咲き誇る花達に幸福を   作:d.c.2隊長

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大変お待たせしました(´ω`)

ちと執筆の時間が取れなくていつもよりも遅くなってしまいました。申し訳ありません。ゲームもしてましたが←

ゆゆゆいイベ、若葉が落ちません。夏凜ちゃんは既に10を越えているのに……あ、一回限りの有償1500ガチャを回した結果、着物若葉が来てくれました。そっちじゃない←

リリフレではウェディングイベですね。こちらものんびりやろうと思います。fgoも新章来ましたし、忙しい忙しい。

今回もほのぼの。少しほのぼの続きます。後書きには久々にアンケートもありますので、是非。


咲き誇る花達に幸福を ー 1 ー

 勇者部に園子と銀が加わり、8人となってから数日後のとある日の放課後。部活の依頼で海岸の清掃の手伝いにやってきていた楓、友奈、美森の3人。袋に纏めたゴミを捨てに行く途中、泣きながら歩いている小学生の女の子を見つけ、話を聞くために部室へと共に戻ってきていた。

 

 「そっか……お友達が引っ越しちゃうんだ」

 

 「はい……その子は私の一番のお友達なんです」

 

 「それはまた……辛いだろうねぇ」

 

 聞けば、友達がもうすぐ引っ越してしまうとのこと。しかもそれを知ったのは今日であるという。担任は知っていたそうだが、その友達から“引っ越しまで普通に接して欲しい”との言葉を受け、お友達と共に今日まで秘密にしていたそうな。

 

 「お引っ越しはいつなのかな~?」

 

 「明日の朝って……」

 

 「おおう、予想以上に“もうすぐ”が近かったな……」

 

 「急すぎね」

 

 園子が問いかけると、女の子はぽろぽろと泣きながらそうポツリと呟く。銀は予想より引っ越しの日が近かったことに驚き、夏凜も同じように驚きつつそう呟く。この時、女の子から友奈がもらい泣きしていたのだが楓と美森から苦笑いされつつ頭を撫でられてあやされていた。

 

 「大丈夫? 落ち着いたかな?」

 

 「……はい。ありがとうございます」

 

 樹が女の子が落ち着いたのを見計らい、紅茶を手渡す。それを見ながら、友奈は夏凜からティッシュを受け取りつつ自分達で何か出来ないかと言い、風が何か思い出になる贈り物を贈るのはどうかと告げる。

 

 「贈り物、ねぇ。思い出に残ると言えば、アルバムや写真、後は……手紙とか?」

 

 「そうね、そういうのがいいかも……そうだわ、そのお友達が喜ぶモノって分かるかしら?」

 

 「贈り物とかお手紙とかは私も考えてて……あるにはあるんですけど」

 

 「何か難しいモノなのかな~?」

 

 「……“桜”、なんです」

 

 聞けば、その友達は桜が大好きで毎年桜が咲いてその花が舞う中を、女の子が困ってしまう程はしゃいでしまうらしい。しかし、今年は怪我か病気か入院していた為に桜を見れず……女の子がお見舞いに行った時には酷く悲しそうにしていたと言う。

 

 だからこそ、友達には桜を見せてあげたい。しかし、今はもう11月の秋の終わり近く、桜などどこにも咲いていない。一番見せてあげたい、一番贈ってあげたいモノだが……流石に見つからないモノは無理だろう。そう言う女の子に、部員達はお互いに顔を見合せて頷きあい……友奈と風が代表して言った。

 

 

 

 「私達勇者部に」

 

 「お任せあれ!」

 

 

 

 とは言うものの、さっきも言ったように今は秋、それも冬がすぐ近くまで来ている。桜など咲いている訳がない。更に今は放課後終わりで日はもうすぐ沈み、タイムリミットは明日の朝。それまでに桜をどうにかする等無謀の一言。しかし大見得を切ったこともあるが、何よりも女の子達の為にも何とかしてあげたいのが勇者部の総意であった。

 

 「ここは私がお爺ちゃんの格好で灰を撒くしか!」

 

 「花咲か爺さんか。灰を撒いたところで桜は咲かんでしょ」

 

 「桜……桜ねぇ……友奈、桜の花弁の押し花とか持ってないかい?」

 

 「いいわねそれ。友奈、どうよ?」

 

 「ありますよ、去年作った桜の花のしおり! それを渡して贈り物にしてもらう?」

 

 「それもいいけど、あの子にも何かさせてあげられないの?」

 

