咲き誇る花達に幸福を   作:d.c.2隊長

50 / 142
お待たせしました(´ω`)

今回で丁度50話目になります。記念すべき50話目にて遂に友奈の章が終章に。いつの間にか、ここまでやってきました。

評価の投票者の数も100人を越えました。それでいてバーも赤いまま……皆様、本当にありがとうございます。

何だか完結のような感じですが、本作はまだまだ続きます。今後とも楓君と本作、咲き誇る花達に幸福を、いかゆを宜しくお願いします←

今回、友奈の章最後にして最長です。更に本作なりに理由付けをしてはいますが少々ご都合入ります。ハッピーエンドは好きかい?


結城 友奈は勇者である ー 終章 ー

 世界が滅びかけた戦いから数日。そして……楓が居なくなって、友奈が人形みたいになって……数日。数日もすれば、樹海が傷付いたことで出る現実世界への悪影響も収まってくる。事故だったり山火事だったりとニュースにもなったけれど、幸いにも死者が出るようなことはなかったみたい。

 

 あの日、気が付いたアタシが見たのは楓と友奈の名前を呼びながら泣いていた東郷の姿だった。楓の姿は何処にもなくて、友奈は東郷の声にもアタシ達の声にも一切反応が無かった。最初はアタシ達も東郷みたいに取り乱していたんだけど……大赦の奴らが来て、アタシ達を病院へと連れていった。

 

 不思議なことに、今回の満開で散華は確認出来なかった。少なくとも、見える範囲には何も。夏凜は目も耳も、右手も右足もダメだったみたいだけど。先代勇者の2人は直ぐに何処かへと運ばれて、友奈も病室へと入れられた。

 

 楓の存在は大赦でも確認出来ていないらしくて、アタシ達も何処へ行ったのかと聞かれた。そんなの、アタシの方が教えて欲しい……そう思った時に、真っ白な空間で楓の声を聞いたことを思い出した。

 

 樹と東郷にも聞くと、やっぱり2人も聞いたみたいで……あの声が本当に聞こえたモノなら、楓は今、散華を治す為に神樹の……神樹様の中に居る。

 

 まだ、怒りは完全に収まった訳じゃない。けれど、アタシは……楓と樹を信じるって決めたから。楓は、またねって言ってくれたから……だから、信じて待つことにした。楓も……散華が戻ることも。樹も東郷も、やっぱり不安そうだったけど……アタシと同じように信じて待つって、そう言ってくれた。

 

 待ってる間、アタシ達は普通に生活していた。普通に寝て起きて、学校に行って。部活は流石にしばらく休止することになって、それをホームページに書いて知らせると応援だったり心配だったりの暖かいコメントを貰った。それを見た東郷がまた自己嫌悪で泣いて……あやすのが大変だったわねぇ。

 

 そして今日、学校も終わって帰って来たアタシはいつもように晩御飯の支度をしている。うどんの汁をお玉で掬って味見して、うん、美味しいなんて呟いて。すると、樹がリビングの方から歩いてきた。

 

 「樹? ご飯はもう少し待っててね。今日も女子力高まるうどんを……」

 

 「…………ぉ」

 

 「……樹?」

 

 一瞬、何か聞こえたような気がして手を止める。樹の方を見てみれば、樹が喉に手を当てて、服の胸の部分を掴んでアタシを真っ直ぐ見て……そして、口を開いた。

 

 

 

 「……お……ねえ……ちゃん」

 

 

 

 あの日、ノートパソコンから流れてきた樹の声。それが……樹の口から直接聞けた。樹の、声が出た。数秒くらい何が起きたのか理解するのが遅れて……理解して、()()から涙が出て来て、止まらなくて……駆け寄って、その体を抱き締めた。

 

 「樹……樹ぃ……! 声、声が出……良かった……良かった~……っ!!」

 

 「うん……」

 

 「本当だった……散華は、治るんだ……! アタシ達……治るんだ……っ!」

 

 「……うんっ」

 

 楓の言っていたことは本当だった。本当に……散華は治る。アタシ達が失ったモノは、捧げたモノは……戻ってくるんだ。そう思うと嬉しくて、樹も抱き返してきて……また涙が溢れた。

 

 

 

 

 

 

 「……立てた……」

 

 朝、起きたら両足に違和感があった。何も感じなかったハズの両足に布団の重みが、その温かさを感じた。だから、もしかしてと思って、床に両足を付けて、力を入れて……直ぐにふらついてベッドに戻ることになったけど……少しだけ、自分で立つことが出来た。

 

 直ぐに理解した。捧げた供物が戻ってきているんだと。学校に行って風先輩に報告しに行くと、樹ちゃんが声を出せたことを聞いた。やっぱり、供物が戻ってきている。風先輩の左目も戻ってきているらしい……ただ、視力が戻りきってないのでしばらくは眼帯を着けたままで居るらしい。

