カテレアからセルメダルで生み出されたヤミーを撃ち倒したイッセー達、だがキバの猛攻。そしてヴァーリの手は治ることはない。
そしてキバはまだ見せぬ力を、発揮していくのであった。
「まぁな。それともう一つ面白いものを見せてやるよ」
第11話=牙と怒りと破壊=
《Kamen Ride》
=▪️と怒りと破壊=
《Kabuto!Change_》
《Beetle!!》
=兜と怒りと破壊=
「姿が…変わった!?」
「おいおい!?キバ!お前は何もんだ!」
「あぁ、今の俺の姿はキバじゃ無いぜ?…カブトだ」
_▲▼▲▼_
「カブト…!?」
「どう言う事だ!」
突如姿が変貌したキバ_否。カブトと名乗った相手に俺とイッセーは動揺を隠せずにいた。
そんな中突如、ドォ_ン!と衝撃音が響き渡る。
俺らがその方向を見ると、カテレアが地面に打ちのめされるように倒れていた。
その近くに、龍を模した黄金の鎧を纏ったアザゼルさんが舞い降りる。
「もう諦めろ…なんて言っても諦める気はねぇだろ?なら、せめて苦しまねぇように一瞬で…」
「…えぇ、諦める気もありません。そして、タダでやられる気も!」
トドメを刺そうとアザゼルさんが近づいた瞬間、カテレアの右腕が突如触手のような物に変異して、アザゼルさんの左腕に巻き付かれる。
「っ!!」
「獲物を前にして舌舐めずりするとは、油断した証拠ですね…!」
そうカテレアが勝ちを確信したような笑みを浮かべた途端、その体に謎の紋様が浮かび上がった。
それを見た部長が目を見開かせて言う。
「あれは…自爆用の術式だわ!!」
「なにっ!?」
イッセーはそれを聞いて驚く。勿論俺達も例外で無く最悪な事態が脳裏を走った。
レイナーレが銃を向け、引き金に指をかける。
「このっ…!!」
「下級堕天使!!私を撃ちたければ撃ちなさい!!この状態で私を撃ち殺せばそれと連動し、私と繋がれているアザゼルも呪術により死にます!!」
「…ふざけるな!!アザゼル様!!今お待ちを!!」
そのカテレアの言葉にヘルメットで顔は見えないが、レイナーレはハッとした様子を見せ、怒りの怒号と共に引き金を引いて触手に向けて発砲する。が、その弾丸は触手から弾かれてしまう。
「無駄です、その触手は私の命を吸った特別性。貴方のガラクタでは傷一つ付けることはできません」
「レイナーレ!!お前ら!!すぐ離れろ!!犠牲覚悟で俺をぶっ殺そうてか…面倒な事をしやがるぜ」
「みんな!アザゼルから距離を取りなさい!…彼も堕天使の総督なら自分で何とかする筈。今は自分の命を優先なさい!」
アザゼルが周りに叫ぶ様に言った後に部長も俺達にそう指示を下した。
俺たちが急いで離れると部長が魔法による防御防壁を展開し、爆破に備えた。
すると_アザゼルさんがなんと、ザシュッ。と自らの右手の籠手で自身の左腕ごと、触手を切り離した。
「アザゼル様!?」
「貴様!自分の腕を切り落としてまで…!?」
レイナーレとカテレアがその行動に驚愕した途端_アザゼルさんが光の槍を手に持ち、それをカテレアの胴体に投げ貫いた。
「片腕で自分の命が買えるなら安いもんだ」
荒い息を着きつつ、鮮血が流れ出る自身の左腕の傷を見つつそう嘆息するかのように言い放った。
そしてカテレアは叫び声を上げる暇もなく、切り落とされた左腕を巻き込むように塵と化して消え去った。それと同時にアザゼルさんが纏っていた鎧が光放たれた途端解除され、一つの宝玉とへと変化しアザゼルさんの手に舞い降りた。
「アザゼル様!!ご無事ですか!?」
「っ…チッ。人工神器の限界か、レイナーレ。俺はこうして生きてるからそう慌てなさんなって?よし、核の宝玉も無事だ…まだ改良の余地がある。もう少しだけ付き合ってもらうぜ?『
心配するかのように声を上げるレイナーレに、アザゼルさんは軽く笑みを浮かべて自分の無事を伝えたのちに、手に持つ宝玉に軽くキスをした。
「さて、どうするヴァーリ?…アイツは片腕を無くしても強そうだな」
「そうだな。俺のライバルたる者があんなのではつまらない戦いになりそうだしな」
そんなアザゼルさんを見て、カブトはヴァーリにそい問いかけた途端、突如ヴァーリはイッセーを一瞥して言う。
「は、はぁ?んだよ!」
「全く。残酷な運命だよ、俺のような魔王の血筋を受け継いだ上に伝説のドラゴンの力を持つ。そんな最強な存在がいる反面君みたいな凡人が伝説のドラゴンの力を持った様な者がいる。時たまに名だたる英雄みたいな普通の人間が…なんて、少しは期待したけど、君は弱すぎる」
