ハイスクールD×D×O〜悪魔と龍と王の物語〜   作:カノサワ

53 / 55
もう7月ですねあはは。
すいません本当に遅れて…他に書きたいものを書いてたら遅れました。


第12話=宝玉と覚悟と白い獣=

 

「…世界の破壊者だ。俺の本当の名を知りたいなら生き残りな?さもないと…」

 

 

「ここで全員倒す」

 

 

_辛うじて俺は立ち上がり、カブトに構えを取る。

時を超えた速さで動く相手をどうするか、わからない。未知数すぎる相手にどう向かえばいいか、何度も思考を回しても答えに辿り着かない。

ゆっくりと、トラの爪を構えて一歩二歩、とジリジリ迫る。相手は余裕そうに構えを取らずに立っていた。

 

「……」

 

_一秒が長く感じる程の緊張、喉に乾きが来るような痛みが来る。

そして_地面を蹴り、俺は相手に左手に爪を振るう。今ここにおいて戦いの火蓋が切られた。

 

「大ぶりだな」

 

が、カブトはトラの爪をあっさり短剣で滑らせるように受け流してしまう、ならばと次はと言わんばかりに右手に持つメダジャリバーを相手の顔面目掛け2、3発振い始める。

 

「振りが大きい。当たる方が難しいな」

 

それでも相手は剣が当たる寸前に後ろへ下がるように回避し、刃は空を切るだけだ。

 

「聖魔剣よ!」

 

木場が冷気を纏わせた剣を創り上げた途端それを地面に突き刺し、凄まじい冷気が地面から走るようにカブトに襲いかかるも_。

_カブトは消え、1、2秒後には木場の体に何度も殴られたような打撲跡が出きて飛び上がった。

 

「っ_」

 

「先ずは一人」

 

吹っ飛ぶ前に先程まで立っていた木場の位置にはカブトが、立っていた。

そこからゼノヴィアが背後を狙うようにデュランダルを振るうも_また消えてしまった。

 

「っ!!どこだ!!隠れてないで…」

 

「隠れてないさ。お前らが追いつけないだけだ」

 

ゼノヴィアが消えたカブトを探すように見回すと、背後にからそう声をかけた。

 

「う、後ろだ!ゼノヴィ…」

 

「二人目」

 

《Clock Up》

 

その音声は、まるで処刑宣告かのように響き渡り_ゼノヴィアの全身に衝撃が入り、ゼノヴィアは膝を突くように倒れてしまった。

 

「…は、やい…!」

 

「くっ…!私の眷属を!!」

 

数秒立ち、ゼノヴィアから離れた地点に現れたカブトに部長は怒りを見せつつも、手から紅い光を溜め_。

 

《Cell Burst》

 

_ビームのような紅い光が、殲滅の魔力がカブトに襲いかかる。

地面を抉りながらもカブトを呑み込み、全てを抹消させた。

 

「隙だらけだ」

 

筈だった、部長の背後にはそいつがいた。部長の渾身の力を込めた滅びの光は異常とも言える速度であっけなく躱された、が。

 

「ファイアァッ!!」

 

レイナーレが大砲のように変形させた銃を構えて引き金を引き、そこからビームの様な太い光線を撃ち放つ。

_部長が魔力を貯めた瞬間にレイナーレは既に追撃の準備をしていた。

カブトの動きを見て、ある一つの仮定を立てたのだろう…あの超高速移動には僅かながら隙がある。

 

使用出来る時間、使用後にまた使えるようになるまでの間の時間…それはおそらく僅かだがあるはず。せめてそれを突ければ_!

 

《Attack Ride_Slash!!》

 

_その僅かな希望すらも嘲笑うかのようにカブトはいつの間にか持ってた短剣とは違う、少し変わった剣でレイナーレの砲撃を弾くように斬り捨てた。

 

「なっ…!?」

 

「目の付け所は良かったが…残念だったな」

 

驚愕するレイナーレにそう揶揄うように告げる。

木場とゼノヴィアが少しは体調を立て直したか、カブトを睨みつつ起き上がっていく。

 

「…強い。強すぎる…!」

 

「ただ速いだけじゃ無い…状況判断と言い、奴は恐らく多くの戦いを経験している…!」

 

ゼノヴィアは相手を解析するように言いつつ、構え直す。

そしてカブトは右手に剣、左手に短剣と言う二刀流の構えを取る。

 

「なるほど、腕は良いがまだまだか…オーズ。コンボはどうした?どうせならそっちでも来い」

 

相手は俺に向けてそう挑発するように言う。

俺はそれに多少の苛立ちを覚え、メダルを取り出そうとした途端_。

 

「お前の全てを奪った力でな」

 

_その言葉にまた。あの時の地獄が脳裏によぎった。

 

「……お前に」

 

…メダルを取り出さず、ただメダジャリバーを握り締めカブトに近づく。

 

「お前達に…」

 

ギリっ、と歯を食いしばり。一歩、二歩とだんだん歩く速度を上げていって…カブトに走り出しながら、喉から絞り出すように声を上げながらメダジャリバーを振るう_!!

