「久しぶりにこんな落ち着いた気分だ」
ね、とマイナンとラプラスに笑いかければ嬉しそうに頷いてくれた。
海の揺れはゆりかごのようで、ほっと一息吐く。
そういえば母さんの所にカイリキーを置いてきてしまった。お手伝いをよくしてくれるいい子なんだよな。
思わず頬が緩む。
母さんに何も言わずに出て来てしまったから、カイリキーが残ってくれるだけ安心だ。一度後で連絡しないと拗ねるだろうな。
苦笑いを浮かべながら想いふけているとマイナンがいつの間にか膝の上でポケナビを持ち今から連絡しろ、と言わんばかりに差し出してきた。
「はいはい、わかったよ。」
リストから母を探しだし数回のコール音が鳴り響く。何回かコールしたら母さんが出た。
「母さん、リクだよ」
《リク?どうしたの出掛けてるなんて珍しいわね》
「うん、ちょっとカントーまでね」
《は!?》
キーィン!母さんの間抜けな声を聞き反射的に思わずポケナビを耳から話す。
耳が痛い…
《カントーって…本気!?》
「本気」
《何しに行くの》
「普通ポケモントレーナーにそれを聞く?まあ理由は兄を殴りにだけど」
《はあ?》
今度は呆れ果てた声色を音に乗せられた。酷い。
「それでさ、カイリキーなんだけど」
《すっごく泣きそうな顔でこっちの様子を伺ってるわ》
「………。」
呼んでもらえる?と頼めばもういるわ。と返された
カイリキーにポケナビを預けた母は洗濯物を取り込むと言って席を外した
「カイリキー、ごめんね何も言わずに出てきちゃって」
でも、カイリキーは私たちの仲間だから。大事な大事な家族だから。
伝えるとヒックっと喉の詰まるような音が聞こえた
「ごめんね、ありがとう」
言いたいこと伝わってる。さすが私たちの大黒柱。涙が止まらなくて、声にならなくて、カイリキーも泣いているとわかっていても声にならなくて
「母さんの、そばに居てあげて」
涙を流しながら頷いてくれたカイリキーに最大級の謝罪と感謝と愛を伝えた。
「絶対、絶対迎えに行くから。」
待っててね、と残して通話を切った。
どうか守ってあげて。みんなみんな大切だから。
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「ねぇ、そこの子」
大陸が見えとりあえず上陸したリクは町で不思議な人に話し掛けられた。
「キミ、旅してるの?」
「……まあ一応」
ふーん。と目を細め何かを見定めるような視線を送ってくる男の人
「なんですか?」
用がないなら行きますけど。と言いたげに態度で示す。男の人は謝りながら「いや…ね?」と語りかけてきた
「ポケスロンって知ってる?」
「は……?」
「この地方の……うーんとコガネシティって言うんだけどね、そこに新しくポケスロンドームっていう競技施設があるんだ。」
相槌をうちながら話を進めてもらう。その人はにこやかに笑いながらリクに話し掛けた理由を話た。
「それでね、ボクも前に参加して凄く楽しかったんだ。キミのポケモンを見たらよく鍛え上げられていて絶対良い線いけるなぁって思ったからさ」
つい話かけちゃったんだよね、なんて言われても反応に困る。
でもウインディが誉められたことは純粋に嬉しかった。お礼をいい笑いかけこちらからも話掛ける。
「コガネシティなら一度行ったことがあります。」
「へぇそうなんだ。今回はこの辺りにに用があるの?」
「いえ、この辺りじゃなくて…カントー地方まで」
まだ目的地を目指してる途中なんです。肩をすくめて苦笑い。相手は感心そうに頷く。
「幼いのにすごいね。」
……幼い…せめて、若いにしてほしいな。困惑気味に目を彼から離し「いえ…」と話を逸らす
男の人は楽しそうにポケスロンについて話をすると「長話しちゃったね、またここら辺にきたら遊びに来なよ」といいその場を離れた
「ウインディ…」
なにやら男の人の話を真剣に聞いていたらしいウインディはリクの頭に顎をのせキューンとねだる声色を浮かべた。
「出たい…?」
頬の毛を撫でてやるとペロリと舐められる。可愛い…。反対の手でしゃがませ頭を撫でてやればじゃれついてくる。つまり、こんなに甘えてくるということは、先ほど男性が話していたポケスロンという競技に出てみたいということらしい。
再び尋ねて承諾の合図を出せばペロンと頬を舐められる。嬉しいようだ。
私もウインディがうれしそうにしているのを見て、用事が終わったらかならず行こう。と心に決める。
(にしてもさっきの人遊びにおいでとか言うけどどこに行けばいいんだろう?)
(まあいっか。あ、また海だ…あの高い建物目指すよチルタリス!)