イッセーが苛立つ様子で言うも、相手はそれに関わらず延々と語り始めた。
更には哀れみかのような。蔑んだ様子を隠さずにまだ続けて言う。
「兵藤一誠。君の事は調べてある、父は普通のサラリーマン、母は専業主婦でたまにパートに出ているくらいだ。両親の血筋は実は偉大なる英雄や悪魔か天使の血を受け継いだ。なんてものは無かった、全くもってつまらない…君自身は悪魔に転生する前はただ単に。ブーステッド・ギアを体に宿した事以外は何も特別なことはないただの高校生な訳だ」
そう一方的に語りかけた後、次に俺の方を向いて語り始める。
「勿論独成マリヒコ、君の事も調べてあるさ…あの事故以外を経験した事以外に、オーズの力を手に入れた以外に君は特別な事はない…あぁ。死んだ両親が金持ちだったって事は一般的に言えば特別か、全く。何故君はそんな力持っておいて、経験をしておいて欲望の王。オーズとして身勝手に振るわないか…理解に苦しむね」
__ヴァーリの言葉に。俺は一瞬ぐらりと来た。
何故、アイツがそれを知ってるか。俺の両親の事について言っていた。
奴に問いただしたい。が、喉が詰まる_奴はなんて言った?俺の脳に繰り返されるようにその言葉が響いた。
『何故君はそんな力持っておいて、経験をしておいて欲望の王。オーズとして身勝手に振るわないか…理解に苦しむね』
理解に苦しむ?何を言っているんだ、奴はまだ続けて言う。
「君は理不尽に全てを奪われた。失った、そして王の力を手に入れた…なら全てを統べる為に力を使う、なんて期待はしていたが…ガッカリだよ。君ら二人はつまらない存在だ…あぁ。そう言えば君を引き取った人がいたね。いい事を思いついたよ」
_ぐらつく俺の脳裏にも分かるほど、次の言葉はハッキリと理解した。
「俺が君の両親、そして身内引き取り人を殺そう。そうすれば君達は俺に復讐するための力を付ける。実に良いシナリオじゃないか?君の両親はどうせ普通に暮らし、普通に老いて普通に死ぬ。それに君が住んでる店だってそこまで経営はよくないだろう?どうで遅かれ早かれ潰れる。そんな無価値な人生を送るより、俺が君らの人生を華やかに仕立ててあげようじゃないか」
「…ふざけるな。なんでお前のためになんか」
狂っている。そんな身勝手な事のためにイッセーの両親、俺のおじさんを殺す?そんな事が許されて良いわけじゃない。拳を握り、前に踏み出そうとした瞬間。
「殺すぞ、この野郎」
_ぞくりと、その言葉にさっき怒りに塗れてた俺の頭が一気に冷める。
殺気…それを持つ声音を放ったのはイッセーだった。アイツはヴァーリを睨み、言い返すような。怒りを乗せた言葉で言う。
「…お前の言う通り、俺の父さんは朝から晩まで働く普通のサラリーマンだ。俺の母さんは朝昼晩に俺たち家族にうまい飯を作ってくれる普通の主婦だ。…でもよ、俺をここまで育ててくれた最高の親だ…それに、マリヒコのおじさんの店だって美味くて安くていい店だ、あの店は俺達学生の為に安くしてくれてるんだぞ。それをなんだ?くだらないとか好き勝手言いやがって…!」
ギリィッ、とこっちまで聞こえるほどに歯を悔い縛り、喉から絞り出すように言う。
「…殺す?俺の父さんや母さん。マリヒコのおじさんをもか?それに俺だけじゃなくてマリヒコの事を色々勝手に調べやがって…てめぇ。とことん気持ち悪い野郎だよ…お前の身勝手な願望の為に、余計な事をするってんなら…!」
その怒りに連動するかのように、籠手が赤く光を纏い始める。
「_テメェなんぞ!!俺がぶち殺して二度とふざけた言葉吐かせねぇようにしてやるよおおぉォォォォ!!」
《Welch Dragon Over Booster!!!!》
_イッセーを中心に赤い光が放たれると、フェニッス戦で見せたあの鎧…『禁手』の証である『赤龍帝の鎧』が展開される!!
アザゼルさんが作った腕輪で恐らく代償は支払わずに済むだろうが、恐らく限界はある筈だ。
そしてヴァーリはそれを見て高笑いを上げる。
「…ははは、見ろ!アルビオン。兵藤一誠の力が桁違いに上がったぞ。怒りという単純明快な理由で引き起こされた力だが…だが、良い…心地良い龍の波動だ!」
「うるせぇェェ!!ペラペラペラ好き勝手喋りやがってよぉおおぉ!!」
ゴォッ_!!と背中からブースターのように炎を吹き、一気にヴァーリに接近する様に跳び、右拳をして顔面向けて穿つ!