 

 楓君が言っていたことは本当だった。本当に、神樹様は治してくれた。それが事実として目の前に現れたことで、あの日に自分が仕出かしたことを思い出して自己嫌悪に陥る。

 

 「でも……良いことよね」

 

 私自身の自己嫌悪はともかく、散華が戻るのは良いことだ。私と先輩達が戻ってきている以上、夏凜ちゃんも()()()()()にも戻ってきているだろう。後は友奈ちゃんと……神樹様の中に居る楓君さえ戻ってきてくれれば……。

 

 「……?」

 

 何か、自分の考えに違和感を感じた。ただ、この時はその違和感の正体が掴めなくて……気付けないまま、その日は眠って……そして、夢を見た。

 

 

 

 ― いいんだ ―

 

 ― 例え、君が自分達のことを忘れてしまっても ―

 

 ― それが、君の幸せになるなら……それで、君が平穏な日常を生きられるなら ―

 

 ― 忘れて、いいんだ。だから……幸福(しあわせ)にね、須美ちゃん ―

 

 ― じゃあね ―

 

 

 

 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!」

 

 悲鳴を上げて起き上がり、頭を押さえる。思い出した。思い出した……思い出した。あの朗らかな笑みを思い出した。あの優しげな、それでいて寂しげな声を……お別れの言葉を、思い出した。

 

 忘れていた記憶が、捧げていた記憶がどんどん甦ってくる。リボンが誰のものか。私がかつて誰だったのか。鷲尾 須美だった頃の記憶が次々に頭の中を巡っていく。

 

 

 

 ― 私も……戦う。誰も死なせたりしない。友達を……楓君を、1人にしたりしない。私が守るから。貴方と一緒に……頑張るから ―

 

 

 

 そして……残酷な真実を知りながら戦う理由を……夏祭りの日のことを、思い出した。

 

 「ああああ、うぅ……っうぐ……ひっ……ううううっ!」

 

 私も一緒だった。私も分かっていたハズだった。決して世界の為でも、大赦の為でもなかった。私が、私達が真実を知りながら戦えたのは結局、私が守りたいモノの為で。楓君達や東郷と鷲尾の家族、安芸先生のような大切な人達の為で。

 

 私は、散華のせいとはいえそんな大切な事も、大切な人の事も忘れて、世界を滅ぼそうとして、神樹様を殺そうとして。後悔で涙が止まらない。何度手で拭っても、止められない。

 

 「楓君……友奈ちゃん……皆……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……ごめん、なさい……っ!」

 

 今まで以上に後悔して、今まで以上に自分がした事が重くのし掛かる。私があんなことをしなければ、楓君が居なくなることも、友奈ちゃんが起きなくなることもなかったのに。

 

 ……会いたい。楓君に、友奈ちゃんに、そのっちに、銀に。思い出したって伝えて、色んなことを話したい。色んなことをしたい。また、一緒に笑い合いたい。

 

 「楓君……友奈ちゃん……会いたい……会いたいよ……っ」

 

 どれだけ願っても、楓君には会えない。どれだけ願っても、友奈ちゃんは未だに人形のような状態から戻らない。それでも、無性に2人に会いたかった。記憶が戻ったことで、余計にそう思った。

 

 彼の右側に寄り添っていたかった。彼女が側で笑っていてくれるだけで良かった。2人が居なくちゃ、もう生きていける気がしなかった。それほどまでに大切なのに。それほどまでに大好きなのに。その2人は、今は。

 

 「楓君……友奈ちゃん……楓、君……友奈、ちゃん……」

 

 そう思うと、また涙が止まらなくなって……私はしばらくの間、壊れたように2人の名前を虚空に向かって呼び続けた。

 

 

 

 

 

 

 散華が戻り始めた日から少しして、私もまだ松葉杖が必要とは言え歩けるようになった。両目の視力は戻りきっておらずまだ少しボヤけているし、両耳もまだ聞こえ難いけれど。それでも学校に通えるくらいになり……私は今、リハビリがてらの散歩としてマンションから少し離れた海の見える場所まで来ていた……風と一緒に。

 

 散華が戻り始めて読み書きも出来るようになった頃、回収されていた端末の代わりの端末に大赦から連絡が来ていた。“当分の間、襲撃はない。精霊を失った貴女は勇者の力も失っている。学生として生活を続けなさい”とのこと。

 

 東郷から話を聞くと、あの戦いの最後は勇者の精霊が花弁となって消え、その花弁が私達が散華した部分に降り積もったんだとか。義輝、ちゃんとお別れを言っておけば良かったかしら。

 

 「勇者の力がなくなったから、もう用無しってことかしらね」

 

 「アタシ達は勇者ってお役目から解放されたのよ。大赦からも、神樹様からもね……目的が無くなって、勇者じゃなくなって不安?」

 

