咲き誇る花達に幸福を   作:d.c.2隊長

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大変長らくお待たせしました(´ω`) お盆関係の私用と家族での小旅行もあり、旅行中とその疲れで執筆出来ない日が続いて今に至ります。待って下さっていた皆様、大変申し訳ありません。

さて、ゆゆゆいではランイベ、fgoでは水着イベが来ましたね。ランイベの超級、個人的に難易度はあまり高くなくて助かりました。水着イベは稼ぐぞー。

そして、我がカルデアには遂にマーリンが来てくれました。やったぜ。あまりの嬉しさに血管切れそうになりましたが、私は元気です。

さて、今回はリクエストからの番外編となります。


番外編 咲き誇る花達と平穏に ー 3 ー

 これは、なんやかんやあって平和を取り戻し、散華で捧げた供物も戻り、楓も神樹のごっどぱわーで五体満足になり、銀と園子が讃州中学に転校してきて勇者部に入部し、ギリギリ風も卒業する手前で勇者部のメンバーが8人であるという何ともご都合的な世界線でのお話である。

 

 

 

 

 

 

 讃州中学では月1の割合でお昼の校内放送を通じ、各部の“活動報告”を行っている。報告する内容は部活に関するモノであれば自由。そしてそれぞれの活動報告に生徒達が投票し、年間MVPに選ばれた部は校長より追加の部費が進呈される。が、生徒達はそんなことは関係無しに楽しんでいたりする。そしてこの日は、我らが勇者部が活動報告をする日であった。

 

 「準備いい?」

 

 「いつでもどうぞ」

 

 「OPに流す曲……おっけ。園子、そろそろいいぞ」

 

 「それじゃあいくよ~? さん~、に~、い~ち」

 

 美森、夏凜が放送室の機材の設定を確認し、銀は音響設備の確認、及びOP曲を流す準備をする。銀からOKサインが出た後、園子が壁1枚を隔てた先の部屋……さながらラジオのスタジオのような部屋のマイクの前に座る4人に窓越しに確認を取った後にカウントダウン。そして銀が曲を流し……放送がスタートした。

 

 「「「「勇者部! 活動報こ」」」」

 

 「へっくちゅんっ!」

 

 「ゆううううなああああ!!」

 

 「あばばばばっ!?」

 

 「えー……勇者部、活動報告。報告するのは自分こと犬吠埼 楓、自分の姉であり部長の犬吠埼 風、今その部長にグリグリされている結城 友奈と?」

 

 「えっと……妹の犬吠埼 樹です」

 

 4人一緒にタイトルコールという流れをぶった切ったのは友奈のくしゃみであった。出鼻を挫かれたことに怒った風とグリグリとこめかみを拳で攻撃されて涙目になる友奈。そんな2人のことなど知らねえと続ける楓、そして2人を気にしつつも同じように続ける樹であった。

 

 「にしても大きなくしゃみだったねぇ」

 

 「なんかね、鼻が悪戯な風にそよがれちゃって」

 

 「無駄に詩的ですね……」

 

 「ああ、くしゃみと言えば最近流行ってるみたいよ」

 

 「悪戯な風が?」

 

 「風じゃなくて風邪! って放送じゃ分かりづらいわ!」

 

 「インフルエンザも流行る季節ですしね」

 

 「かかると本当に辛いからねぇ……皆さんも予防はしっかりしようねぇ」

 

 楓が朗らかに笑いながらそう言うと、風のグリグリから解放された友奈がティッシュで鼻を拭きながらそう返す。友奈の言葉に樹が苦笑いしていると風が思い出したようにポツリと呟いた。これからどんどん寒い季節から暖かい季節へと変わる為、その温度差で体調を崩すことも間々あることだろう。

 

 友奈のボケだけ天然だかわからない発言に素早く風がツッコミを入れ、樹と楓が注意を呼び掛ける。この後友奈は“風邪を引いたことはないなぁ”と呟き、銀も“あたしもないなぁ”と小声で呟く。その後2人は他の6人から生暖かい目で見られるのだが、本人達はその理由が分からなかった。

 

 「そんじゃま、まずは活動報告から」

 

 「わーい」

 

 「どんどんー」

 