すると、ヴァーリは先程まで露出してた頭部にマスクらしき装甲を展開し、その拳を片手で受け止める。
ドォ_ン。とその反動は凄まじく、周りに強烈な風圧が吹き荒れるもヴァーリは平然そうにイッセーの拳を片手で握りながら言う。
「しかし、頭が悪いのが痛手だな。兵藤一誠!君はドライグを使いこなすには知恵が足りなさすぎる。余りにも罪深いと思わないかい?」
「知るか!!」
頭に血が昇ったイッセーはその言葉に反撃するように左手の籠手で この間ミカエルさんから貰った剣_アスカロンを展開し、慣れない様子で相手に振るう。
「む、それは龍殺しの剣か…だが、当たらなければどうと言うこともないさ」
パッと握ってた拳を離すと、ヴァーリは余裕そうに回避する。
「イッセー!私も…」
「今行く!」
俺と部長は、イッセーの援護をするべく駆けようとすると_カブトが邪魔をするように前に出る。
「おいおい。折角の二天龍の戦いだ、邪魔は野暮だぜ?」
「…部長!みんな!俺はコイツをぶっ倒す!だからそんな訳のわからねぇ奴は頼みます!」
ゴォッ!!とイッセーとヴァーリがそれぞれの力を推進力とし、空へ飛び始める。
「…カブト、お前の目的はなんだ。さっきはヴァーリの部下とか言ってたけど」
「目的?俺は自分の目的を持って世界には現れない。世界が俺に役割をやるのさ」
俺の問いに、カブト訳の分からないのようなあやふやな返事を返す。
部長もイラつくような声音で問いただす。
「…つまり『禍の団』の仲間で良いかしら?」
「そう思いたければそう思ってもいい…あぁ。確かな事は一つあったな」
と、ふと思いついたかのように。一言だけ語った。
「世界の破壊。それが俺が持つ、俺自身の役割だ」
「………は?」
「オイオイオイ。盛大に出たじゃねぇの…どこぞのインドの神様かよお前??」
世界の破壊。突拍子も無い言葉に俺は言葉を失い、アザゼルさんも呆れたように言う。
「破壊からしか生まれないものもある。そう言うことさ」
「部長。これ以上ふざけた戯言に付き合う必要はありません」
「あぁ、斬り捨てよう」
カブトの物言いにそう木場とゼノヴィアは切り捨てるように言って構える。するとカブトは1枚のカードを取り出してベルトに装填する。
《Attack Ride》
「来るか!」
「みんな!戦闘体制に」
木場が己の聖魔剣を構え、部長が号令を。
《Clock Up》
「…え?…っ!?」
「なにっ…!?」
「み…見切れなかっ…!?」
上げようとした瞬間、俺、だけでなく木場とゼノヴィアが何かの衝撃を追い、倒れていた。そして。
「王手…チェックか?」
「…早い…!?」
…カブトが短剣のような物を部長の首に突き立てていた。
そしてカブトが倒れている俺達を一瞥しつつ、レイナーレを見て告げる。
「さて、大人しく降伏して『禍の団』の指示に従う…何て言って言う事を聞くわけ無いか!」
その途端、カブトが部長から短剣を離し自分に飛んできた光の槍を短剣で叩き壊した。
その隙を見て部長はカブトから離れるように後方に跳躍しつつ、飛んできた方向_光の槍を片手で放ったであろうアザゼルさんを見て軽く大きな声音で言う。
「アザゼル…助けてくれた事には礼を言うけど、私に当たる所だったわよ…!」
「堕天使総督の腕を舐めるなよ。て言うかお前…」
「…軽く時間操作してるよな?なんだそのカードやベルト。無茶苦茶だ」
アザゼルさんがやれやれと部長に言ったのちにカブトの方を見る。
…時間操作?どう言う事だ?するとギャスパー君が震えながら必死な声で呟き始める。
「あ…あの人だけ時間の流れがおかしい…あの人だけ別の時空にいるみたいな…わ、わかりづらくてごめんなさいぃ…!」
「へぇ、わかるか?」
今でも泣き出しそうなギャスパー君に、少し感心したかのように言うカブト…訳が分からない。アイツはただ単に早く移動していた訳では無さそうだ。
「お前の神器の力で何となくわかるみたいか…おーっとカブト。それ以上は言うなよ?こう言うのは当てるってのが醍醐味だ。お前」
アザゼルさんが少しふむ、と考え…カブトに言い放った。
「自分以外の時間の流れを遅くしてるな」
_その答えにカブトは、パチパチと拍手する。
「流石だな」
部長は信じられない、と呟きながら続けて言う。
「…そんな無茶苦茶な」
「部長…僕も信じたくはありませんが、アザゼル総督の言ってる事は確かかと…『騎士』たる僕の目すら捉えきれない速さ…!」
「無茶苦茶だな…!分身はする、自分以外の時を遅くする…君は何者だ…!」
木場がゆっくり立ち上がりながらカブトを睨みつつ、ゼノヴィアも立ち上がって問いただす。
「…世界の破壊者だ。俺の本当の名を知りたいなら生き残りな?さもないと…」
カブトは、俺たちに短剣を突きつけて告げる。
「ここで全員倒す」
大分時間を置かせてしまい申し訳ございません…!
本当はこの回で決着を付けたかったのですが、次回に回す事になりました…申し訳ございません。