 

「俺の何を知ってるって言うんだぁあっ!?」

 

自分の過去を、過ちを見ず知らずの他人に抉られるように語る奴らに怒りをぶつけるように力任せで振るった剣は_。

 

「知るかよ。知ってる事くらいしかな」

 

あっけなく滑るようにカブトの剣で防がれ、いつの間にか短剣を手放してた左手に俺の右腕が掴まれ、拘束されるように締め上げられた。

 

「っ!?」

 

「なぁ。お前何のためにここにいるんだ?」

 

腕を締め上げられる中、カブトは背後から囁く。

 

「何を…!?」

 

「グレモリー。シトリー、そんで他の勢力の奴ら…正直言ってお前より強い奴がわんさかいる。欲望の王?力を手に入れて最強になったつもりでイキがってんのか?自分はなんでも出来る。自分は全てを超越できる」

 

半ば呆れたようでカブトは耳元で言ってくる。

 

「んなわけねーだろ…力に怯え、一度は捨てようとしたお前は…」

 

「一番の役立たずなんだよ」

 

_その言葉に、ハッキリと俺の心に何か食い込むような感覚が襲いかかった。

 

「なっ…何を!?」

 

「そうだよ。コイツは一度川にオーズのベルトとメダルを投げ捨てようとしたんだぜ?…笑えるよな、そんな事をしたらコイツはどうなる」

 

部長はカブトの言葉に動揺するも、言葉は終わらない。

 

「ただの人間。神器も宿ってねぇ役立たずだ、まぁ別に良いよな?自分から唯一の取り柄、意味を捨てようとした奴にはこの場にいる資格は無い」

 

そして俺の腕を向こうへ放り投げる。

そう追いやられた俺は力が抜けたように立ち上がれず、膝をついた。そんな俺を見てカブトは忠告するような口ぶりで告げた。

 

「ベルトとメダルを捨てて立ち去りな。お前の相手は飽きた」

 

「っ…」

 

そんな言葉が俺の心に突き刺さり、完全に何かが折れた音が内側から聞こえた気がした。

 

「…貴様!」

 

「好き勝手暴れるだけじゃなくて、仲間の侮辱までするかっ!」

 

木場とゼノヴィアが殺気を載せた声音と共に剣を構え、カブトに立ち向かう。

…キン、キンと恐らく金属音が弾ける戦闘音が聞こえる、が。だんだんそれが遠くに聞こえてくるように感じた。

 

「…」

 

どうする。立って立ち向かうべきだ、なのに足に力が入らない。

役立たず、ずっとそんな言葉が頭の中に駆け巡る…俺は、ベルトを手にかけると_。

 

「うぉお!?」

 

「っ!?」

 

ドォン!と、土煙を上げて何かが落ちてくる…その方向は赤い鎧を纏ったイッセーが地面にクレーターを作り上げながら尻餅を付いていた。

 

「いっちち…マリヒコどうした!?何があったんだ!」

 

イッセーは俺の様子を見てそう心配そうに言う。

すると、向こうから純白の鎧を纏ったヴァーリも空から近づいてくる。

 

「…これがオーズの姿か。あらかたアイツに役立たずとか言われたか…ま、事実か」

 

「んだとぉ…!」

 

ヴァーリは俺の姿を見るなり、ふっと軽く笑う様子を見せながら言う。

イッセーは歯をギリっと食いしばる様にしつつ、立ち上がりながら兜越しにヴァーリを睨みつけるような仕草をする。

 

「兵頭一誠は意外とやるようだが…オーズは最早負け犬か。ははは…」

 

「うるせぇぞテメェ!!もう一発喰らわせてやろうか!?」

 

続け様に言うヴァーリにイッセーが拳を突きつける。

 

…よく見ればヴァーリの鎧には所々傷があり、少しずつ修復するようには傷は消えて行ってはいた。

 

