今回は日常詰め合わせ、みたいな感じになっています。
カスタムキャストを使って新士を作ってみようと画策してみましたが、私の技量では無理でした。どうしてもロリっ娘にしかならんのや……←
ゆゆゆいでしずくssr来たぜひゃっほーう! 猫の手してるしずく可愛すぎ(尊死
3体目のバーテックスを倒し、少し休憩してからイネスへ行こうということになり、いつもの如く樹海化から戻るとやってくることになる大橋の見える祠、その近くのベンチに座った折に周りに誰も居ないことを確認してから3人にこんなことを聞いてみた。
「あの紋章みたいなのはどうやって出してるんだい?」
須美ちゃんが矢を巨大化させる前に出る紋章、銀ちゃんの斧の上の穴に現れて炎を噴き出す紋章、のこちゃんの槍が盾になる時に出る紋章。自分は出せた覚えがない。というか、出し方がわからない。
「えっ? そうね……言葉にするのは難しいわ」
「そだね、あたしもよくわかんない内に出来てるし。強いて言うなら」
「言うなら?」
「勇者としての気合い! 根性! 魂!」
うん、戦いの時に疲れた顔してたけど、もう大丈夫みたいだ。それはそうと、銀ちゃんの説明は分かりにくいというかなんというか……グッと片手を握り締めて強く言い切った姿は見ていて微笑ましい。それに、勇者としての気合いに根性に魂……うん、熱くていい言葉だ。存外、銀ちゃんが炎を出すのはこういう性格だからで、本当に気合いとかで出してるのかもしれない。
「私はね~、こんな風に出来ないかな~って思ったら出て来たよ~」
これまたふむ、と頷ける答えだ。のこちゃんは頭の回転が早い。それに想像力も豊かだ。少なくとも、自分が彼女の槍を使ったところで盾や階段として使うなんて思い付けないだろう。最後に使った紫色の光の穂先も彼女の想像力の賜物なんだろう。彼女の想像を勇者の力が形にしている、というところか。
「私もそのっちに近いかしら。後は……神樹様にお願いしてるわ。今回の場合、大きな矢を想像して“神樹様、お願いします”っていう風に」
神樹様にお願い……なるほど、そういうのもあるのかと思う。戦いの時、自分は皆を守り、自分も生き残ることを念頭に置いている。手甲具足に爪という装備の為、4人の中では誰よりも速く動けるし、誰よりも速くカバーに入れる。その為、攻撃よりも防御へと思考が寄りがちなことは自覚している。
後はまあ、自分の武器を完全に把握しきれていなかったということもある。だが、今回で自分の爪の射出は須美ちゃんの矢よりは速いが射程は短いことを理解した。爪がどれくらい伸びるかも、訓練中に把握出来ている。
そもそも、考えてみれば自分達が使っている武器と敵であるバーテックスに常識は通じない。気合いも根性も魂も、想像力も神樹様へのお願いも、恐らくは全てが正解なんだ。自分は常識に囚われていた。爪が伸びる、爪を射てる、この武器で出来るのは……自分が出来るのはこれくらいなのだと、限界を無意識に決めていたのかもしれない。神樹様に力を貸して等と夢で言っておきながら……我ながら情けないことだ。
「……なるほどねぇ、参考になったよ。自分は、思っていたよりも頭が固かったみたいだねぇ」
「じゃあ柔らかくしたげるね~。うりうり~♪」
「おっ、じゃああたしも……ほら、須美もさ」
「えっ!? じゃ、じゃあ失礼して……」
「いや、そんな物理的に頭を揉まれてもねぇ……」
次からは、自分もあの紋章のようなモノを出せるだろうか。そんな風に思いながら、しばらく3人に3方向から頭を揉み解されていた。
とある日、新士は自宅の前に止まるリムジン……その中を見て唖然としていた。
「ヘーイアマっち! 今日というナイスな休日を一緒にエンジョイしよう!」
「ヤッタカターヤッタカタッタッヤッタカター!」
「おっす新士!」
お嬢様を体現したかのような紫色の服装に白い帽子にサングラスという格好をした妙なテンションの園子。イヤホンを着けて腕を上下に振っている、新士に気付いた様子のない須美。唯一普通に手を上げて挨拶してくれた銀。予め須美から連絡をもらっていたのだが、このテンションは予想外だっただろう。