 「ぱふぱふー」

 

 「今月も色々やりました……終わり」

 

 「「終わっちゃった!?」」

 

 これ以上ぐだぐだしていられないと風が進行し、友奈、楓、樹が盛り上げるように口々に言う。そうして風の口から出た報告は……その一言だけ。あまりの短さに思わず樹と、4人には聞こえないが外に居る銀からツッコミが入る。

 

 報告が短かった言い訳として、忙しすぎて何をやったかよく覚えていないとのこと。部長としてそれはどうなんだと楓は苦笑いし、友奈はそっかーと笑いながら納得。なら日誌を見ようと夏凜によって予めスタジオ内に用意されていた日誌を受け取った樹が風にそれを手渡し、開いて4人で見てみることに。

 

 「ハロウィンのカボチャコロッケ美味しかった」

 

 「カボチャ怖い」

 

 「あの時見た女の子は果たしてこの世のモノだったのかねぇ……」

 

 「感想! それ感想だから! というかお兄ちゃんまでそっちに行ったら私だけじゃツッコミ追い付かないよ!?」

 

 「いやぁ、たまにはこっち側に行ってみたくてねぇ」

 

 日誌に書いてあることをそのまま読む風と友奈。以前、勇者部は商店街と幼稚園の合同で行うハロウィンイベントのお手伝いをしたことがあった。衣装作りにお菓子作り、商店街の飾り付けや設営の手伝い等を商店街の人達と共にやっていたのだ。

 

 風が言っているのは、そこで試作品として受け取ったカボチャコロッケのこと。イベント当日でも売られていたそのコロッケはとても美味しかったらしい。友奈が言っているのは、あまりにも不器用過ぎた友奈と夏凜に風がイベントで使うカボチャの中身をひたすらくり貫くように言ったこと。延々とカボチャをくり貫き続けたのは少々堪えたようだ。

 

 そして、楓が言っているのはそのイベントよりも更に前、廃病院に幽霊が居るか居ないか確かめようとしていた子供達の代わりに勇者部全員で確認しに行った時のこと。そこで1人の女の子と出会い、その子が落としたという髪飾りを探すことになった。

 

 結果としてその女の子の髪飾りは見つかった。見つけた髪飾りを女の子に渡した後、勇者部全員がほんの一瞬目を離すとその女の子はまるで最初からそこに居なかったかのように居なくなっていたという……因みに、時折楓と園子には風の隣に髪飾りをつけた可愛い小さな女の子が見えるようになったとか。

 

 「さて、次は12月の予定だねぇ。勇者部は保育園でのクリスマス会のお手伝いだっけ?」

 

 「そうだった! 文化祭でやった劇を披露するんですよ!」

 

 「文化祭の時には自分と後から入った新メンバーの乃木 園子、三ノ輪 銀は参加出来なかったからねぇ。自分達も楽しみにしているんだ」

 

 「因みに、個人的なクリスマスの予定はヒ・ミ・ツ♪」

 

 「ひゃあーっ、風先輩おっとなー!」

 

 「秘密も何も去年と変わらないだろうに」

 

 「それにその前に期末テストがありますよ」

 

 「「ごふっ」」

 

 楓の言った通り、勇者部は幼稚園で劇を行う予定であった。劇で何か役をするのは初めてだと言って楽しみにしている園子、以前に司会のお姉さん役もやっていたからかノリノリな銀、参加出来なかったことを残念に思っていた楓。文化祭で行ったモノを、その3人を加えたフルメンバーでやるのだ。今から楽しみだと思っているのが、楓の声色からも伺えた。

 

 その後に風がそんなことを言って友奈が続くと楓、樹から痛烈なツッコミと現実を突き付けられる。耳を塞ぐ間も無く聞こえた言葉に、2人は胸を押さえながら血を吐くような仕草をするのだった。

 

 「で、では最初のコーナー!」

 

 「“樹ちゃんのお悩み解決”!」

 

 「です!」

 

 「このコーナーは自分達の自慢の妹、樹が得意のタロット占いで寄せられたお悩みを解決していくコーナーだよ」

 

 「解決するお悩みはこのお便りボックスの中からランダムです! それでは風先輩、引いちゃってください!」

 