 「全然。アタシは勇者じゃなくなっても……讃州中学勇者部部員だからね」

 

 「……そっか」

 

 風が楓さんに良く似た、朗らかな笑顔を浮かべた。自分の言葉に、嘘はない。もう勇者であることに拘っていた私は居ない。ただ、勇者部部員として、友奈と楓さん、風に樹、東郷達と一緒に居たいという気持ちだけがあった。

 

 とは言え、私達が勇者で無くなっても外の世界があんなことになっていることに変わりはない。バーテックスはまた攻めてくるだろうし、その時にまた勇者は選ばれ、戦うことになる。

 

 私達の戦いは無駄にはならない。神樹様は供物を求めなくなったと聞くし、私達の戦闘データは後輩勇者達に活かされるだろうし。戦いを終え、お役目から解放された私達はまだ見ぬ後輩達を信じるしかない。

 

 「……楓さんと友奈は……まだ?」

 

 「……ええ。2人共、頑張ってくれたからねぇ。2人が居なかったら、今頃アタシ達は……」

 

 「……そう、ね」

 

 2人のことも、聞いている。真っ白な空間で聞いた声も、覚えてる。

 

 楓さんは端末を持ったまま神樹様の中へと消えた。その端末の反応を追っても、神樹様の中にあるせいか反応が追えないらしい。そして友奈は、人形のような状態から目覚めない。散華の影響だと言うのなら、治ってもいいハズなのに。

 

 世界は守れた。勇者部も、守れた。なのに……これじゃあ、素直に喜べない。何の反応も示さない、本当に人形のように身動ぎ1つしない友奈。神樹様の中に居るとしかわからない楓さん。2人共、勇者部に……私達に無くてはならないのに。

 

 早く戻ってきてよ。じゃないと、私は……私達は何のために戦ったのか、わからないじゃないの。そう思って思わず涙ぐむ私の肩を、風が抱き寄せた。いつもなら慌てて離れるところだけど……今回だけは、許してやろうじゃないの。

 

 

 

 

 

 

 それから更に数日が経った。その日の夕方、友奈のお見舞いに来た美森は病室から友奈を車椅子に乗せて中庭に連れ出し、学校で起きた出来事等を語って聞かせる。途中で風、樹、夏凜もやってきて樹がお手製の部員を模した押し花を手渡したり話し掛けたりするが……やはり、友奈は反応を返さない。

 

 普段のような笑顔は、そこにはない。未だに楓が戻って来ないことも重なり、4人の心が陰る。痛ましい姿に思わず目を反らし、夏凜の口からは悔しげな声も漏れた。

 

 「……私が……あんなことをしなければ……」

 

 「東郷、それ以上言ったらぶっ飛ばすわよ」

 

 「風、先輩……でも……」

 

 「誰も悪くない……そう、皆で話し合ったでしょ」

 

 夏凜も、樹も、暴走して攻撃を仕掛けた風と世界を滅ぼし掛けた美森を悪く言うことはなかった。行動だけを見るなら、確かに悪いだろう。だが、その根底はどちらも大切な人の為であり、大赦や神樹に対しての怒りや疑心が爆発した結果であり……それを悪く言うことは出来なかったし、する気もなかった。

 

 風とて未だに罪悪感はある。それでも、2人が許してくれたから。皆で話し合って、謝りあって、供物が戻ってきたことを喜びあって、2人が居ないことを寂しく思って……それでもと、結論を出した。だから誰も悪くない。友奈が言ったように……そう、決めた。そして結局、その日も友奈は反応を返すことはなく……楓のことで特に進展もなく。各々が自宅へと戻ることになった。

 

 それから更に時は過ぎていく。その間に学園祭でやる劇のことを話し合い、友奈の役について少々問答があったものの、2人が戻って来ることを信じて役はそのままにすることに決まる。人形劇ではなく部員が舞台上でやる演劇の為、友奈は勇者役。楓は美森達と共に裏方であるが。

 

 「勇者は傷ついても傷ついても決して諦めませんでした」

 

 毎日のように、美森は友奈の元へとお見舞いに通った。その手には、演劇の時に使う風作の台本。それを、来る度に友奈を中庭に連れ出して隣で読み聞かせていた。

 

 「全ての人が諦めてしまったら、それこそ世界が闇に閉ざされてしまうからです」

 

 何度もお見舞いに来ては何度も読み聞かせた。そうしている間にも月日が経ち、風達の供物も完全に取り戻し、マトモに動けるようになった。勇者部が取り戻しているということは……当然、あの2人の供物も戻ってきている。その時のことを、美森は物語を読みながら思い返す。

 

 

 

 とある日のこと。美森は友奈の病室の前に見慣れた礼服と仮面という姿の大赦の人間に呼び止められ、病室の屋上へと一緒に来てくれないかと言われた。その声にどこか聞き覚えがあった美森は、少し警戒しつつもその後ろを着いていき……。

