目の腐った青年はシンデレラ城に迷い込む   作:なめ!

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千夜ぢゃぁぁぁぁああああん‼︎なんでぎでぐれながっだんだよぢやぢゃぁぁぁぁあああん‼︎……あ、どうも。筆者です。

来ましたね選挙!平成最後。令和初の選挙です。因みに筆者は今回が初めてなので結果が楽しみです。加蓮と志希には頑張ってほしいところ!

そして私ごとですが高校に入って吹奏楽部に入りました。楽器はホルンです。この作品には一切関係ないお願いなのですが、もし筆者にアドバイスを下さるとても優しい経験者の方がおりましたら、何か演奏についてのアドバイスを送って下さると嬉しいです。始めたからには上手くなりたいので。どうかご協力の程よろしくお願いします。

長々と長文失礼しました。それじゃどうぞ!


8話

「比企谷ごめん!後先考えずに突進しちゃって、ホントにごめん!」

 

「ホントだよ全く。部屋入ってくるなりいきなり突進とか何考えてんだお前は。」

 

「うぅ……。ごめん……。」

 

あの後、渋谷がまた説教に参加したり、武内さんが更にオロオロしたり色々あったが、なんとかして神谷への説教を止め、今は神谷からの謝罪を受けている。まあまあ話す知り合いが、俺に思いっきり頭を下げているこの状況に慣れてなくて、なんだかいたたまれない気分になる。

 

「でも、本当にもうこういう事は無い様にしてね。今回とっても危なかったし、次は本当に相手を怪我させちゃうかもしれないんだから。」

 

「はい……。」

 

「それにしても、八幡はよくあんなに早く起きれたね。凄い強く頭を打ってたから凄く心配してたけど、起きるの早すぎてびっくりしちゃった。」

 

「お、おう。因みに、俺どれくらい寝てたの?1時間くらい?」

 

起きてから時間見てなかったから、さっきからどれくらい経ったか知らないんだよね。

 

「ううん。もっと短い。」

 

「じゃあ3分。」

 

すると渋谷が少し驚いた様に目を見開いた。

 

「正解だよ。2回目で当てちゃうのか。凄いな。」

 

え、マジで?ボケのつもりで言ったんだが……ていうか俺起きんの早すぎない?ゾンビなの?目だけじゃなく全身くまなく腐っちゃったの?じきにゾンビウイルスもとい比企谷菌振りまいてゾンビ帝国でも作るの?なにそれ暗そう。

 

「マジか……。全然時間立ってねぇじゃん。」

 

「うん。本当に早くてびっくりしたよ。八幡が倒れてみんな慌てて対応してる間にいつのまにか起きてたんだから。」

 

「神谷の突進って思ったより勢い無かったのか?」

 

「いえ。比企谷君が少し浮いた程ですから。勢いが無かった。というのは、無いと思います。」

 

「「「浮いた⁉︎」」」

 

「ご、ごめん……。」

 

「よ、よく生きてたわね……。」

 

「本当ですね。多分、次アレを受けたら本当に死ぬと思います。」

 

「しッ⁉︎」

 

今度は神谷が目を見開く。え、何?理由がわからないんだけど。今の言葉のどこに驚く要素があったんだろう。

 

そう思って首を傾げていると、渋谷がぽしょぽしょと耳打ちをしてきた。

 

「さっきから奈緒こんな感じで。多分八幡が死ぬってニュアンスのことを言うとこんなリアクションで。」

 

チラリと神谷を見てみると、俺の冗談を真に受けたのか、何かとても不安そうな顔をしている。目なんて若干涙目で、相当取り乱してるのがわかる。確かにこれは異常だ。

 

「そ、そうなのか?」

 

「うん。心当たりない?私達はさっぱりなんだけど。」

 

「い、いや、俺もにゃ、無い。大方学校でなんかあったんじゃないか?」

 

「ホント?」

 

「あ、あぁ。」

 

というかその耳打ちはやめようか。息が耳にかかって俺の心臓がハートでブレイクが壊れちゃうから。

 

「そっか。やっぱりそうだよね。ありがとう。」

 

やっと俺の回答に満足したようで、渋谷は耳打ちをやめた。さっきから息がかかっていたから、耳が涼しく感じる。……べ、別に耳打ちが終わって少し寂しくなったとか、そんなんじゃないんだからねっ‼︎

 

「お前ら顔赤くして一体何を話してたんだよ?」

 

ジト目で神谷が話の内容を聞いてくる。だがこの内容は神谷にはあまり聞かれたくない。だって心配してた本人にそういう話の内容聞かれるって恥ずかしいじゃん。さぁ。さっきから考えてて、全然わかんないけど、どう誤魔化そうか……。

 

「え、あ、えっと、な、奈緒可愛いって話をしてたんだよ!」

 

「か、かわっ⁉︎」

 

そう言われて顔を真っ赤にする神谷。ナイス渋谷。いろんな意味で。

 

と、とにかく、話を逸らすチャンスができた。

 

「まぁ、とにかく次からは気をつけろよ?お前一応アイドルなんだから。こんなんで傷害事件なんて起こしたらお前も周りもシャレにならんぞ。」

 

結構無理矢理な話題転換だったけど、どうなんだろう。少し心配だが、大丈夫か?

