…夢を、見ていた。
幸せそうに飛行機の席に乗り、これから向かう旅行先を楽しみにしている金髪の親子、これから先に何が起こるかも分からず。
…不意に、飛行機が揺れ始める、そして__
「っ!!!」
…目が醒めると、いつもの自室のベッドだった。
「…またあの夢か、ってて…?」
腹部に痛みが走る、視線をそれに移すと、腹部にはなぜか包帯などが巻かれてあり、治療された跡がある。
「…あり、なんで?…え、これ」
そして机に視線を向けると、"何時ものように置いてあるはずの石"が、黒く艶のある、そして青いラインが走るバックルの様なものになっていて、更にくぼみには赤、黄、緑のメダルが収められていた。
「は、え?…なんで、いつの間に?」
それを取り、ついでにバックルからメダルを取りそれを確認する。
緑のメダルにはバッタ、黄のメダルには虎、そして赤いのには…鳥?鷹…か?
「て言うかなんで?これってこないだ朱乃さんに預け…いや待て、昨日そもそも…」
…あれ、思い出せない、確かおじさんの知り合いに石を見せた後の事が思い出せない。
それにこれ、赤いメダルだ…学校に行ったら預けないと…
…"待て、これは持っていた方がいい、下手に預けるより探している人を見つけられるかもしれない"
「…うん、それもそうだな」
さ、早く学校に行かないと…おじさんには悪いけど、包帯は流石に隠しておかないと、それに"バックルとメダルは持っていた方がよさそうだ"
__
「だーかーらー、本当にいたんだってば!!俺の彼女!夕麻ちゃんが!」
「イッセー、お前まーた妄想拗らせて…」
「そうそう、お前に彼女なんてできやしねーての」
…昼休み、例の
「よっ、どうした三変態?」
「マリヒコ!ちょうど良かった、お前昨日あそこいたよな!」
「あーマリヒコ、イッセーに無理に付き合わなくていいぜ?こいつなんか彼女がいるー、とか言い出してきたんだよ、可哀想に」
…彼女?それに昨日て…
「ほら、夕麻ちゃんだよマリヒコ!覚えてないか!」
「んー…ちょい待ち、昨日?…昨日俺なら石を知り合いに見せた後帰った気が…あれ、ん?」
待てよ俺…昨日俺帰り道何かがあった気が…
「ほらイッセー、マリヒコも混乱してるだろ?」
「これ以上悲しい妄想を語るなイッセー…それより、紳士の嗜みといこうじゃあないか」
二人がイッセーを慰める様に言って来る、まぁ色々とドンマイイッセーよ。
「だーかーらー本当に…メルアドも消えてるしさー…はぁ、マリヒコ、お前も来るか?」
あー…紳士の嗜みてあれかよ。
「うん、俺はいいや、今日生徒会に呼ばれてるんだ」
「生徒会?…お前何やらかした」
「ちげーよイッセー、機械の修理だよ」
「あ、なるほどな…」
まぁ用事なくても行かないけどね…あれは俺には刺激が強すぎる。
__
放課後、俺は生徒会に来ていた、勿論問題を起こしたわけでなく…
「よっ、独也」
俺と同じ金髪の男が挨拶する、こいつの名は匙元士郎、生徒会の一員だ。
「よっす匙、今日は何を見てもらいたいんだ?」
「ああ、これだよこれ、この扇風機…古いものでさ、強や中の所が起動しないんだよ、今はいいけど夏となれば大変だぞこりゃ」
「これか…よし、それじゃバラすから離れてて、工具はあるよな?」
「ああ、あるぜ、いやー毎度毎度すまないな独也」
「良いってことよ、そいじゃ始めるか…」