「うん……うん、よし、うん」
「お、飲み込んだ。新士って結構受け入れるの早いよね」
「褒め言葉として受け取るよ。で、エンジョイするってどこに行くんだい?」
リムジンの扉を開けて中へと入り、銀の隣へと座る新士。須美からは“今からそのっちと銀を拾ってから向かいます”と連絡が来ただけで何をするのか、どこに行くのか把握していないのだ。
「それはね~?」
「それは?」
「あ、あたしにこれは似合わないんじゃ……」
新士が連れてこられたのは園子の家、つまりは乃木家であった。てっきりまたイネスか、もしくはどこかの娯楽施設だと思っていた新士には予想外な場所であるし、何気にお邪魔するのは初めてのことである。
それはさておき、今行われているのは様々な服を保管している衣装部屋での銀のファッションショー。園子曰く、乃木家にある様々な服を銀に着せて更に可愛くしたいとのこと。
最初は渋っていた銀だったが、これも経験、たまにはもっと女の子らしい格好をしなさいとの園子と須美の2人に押しきられた。新士は傍観である。尚、衣装部屋には仕切りがあり、その向こうにもう一部屋存在し、着替えている間は新士はそこにいる。
今銀が着ているのは、清楚感漂う黒と白のワンピースのような服。頭には花の髪飾り。普段動きやすい服装で居る銀からすれば落ち着かないのだろう。が、周りの人間はそうではない。
「そんなことないよ~。すっごく可愛いよ~? ねっ? わっしー」
「ぷはーっ!」
「おお~、そんな風に吹き出す人初めて見た」
誉める園子が須美の方を見れば、そこには上を向いて噴水の如く鼻血を吹き出している須美の姿。その両手にはスマホを持ち、上を向いているにも関わらず正確に銀の方へと向けてパシャパシャと写真を撮っている。そんな彼女の姿に新士はどこか遠くを見る。こんな子だったかなぁ……と。
「アマっちはどう?」
「自分は服装には詳しくないんだけどねぇ……うん、可愛いよ銀ちゃん。そういう格好も似合っているねぇ」
「そ、そう、かな? へへっ……」
自分自身では落ち着かなくとも似合うと言われて悪い気はしないのだろう、新士が褒めると銀は照れ臭そうに頬を掻く。その姿にまた須美のスマホがパシャパシャと音を鳴らし、果てにはどこから出したのか本格的なカメラを手に残像を生みながら高速で移動して様々な角度から銀を撮る。新士はそんな須美を完全に意識の外へと追いやることにした。
ここで更に須美と園子が暴走する。落ち着いた服装だったり、派手なドレスだったり、メイド服だったり、かつらにミニスカにキャラクターTシャツだったりと色々着せては写真を撮り……。
「……」
「怒っちゃった」
「良かったわ、銀!」
「何がだよ!!」
「どうどう、落ち着いて」
最初に着た服で新士の後ろに隠れながらむっすー、と涙目で膨れっ面になって怒りを示す銀。グッと親指を立てた須美に威嚇する動物の如く吠える銀の頭を、落ち着かせるように撫でる新士。彼だけが銀に威嚇されないのは、途中から新士が置いてきぼりになったからである。
この後、園子と銀によってどこかの姫が着るような派手かつ豪華なドレスを着せられる須美。最初は“こんな非国民の洋服……”と言葉では拒絶していた彼女だったが、目をキラキラとさせて心を揺り動かさせられているのは丸分かりであり、そんな彼女を3人でニヤニヤとしながら見ていた。
さて、これで終わりだろう……と、新士が1人油断していると、園子が彼の背後に回り込み、その肩を掴んだ。
「アマっちも着てみない?」
「ん? 自分が着るような男物の服は見えなかったけど……」
「いやいや~、男物の服は無いけど……着る服なら沢山あるよ~」
「……うん?」