 

 「久しぶり、わっしー」

 

 「よっ! 元気だった?」

 

 そこには、病人服姿ではあるが……包帯が取れた、しっかりと両足で立つ園子と銀の姿があった。園子はそう言って微笑み、銀は治っていることを知らせるように右手をひらひらと振る。その姿を見た美森は少しの間思考が停止し……我に返ると、2人に向かって走り出して抱き付いた。

 

 「そのっち……銀……っ!」

 

 「……わっしー、記憶が……?」

 

 「ええ、戻ったの。全部、全部思い出したの。一緒に戦ったことも、遊んだことも、勉強したことも、訓練したことも……夏祭りのことも、全部っ!」

 

 「須美……そっか……良かった……っ!」

 

 抱き着かれた2人も、抱き着いた美森も、泣きながら抱き締めあった。忘れていたことが辛かった。忘れられていたのは辛かった。それでも、今こうして思い出して、思い出されて、嬉しくて。また名前を、あだ名を呼び合える日が来たことが嬉しくて。

 

 楓が居ないことに、寂しさはある。彼が帰って来た時こそ、本当の意味であの頃の4人に戻れる。それでも、今はこの再会を喜びたかった。

 

 「……ねえ、2人共。あの大赦の人は……まさか?」

 

 「うん、わっしーの予想通りだと思うよ~」

 

 「それじゃあ……安芸先生?」

 

 「正解。先生もこっちこっち!」

 

 「……久しぶりね、鷲尾さん。今は東郷さんだったわね」

 

 泣き止み、落ち着いた美森はずっと気になっていた、屋上に連れてきてからずっと自分達を見守っていた大赦の人間のことを聞く。とは言うものの、彼女には予想は着いていた。楓の養父だった男のことと、楓が死にかけた時から大赦の大人に対して良い感情を抱いて居なかった2人が心を許す人物等限られているのだから。

 

 果たして、その予想は当たっていた。銀に呼ばれて近付いてきたその人物が仮面を外し、礼服の懐から取り出した眼鏡を掛ければ、そこにあるのは美森が想い描いていた顔があった。2年前の自分達の担任にしてサポート役の安芸である。

 

 それから、4人は思い出話をしたり、2人が今後どうなるかを話したりしていた。2人はこの後、日常生活が送れるようになったこともあり、退院して家に返されるのだという。そこからは2人の希望もあり、努力次第であるが讃州中学へと転入するつもりで居るという。

 

 「そのっちはともかく、銀は大丈夫なの?」

 

 「園子と安芸先生から勉強を教えて貰ってる毎日デス。頭が痛いけど、頑張らないとな」

 

 「久しぶりの勉強は楽しいよ~。カエっちとわっしー、それからゆーゆと一緒に学校に通いたいし……それに勇者部にも入りたいんよ~」

 

 そんな風に楽しく会話していると、不意に安芸がまた懐から何かを取り出した。その礼服はどうなっているんだと疑問に思う美森だったが、その取り出したモノを見て首を傾げる。

 

 それは、黒い筒だった。それだけでは何か分からなかったが、安芸がクルッと筒を回転させ……その筒に書かれた“祝卒業”の文字を見て、また涙腺が緩んだ。

 

 「神樹館では、結局渡せなかったから……3人にはもう渡してあるの。後は東郷さん……いえ、鷲尾さん、あなただけだった。あなただけにはまだ……言えなかったから」

 

 そう言って筒を開け、中から丸まった紙を取り出して広げる安芸。それを美森に差し出し……彼女は、震える手で受け取った。

 

 それは安芸手書きの卒業証書。神樹館という学校に在学して、仲間と共にお役目を全うしたという証。東郷 美森が、鷲尾 須美という人間として確かに存在していたという……証。

 

 「卒業おめでとう、鷲尾さん……やっと、伝えられた」

 

 「……はい……はい゛っ! ありがとう……ござい、ます……っ!!」

 

 涙が止まらない美森(すみ)を……安芸は、優しく抱き締めるのだった。

 

 

 

 そうして、また月日は流れていく。夏の暑さは秋の涼しさへと変わっていき、学園祭の日が近付く。それでも……楓も、友奈も戻っては来ない。

 

 「勇者は自分がくじけないことが皆を励ますのだと信じていました。そんな勇者をバカにする者も居ましたが、勇者は明るく笑っていました」

 

 何度、読み聞かせたことだろうか。晴れの日は中庭で、雨や風の日は病室で、面会時間が終わるギリギリまで側に居た。樹が作って持ってきた押し花が、1枚から3枚へと増えた。

 

 「そんな勇者をバカにする者も居ましたが、勇者は明るく笑っていました。意味がないことだと言う者もいました。それでも、勇者はへこたれませんでした」

 

