認めてもらった。
受け取ったバッチをこっそりとギュッと手で握って、ほっと息をつく。
「なあそういやレッドは?」
気を取り直したグリーンがリクに話しかけた。レッドさん?と頭を傾け考えるリクに静かに、「上」と声がかかった。上?聞こえた方へ視線を向ければジッとこちらを見ているレッドがいた。
グリーンが驚いた声を上げたがリクはもしかしたら、ふがいない先ほどのバトルを見られたかもしれないとヒヤヒヤしていた。いつからいたんですかとかなんでここに、とか尋ねようにも声にならなくて結局口を閉じた。グリーンはグリーンでレッドに詰めよって観覧席へ。
「うわ、うわうわー…」
頂点とお兄ちゃんが話してる…たしかに連絡取り合ってたみたいだけど…こんなに仲良いんだ…。兄とヒビキが勝てない相手、そんな人が今目の前にいることが本当に信じられない。そして兄の知り合いと言うことにも。
「リク、2人は幼なじみなのよ」
「…正反対な2人…」
ふわり。と乗せられた手の方を見ればナナミがいて、はー…とレッドとグリーンを見て関心したように息を吐くリクにナナミはクスクスと笑う。
「そうね…でも意外と似てるのよ?あの子たち」
え?と返すリクに微笑むだけで何も言わなくなったナナミにリクは ?を浮かべるしかなかった。
しばらくしてレッドと目が合ったリクはレッドに呼ばれた気がし近づいた。声をかけられたわけではなく、なんとなくだけど促された、そんな気がした。
「自分の妹の存在を知らなかったとか信じられない」
…………あの、レッドさん?
近づいて聞こえた言葉が冒頭の台詞だった。目を丸くし、何事かと訝しげる。
「し、仕方ないだろ!両親からの連絡なんて調査報告くらいなんだぜ!?」
「へ…?」
「あ?」
「……半年に1回は近況報告も兼ねて、写真や手紙を送ってたんです…けど…」
もちろん、家族団らんで私の写真も…――シンッと静まり冷えきった空気が周りに広がる。レッドからはいつにもまして冷たい眼差しが送られているグリーン。そんな彼は慌てて自分の姉であるナナミを呼び出した(と言ってもすぐ下にいたのだが)
「親父たちから報告以外で連絡あったってホントかよ!」
「え?ああ、あるわよ」
さらり、と事も無げに現在進行形のような台詞をあっさりと言われグリーンは開いた口が塞がらなかった。
「俺、そんな話聞いたことも見たこともねーんだけど…」
フルフルと肩が震えている彼にレッドがはばにされたな、と肩に手を置いて慰めるような仕草をした。それ、フォローじゃなくて苛めですよね。
「リクのことはたしか3年前から書かれなくなってたけど…その頃丁度旅だったんですって」
「……いや、だからその手紙自体……っては…?3年前から旅?じゃあお前いくつなわけ?」
「それが人にモノを尋ねる態度かよ…もうすぐ11になるけど」
「ってことは8歳から旅してんのか!?おま、ただでさえ小さいのによく親が許したな」
「あんたの両親でしょ!?」
「それよりいい加減暗くなってきたんだが…」
グリーンとリクが不毛な言い争いをしてる時、いつもそのようなことには無関心で放置を決め込むレッドが珍しく止めに入った。
「あ、ほんだ」
今夜どこ泊まろうかなー…悶々と、眉を寄せながらそんなことを考えていたらグリーンから声がかかる
「ほら行くぞ」
「…どこに?」
「何言ってんだよ、家にだろ」
「へ?いや、私は別にポケセンあたりに泊まろうかと思ってたりしてたんだけど…!」
慌てて断るようにブンブンと手を振ればはあ?と変な顔で見られた。なんでどうして。
「何言ってんだおまえ、兄弟なんだから普通に家に来るのが自然だろ」
「…………え、あ…うん、?」
ほら行くぞ、と引かれた手を思わずジッと見つめてしまった。
(悪い、待たせた)
(いーよ、その代わり夕食貰うから)
(は…?)
(もちろんグリーンの)
(ちょっ!?)