園子が指を指す方向へと新士が目を向ければ、そこにあるのは先程まで3人が入って銀を着せ替え人形にしていた衣装部屋。新士も先程中を見せてもらったが、覚えている限り女物以外の服はなかった。そこまで考えて、まさか……と園子へと視線を向ける。そこにはニコニコとしている園子。更に後ろにはイイ笑顔でカメラを構えた須美とニヤニヤとしている銀。
「……女装しろ、ってことかねぇ?」
笑みをひきつらせる新士に、3人は無慈悲に頷いた。
「さっきの銀ちゃんの気持ちがよく分かるよ……」
「可愛い! 可愛いよアマっち!」
「……」
「無言で写真取るのはどうかと思いますぜ須美さんや」
灰色のショーパンに黄緑のフード付きノースリーブトップス。今の新士の服装がそれであった。しかも肩甲骨辺りまでの髪を首の後ろ辺りで2つに縛り、横髪にも白いリボンが巻かれ、姉の風と妹の樹を合わせたような髪型となっている。ボーイッシュな服装であったのは不幸中の幸いという奴だろう。なまじ顔が樹に似ていて背も銀と同じくらいな為、端から見れば完全に女子である。
園子は興奮しながらどこからか取り出したメモに風を巻き起こしながら何やら書き綴り、須美は満ち足りた表情で鼻血を流しながらパシャパシャとカメラのシャッターを切り、銀も最初こそ同じように興奮していたものの、隣の
「アマっち!」
「なんだい……?」
未だ興奮冷めやらぬといった様子の園子はメモをしまい、新士の両手を包み込むように握り締める。既に精神的に疲れきっている新士だが、嫌な予感がしつつも拒むことなく彼女と視線を合わせた。
「私、アマっちなら女の子でもいいよ! むしろ女の子の方が!」
「うん、自分は男で居たいからね? というか着替えさせてくれないかい?」
「新士君! 是非この服とこの服に!!」
「落ち着け須美! その黄緑のやたらスリットが深いチャイナ服とチアリーディングの服から手を離せ! 流石に新士が可哀想……可哀……いや、アリだな!」
とある日の神樹館での休み時間。須美は黒板にチョークでやたらリアルな軍艦を描いていた。それを見ていた他の勇者3人はおおーと感嘆の息を吐き、新士は真面目な須美が休み時間とは言え黒板に絵を描くという子供らしいことをしている姿に微笑ましさを感じていた。絵の内容は微笑ましさからは少し離れているが。
「須美のその絵、なに?」
「翔鶴型航空母艦の二番艦“瑞鶴”よ! 旧世紀……昭和の時代に数々の戦いで活躍した我が国の空母よ! 囮になって最後の最後まで頑張ったの……っ!!」
「色々ガチ過ぎるだろ……」
「須美ちゃんはそういうの詳しいねぇ。よっぽど好きなんだねぇ」
「ええ! 夢は歴史学者さんだから」
ドヤ顔、からの真剣な表情での熱い語り、最後は涙を流しながら敬礼。真面目な、真面目な須美ちゃん……? あれー? と新士が遠い目をしている横で銀が称賛と呆れ混じりに呟き、正気に戻った新士が微笑ましげに須美を見る。そんな2人の言葉を聞いた須美は敬礼を止め、グッと手に力を入れて夢を語る。
旧世紀。神世紀よりも以前の元号である平成や昭和等の時代の呼び名である。神世紀となって298年、旧世紀の情報は決して多くはない。須美の夢はその旧世紀の歴史を研究、解明することらしい。
「3人は何か夢はあるの?」
「私はね~、小説家とかいいな~って思ってて。時々サイトとかに投稿したりしてるんよ」
「あー……なんか納得」
「独特の感性だものね……」
「のこちゃんの小説ねぇ……後で読んでみたいからサイトを教えてくれるかい?」
「いいよ~♪」
後に新士は教えてもらったサイトで作品を見て直ぐにファンとなる。元々読書が好きで、どこか園子と似た部分がある新士の感性にストライクだったらしい。
尚、園子は3人をモチーフにした登場人物を出していいかと3人に交渉。その際須美が“真面目だけど時々面白い”という評価をされ、不服そうにしていた。因みに、銀は“優しくて頼れる”、新士は“暖かくて安心する”と言われた。
「銀の夢は?」
「幼稚園の頃は家族を守る美少女戦士になりたかったな」
「分かるわ!! お国を守る正義の味方……それは少女の憧れよね!!」