 

「え?あ、うん。もうしない。」

 

と神谷。よかった。ここで神谷が話に乗っからなかったらどうしようと思ってたが、このままいけば話題の転換ができそうだ。

 

「ところで、どうして奈緒ちゃんはあんなに急いでたの?学校で何かあったの?」

 

気を使ってくれたのか、高垣さんが神谷に別の質問をした。それは俺も知りたいところだし、丁度いい。

 

「あれ、高垣さんも知らなかったんですか?」

 

「うん。まだ学校にいる筈の時間に奈緒が来たって思ったら、凄い焦って八幡の居場所を聞いて行っちゃったから。」

 

2人共知らなかったのか。てっきり2人には何か大雑把でも話してるのかと思ってた。

 

「あの時の奈緒ちゃんの顔、凄く焦ってる感じだったわよね。」

 

「確かに凄い形相でしたよね。それに、なんだか今にも泣きそうな顔してた。」

 

何でそんなに焦ってるんだよ。しかも何泣きそうって。どんだけ俺のこと心配してたんだよ……。いやまぁ、確かにそりゃ人が死にそうになってたら心配もするし、どうせ学校で何かしらあったんだろうけど。

 

「で、学校で何があったの?奈緒。」

 

「いいい、いや!学校じゃ何もにゃかったって!」

 

やっぱこいつわっかりやすいな。目が泳ぎまくってる。

 

「じゃあ何であんなに焦ってたの。」

 

「そ、それはその……ひ、比企谷が心配で!」

 

「本当?」

 

高垣さんの見透かす様な目が、神谷に向けられる。神谷はその眼差しから逃げる様に目線を泳がせ、答えをはぐらかす。

 

それが幾ばくか続き、高垣さんが口を開きかけたこの時。きぃと扉の開く音がした。全員がそこを振り返ると、そこには俺には見覚えの無い、少し老けた、そこはかとなく気怠げな目をした男の人がいた。

 

「やばっ」

 

「失礼します……っと。いたいた。」

 

そう言うとその人は俺達のいる方に向かってつかつかと歩いて来る。

 

「あ、楓さんのプロデューサーだ。」

 

あの人が高垣さんのプロデューサーか。思ったより普通なかんじだな。高垣さんのアレ(ダジャレ)を黙認してるからもっとこう、うん。ほら……そう!個性的!個性的な人だと思ってた!

 

「ほら。仕事だ楓。時間押してるからサボってないでとっとと行くぞ。」

 

仕事だったのかよ。

 

「ちょっと!まだ奈緒ちゃんから話を聞いてな……」

 

「そもそも仕事なのにサボってんじゃねぇよ。俺の仕事が増えるだろうが。じゃあ行くぞ。では武内さん。そこの君たち。楓借りてくよ。」

 

そう言って、高垣さんのプロデューサーはガッと高垣さんの襟首を掴むと、そのまま高垣さんを引きずったまま歩き出す。ってかサボってたのかよ。

 

「えっ?あ、はい。」

 

ちょっと待ってぇぇぇぇ、と悲鳴をあげながら、ずるずると引きずられていく高垣さん。あの人すげえ手慣れてんなぁ。しょっちゅうあんなかんじなんだろうな。

 

「……とにかく、学校で何があったの?奈緒。」

 

「そ、それは、その……。」

 

口ごもり俯く神谷。その顔は前髪に隠れて見えないが、もじもじと弄る手は微かに震えている。

 

……はぁ。

 

「なぁ。とりあえず、それは神谷が落ち着いてから聞けばいいんじゃないか?」

 

「え?」

 

「あんなに取り乱してたんだ。どうせ今聞いても俺達が納得する様な答えは出ないだろうし、少し落ち着かせてから聞いた方が効率がいいだろ。」

 

「八幡何を……あぁ。うん。そうだね。そうしよっか。」

 

「はい。そうしましょう。」

 

渋谷と武内さんは、神谷を見て納得した様に頷いた。

 

「2人共理解が早くて助かります。」

 

「え?え?」

 