《奴にはアスカロンや相棒の拳でダメージを与えている。だが奴の『禁手』による活動時間と相棒の不完全な『禁手』の活動時間は差がある。いずれはこちらがやられる…どうする》

 

ドライグは解説するように語りかける。

その言葉通りにイッセーとヴァーリには完璧な差がある。このままではやられる。

すると、イッセーがへへっと軽い笑い声を上げながら何かの宝玉を見せる。

 

「…アイツにぶっ飛ばされる前に剥ぎ取ったもんだ。マリヒコ、アイツに何言われたかは知らねーけどよ、役立たずやら好き勝手言われてお前は座り込むままか?…俺は嫌だぜ。このままやられたら部長らもやられる、この街だって危ない…そして何より!俺のハーレムたる夢も叶えられねぇ!!ドライグ!俺のイメージを伝える…できるか?」

 

俺にそうはっきりとした言葉で語りかけると、ドライグが驚愕の声音を混ぜた言葉を出す。

 

《…なんだと。相棒、確かにそれは可能だ。だが成功するとは限らん…面白い、成功すれば寿命を削る。失敗すれば死…その覚悟はあるのか?》

 

「…死ぬ?イッセー!お前何を!?」

 

その言葉に俺は座り込んだままイッセーに聞く。

 

「あぁ…コイツは白龍皇の一部。コイツを取り込んでやろうって算段よ!死ぬのは嫌だ!部長とまだアレコレしてないしなぁ!けど!これでアイツを超えてるなら多少の痛みは耐えてやるってもんだ!」

 

『ハハハハハ!!いい覚悟だ!!ならば俺も覚悟を決めよう!正気の沙汰でではないが_我は力の塊と称された赤き龍の帝王!お互い、生きて超えてみせるぞ!相棒!否…兵藤一誠!!』

 

イッセーとドライグが覚悟を決め、自らの右手の甲にある宝玉を叩き割り白龍皇の宝玉を叩き込むように埋め込む_。

 

「…まさか俺の力を取り込むだと?」

 

ヴァーリはその様子に少しは驚く様子を見せた途端_。

 

「…うがぁああああぁあああぁあッッ??」

 

「イッセー!?」

 

イッセーが悲鳴を上げながら苦しみ悶える。

が、イッセーだけでなくドライグモ悶え苦しむ声を上げる。

 

《ぐぉおおおぉおおぉお!!??や、やはり容易にはいかんか…!?》

 

《無謀な事をする。ドライグよ、我らは相反する存在だ。阿呆な考えに乗って自滅行為をするなど…まさか、こんな形で消滅する気か?呆気ない》

 

その様子を語るように淡々とヴァーリの鎧から声が聞こえる。恐らくアレがヴァーリに宿る龍_アルビオン。

 

《アルビオンよ!お前は相変わらず頭が硬い!我らは永きに渡り、人に宿り争い続けてきた!同じ事の繰り返しだった!》

 

《そうともドライグ。それが我らの運命、幾ら宿主が変わろうとも私とお前の戦い方だけは変わらなかった。お前が力を上げて私が力を奪う。神器を上手く使いこなした奴がトドメを刺して終わる、今も、そしてこれからもな》

 

《…アルビオン。俺はこの宿主_兵藤一誠と出会って一つ学んだ事はある!…バカを貫き通せば可能になることが!あるとな!》

 

ドライグが咆哮を上げるとイッセーが右手を挙げて叫ぶ。

 

「バカで結構だ!才能で勝てねぇならバカを通して勝ってやるよ!!俺の想いに…応えろォォォォォ!!」

 

そして掲げた右手の籠手が輝き始め_。

 

《Vanishing Dragon Power is taken‼︎》

 

_光が収まると、籠手は白龍皇の鎧と同じように白く染まっていた。

 

「…へへ、名付けるなら『白龍皇の籠手(ディバイング・ギア)』ってとこか?」

 

《有り得ん!?相反する力の融合など!?》

 

イッセーが落ち着いた様子で白く染まった籠手を眺めると、アルビオンが驚愕の声音を上げていた。

だがイッセーがへへっと笑みを浮かべて解説する。

 

「いや、可能性は少しあったんだ。俺の仲間が聖と魔の融合をして聖魔剣なんてものを創り上げたんだ。神様がいないおかげで世界のバランスが崩れてるから実現可能になったらしい。まぁお偉いさんの言葉を借りるならシステムエラーやらプログラムバグとかそう言う感じか?それに賭けて見たんだよ」

 