 ずっと、そうしていた。例え反応が無くても、いつか、きっといつかはと、そう思って繰り返した。あの時信じきれなかったから、今度こそは信じて待つのだと、皆がそう決めて。楓も、友奈も、きっと戻って来てくれるのだと、そう信じて、待った。

 

 「皆が次々と魔王に屈し、気がつけば勇者は一人ぼっちでした。勇者が一人ぼっちであることを誰も知りませんでした。一人ぼっちになっても、それでも勇者は……」

 

 気付けば、木々が紅く色づき始めていた。樹が作って持ってきた押し花も、5枚になった。そして今日もまた読み聞かせに来た美森は……初めて出会った日に友奈から貰った白い花菖蒲の押し花を5つの押し花を持つ友奈の手のひらの上に乗せる。そしてまた、何時ものように読み聞かせる。

 

 「それでも勇者は、戦うことを諦めませんでした。諦めない限り、希望が終わることは……ない、から……です……っ」

 

 それを、何度繰り返したか。どれだけ、時間が経ったのか。待てど暮らせど、2人は戻って来ない。1人は何の反応もしてくれない。1人は姿すら見ることが出来ない。誰もが不安に思い、それでもと信じて、ずっと待っていて。

 

 

 

 ― 私達はずっと、東郷さんと居る ―

 

 ― ああ……1人にしないよ ―

 

 

 

 そう言ってくれた2人は……今、側に居ないのだ。

 

 「何を失っても……それでも、私は……わ、わたし、は……っ……大切な人も、大切な友達も、失いたく……ないっ……!」

 

 もう、堪えきれなかった。我慢して、耐えて、堪えて……限界になった。

 

 「嫌だ……やだよ……! 2人が居ないのは寂しいよ。辛いよ、苦しい……よ……ずっと側に居てくれるって、言ったじゃない! 1人にしないって、言った……言っ……ふ……う゛ぅ゛~……っ」

 

 もう、我慢出来そうになかった。これ以上、耐えられそうになかった。弱音も、涙も……堪えきれなかった。心が悲鳴にも似た軋みをあげた。

 

 それでも……友奈は。

 

 

 

 

 

 

 (東郷さんが泣いてる)

 

 上下が灰色の雲に覆われた不思議な空間の中に、桜色の、明らかに肉体ではない体の友奈は居た。どこか夢心地でふわふわとした意識でいる友奈には、どれだけの間その場所に居るのか分からなかった。ただ、ここが樹海化のような異空間であることは、何となく理解していた。

 

 出ることも出来ず、ただそこで体育座りの状態で膝に顔を埋めてじっとしていることしか出来なかった友奈の耳に、美森の慟哭が聞こえてきた。その声に反応して友奈は顔を上げるが、やはり出口のようなモノは見えない。

 

 ― こっちだよ、友奈 ―

 

 その時、美森とは別の、美森と同じくらい大切な人の声が聞こえた。思わずその聞こえた方向に顔を向けると、灰色の雲とは別に見覚えのある大きな真っ白な光を放つ珠が浮いていた。

 

 ― 手を伸ばして。“約束”しただろう? だから、早く戻ってあげないとねぇ ―

 

 (約束……そうだ、私は“約束”したんだ。大切な友達に、大切な人と一緒に)

 

 光の珠から手が伸びる。今の友奈と同じような、肉体ではない体の真っ白な左手が。その左手の主であろう人物の声を聞いて、友奈は思い出す。約束したのだ。大切な友達の側に居ると。忘れられることを、忘れることを怖がって泣いていた、大切な友達を1人にしないと。

 

 右手を伸ばす。その伸ばされた左手と繋ぐ。肉体ではないハズなのに、繋いだ手からは確かな温もりが感じられた。そして、その手に引き寄せられる。

 

 ― あの子が……美森ちゃんが泣いてる。今の自分は、止めてあげられないから ―

 

 (東郷さんが泣いてる。勇者は……私は、泣いてる友達を放っておくなんて出来ない)

 

 だから、帰るのだ。絶対に、大切な友達の元へ。悲しくて、辛くて、苦しくて……寂しくて泣いている、あの子の元へ。そして、自分達を待っててくれている仲間達の元へ。

 

 意識がはっきりとする。そしてそう強く思い、引き寄せられるままに光の珠へと、真っ白な光の中へと進んでいく友奈。白く温かな光に包まれ、灰色の雲がある空間から現実へと戻って行くその途中、友奈は確かに見た。

 

 ― またね、友奈。自分もきっと……直ぐに帰るから ―

 

 樹海で見た、大きな神樹。その根元で朗らかに笑う、大切な人の姿を。

 

 

 

 

 

 

 「これで、友奈は戻れましたかねぇ」

 