 「お友達の為に何かをしたいっていう気持ち、大切にしてあげたいですしね」

 

 「後、お友達が喜びそうなのは“桜が舞う”ことでしょうね」

 

 友奈がぐっと手を握り、目を輝かせるが銀にツッコミを入れられ、ですよねと気落ちする。楓は桜、桜と何度か呟きながら自然と友奈に目が行き、そう言えば押し花が趣味だったなと思い出し、そう聞いてみる。彼の質問を聞いた風も賛同し、同じように問うとやはりと言うべきか友奈は作っていたらしい。

 

 しかし、友奈が……というか勇者部が作ったモノを贈るだけでは物足りないと夏凜が自分の考えを告げる。それに樹が続き、美森もお友達が喜びそうなことを呟く。その間、園子は周りの話を聞きつつぼた餅を食べながら考えを纏めていた。

 

 「ふむ……こういう時は先代勇者のリーダーに聞いてみようかねぇ。という訳で、のこちゃん。何か手はないかい?」

 

 「“何かする”と“桜が舞う”……うーん……うーん……」

 

 「えっ、先代勇者のリーダーって園子だったの!? 楓さんか東郷じゃなくて!?」

 

 「アタシも楓か東郷だと思ってたわ……」

 

 「そのっちが隊長でしたよ。彼女の作戦や閃きには何度も助けられました」

 

 「自分でも向いていないと思ってるとは言え、あたしの名前が出ないのはちょっと悲しいゾ……」

 

 用意されていた一口サイズのぼた餅を口の中に放り込み、緑茶を飲んで流し込んだ後に、楓は考えている園子を見ながらそう問いかける。問われた園子は楓に聞かれたこともあり、今も回転させている頭を更に回転させる。

 

 そんな中、楓の“リーダーは園子”との言葉に夏凜と風が驚愕の声を上げる。見れば声に出してないだけで樹と友奈もびっくりしていた。老熟した雰囲気の楓としっかり者で真面目な美森を見れば、大抵の人間はどちらかがリーダーだと勘違いするかもしれない。尚、銀は自分でも思ってるとは言え一切己の名前が上がらないことを少し悲しく思っていた。

 

 「うーん……えっとね~。後ぼた餅2つをカエっちに食べさせてもらえば閃くかも~」

 

 「おやおや……はい、どうぞ」

 

 「あ~ん……んー♪」

 

 「風さん、止めないんすか?」

 

 「背に腹は変えられないわ……まあ食べさせてもらうくらいなら、ねぇ」

 

 「東郷さん東郷さん。あー」

 

 「もう、友奈ちゃんったら……はい」

 

 「ん~♪」

 

 園子がそう言うと楓は朗らかに笑い、テーブルの上にある重箱からぼた餅を2つ自分の紙皿の上に移し、食べやすいように箸で切ってから園子に食べさせていく。ぼた餅自体の美味しさと楓から食べさせてもらうというシチュエーションに、園子の表情もいつも以上に綻ぶ。

 

 そんな彼女の行動を止めないのかと銀は風に聞くが、風は自分の感情より女の子のことが大事だと腕を組みつつ言い切る。その横で友奈が2人を真似して美森にあーんをねだり、美森も笑いつつ食べさせる。夏凜と樹は、そんな2人を見て苦笑いしていた。

 

 「んで、ぴっかーんと閃いたかい?」

 

 「閃いた~♪ でも、すっごいキツイと思うけどね~」

 

 「時間ないし園子の案で行くわよ!」

 

 「どんな案か聞いてないのに!?」

 

 「先代勇者3人が頼ってたらしいし、大丈夫でしょ。それに風が言うように時間ないしね」

 

 「で、園子。必要なもんはなんかねーの? 」

 

 「人手かな~。最低でも私を含めて4人。多ければ多いほどいいよ~。力も居ると思うし、カエっちにも来て欲しいな~。後、車を用意してもらうね~。4台くらい」

 

 食べさせてもらったぼた餅を美味しく頂き、お茶で口の中をすっきりさせた園子に楓が聞くと、本当に思い付いていたようでさらりと言ってのける。それを聞いた風は右手をサムズアップさせ、即決。その早さにいつも通り樹がツッコミ、夏凜が納得する。

 

 園子の考えなら大丈夫だと信頼している銀もまた、どんな案か詳しい内容を聞くこともなく必要なものはないかと訪ねる。返ってきた答えは人手。どうやら人数が必要らしい。

 

 「了解だよ、のこちゃん」

 