《正気か…!?神器プログラムの不備があるとは言え、実行するなど…あの聖魔剣はあらゆる奇跡が重なって起きた現象。そんなものがない貴様が相反する力の融合を行うなど…死ぬかもしれなかった。いや、死ぬ方が自然だ》

 

その解説に狼狽する様子を見せるアルビオンにやれやれとドライグは様子を見せた。

 

《だから貴様は頭が硬いと言うのだ。俺も肝を冷やしたもんだがな》

 

「…マリヒコ。今お前が逃げても誰も責やしない、部長もみんなも…お前がどうしたいかは俺は口出ししないぜ、今は…!」

 

「_あんな奴らの為に!俺らの明日を壊されない為に戦う!!」

 

ドォン!!とイッセーはドラゴンの羽を広げて飛び立つ_。

 

「面白いっ!!来い!!兵藤一誠!!」

 

 

再び赤き龍と白き龍が天に戦う姿を見て、俺はつぶやく

 

「…俺らの明日」

 

…役立たず。無能。何もない。

正に、今の俺にピッタリな言葉だ、全てが燃えたあの時みたいにただいまみたいに膝をついて…

 

「…」

 

だけど、足に熱がこもり力が入る。ゆっくりと立ち上がっていく。

今向こうでカブトと木場達が戦っている。俺が割行っても状況は…否。

 

一つだけ、あの加速を封じる方法があった。僅かなチャンス。

 

「…っ!」

 

手をばたつかせ、不格好なフォームで走る。走る。

 

「っ…ぁあっ!」

 

胸の中にもやつくものを吐くように、息を吐いて急ぐ…!

 

_▲▼▲▼_

 

「遅い…少しはやるようにはなったじゃないか」

 

「ぐっ!?」

 

またしてもカブトの超高速攻撃に僕はダメージを追う。

多少は見切れるようになったが、それでもまだ追いつけない。

 

「…さて」

 

また、カブトは消えて…次はギャスパー君の背後に回った。

 

「なっ…逃げろ!ギャスパー君!」

 

「へ…!?」

 

呆気に取られたギャスパー君は逃げる事もなく怯んでいた。

そしてカブトは短剣を振り上げ…!

 

「まずは、一人」

 

それを、ギャスパー君に…。

 

「ギャスパー!!」

 

「っ!」

 

部長が駆け寄った瞬間_ガキン、と何かに防がれるような金属音が響き渡る。

 

「…マリヒコ!?」

 

そこにはギャスパー君に割り込むように、メダジャリバーで短剣を防いでるオーズ_マリヒコ君がいた。

 

「おいおい…何しに来た?役立たず」

 

ゼノヴィアがオーズに変身してるマリヒコ君を見て声を上げ、カブトは呆れたように言う。

 

「…みんなを助けに来た!」

 

「何を言って…!」

 

ドォン!!と振動音を叩き上げるようにカブトに蹴りを叩き込む!!

バッタの力を込めたであろう蹴りを喰らったカブトは数メートルは吹っ飛び、倒れはしないが少しよろけていた。

 

「…部長…白のメダルはありますか!?アレを!」

 

「…えぇ。あるわ!」

 

マリヒコ君がそう要求すると、部長は掌サイズの転送陣を展開し白い三枚のメダルを取り出す。

そしてそれを投げるとマリヒコ君はキャッチし、それをベルトに装填し始める。

 

「へぇ?いいのか…あの時みたいになるかもしれないぜ?」

 

カブトのその言葉に、マリヒコ君は一瞬だけその手を止める…カブトはさっきから何を言っているんだ。あの時?…カブトは何を知っていると言うのだ。

 

「…もし、俺が暴走しても…きっと部長やみんなが止めてくれるはずだ」

 

ガシャン、と再び手を動かしメダルを装填し終える。

 

「人任せか?」

 

「あぁ。結局そうだ…だからこそ」

 

カブトの言葉に軽く返し、スキャナーを構える_。

 

「俺にしか出来ないことを…やってやる!!」

 

キン!キン!!キィン!!!とメダルをスキャンし_。

 

《サイ!ゴリラ!!ゾウ!!!》

 

メダルの力がマリヒコ君の体に走り。体を変貌させる。

 

《サゴーゾ…!》

 

頭部はサイのような角を持ち、腕がゴリラのような剛腕を持つ。そして足はゾウのような硬質な質感を出していた。その白き姿は。

 

《サゴーゾォ!!!》

 

サゴーゾコンボ_古の言い伝えにおいては力そのものを象徴する姿だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。