 やっていることは勇者部の活動報告なのだが、何故だかラジオのようになっているのは気にしてはいけない。そもそも自由にしていいとも言われているのだし、以前から勇者部の活動報告はこのような形でやってきているのだから。

 

 コーナーの説明をした後にこれまた夏凜によって予め用意されていたお便りボックスと書かれたダンボールの箱を手に持ち、風へと差し出す友奈。報告前にはこうしてお便りを募集しているのだ。ボックスの中にはそれなりの数のお便りがあり、このコーナーが人気であることが伺える。

 

 「さて、今回の迷える子羊ちゃんの悩みは何かしら? えーと、なになに……」

 

 そして風はボックスの中から1枚の紙を取り出し、読み上げる。

 

 「RN(ラジオネーム)ぷりんうどんさんから。“最近彼氏と上手く行き過ぎてて逆に怖いです。これからの私たちを……”知るか!!」

 

 「こらーっ! お姉ちゃん!」

 

 「折角送ってもらったのに紙飛行機にして飛ばすんじゃない」

 

 思いっきり“ラジオネーム”と言っているが気にしてはいけない。読むや否や彼氏が居ない己と何らかの差でも感じたのか、風は怒りながら数秒でお便りを紙飛行機にして飛ばす。姉の行動に妹は怒り、弟も笑顔を浮かべたまま額に青筋を立て、それを外で見た夏凜が震えて園子と銀に頭を撫でられる。尚、友奈は何故かお便りボックスを頭に乗せたまま風が飛ばした紙飛行機を目で追っていた。後に紙飛行機は園子によって回収されている。

 

 「では次のお悩みー。樹ちゃんどうぞー」

 

 「今のお悩み、全く解決してないと思うんだけどねぇ……」

 

 「だよね……でも進めないと。えっと……」

 

 紙飛行機として飛んでいったお便りは気になるが、この報告には時間制限がある。サクサク進めていかないとあっという間に時間が過ぎていくので仕方なく進めることにし、樹が友奈に差し出されたボックスに手を入れて次のお便りを引いて読む。

 

 「RN琴弾にゃんこさんからです。“胸が大きくて周りの目が気になります。どうすればいいですか?”」

 

 瞬間、勇者部の空気が放送室の内外問わずに死んだ。風と友奈、外に居る美森と夏凜と銀は樹と目を合わさないように視線を反らし、楓と園子はどうしたものかと苦笑い。このある種の異様な空気は放送を聞いている全校生徒達にも感じ取られていたことだろう。

 

 数秒の後、樹は風と同じようにお便りを紙飛行機にして飛ばす。心なしか、それは風のモノよりも良く飛んだ。友奈と風は涙を堪えきれず、流石に楓もこれには何も言えず、ただ生暖かい慈愛に満ちた視線を樹へと送るのだった。尚、この紙飛行機も後に園子に回収されるのであった。

 

 

 

 「今日はいつにも増してぐっだぐだね……」

 

 「見て聞いてる分には面白いんだけどなー」

 

 「ね~。わたしは構成とか裏方とか好きだからこうして見てるだけでもいいんだけど、カエっちとミノさんとわっしーと一緒に先代組でやるのも楽しそ~」

 

 「それはそれでちょっと聞いてみたい気もするけど、楓さんと銀辺りが大変そうね……いや、銀も割と風側に回るし楓さんだけかしら」

 

 「2年前の須美なら良くツッコミ側に回ってたんだけどな」

 

 「嘘でしょ……!?」

 

 「そこまで驚くことないじゃない夏凜ちゃん」

 

 胸の話題が出て目が死んでいる樹をどうにかしようと奮闘中のスタジオ内とは場所は変わり、外側の4人。今までの進行を見て率直な感想を述べる夏凜とその隣で頭の後ろで両手を組みながらカラカラと笑う銀、その後ろであらあらと頬に手を当てて笑っている美森。

 

 2人の感想を聞いた後、園子がそんなことをポツリと呟いた。彼女の頭の中では小学生時代の4人がスタジオ内で横に並び、面白おかしくラジオをやっている姿が浮かんでいるのだろう。番組の名前は勇者ラジオで決定らしい。

 