 「車を使うんですか!?」

 

 「それじゃ、こっちは私達で行くわ! 急ぐわよ!」

 

 「須美と友奈は贈り物の案を頼むな!」

 

 「あ、後ついでにそこに積んである絵本を保育園に届けといて! 宜しく!」

 

 「じゃ、行ってくるよ2人共」

 

 「「行ってらっしゃい」」

 

 楓の了承を皮切りにバタバタと忙しく動き出す友奈と美森以外の6人。園子、樹がまず部室を飛び出し、2人に頼みながら夏凜、銀と続き、ぼた餅が置いてあったテーブルの上に同じく置いてあった数冊の絵本を指差しながら風も出ていき、楓が慌ただしく出ていった5人に苦笑いしつつ、残る2人に手を振る。そして残された友奈と美森は、楓に手を振り返すのだった。

 

 

 

 

 

 

 「で、どうするんだい?」

 

 「依頼の中にね、鴨部市にある公園の秋桜(コスモス)畑の花弁の掃除の依頼があったんだ~。結構大きいらしくって~」

 

 「コスモス? なんでその依頼を……」

 

 「なるほど、その花弁を使おうって訳だ。掃除して集めた花弁をそのまま貰っちゃおうってことだね?」

 

 「あったり~♪」

 

 「なーる。でも、6人もいるか? いや、いるか。沢山花弁必要になるだろうし、大きいなら範囲も広いだろうからな」

 

 「そうそう、人手は幾らあってもいいんだよ~ミノさん」

 

 園子が乃木家と勇者の地位を使って鴨部市へと向かう為に用意してもらった車の中で、楓、園子、銀がそんな会話をしていた。風、樹、夏凜は別の車である。勿論、この組分けも園子の案である。風が何か言いたげにしていたが、時間もないので何とか飲み込んでいた。

 

 彼女の案は楓が言った通り。掃除の依頼を受け、その報酬として秋桜の花弁を受け取り、引っ越し当日に花弁を桜吹雪の如く舞わせようということだ。それをしようとすれば大量に花弁がいるし、塵も積もればなんとやら、重量もそれなりになるだろう。時間もあまり無いので、園子が言うように人手は幾らあってもいい。

 

 「で、園子は何してんの……いやまあ、なんか懐かしい光景だけどさ」

 

 「フーミン先輩が居ると出来ないだろうから今のうちに堪能堪能~♪」

 

 「ふふ……懐かしいねぇ。2年前に合宿に行くときのバスでもこうしていたっけねぇ」

 

 「あーやってたやってた。んで園子が寝言言って、須美が園子を揺らしてさ」

 

 「自分も揺れたねぇ。バスの振動もあってガクガクと」

 

 「寝てたからわかんないな~」

 

 車の中の広い後部座席にて楓を間に挟んで右に銀、左に園子。銀が少し前のめりになって園子を見ると、彼女は楓に膝枕してもらっていた。彼女が言うように風が居れば止めただろうが、鬼の居ぬ間になんとやら。久々に彼の膝を堪能している。

 

 嬉しそうにする園子の頭を右手で撫でながらそう言う楓の脳裏には、2年前に美森を加えた4人で行った合宿のことが思い返されていた。2度の戦いを終え、4人の連係を更に高める為に行われた合宿。その場所に向かう為のバスの中で、楓はこうして園子を膝枕し、園子はぐっすりと眠っていた。

 

 その時の出来事を同じように思い返した銀がくくっと笑う。意味深な寝言を呟かれ、内容が気になった美森が園子を揺らし、膝枕していた楓まで揺れた光景。見てる分には面白かったと。その時園子は夢の中なので、彼女はその時のことを知らないが。

 

 「……なあ、楓。あたしも、その……」

 

 「うん?」

 

 「ひ! ひ、膝枕……してほしいな、って……」

 

 「それくらい、別に構わないよ」

 

 「そ、そっか! それじゃあ、その……お邪魔します!?」

 

 「うん? どうぞ……で、いいのかねぇ」

 

 (慌てるミノさん可愛いな~)

 

 そうして思い返しつつしばし園子を羨ましげに見た後、銀が顔を真っ赤にしながらお願いしてきた。楓は微笑ましそうに笑い、了承。元より彼は勇者部の部員達のお願いはあまり断らない。それはお爺ちゃんとしての意識が強いこともあるが、何よりも彼女達は皆命懸けの戦いをしてきたのだ。お願い等は出来るだけ叶えてあげたかった。

 