俺はそう行って、工具を使い扇風機の分解を始める…匙とは数ヶ月前ぐらいに知り合った関係だ、生徒会の機械が壊れて軽い騒動が起きた時に、俺が機械を見た後直し、それから学園内じゃ機械に異常があれば俺を呼べ、て言うのが流行り出していた、まぁ人の役に立てればいいけどね。
「…なるほど、線が切れてるな…そいじゃ、今度はんだ付けとかするから待っててくれよな」
そう言って俺は、扇風機を組み立て直す、これが少し大変だ。
「なるほどな…悪いなほんと、時間取らせて」
「いいよいいよ…そいじゃ、俺はもう帰るぜ」
「ああ、またなー」
…窓を見ればすっかり夕暮れ、早く帰らんと…
__
帰宅路、おじさんには今日は遅くなるって言ってたけどもう暗くなってきたな…と、途中で人を見つける…知り合いだなあれは。
「…イッセー?紳士の嗜みに行ってたんじゃ…」
「ま、マリヒコ!!…俺の体おかしくなってるんだ!そのな、なんて言うかな…」
「…頭が?」
「ちーがーうー!!暗い所が明るく見えたり、遠くの声が聞こえたり…お前にはそう言うの無いのか!」
「な、何言ってんだおい?中二病か?」
「だから本当だって!…見ればわかるよな!」
そう言ってイッセーは突然走り出す…て、速!?なんかいつもより速い気が!
「ま、まてぇ!!」
そんなイッセーを追いかけ、走り出すけど…いや速い!
「どうだ?…俺の体がなんか変だろ」
「ぜー、ぜー…だからと言っていきなり走り出すな、キツイわおい、と言うか速いなおま…」
「ほう、これは数奇なものだ…悪魔に、人間か?」
突如、見知らぬ男の声が聞こえて来る…
「っ…!」
その男の声を聞くと、イッセーの顔が突然強張る。
「ど、どうした!?」
「マリヒコ!逃げるぞぉ!!」
そう言い放つと同時にイッセーが俺の手を掴み走り出す…いや痛い痛い握らんといて!?
「あばばばばば!!??腕が取れる取れる!!」
「て、悪い…ここまで逃げれば大丈夫だろ」
…いつの間に公園まで来ていた、逃げ切れた…
「ほう、逃げ腰か」
んなこたぁなく、さっきの声の主…黒い翼を生やした紳士のような男が既に先回りをしていた。
「っ!?…その翼、夕麻ちゃんの…」
「夕麻?…ああ、レイナーレか…仕留め損ないおって、まぁよい、貴様の命…」
イッセーが動揺している隙を見て、夕麻ちゃんと同じ光の槍を作ると…
「!、危ない!!」
「ぬぉ!?」
「貰い受ける!」
紳士の男が槍を投げると同時にイッセーを突き飛ばし、寸のところで回避する…ま、マズイぞこれ。
「チッ、外したか」
「た、助かった…逃げきれねぇよこれ…」
…どうする、このままじゃ…
「…そうだ、あれが…!!」
俺は急いでバックからバックルとメダルを取り出す。
「!、それは…!」
「マリ…!?」
素早くバックルを腰につけベルトを展開し、黄の虎、緑のバッタを入れる
「…どうかこれでどうにか…!!」
最後にタカのメダルを入れ、バックルを傾けて右腰にある円盤状の物を握り取り…
「…なってくれよ!!」
__バックルにスライドさせると_
キン!!キン!!キン!!
…そう音が鳴り響くと、メダルが数枚頭、胴体、足を囲むように回り出し
《タカ!!》
《トラ!!》
《バッタ!!》
赤、黄、緑と上から下の順に並び、一つのエンブレムを形成し、俺の胴体につくと…
《タットッバ!!タトバタットッバ!!》
俺の体が…
「っ!?貴様…!」
「…なんだ、その姿はぁ!?」
頭が赤、胴体が黄、足が緑に別れた全身スーツに変身していた
やっとのこと変身にまで持って行きましたが…エフェクトなどの表現が難しく、下手な書き方になってしまいますねこれは、本当にすいません