さっそく出かけようかとチルタリスで大空に羽ばたいた後直ぐに報道陣の山を見つけた。
「また来たのか」
そしてまだ私なんて追っていたのか。
私が過ごしていたあの場所は人が少ないが、いないわけじゃない。迷惑をかけるのをあまり好まない事を知っているチルタリスはちらりとリクを見たのち頷いて旋回し報道陣の前へと降り立った。
「リクさーん……!」
「え、!?」
チルタリスにお礼を言い華麗に着地を決める。
いつまでも逃げるワケにはいかないんだ。自身に喝を入れてリクは未だ集まりフラッシュや向けてくるマイクに向かい笑みを浮かべる。
報道陣の人達は思わず息を呑む。コレが、この人物が今まで自分たちが追い回してきた少女なのだろうか、と目を見開く。
「リクさん!八百長バトルについてですけど!」
一人、この空気を読めない誰かが少し前に話題となっていた、今回彼らの目的でもある件について口を開いた。
周りもその件で来ていたのに、なぜか口を開いた報道員に白い目を向けた。
リクが軽く俯くのを見てその報道員は嬉しそうに笑い更に問い詰める。周りはざわざわと声を上げて戸惑った様子だ
「……その件に関しては以前も言ったはずです。」
リクが口を開くと辺りはシン…と静まり返った。誰かはこんなにも響くよく通る声だったのか…と、誰かはこんなにも真っすぐな目をしていたのかと。
「私は、自分の仲間を誇りに思ってます。だからこそ、誰がなんと言おうと自らその誇りを踏み躙る真似はするはずがない。」
旅立つ前にそれだけ伝えに来たんだ。と付け足しチルタリスの背に乗った。
お願いね、と笑いかければ任せろと言わんばかりに羽を広げる。
ああもう、精神的に疲れた…道陣なんて二度とごめんだ…
「ごめんねチルタリス、疲れたよね?」
一度休もうか。声をかけるとチルタリスは一鳴きし休める場所へ目指し始めた。
「いいよ、チルタリス」
海面に近づいて?
そう首すじを撫でながら頼めばゆっくり低空飛行へと変わる
「お願いねラプラス!」
赤い光を放ち飛び出したラプラス。水が跳ねチルタリスは苦い顔をする。
ぴょん、と飛び移りチルタリスをボールへと戻す。優しく撫でゆっくり休んでね、と笑いかける。
「ラプラス、行こうか」
綺麗な鳴き声で返事をしたのち静かに進み始めた。
海での野性のポケモンはラプラスの頭に乗っているマイナンが一掃してくれる。
カントーまでの道のりはまだまだかかる。
(あ、れ?ラプラス。なんか泳ぐの早くない?)
(ゆっくりでいいのに。)