 園子に内心そう思われていることなど露知らず、銀は楓の右膝の上に頭を置く。弟達にしたことはあれど、あまり自分がしてもらった記憶はない銀。親友の1人がやってもらっている姿を見て、少し羨ましく思ったりもした。念願叶った、という程大層なことではないが、実際にやってもらうとこれが中々心地いい。頭も撫でて貰えて更に良しと内心で頷く。

 

 (……弟、かぁ)

 

 ふと、銀は弟達のことを思い出した。散華が戻り、2年ぶりに実家に帰ることが出来た彼女は家族に優しく出迎えられた。真ん中の弟は姉ちゃん姉ちゃんと泣きながら銀に抱き着いてきたし、両親も同じように抱き締めてくれた。そんな中で、銀は心配事が1つあった。それが、1番下の弟の存在である。

 

 当時は産まれて間もなかった弟。銀が居た時はハイハイも出来なかったが、2年も立てばある程度言葉も覚えるし立って歩くことだって出来る。ただ……自分のことを覚えてくれているか、それが心配だったのだ。

 

 実際、1番下の弟は唯一銀に近付かなかった。だから銀は自分から近付き……声をかけようとして、止まった。なんて声をかけたらいいか、咄嗟に思い浮かばなかったからだ。そして動きが止まった銀に……弟は、自分の指を咥えながら、首を傾げて一言。

 

 

 

 ― ねぇね……? ―

 

 

 

 それが疑問の言葉なのか、それとも姉のことを呼んだのか本当の所はわからない。だが、その場の全員が銀のことを呼んだのだと判断した。その時の嬉しさを、銀は言葉に出来なかった。ただ……泣いて、2年前よりも大きくなった弟を強く抱き締めた。

 

 

 

 ― ああ……“ねぇね”だよ ―

 

 

 

 後から聞けば、真ん中の弟が“お前には姉ちゃんが居るんだぞ”と言い続けていたらしい。そのお陰なのか、それともお世話されていた頃のことが記憶に残っていたのか。ただ、2年という時間は彼女達姉弟の絆を壊すことはなかったのは確かだった。

 

 因みに、園子は両親とは少し距離が出来てしまったらしい。園子が大赦の大人を嫌っているということもあるが、園子自身、そして両親側が仕方ないとは言え勇者として生け贄のような形にしたことへの罪悪感があり、お互いに遠慮しあっていると言う。園子が一人暮らしをしているのも、お互いの為にも少し時間が必要だと思ったからなのかもしれない。

 

 「……もうすぐ着くみたいだねぇ」

 

 「そっか……じゃあそれまでいい、かな?」

 

 「勿論だとも」

 

 「ミノさん、カエっちの膝枕はどう?」

 

 「うん……結構いいな、これ。でもあたしはどっちかってーと……いや、やっぱいいや」

 

 流石に、膝枕をされるよりもしてあげたいとはこの場では言えない銀であった。彼女が何を言おうとしたのか理解しているのかしていないのか、園子はくすくすと笑っていた。

 

 

 

 公園に着いた6人を出迎えたのは、予想よりも大きなコスモス畑であった。あちらこちらに赤白ピンクの花弁があり、6人でも大変な作業となることは明白。それでも、誰1人として文句を言わずに掃除を始めた。

 

 タイムリミットは明日の朝。何とか夜までには終わらせ、女の子とお友達の別れに集めた花弁を桜のように舞わせてあげたかった。友奈、美森と共に女の子を連れてきた楓もそうだが、5人もその気持ちは強かった。何せ、彼女達もまた“別れ”を経験したことがあるからだ。

 

 弟、兄との別れ。親友との別れ。居場所をくれた2人の内1人との別れ。こうして再び出逢えたことが奇跡に思えるほど唐突に、悲しい別れを経験した。それは理不尽にすら思えるほどであった。だが、今別れようとしている彼女達は違う。別れ自体は辛くとも、それを綺麗なモノに、希望があるモノにすることが出来る。

 

 だから、頑張った。疲れていても、笑いながら掃除をして、集めた花弁を袋に詰めていった。今度は皆でこの公園に来たいね、なんて笑いあって、女の子達は喜んでくれるかと未来を想像して……女の子達が笑ってお別れ出来ますようにと、そう願って。

 

 掃除が終わり、帰りの車に乗る頃にはすっかり夜になっていて……乗るメンバーを変えた車の中には、楓に膝枕してもらって眠る風と樹。そして、その状態で姉妹に優しく微笑む楓の姿があった。因みに、もう一方の車では銀を真ん中に園子、夏凜が寄りかかりながら眠っていたそうな。