 似たようなことを想像したのか夏凜がそんなことを言ってみるが、想像内ではボケまくる園子と美森、ボケにもツッコミにも回る銀、朗らかな笑みを浮かべながらツッコミをしつつなんとか進行していく楓の姿が浮かんでいる。彼女の言葉を聞いた銀がこれまた笑いながら呟くと、夏凜は信じられないモノを見たかのように美森を見ながら戦慄する。これには美森も頬を膨らませてムスッとした。

 

 「にぼっしーとわっしーは出ないの? ミノさんも」

 

 「にぼっしー言うなっつの。まあガラじゃないし、風のツッコミに疲れそうだからいいわ」

 

 「あたしはまだこの報告聞くの2回目だしなー。出るとしたら来年で、園子が言ったみたいに先代組でやりたいな」

 

 「なるほどなるほど~。わっしーは?」

 

 「私は前に国防コーナーの仕様書を風先輩に見せたんだけど、却下されちゃって。そのまま参加も止められちゃったのよ」

 

 「そっか~」

 

 以前よりも丸くなったとは言え、こうして報告として放送に参加するのはガラじゃないと言い切る夏凜。それもあるだろうが、風のツッコミに疲れるというのも本音なのだろう。銀と園子は今回が2回目の参加。まだまだ元の6人に比べれば知名度も低いし……という理由から不参加。

 

 そして美森は、報告に出るなら是非国防コーナーを! とわざわざ仕様書を自作(高さ30センチ越えの原稿用紙の束)して風に提出。彼女は読むこともなく即座に却下し、拗ねた美森は楓に宥められることになった。却下されたことはショックではあったが、楓にしばらく宥められたのは役得だったとは美森の心の声である。

 

 

 

 「ではでは、次のコーナー! 楓くん、タイトルコールをどうぞ!」

 

 「えー……次のコーナーは“女子力王のお言葉”~」

 

 そんな外の事などは知らないと、スタジオ内はようやく樹の精神がある程度回復したのでコーナーを進めていく。何故だか豪華に見える真っ赤なマントと白い付け髭、小さな王冠を頭に乗せた風。同じように付け髭を着けた友奈に促され、これまた付け髭を着けた楓がタイトルコール。その声にやる気は感じられなかった。

 

 「女子力王の女子力による女子力の為のコーナーでっす! 因みに私は三人官女の右側で、楓くんは真ん中です」

 

 「私が左側です……このコーナー、失敗じゃないですかね? それからお兄ちゃん、付け髭似合うよね」

 

 「自分も毎回そう思ってるんだけどねぇ……これが意外と人気があるんだよ。というか何故三人官女? 自分は女じゃないんだけど……ああ、ありがとねぇ、樹」

 

 「それじゃあ女子力王! 今月のお言葉をどうぞ!」

 

 「うむ」

 

 女子力王(自称)の風が女子力王としての言葉を告げるコーナー。いつものように友奈の説明から入り、樹が率直な感想を述べる。楓を含めた3人がなぜ三人官女のポジションなのかは言い出した友奈含め誰にもわからない。

 

 毎回頓珍漢な言葉が出てくるこのコーナー、楓が言うように意外にも人気があった。意味分からなすぎて面白いとか毎回どんな言葉が出てくるのか予想出来なくて面白いとかそういった理由が大半を占めるのだが。そして、友奈に促された風は一言。

 

 

 

 ― うどんって、真っ白な雪のよう ― “女子力王”

 

 

 

 「ありがとうございました!」

 

 「失敗じゃないですか?」

 

 「女子力全く関係ないよねぇ」

 

 それでも人気はあるのである。尚、スタジオの外では銀が大爆笑していた。

 

 ここで一旦友奈がスタジオの外に出てスタジオから見えない場所に行き、美森に手伝ってもらってお着替え。応援団宜しく学ランに鉢巻姿の友奈が戻ってきたところで風が進める。

 

 「お次は“友奈の応援団”!」

 

 「友奈さんがリスナーさんを元気いっぱい応援します!」

 

 「このコーナーも人気だねぇ。友奈の応援で元気をもらった、頑張れるようになった等の感謝の手紙を貰ってるよ。それじゃあ友奈、宜しくねぇ」

 