 ― 大丈夫、あの子はちゃんと元の肉体に戻れたよ。後は……あなただけだね ―

 

 友奈を見送った楓は、友奈とよく似た少女の姿をした神樹と共に神樹の本体に寄りかかっていた。その体は真っ白な精神体で、肉体ではないが。

 

 「それなら良かった……自分も、早く戻らないとねぇ」

 

 ― もう少しだけ待っててね。あの戦いで、天の神の力を多く得られた。あなたが2回“あの力”を使ったと考えても、戻せるだけの力が ―

 

 あの日の戦いで、神樹は天の神の力を大量に得ていた。強化された獅子座とその力を分けられた炎を纏った小さなバーテックス達と普通のバーテックス達。総量から見れば、楓の供物を戻しても少し余裕が出る程。

 

 神樹の力自体は楓の存在によって上がっている。供物を戻すことで減少することは避けられないが、それでも楓が生まれる前と比べれば遥かに増している。美森の行動は予想外ではあったが、結果的にはプラスになる形で終わることが出来た。大団円と言っても良いだろう。

 

 ― 供物だけじゃない。2年前のあの日にあなたが失った部分だって戻せる。その為に、私はずっと努力してきたんだから ―

 

 「自分が失った部分? それは……まさか」

 

 神樹の言葉を聞き、思わず自分の右腕を見る楓。精神体である今はそこに右腕はあるが、現実に戻ればそれは失われたままで。だが、神樹は笑って頷いた。

 

 供物を戻すというのは、正確に言うなら捧げられた部分と同じ部分を神樹が新しく作り、返すことだ。だから彼女達は散華が戻っても直ぐには元のように動かしたり声をだしたり出来なかった。自分のモノではないから、馴染むのに時間がかかるのだ。

 

 それは楓も変わらない。だから楓だけは神樹の中へと引き入れる必要があった……()()()()()()()()()()()()()()。だから楓だけが時間が掛かるのだ。()()()()()()()()()()()()()()から。

 

 とは言うものの、保管出来ていた右腕だから可能なことだ。何せ、本物があるのだから。それをずっと見続けてきたのだから。そうでなければ、いくら力が増したと言っても神樹の力では体の欠損まで治すことなんて出来ない。

 

 ― 勇者の皆が笑顔で終われるように。あなた達の頑張りが、報われるように。だから、“私”は頑張ってきたんだから ―

 

 そう言って笑う神樹に、楓は深く感謝した。

 

 

 

 

 

 

 「とう……ごう、さん……」

 

 台本に顔を埋めて泣いている私の横から、そんな声が聞こえた。思わず顔を上げて隣を……友奈ちゃんの方を向く。そこには……泣いて、微笑んでる友奈ちゃんが居て。

 

 「一緒に、居るよ……ずっと」

 

 私に……そう言ってくれた。

 

 「友奈……ちゃん。友奈、ちゃん!」

 

 フラついた友奈ちゃんの体を支えて、その手を繋ぐ。その手の指と、私の指を絡ませる。所謂、恋人繋ぎという形になって……その手の間に、6枚の押し花もあって。

 

 「聞こえてたよ、東郷さんの声。それに、皆の声も……」

 

 「友奈ちゃん……」

 

 

 

 「……ただいま、東郷さん」

 

 「お帰り……友奈ちゃん」

 

 

 

 そう言って私達は……泣きながら笑いあった。

 

 

 

 しばらくして、友奈ちゃんは退院した。車椅子に乗りながらになるけれど、学校にだって通えるようになった。散華が戻るまで私が車椅子で友奈ちゃんに押されていたのに……今は、その逆で私が友奈ちゃんが乗る車椅子を押している。

 

 一緒に久しぶりに登校して、一緒に勇者部に行って……そこで友奈ちゃんが帰って来たことをお祝いしようとしてその準備をしていた皆とばったり、なんてこともあって、おかしくなって皆で笑いあって……でも、やっぱり……楓君が居ないのが、寂しい。だけど、戻って来るって信じてるから……その名前は、出さなかった。

 

 「皆、無事で良かったよねー」

 

 「ホントにねぇ。友奈、もう目覚めないかと思って心配したわよ?」

 

 「私は心配してなかったけどね」

 

 「え? でも夏凜さん、前に“早く目覚めなさいよバカ友奈”って寂しそうに……」

 

 「夏凜ちゃん……!」

 

 「樹、黙ってなさい。ええい友奈もそんな目でこっち見んな!」

 

 「後は楓さえ……あ、ご……ごめん」

 

 5人で下校している時、そんな会話をしていた。風先輩が言ったように、皆心配していた。友奈ちゃんが2度と目覚めないんじゃないかって……目覚めるって信じていても、どうしてもちらつく不安。今はもう、笑い話にだって出来るけれど。

 

