後、突如グレイフィアさんに急かす様に言う。

すぐさまグレイフィアさんが俺とイッセーと部長を会議室の隅に誘導する様に急かすと、三人は収まるぐらいの小さい魔法陣が展開された。

 

「皆様、ご武運を」

 

「ちょ、ちょっと!?グレイフィア!?お兄様!?」

 

魔法陣の光が、俺達を包み込んでいく。

まだ分からないことばかりだけどやる事は理解した。

ギャスパー君を助ける事だ。




次回のハイスクールD×D×O。

「ギャスパー君!!」

「悪魔に、悪魔の飼い犬に成り下がった欲望の王か!」

「みんな…もう、嫌です…」

「こちらレイナーレ。新たなる敵を確認…」

「なるほど、面白い」


囚われし吸血鬼と裏切りと
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