 「おまかせあれ! どんなお悩みもどんとこいっ!」

 

 楓の言葉とその手にある感謝の手紙を見せられ、いっそう気合いが入る友奈。普段から元気娘を地で行く彼女に応援団ルックは非常によく似合っていた。そして楓はお便りボックスから手紙を取り、次々と読んでいく。

 

 “高校推薦、取れるか心配です”

 

 「成せば大抵なんとかなる!」

 

 “ジャムの瓶の蓋が開きませーん”

 

 「成せば大抵なんとかなる!」

 

 “友奈ちゃんが可愛い過ぎて……”

 

 「成せば大て……楓くん、ちゃん付け……」

 

 「ああ、ごめんね友奈。手紙に書かれてたから……」

 

 「しょんぼりしてるとこ悪いけど、その言葉そんな万能じゃないわよー」

 

 「ツっこむ所違うよお姉ちゃん」

 

 答える度に正拳付きや両手を左へと伸ばしたりとポーズを取る友奈。そして3度楓が手紙を読むと、途中で寂しそうにしながらしょんぼりとする。友奈にとって楓に呼び捨てにされるのは特別な意味を持つ。なので例え手紙の中の言葉であっても彼の口からちゃん付けされるのは寂しさを覚えるのだろう。

 

 それに気付いた楓は苦笑いしつつ友奈のご機嫌を取るべく頭を撫でる。少しすると彼女の顔がしょんぼり顔から“にへーっ”とだらしなく緩む。今の彼女に風と樹の言葉は聞こえていなかった。この外では美森が残像を生みながらガラス越しに2人をスマホでパシャパシャと撮っており、夏凜には少し引かれ、園子と銀からは懐かしいモノを見るような視線を送られている。

 

 「お次はアタシの自慢の弟の楓が主役のコーナー、“教えて! 楓お爺ちゃん”!」

 

 「このコーナーでは、お兄ちゃんへの質問、または勇者部への質問をお兄ちゃんが答えていきます」

 

 「頑張りますねぇ。姉さん、苦しい苦しい」

 

 「それじゃあ最初の質問は……“結城さんのことを呼び捨てにするようになった切欠は”?」

 

 「これはたまに聞かれますねぇ。切欠は、ちょっとした出来事から。あまり詳しくは言えないんですが……その出来事で彼女からお願いされてねぇ。彼女が良いなら、ということで今に至ります。呼び捨てにしないとさっきみたいに拗ねるしねぇ」

 

 「えへへ……」

 

 少しして次のコーナーへと移る。風が楓に抱き付きながらタイトルコールをし、樹が説明。姉の抱擁に少し苦しそうにしつつ楓がいつものように朗らかに笑い、友奈がお便りボックスから手紙は取り出して読む。

 

 答える楓、そしてそれを聞く友奈の脳裏にはその時のことが浮かんでいた。今でも、友奈は名前を呼ばれる度にドキドキとする。ただそれだけのことが、それほどに嬉しいのだ。だからだろうか、呼び捨てでなくなると寂しくなってしまうのだが。照れ笑いする友奈に代わり、風が次の手紙を引く。

 

 「次は……RNがあるわね。RN“いつもあなたを見ている桜”さんから。えっ、楓にストーカー!?」

 

 「違うと思うよお姉ちゃん……多分」

 

 「ただのRNだから大丈夫だと思うよ姉さん。で、なんて書いてあるんだい?」

 

 「本当に大丈夫なんでしょうね……えーっと、“あなたが楽しそうに日々を過ごせているようで何よりです。今の人生は楽しいですか”? こっわ! 本当に大丈夫なんでしょうね!?」

 

 「楓くん……? 大丈夫?」

 

 「お兄ちゃん、視線を感じたりしてない? タロットで占おうか?」

 

 「だから大丈夫だって……3人共、心配し過ぎだよ」

 

 直球なRNと本当にいつも見ているかのような内容に恐怖し、思いっきり手紙を投げ捨てる風。友奈と樹も心配そうに楓を見ており、樹に至ってはタロットを取り出す始末。よく見れば外の4人も似たような表情を浮かべており、気持ちが分からなくもない楓も苦笑いを浮かべる。

 

