もう一度状況確認のためにしっかり見ておこう。そう思い心配そうかは解らないが2人から見られているので、不審がられ無いであろう程度にそっと視線を上げる。
帽子の子は前髪が爆発しているように見えるのが特徴だ。どうして今まであまり気にならなかったんだろう。違和感を覚えると凄く気になる。
紅い髪をした少年はツノ??と思わず口を開きそうになったところ寸でで思い止まった。
「えっと、キミの名前は?」
見兼ねたのだろう、帽子の子が会話の糸口である話題を探るようにリクに話し掛けた。
あ、と声を一つ漏らすと慌てたように瞳を揺らした。
「リクって言います、あの…あなたたちは?」
「ボクはヒビキ。……で、こっちの怖い人は…」
「オイ」
怖い人、と言われた方がイライラとした様子でヒビキと名乗った少年に突っ掛かった。いや、ヒビキにも非は存分にありそうだが。そこはスルースキルを使うとリクは決め込む。
ヒビキが宥めるようにリクを指せば小さく舌打ちし、再び視線をリクへと向けた。
「ソウルだ」
ソウルが一言そう名乗ってから再びヒビキが人好きのする笑みを浮かべてよろしくね。と手を差し出した。
何故かあれよあれよという間にリクの本日の宿、ポケモンセンターで止まっている部屋へ向かうことになった御一行。ソウルは性格上やっぱりと言うか「短時間で知り合った奴の部屋になんで向かわなきゃならない。」と行って立ち去った。
そう、立ち去ったはずだった。
「へえ、ならリクはカントーに行くんだ。」
一つコクりと頷きチラリと視線をソウルへと向ける。やっぱりと言うかなんというか…不機嫌そうなソウルがそこにいた。
訳を話せば簡単な事なのだが…、まあちょっとだけヒビキが怖くなった。とだけ言っておく。
「リクの手持ちは?」
笑顔で聞いてくるヒビキに尻込みしつつリクはピクリと反応するソウルに苦笑い。どうやらソウルもリクの手持ちには興味あるようだった。
「なら、部屋に戻ったら紹介してあげるよ」
「やった!ならボクらのも紹介するよ」
「ほんと!?楽しみだな」
嬉しそうに笑うリクとヒビキは意気投合したのか次第に少しずつ溶け込み始めた。何か言いたそうに顔をしかめていたソウルは諦めたのか一つ息を吐き静かに2人の一歩後ろに着いていた
(ソウルも早く来なよ!)
(部屋しめちゃうよー?)
(……お、まえらなぁ…っ!!)
友達、って久しぶりだな。そう嘯きながら会話の途中、酷く悲しそうに笑うキミが強く頭に残った。