 そうやって笑っていると、風先輩がつい……という感じで溢して、私達も暗くなる。でも、そんな空気を変えてくれたのは、やっぱり友奈ちゃんだった。

 

 「帰ってくるよ、楓君は」

 

 「友奈……」

 

 「だって、私は楓君のお陰でここにいるんだもん」

 

 「え!? ちょ、どういうこと!?」

 

 思わず先輩が聞き返すと、友奈ちゃんは笑って教えてくれた。灰色の雲がある空間。そこで聞こえた私達の声。出口を探しても見当たらなくて……そんな時に聞こえてきた、楓君の声と、彼の白い光の珠。

 

 そこから伸ばされた手を掴んで、引き寄せられて……その先で、友奈ちゃんは見たという。神樹様のところに居る、楓君の姿を。

 

 「きっと、直ぐに帰るからって。だから、帰ってくるよ。約束したから」

 

 「……そうね。姉のアタシが、一番楓を信じないといけないのに」

 

 「お姉ちゃん……大丈夫だよ。だってお兄ちゃんは、ちゃんと帰ってきてくれたんだから」

 

 「ま、楓さんなら心配ないでしょ。友奈が帰って来た以上、あの人が帰って来れない訳がないわ」

 

 「……そうね」

 

 友奈ちゃんの笑顔が眩しい。本当に信じているんだって、分かる。でも……私だって、その気持ちは負けない。

 

 あの時は……お別れの言葉だった。きっとあの時、彼はもう私と会うことはないと思っていたんだと思う。だけどあの日は……またねって、再会の言葉だったから。彼は、約束を破ったりしないから。

 

 「早く会いたいね……楓君に」

 

 「うん!」

 

 そう言って、皆で笑いあった。

 

 

 

 

 

 

 ― 勇者は自分がくじけないことが皆を励ますのだと信じていました ―

 

 ― そして皆がいるから、皆を信じているから自分は負けないのだと ―

 

 学園祭。楓の姿が無いまま迎えたその日、勇者部は舞台の上で熱演していた。勇者役の友奈、魔王役の風。裏方に美森、樹、夏凜。ナレーションの台詞が流れ、演劇はクライマックスへと進む。

 

 魔王は勇者を嘲笑う。1人孤独に戦う勇者を、側に仲間の姿が無い勇者を。世界の為だと、平和の為だと戦い続けてきた勇者。その勇者に、魔王は言うのだ。世界は嫌なことだらけで、辛く苦しいことばかりだと。

 

 「お前も、見てみぬフリをして堕落してしまうがいい!」

 

 その方が楽だろう。その方が苦しい思いも、辛い思いもしなくて済むだろう。それでも、勇者は言うのだ。それは嫌だと。そんなのは心の持ちようなのだと。

 

 大切だと思えば、友達になれる。互いを想えば何倍でも強くなれる。無限に根性が湧いてくる。世界には嫌なことも悲しいことも自分だけではどうにもならないことも沢山ある。まるで、本当に体験してきたかのような友奈の勇者の演技に観客は見入り、聞き入る。

 

 観客の中には、夏凜の誕生日を祝った児童館の先生と子供達の姿。風が仲裁した、子猫のことで揉めていた親子。他にも勇者部が依頼を通して関わってきた人達の姿もあった。

 

 「だけど、大好きな人がいれば挫けるわけがない! 諦めるわけがない!」

 

 挫けそうになったし諦めそうにもなった。いや、きっと挫けたし、諦めただろう。それでもと、立ち上がれた。

 

 「大好きな人が居るのだから! 何度でも立ち上がる! だから!!」

 

 大好きな人が居たから、大切な人が居たから。その人の為になら立ち上がれたから、その人と一緒なら立ち上がれたから。

 

 

 

 「勇者は……私は絶対……負けない!!」

 

 

 

 勇者だからじゃなく、自分だから。その部分は台本には無かったが、勇者部の誰も指摘しなかった。思いは皆、一緒だったから。大好きな皆となら……どんな困難だって乗り越えられるのだと、知っていたから。

 

 

 

 

 

 

 舞台は大成功に終わった。最後に友奈が立ち眩みを起こし、勇者部全員が舞台に上がってしまうという珍事が起きてしまったが、それも演出の一環と捉えられたのか観客からは盛大な拍手が送られた。

 

 夕方になり、騒がしかった学校にも静けさがやってくる。勇者部の5人も部室にしっかりと鍵を掛け、後は下校するだけとなっていた。

 

 「楓君、間に合わなかったね……一緒に回りたかったなぁ」

 

 「……あの子、結構間が悪かったりするのよ。養子に出た時も、元の学校の始業式出られなかったし」

 

 「こっちに来ていた時も、入院していたせいで終業式に出られなかったりしてましたね」

 

