【戦勇の世界へ】腐女子系エリート二人+a【トリップ】   作:雨の雫

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オレンジ色の空の下

「ねぇ、二人とも」

 

日向と瑠亜は思わず顔を見合わせた

いや、驚いたのは京太の台詞でも表情でもない

京太が振り返って私たちに話しかけてきたことだ

 

とても綺麗な程オレンジ色に染まった空の下、京太と日向と瑠亜

 

 

普段、京太は私たちと並んで帰りたくないと理由で少し先を歩いていており、

特に用事のないときはあまり振り返ったりしないで私たちの会話を聞きツッコミをいれてくれるのだ

でも何故私たちと一緒に帰るのか、私たちではなく同級生の同性の友人と帰ればいいのにと

時たま疑問に思い質問したことがあったのだが

すると決まって、京太は

 

『お前等が心配だからだよ』

 

そう言ってどこか寂しそうに笑う

だから私たちはこの質問をあんまりしないようにした

腐れ縁とて私たちにとっては大切な幼馴染だ

そんな顔するくらいならこんな質問はやめにしよう

そんな顔して笑うくらいならこのまんまでいよう

そう、二人で決めた。瑠亜と日向で決めた。

大切な幼馴染を守る約束

大切な幼馴染には内緒の約束

大切な幼馴染と――――

 

「?なんだ京太」

 

日向の一言でハッとする

 

「えー悩み事か?それなら悩み相談に乗ってやろう!もしかして恋か?!..爆発しに行くから」

「おう、それ俺も手伝う」

「ちょっと待て!?別に恋愛ごとじゃないからな!?だから瑠亜はその拳をしまえ!!」

「へーい...」

 

おっと...しまったつい拳が出てしまった...

瑠亜ちゃんの行動で先程のシリアスが台無しである(作者)

黙れ作者。こんな駄文を読んでいる読者に失礼だろ。失せろ

先程まで憎悪をこめた拳をおろし、京太と顔を合わせる

オレンジ色の空はまるで京太のようだと小さいときに言ったことを思い出した

ただそれを口に出すと顔が林檎のように真っ赤にしてありがとうといって優しそうに笑った京太はとても―――

 

 

「でも本当にそっくりだよね..ふふっ」

 

思わず笑みがこぼれてしまう

 

「瑠亜?どうした?」

「べっつにーw」

「そう?」

「んで、何の話?京太」

「...別になんでもねぇよ。気にするな」

「そう言われると気になるなー!」

「瑠亜。へんt...じゃなくて人のプライベートに首を突っ込むな」

「おい!日向!!変態って言いかけてんじゃねぇよ!!

「そうだよ!京太は変態なんかじゃなくてツッコミのお兄さんだよ!!」

「それフォローのつもりか!?全然フォローになってねぇぞ?!」

「あははーぷえーぷえー」

「うっぜうっぜ!!」

 

このやり取りをしている時間が私は好きだ

私か日向がボケて京太か私たちのどっちかがツッコミを入れて三人で笑いあって...

私は忘れない

二人がどれだけこの時間を忘れていたって

私だけは覚えていよう

二人だけが悲しい顔をするなら

私は二人を笑わせられるように一生懸命笑おう

二人に助けられたあの時から私は...

 

「あっ」

 

一人思いふけていると隣の日向が鞄の中をガサゴソと探していた

 

「どうした?」

「俺の愛読書(トイアル)が消えた」

「それは大変だ!!!」

「そうだな、いろんな意味で大変だな」

 

京太は冷静にツッコミをいれる

いや、冷静にツッコミを入れている場合じゃないだろ、というと

心底興味がなさそうにどうでもいいからな、と答えた

...こいつ腐男子じゃなかったな...クッ..

いや今は口惜しがってる場合じゃない...

 

私は再び思考を元に戻した

 

それに学校の誰かが見たらきっと困るだろう(いろんな意味で)

ちなみにそのトイアルは今回私が借りる予定のものだ

...尚更やばいじゃないか

 

「俺、取りに行ってくるわ」

「あ、私もついてく。日向の事心配だし」

「は?でも、瑠亜今日バイトじゃ...」

「いやいやww今日バイトあったら私今ここにいないよw」

 

だから大丈夫、と一言付け加え日向の手を引っ張る

ちょっ?!待て瑠亜!!という声が聞こえるが気にしなーい気にしなーい!気にしたら将来はげてまう!!(

実際10個くらいのバイトを掛け持ちしている為学校もあんまり行ってないのだが、今月はなぜかあんまりシフトが入っておらず今月は暇と言っても過言ではないのだ

 

 

「ちょっと待て!瑠亜!」

「?どうした?」

 

その言葉に立ち止る。日向は少し眉を下げて困ったように言った

 

「いやどうしたもなにも....

俺は一人で行ってくるから、お前はここで京太と一緒に待ってろよ」

「いや、俺もついていくけどな」

「はぁ?!いや、大丈夫だって!」

「今日、ずぶぬれで学校に登校してきた奴が何を言ってるん?」

「う゛..」

 

そう私がいうと日向は何も言えないみたいで黙ってしまった。あれ一瞬喋ってる方言が違ったけど気にしない気にしない(

――昔から日向は身の回りで不幸な事ばかり起きる..いわゆる不幸体質なのだ

車に轢かれそうになるのはほぼ毎日って言ってもいいし、傘を忘れた日に限って豪雨だったり、厄介な事件に巻き込まれたり..

三人で帰っている理由も日向を無事家まで帰すことが一つの理由にもなっている

 

「あっ!ちょっおい瑠亜!!」

 

日向の右腕をつかむ

いきなり掴んだせいか、日向が多少よろけてしまった

 

―こんな二人に幼馴染としてやれること―

 

「ほら早く行こうよ!!」

 

私は笑う。今日は戦勇。があるから、とつけたして

 

―私は大切な二人の幼馴染を笑わせること―

 

「俺、見たいアニメあるから急ぐぞ日向!」

 

日向のあいている左手をひっぱりながらさわやかな表情で笑う京太

 

―俺は大切な二人の幼馴染を見守ること―

 

「京太まで引っ張るな!!」

 

引っ張られているのにどこか嬉しそうな表情に笑う日向

 

 

―俺は大切な二人の幼馴染を泣かせないこと―

 

 

【この三人がいつまでも一緒に居られますように】

 

心の底からこのバカげた願い事が叶うと思っていた

 

「―――ッ?!」

 

突如日向の下に現れた穴に日向が落ちるその時までは

 

「る..あ..?きょ...た...?」

 

日向が私の名前を呼び私らに手を伸ばした

 

 

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