「お、おう……?」
(2人の温度差が激しいねぇ)
(考えてる美少女戦士に違いを感じるね~)
2人のトーンの差に強烈な温度差と勢いの差を感じつつ、今よりもっと小さい頃から家族のことを考えている銀の姿勢にいい子だなぁと笑う新士と園子。しかし、それは幼稚園の頃の夢。ならば小学6年となった今の夢はなんなのか? と園子が問うた所、銀は恥ずかしそうに頬を掻きだした。何故照れるのか? そう園子が疑問を口にしたところ、銀の今の夢は……。
「家族って、いいもんだからさ。普通に家庭を持つのとかいいなって……だから今の夢は……“お嫁さん”……かな? なんて……」
それは、女の子ならきっと1度は見るであろう夢。素敵な旦那さんとの幸せな結婚。愛する人との間に産まれる子供をその手に抱き、家族で笑い合う幸せな日々。それを普段男の子張りに活発な銀の口から出るというギャップ。須美と園子は即座に魅了されて銀に抱き付き、新士はそんな3人を朗らかな笑みで見守っていた。
「なんだよ~くっつくなよ~。あ、新士は?」
「自分かい?」
「そう、新士の夢。新士だけ言わないなんて無しだぞ?」
「……ごめんねぇ。今の自分には、これといって叶えたい夢は……いや、1つあるかな」
「お、なになに?」
「アマっちの夢……気になるね~」
「慌てないのそのっち」
1度生涯を全うした新士からすれば、夢なんて早々思い付かなかった。前の人生をなぞるように生きていくつもりはない。いずれ恋愛もするだろう、仕事にだって就くだろう。ただ、今は3人のように叶えたい夢がある訳でもなかった……今この瞬間までは。
3人の期待の眼差しに、そこまで期待されてもねぇ……と苦笑いする新士。その苦笑いを直ぐに優しげな笑みへと変え、須美、銀、園子と順番に目を合わせるように視線を向ける。
「君達が夢を叶えた姿を見たい……なんて、ね」
きっと、輝いて見えるから。その言葉を告げた優しげな瞳の奥に、3人は決意の光を見た気がした。
その後も、バーテックスがやってくることはなく平和な日々が続いた。というのも、神託でしばらくは敵襲は無いと出ていたので当たり前と言えば当たり前なのだが。この平和な時間は、勇者達に与えられた休養期間なのだ。
4人でプールへと行った。園子を除く3人で競争をしたり……全力を出して疲れた須美と銀を園子と新士の2人で介抱したり、ウォータースライダーに園子と新士が2人で一緒に滑ったり、帰りにうどんを食べたり、その際に新士が5杯も平らげたことに3人が驚いたりした。
園子が学校でラブレターを貰ったことがあった。須美と銀が果たし状だの不幸の手紙だのと騒いだものの、それは女の子からのモノだと知り、なぁんだと直ぐに落ち着いたり、須美にも手紙が来ていたが内容が“真面目な優等生だが口うるさい”との苦情だったり、実は新士の所にも入っていたがただの同級生からの感謝の手紙……おじいちゃん勉強教えてくれてありがとうと書かれていた……だったりした。
4人でイネスの中にあるカラオケに行ったりもした。須美が軍歌を歌い、その際待機の3人が敬礼を無意識にしたり、銀が弟と見てるという特撮やアニメの歌を歌ったり、園子がラブソングや百合アニメの歌を歌ったり、新士が旧世紀の歌や演歌、アニソンと幅広く歌ったりと楽しんだ。
1年生へのオリエンテーションも行った。園子が夢で見たという仮面戦士、国防仮面なるモノを現実のモノとし、須美の提案で護国思想を1年生に植え付けようとして安芸に怒られた。因みにこの国防仮面は須美と園子が1号、2号をやり、銀と新士は司会のお兄さんお姉さんをしていた。
そして今日、別に集まる約束等していないハズなのにバラバラにそれぞれ過ごしていた4人が自然と同じ場所……駅前に集まっていた。
「結局4人集まっちゃったな!」
「勇者は自然と惹かれあうんだね~」
「本当にねぇ……もう迷子にならないようにねぇ」
「新士君が拾ってくれて助かったわ……」
