【戦勇の世界へ】腐女子系エリート二人+a【トリップ】 作:雨の雫
「うっ...あ...れ...?」
次に目が覚めたのは何にもない白い空間でした。
とりあえず今まで起きたことを頭の中で整理してみる
三人で帰っていると突如現れた穴に日向が落ちて、日向が伸ばした手を私が必死につかんでたんだけど
最終的には私も落ちちゃったのか!だからこんなとこにいるのかー!あははははっ!納得!
「って、納得できる部分一つもねぇじゃん」
冷静にツッコミを入れる
いや、白いこの空間では悲しいひとり言なのだが
...自分で言ってて悲しくなった
「..落ち込んでる場合じゃないや..」
私は、立ち上がり周りをきょろきょろと見渡す
何度も言ってる通りここは何にもない白い空間なのだ
先程落ちていった黒い穴の方がいい気もしてくるな
ここは...
(酷く寂しい場所だな....)
こう思うのも無理ない。真っ白なだけで何にもない。きっと歩き回っていたら今いた場所が分からなくなる。
それくらい真っ白で何もない。
「ハァ...」
思わず大きなため息が出る
でも、と何にもない白い空間の中でぽつりとつぶやいた
「京太は...無事だよね」
頭の中にあの時の映像が流れる
最後に見た京太は私の手を掴もうと必死だった。
『瑠亜ッ....!!お前だけでもッ...!!!』
酷く顔を歪ませ私の手を掴もうと手を伸ばしたみたいだけど...私がここにいるって事は間に合わなかったのかな。
あーあ..笑ってほしかったな、とつぶやいて上を見上げた
やっぱり上も真っ白で頭の認識が可笑しくなる
「..私は...2人が笑っていられるように..努力するつもりだったのに..なぁ...」
何時もの瑠亜からは考えられない程弱弱しく放った。
結局、誰一人笑わせれなかったじゃないか。どうしてこんなことになった。私はただあの二人が笑っていてほしかっただけ
それなのに...っ..!!
唇を強く噛んだ。鉄の味が口の中に広がったが、そんなのは気にしない
相変わらず上を向いたままなのは目にたまったこの水を下に落とさない為に
あれ...これ水じゃなくて涙だっけ...
だけど今更訂正するのも面倒なので、水ってことにしておく
あ、だめだ。視界が霞んできた
「あははっ...もう...私何したらいいかわからないや..」
壁に寄りかかり、乾いた笑いがこの空間に響いた。
「ごめんねっ...!私...っ...二人と一緒に..いる資格なんていないよ..っ...!!」
ごめんね、そう何度も繰り返す。もう、ごめんね以外の言葉を忘れてしまったかのように何度も何度も繰り返す
「どうか..二人だけは..幸せになってほしい..なぁ...っ..」
最後の儚い夢を嗚咽交じりに吐いた。あぁ、情けないな私。そんな乾いた笑いでさえもすべては無となる。
そしてぽたりと涙の雫が落ちる
ハズだった
ドガァアアアアアアアアアアアンンンンンンンンンンンンンン!!!
寄りかかった壁から響いたこの破壊音
「?!」
突如右隣から響いた破壊音に驚いてすぐさまその場所から移動する
少し警戒しながらさっきまで寄りかかってた壁を凝視する。
あれ壁ってこんな簡単に壊れるものだっけ、と内心冷や汗をかきながらこの状況を何とか理解しようと必死だった
気のせいであってほしいが空耳ではないのは確かであろう。さっきまで流れていた涙は見事の引っ込んでしまった。
おい、閉じこもるなよ!出て来いよ!といいたいが実際問題はこの壁だ
現に壁は壊れているし
「あーっ...何でこんなに硬いんだよここ...」
いてぇ..という声が聞こえ、破壊したと思われる壁から出てきたのは今一番会いたい人
「大丈夫か、瑠亜」
痛い場所はないか、と心配そうに聞いてくる。
その黒い髪は少しはらりとして揺れる。
あぁ..無事でよかった...この声が聞けて良かった、と心の中で思う
さっきまでの心の不安がなくなったかなのか目頭が熱くなり、私は思わず抱き着いた
((無事でよかった))