 

 

 

 

 

 

 次の日、コスモスの花弁を詰めた袋を持って予め女の子から聞かされていたお友達の家にやってきた6人。そこで見たのは、なぜかあるリヤカーとその近くで疲れ果てている友奈、そんな友奈を介抱する美森。そして、件の女の子とお友達だった。離れた場所にはお友達の家族と車もあり、女の子達を遠くから見ていた。

 

 「え、いや今の人達は……というかなんでリヤカーに……?」

 

 「こ、これ! 時間ギリギリになっちゃったんだけど……」

 

 「あ、うん。それは……?」

 

 「みんなからの桜……持っていってくれないかな?」

 

 見知らぬ2人によってリヤカーで1番の友達が運ばれてくるという衝撃的な光景に少し混乱するお友達だったが、女の子が2人を見て慌てつつも何かを取り出して渡してくるのでそちらに意識を向ける。

 

 女の子が取り出したモノ……何回か折り畳んでいた紙を広げると、そこには“五年二組の桜”との文字の下に木の幹の絵と……葉の部分に、桜を思わせるピンク色の手形と、その近くにクラスメート一人一人からのお別れや再会の言葉が書かれていた。

 

 昨日、あれから風に言われた通りに保育園へと絵本を届けた友奈と美森。その際、園児達から覚えたというお遊戯を見せてもらい、そこからヒントを得て女の子達がお友達にしてあげられることを思い付いた。

 

 それが、女の子とクラスメート達で作る、手形で桜の花を再現した桜の木の絵。その時は既に6時近くで小学生には遅い時間だったが、女の子含め多くのクラスメートが勇者部の部室に集まり、お友達の為に手形の桜を咲かせた。そして今日、女の子が代表してお友達に渡しに来たのだ。なぜ友奈と美森が女の子をリヤカーに乗せてきたのかは謎である。

 

 「……ありがとう」

 

 「絶対、会いに行くから」

 

 「うん」

 

 「また一緒に、桜を見ようね」

 

 「……うんっ」

 

 お互いに涙ぐみながら、それでも笑って約束する女の子とお友達。そんな2人の上から、桜に似た花弁が降ってきた。それは風に乗って宙を舞い、2人に昔共に見た桜の花が舞う光景を思い浮かばせる。

 

 「これ……コスモス?」

 

 「楓くん達だー!」

 

 最初に正体に気付いたのは美森。どこから降ってきたのかと辺りを見回す内に、高い場所にて袋から花弁を取り出しては上に投げている楓達6人の姿を見つけた友奈が笑みを浮かべる。

 

 2人が6人に近付くと、園子が自分達が鴨部市にあるコスモス畑に行ったことを伝え、風がその掃除をすることで花弁を貰ってきたと語る。その間、夏凜と銀は花弁を投げ続けていた。

 

 「また、お掃除しないとですね」

 

 「ま、それは仕方ないよねぇ……2人もお疲れ様。手形の桜の花か……いいねぇ。流石、友奈と美森ちゃんだよ」

 

 「えへへ、保育園の皆のお陰だよー」

 

 「楓君達もお疲れ様」

 

 宙を舞うコスモスの花を見て、手を繋ぎながら嬉しそうに笑う女の子とお友達。そんな2人を見る勇者部の面々にも笑顔が浮かぶ。お友達が引っ越していくその時まで、部員達はかわりばんこに花弁を投げ続けた。

 

 誰かが出来ない。もしくは、誰かが困ってる。そういう誰かの為に、誰かが笑顔になることを“勇んで”、進んでやる者達のクラブ。勇者部は今日もまた、8人仲良く活動していく。




という訳で、勇者の章……ではなく、勇者部所属ぷにっとからのお話でした。勇者部所属は独特の擬音と柔らかな雰囲気、ギャグ寄りの内容で安心して楽しめます。ゆゆゆいでも遂に書かれるとか……楽しみですね。

ぷにっとでは友奈、東郷さん側が書かれていますので本作ではコスモス畑側、そして銀と園子の家族の話を少し。鴨部市とコスモス畑は本当にあるようです。画像で見ただけですが、綺麗でした。

さて、まだ2、3話はほのぼの話が続きます。番外編はもう少し後ですね。その後には……。

それでは、あなたからの感想、評価、批評、pt、質問等をお待ちしておりますv(*^^*)

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