 結局、学園祭に楓の姿はなかった。一緒に学園祭を過ごしたかったと思うのは仕方ないだろう。溜め息を吐く友奈、苦笑いしながらそう言う風と小学生時代を思い返す美森。3人の後ろでは樹と夏凜が苦笑いしていた。そうして下駄箱がある一階へと続く階段に差し掛かった頃。

 

 「……あっ!」

 

 友奈が、桜色の着物を着た、自分と良く似た顔の少女の姿を見た。

 

 「友奈ちゃん? どうしたの?」

 

 「え? いや、あの子……」

 

 突然声を上げた友奈の方を見て、美森が首を傾げる。どうやら美森……だけでなく、他の3人にも少女の姿は見えていないらしい。あれー? と不思議そうにする友奈に、少女はクスクスと笑って手招きをして……階段を登って行った。

 

 「あっ、待ってー!」

 

 「ちょ、友奈!?」

 

 「ちょっと、どこ行くのよ!?」

 

 何故か、追わなければならない気がして友奈は少女を追い掛けた。いきなり走り出したように見える4人は困惑しつつも慌ててその背中を追い掛ける。

 

 絶妙に背中を見せつつ階段を掛け上がる少女。友奈はそれを追い掛け、やがて屋上に続く扉に辿り着く。その前まで来て立ち止まったところで、4人も追い付いてきた。

 

 「はぁ……急に走り出してどうしたのよ」

 

 「え? ご、ごめんなさい! でも、その、着物を着た私そっくりの女の子が見えたから、つい……」

 

 「は? そんなのどこに居るのよ」

 

 「えっと……多分、屋上?」

 

 「なぜ疑問系……それに、この屋上は……」

 

 「……まさか」

 

 呆れ顔の夏凜が問い掛けると、友奈は慌てて謝りつつ理由を話す。が、やはり見えていなかったのか夏凜は首を傾げる。聞かれた友奈も正確な場所はわからないものの、こうしてこの場に居る以上は屋上に居るのだろうと予想する。あくまでも予想なので自信は無いようだが。

 

 そんな友奈に呆れる風だったが、屋上に続く扉を見てハッとする。この先には、樹海化が解ける度に戻ってきた、祠がある屋上がある。それに気付いた美森も、もしや……と声に出る。そう……この先の屋上は、勇者部にとって()()()()()場所なのだ。

 

 恐る恐る、友奈がその扉を開けた。少しずつ入ってくる夕焼けの光。そして扉が完全に開いた時、その先から風が吹き抜ける。

 

 

 

 そこには、真っ白な男の子が立っていた。

 

 

 

 「……あ」

 

 誰かの……或いは、全員の口からそんな声が漏れる。全員の動きが止まる。そんな中で、友奈は美森と手を繋ぎ……駆け出した。

 

 「……待ってた」

 

 男の子とは少し距離があって、走って近付く途中にそう呟いた。それは友奈だったのか、それとも美森だったのか。

 

 「ずっと、待ってたよ」

 

 君のことを、貴方のことを。その声が聞こえたのか、男の子は振り返り……皆が見たかった、朗らかな笑顔を浮かべていて。2人は、泣き笑いの表情で……飛び付くように、抱き締めた。

 

 

 

 約束は、ようやく叶った。

 

 

 

 「「お帰りなさい! 楓くん(君)!!」」

 

 抱き着いてきた2人を、()()で抱き締め返す。その手を、2人は離さないとばかりに握り締めた。もう2度と置いていかれないように。

 

 「楓!!」

 

 「お兄ちゃん!!」

 

 「楓さん!!」

 

 遅れて、3人が走り寄ってくる。皆が、泣き笑いで迎えてくれる。その後ろで、友奈に似た少女が本当に嬉しそうに笑って、桜の花弁となって消えていく。その姿を見た男の子……楓は、5人に囁くように告げる。

 

 

 

 「……ただいま」

 

 

 

 やっと勇者部は……全員揃うことが出来た。




原作との相違点

・その目で是非確かめて下さい(丸投げ



という訳で、大団円です。まだまだ天の神問題とか片付いてませんが、供物は戻り、楓も五体満足となりました。多分周りの人間には義手と偽ります←

彼が何故勇者に変身した状態なのかは、前話の彼の服装を思い返して見て下さい。あんな姿で人前なんて出られんよ。

最後の辺りはエガオノキミヘの歌詞を意識してみました。歌の歌詞を文に組み込むの大好きなんです。実は他の話でもやってたりします。

こんないい感じに終わったのに、次回は禁断ルート(鬱or暗め)です。温度差で風邪引かないように。他にも1、2つ程番外編入れます。リクエストからか、私からかは未定です。

本編ゆゆゆいですが、今のところ番外編集のような形を予定しています。私に余裕があれば、花結いの章をがっつりやるかもしれません。

それでは、あなたからの感想、評価、批評、pt、質問等をお待ちしておりますv(*^^*)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。