自由の灯火   作:Big Versa
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I love……

「なあF11、本当に良かったのか?」

「何が?」

「二手に分かれたことについてだよ」

 

 

基地に帰投するや否や、ハンターは開口一番F11にそう言った。部隊長であるF45は医務室で眠っていて他の者も別の任務や本部への出向等で出払っている。宿舎にいるのはF11とハンターの二人だけだった。

 

 

疑問を呈されたF11は考える仕草をすることもなく、淡々と結論を言った。

 

 

「私なりに効率を求めた結果よ。このまま部隊仲良く一固まりで行っても時間がかかるし、何より次の行動を察知されやすい。そんなリスクを冒すくらいなら二手に分かれてハイエンドモデルを殺すかつ、デストロイヤーの素体を探した方が楽になるわ」

「……確かに」

 

 

部隊の中でも一際落ち着きを見せていて冷静な性格をしているF11だからこそ即座にF45に判断を仰いだのだろう。しかしそれを込みにしても、ハンターは違和感を口に出さずにはいられなかった。

 

 

「何て言うか……お前、変わったよな」

「……どういうこと」

 

 

F11はハンターの目を見ることなくタブレットを注視している。その目は敵を殺す際の冷酷な目だった。ハンターが知っているF11は、そこまで冷酷な人物ではない。

 

 

「お前だったら、なんだかんだ言って仲間全員で行くと思っていたんだがな」

「人形も人間と同じ、状況が変わると考えも変わってくるのよ。今は合理的な手段を取っただけのことよ」

「そうか……いや、すまない。聞いただけだ」

 

 

そう言ってハンターは宿舎を後にした。一人残されたF11はタブレットにプログラムを打ち込み、匿名で送信させていく。

 

 

 

 

 

「……私にも私なりの自由があるのよ」

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターは宿舎を出た後、医務室に入ってF45の様子を座って見ていた。安らかに眠る姿は先程まで戦っていたとは思えず、思わず髪を撫でてしまう。だが起きる気配は無く、気持ちよさそうに寝息を立てていた。

 

 

「……」

 

 

雪のように白い肌、大きいとは言えない体躯、そして見る者を癒すであろう顔。

 

 

守りたい。そんな感情に駆られ、ハンターは顔を綻ばせた。

 

 

(何でこいつを戦わせなくちゃいけないんだ……)

 

 

F45は戦術人形であり、そこに疑念の余地は無い。しかし感情の起伏や性格、生まれ持った優しさは戦術人形、いや、人形と呼ぶにはあまりにも輝きすぎていた。まるで人間の一少女のような彼女が何故世界に振り回されなければならないのか。ハンターは鉄血に所属していた頃の自分を殴りたかった。

 

 

(くそ……)

 

 

拳を握りしめる。その時、F45の目がゆっくりと開けられ視線をハンターの方に向けていることに気づいた。

 

 

「ん……ハンター……?」

「あ、起きたか?おはよう」

「おはよう……うんしょっと」

 

 

F45は上体を起こし、大きな欠伸をした。そして出てきた涙を手で拭い、ハンターの方に身を寄せた。

 

 

「F45?」

「ハンターの匂い……落ち着く……」

「寂しかったのか?」

「うん……」

 

 

ハンターはそれを聞き、F45の頭を優しく撫でた。

 

 

「えへへ……」

「妹みたいな立場は変わらないんだな」

「私からしたら皆お姉ちゃんだよ……」

 

 

それから暫しの時間、ハンターはF45の隣に座っていた。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ時間だな」

「もう行っちゃうの?」

「404の任務の方に編成されてるからな。なに、すぐ終わるさ」

「そっか……うん、死なないでね」

「死ぬものか」

 

 

二人は互いに手を握り合い、その後にハンターは医務室を出ていった。そして一人残されたF45は再び横になって毛布を被り寝ようとしたが、勢いよく扉が開けられ思わず身体を震わせた。

 

 

「ッ!?だ、だれ……?」

 

 