 ただ、楓にはこの差出人が誰なのか想像がついていた。だから心配はないとハッキリと告げ、質問に答えるべく口を開く。その顔に、いつもの朗らかな笑みを浮かべて。

 

 

 

 「さて、質問の答えですが……楽しいですよ。勇者部の皆が居ますし、皆以外にもクラスメートや先生方、部活で知り合った多くの人が居ますから。勿論、あなたもね」

 

 ― ……良かった ―

 

 

 

 「なんか怖いこともあったけど……気を取り直して、ラスト!」

 

 「「“エンディングは私に任せろ”!」」

 

 「“誰が”、“題材”、“曲調”がそれぞれ書かれたくじを女子3人が引いて、その結果に沿ったエンディングテーマを即興で歌うコーナーだよ」

 

 「このコーナーいる!? 誰よこれ考えたの……正直しんどいわ」

 

 勇者部活動報告もいよいよラスト。最後は楓が言うように、エンディングテーマを即興で歌うことなった。これは最近出来た新しいコーナーであり、案は園子である。そうとは知らず、女子3人は予め用意されていたくじボックスを楓から受け取り、同時にくじを引く。

 

 “誰が”の部分を引いたのは風。その紙には“4人”と書かれており、これで全員が歌うことが確定。次は“題材”を引いた樹。“ホワイトクリスマス”と書かれており、少し早いクリスマスソングを歌うことに。そして最後、“曲調”を引いた友奈の紙には……。

 

 「“演歌”で!」

 

 「どうしろっつーのよ!!」

 

 「だから“4人”で“ホワイトクリスマス”を題材にした“演歌”のエンディングテーマを歌うんだよ」

 

 「お姉ちゃん……頑張ろう。私は覚悟決めたよ」

 

 「樹……っ!」

 

 「それじゃあ行くよー! いつも通りの日常~♪」

 

 「「「友奈(さん)、それ前回のエンディングテーマ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 放送終了後、それぞれのクラスへと戻って部員達はスタジオ内外問わずにクラスメート達に暖かく迎えられた。樹はツッコミ大変だったねと友達に労られ、風は笑わせて貰った、相変わらず弟と妹が好きだねと仲良く笑いあい、銀と園子は裏方お疲れ様と既に友達も出来ていた様子。同じように美森と夏凜も労われ、そして友奈と楓は。

 

 「……? ……?」

 

 「お爺ちゃん、みかん剥いてあるよー。食べる?」

 

 「温かい緑茶もあるよー」

 

 「じいちゃん、今回も面白かったぞ!」

 

 「皆ありがとねぇ。ああ、友奈を撫でるのもほどほどにねぇ」

 

 「やっぱり友奈ちゃんは愛されキャラね。楓君もあんなに懐かれて……」

 

 「毎回思うけど、楓さんだけ距離感おかしいわよね……お爺ちゃんと孫?」

 

 訳も分からないままクラスメート達に頭を撫でられる友奈。楓は剥かれていたみかんと用意されていたお茶を受け取り、それらを口にしながら報告の感想を聞いて朗らかに笑う。そんな2人を見て、美森と夏凜がそれぞれの感想を述べるのだった。そんな……平和な一時のお話。

 

 因みに、楓のコーナーの時に出た風がストーカーと危惧した手紙だが……放送終了後、どこを何度探しても見つからなかったそうな。




という訳で、リクエストから勇者部活動報告、つまりはラジオです。公式の中の人がやるアレではなく、勇者部所属からですが。期待に応えられていれば幸いです。

楓と銀を入れるのは割と難しかったです。3人とい体勢で完成されてますしね、アレ。ちょっとした小ネタも入ってます。分かる人は分かると思います。

全く関係ない話ですが、宿泊先にあったカラオケでエガオノキミヘを歌いました。泣きそうになりましたが、なんとか堪えました。以前に感想で“見返したアルバムの中で”の部分に“かえで”と入ってると言われ、そうだと無理やり考えて歌うと余計にもう……もう←

さて、次回からは再び本編に戻ります。それなりに時間が空いてしまったので、ちょっと復習しつつ書いていきます。

それでは、あなたからの感想、評価、批評、pt、質問等をお待ちしておりますv(*^^*)
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