家族で外出していた銀。駅前近くをふらふらしていた園子。銀の“駅前で家族と買い物ちう”というメッセージから始まったNARUKOでの会話を見ていると園子が迷子であると知り、直ぐに駆け付けて確保していた新士、同じように駆け付けてきた須美。
集まった4人は銀が家族での用事が終わったこともあり、そのままぶらぶらと町をのんびりと探索していた。何となく、このまま4人で一緒に過ごしたかったのだ。特に宛もなく歩く4人はペットショップの中を覗いてみたり、本屋に入って立ち読みしてみたり、焼き鳥の屋台を発見した園子が突撃しようとして新士に手を握られて止められたり、オモチャ屋に入ったらしばらく須美が瑞鶴のプラモを買うか悩み、長いと銀にツッコまれたり。
そんなこんなで今はすっかり夕方。充分に休日を楽しんだ4人は口々に楽しかったと笑い、帰路を行く。新士は本来3人とは反対方向なのだが、女の子だけでは危ないと着いてきている。
「……もうすぐ、また厳戒態勢が復活しちゃうね~」
「そうね、気を引き締めなきゃ」
「はぁ、楽しい休養期間があっという間ですよって……」
「そうだねぇ……」
ふと、新士は少女達の姿を見てこの休養期間中の出来事を思い返す。実に、実に楽しく平和な日々だったと。これこそが隣にいる少女達が本来過ごすべき当たり前な時間であるのだと。
(……いや、違うねぇ。自分が彼女達にそう過ごしてほしいんだ)
戦いよりも、遊びに恋にと時間を使ってほしいのだ。それが出来ないことは百も承知。だからこそ、余計にそう思うのだ。
(お役目のことを忘れられたら、平和な世界を生きられるのかねぇ……なんて、ね)
「おっと、あたしだけ違う道だっけ」
我ながら突拍子もないことを……と新士が自嘲していると、3人の家へと続く別れ道に着き、何気なく銀が呟いた。別に何か不思議なことを言った訳ではない。実際須美と園子の家は銀の家に向かう道とは別の道で、それを再確認するかのように言っただけ。
ただ、それだけのハズなのに。
「それじゃ、またね」
3人と別れる銀を見て……彼女ともう会えなくなるかもしれない。そんな言い様のない不安を、須美は抱いた。
「ぎ……」
「それじゃ、自分は最後まで着いていくよ」
銀!! そう須美が叫んで手を伸ばしてそうになった瞬間、それを遮るように新士が銀の隣に立った。ただそれだけのことで、感じた不安が遠のく。少なくとも、先のような銀と二度と会えなくなる……そういう不安は収まった。
「あ……」
「別にいいのに。新士、家反対だって言ってたじゃんか」
「銀ちゃんが1人になっちゃうからねぇ。そうさせる訳にはいかないよ」
「う、うーん……ま、ありがとネ」
「どういたしまして」
だと言うのに、また別の不安がやってくる。先程のモノと同じくらいの……嫌な予感が、須美の胸の内を不快感を伴って巡る。
「……わっしー?」
「え……あ……なんでもないの、そのっち」
首だけ振り返って無言で2人に向けて手を振る新士と、その新士に話し掛けながら進んでいく銀。2人が何か話している。楽しそうに笑っている。そんな横顔が夕焼けの向こうに消えていく。その光景から目を離すことが出来ず、それを園子に心配そうに見られながら須美は……。
「……なんでも……ないの」
今度は、最後まで叫びかけることも……手を伸ばしかけることも出来なかった。
原作との相違点
・ファッションショーに主人公参加。女装させられる
・銀の“またね”に対し、須美が彼女の手を掴めない。嫌な予感の対象に主人公追加
・その他色々
紋章(もしくは魔方陣)の説明はオリジナルです。あれ、ホントどうやって出してんですかね。
服装とか髪型の説明は私にとって鬼門の1つ。でもなるべく想像が着くように頑張ってます。須美が手にしていたのはゆゆゆいの樹ちゃんの奴です←
もうすぐあの日、あの戦いがやってきます……小説ヤバかった。
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