その方向を見ると、息を切らしたM4が立っていた。用事が済んだのだろうか、F45を見るなり笑みを浮かべる。しかしその様子は妙におかしかった。

 

 

「M4姉ちゃん……?」

「……」

 

 

M4の顔はほんのり赤くなっており、手で胸を押さえ付けていた。

 

 

「具合でも悪い……ッ!?」

 

 

 

 

 

突然M4は靴を脱ぎ捨て、F45に跨るようにしてベッドの上に上がった。毛布は地面に滑り落ち、M4の吐息が直に感じられる。

 

 

 

 

 

「M4、姉ちゃん……?」

「……ごめんなさい。我慢、できなくて」

「我慢……んむぅ!?」

 

 

一体何のことかと訊ねる前に、F45はその唇をM4に塞がれた。舌が入り込み、口の中をかき回されていく。そして数秒後に離すと、M4はその小さな体躯を抱きしめた。

 

 

「本部に行ってる時も貴女の事しか考えられなくて……ずっと貴女としたいって、思っちゃって、それで……」

 

 

そう途切れ途切れに呟くM4の内股は、僅かに濡れていた。

 

 

「M4姉ちゃん……」

「私、貴女が大好きだから……!たくさん繋がりたい……!」

 

 

無論、

 

 

「私も、M4姉ちゃんのこと大好きだよ」

 

 

抱きしめ返し、今度はこちらからM4にキスをした。

 

 

「んん……ん……」

「んむ……んん……」

 

 

 

・・・

 

 

 

依然M4の顔は赤く、覚束ない手つきでF45のシャツのボタンを全て外し、スポーツブラのホックを外してそれを脱がした。決して大きいとは言えない胸だったが、M4は生唾を飲んで指を這わせていった。

 

 

「んッ……」

「すごい……」

 

 

冷たい人差し指で触られ、F45は僅かに体を震わせた。そこからM4は小さな双丘を揉みしだくように手を動かし、首筋を舐めていく。

 

 

「ふあぁ……!そこ、なめた、らぁ……だめぇ……!」

「大丈夫よ。私が良くしてあげるから」

「それ、どういう意味……ひぃ!」

 

 

それに関することなど殆ど知らないF45にとって、その感覚はまるで電流が走っていくようだった。それを続かせると言わんばかりに、M4は胸の先端を二本の指で摘まんだ。

 

 

「胸、だめッ!らめぇ……なんか、ビクンって……」

「すごい反応……じゃあこっちは?」

「えっ……?」

 

 

M4は笑みを浮かべたかと思うと、突然スカートを剥ぎ取り下着を露わにさせた。そしてその上から指で触ると、F45は声を押し殺すことなく身体を反らせて痙攣した。

 

 

「―――ッ!?い、やぁ……そこ、いじっちゃ……!」

「濡れてる……感じやすいの?」

「ち、ちがっ……んん!そんな、いじらないでぇ……!」

 

 

M4が指を動かすのを止めると、F45の下着は湿っていた。そしてM4は下着をも脱がし、再びキスをする。

 

 

「み、見ないで……恥ずかしいよ……」

 

 

F45の消え入るような懇願も空しく、M4の視線は釘付けになっていた。今F45が着ているのははだけた白いシャツだけであり、ほぼ全裸に近しい。

 

 

M4は躊躇くことなく、指を入れて動かした。F45はその感覚に弄ばれてM4に抱き着く。

 

 

「んッ……!ぁああぁぁあ!だめ、これダメェ!変なの、きちゃう!かん、かくが、変だよぉ……!」

「気持ちいい?」

「きも、ちいい……いいよぉ!すごい、気持ちいいのぉ!」

 

 

医務室のベッドの上では二人が交わり合い、仕切られたカーテン越しの二つの影がそれを物語っていた。

 

 

 

 

 

そして医務室の扉の横では、ハンターが腕を組んで壁に寄りかかっていた。

 

 

 

 

 

「……あいつも一歩進んだってことか」

 

 

そう、含み笑いをしながら呟いた。






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