一方で、当事者の神谷は突然のことについて行けず、あたふたしている。まさか、何でいきなりそんな意見が出るんだ?とか馬鹿なこと考えてるんじゃないだろうな?あれかな?自分が動揺してんのバレてないとか思ってるのかな?そうだとしたら、何というか、お可愛いこと。ていうか可愛い。

 

そんなことを考えていると、またドアが開き、今度は何かのプリントを持った常務が入ってきた。

 

「比企谷。契約書を持ってきた。これにサインを書いて貰うからそこに座ってくれ。それと武内。もうすぐ(アスタリスク)の2人の迎えの時間だ。ここはいいから行ってこい。」

 

「はい。では、失礼致します。」

 

そう言って、武内さんは部屋から出て行った。

 

「……高垣はどこへ行った?」

 

「あ、高垣さんならさっき高垣さんのプロデューサーに連れて行かれてました。仕事あったみたいです。」

 

「そ、そうか。ならさっき聞こえたのは高垣の……。あの25歳児め。」

 

やはりいつものことだったんだろう。こめかみを抑える常務を見て俺達は苦笑いを浮かべる。

 

「まぁとりあえず、これを書いてくれ。」

 

そう言われて渡された契約書に、じっくりと目を通し、名前を書く。

 

「あの、印鑑のところはどうしましょう?」

 

「あぁ。そういえばそうだったな。拇印で押してもらえばいい。今朱肉を用意するからちょっと待っててくれ。」

 

それから間も無く、常務が朱肉を持ってきた。それを俺の手元にコトリと置くと俺の対面に座った。

 

「無いとは思うが最後にもう1度確認させて貰う。君は本当に、ウチで働きたいか?」

 

常務から出された問いに、俺は直ぐに答えず、先に指に朱肉をつけ、拇印を押す。

 

「……はい。働きたいです。働かせて下さい。」

 

すると常務はフッと笑った。ニヒルに笑うその姿やっぱり、少しだけ、あの人(平塚先生)に似ていた。

 

「いいだろう!346プロダクションは君を今一度歓迎しよう。ようこそ。346へ!」

 

–––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

「まぁこれで君の正式なアルバイトになった訳だが、残念ながら、今仕事を教えるはずの者が臨時のアイドルの付き添いでいなくでな。やらせられることが無いんだが、どうしようか?」

 

「え、じゃあ仕事はいつからになるんですか?」

 

「まぁ、彼女の都合にもよるが、大方明日には始まるだろう。だから今日は仕事は無いんだが……。何かあるか……あぁ。」

 

常務はチラリと時計を見るとなにかを閃いた顔をした。そして財布を取り出すと、諭吉さんを俺に渡してきた。

 

「なぁ君達。ちょうどいい。年もあまり変わらないしこれでなにか食べてこい。お釣りは比企谷がとっておけ。」

 

「は?」

 

時計を見てみるともうお昼頃。確かに食事をするにはちょうどいい時間帯だ。でもあれ。おかしいな?さっき朝だったと思うんだけど。まさか筆者がめんd○★%アレか。集中してたりすると体感時間が短くなるアレか。そうだなソウニチガイナイ。

 

「あ、ちょうどいいね。私も八幡のこといろいろ知りたいし。奈緒もいいよね?」

 

「え?あ、お、おう。」

 

「い、いやでもこれは貰えないですよ!俺まだ何もしてないし……。」

 

「君は今一文無しなんだろう?」

 

「……そうですけど。」

 

「やはりな。どうせたった1か月だ。そこまで手痛い出費でもない。給料が出るまでは食費は私が出すからそれは受け取っておけ。」

 

「でも、1ヶ月の食費なんて、俺直ぐに返せないです。」

 

「返さなくて構わん。返すなら出世して企業に貢献して返せ。」

 

「ですが……いや、はい。わかりました。ありがとうございます。必ず、返します。」

 

これ以上は、しつこいし、せっかくの常務の好意に失礼だろう。それに。

 

「君は思いの外強情だな……。まぁわかったなら早く受け取ってくれ。」

 

それに、この人は俺に期待してくれているんだろう。俺なんかのどこに期待してるのかはわからないが、その期待に応える為に、このお金は貰ってもこう。これを返す為にと、自分に注がれる期待から逃げ出さないように。

 

「ありがとうございます。」

 

「あっ、ありがとございます!」

 

「気にするな。そろそろ混み合ってくるだろう。変装もしておけよ?」

 

「はい!行ってきます!」

 

「……行ってきます。」

 

「行ってきます。じゃ、行こっか。」

 

そう言って、俺達は踵を返し歩き出す。

 

「あぁ。行ってらっしゃい。車と身バレには気をつけてくれ。」

 

常務の言葉を背に受けながら、神谷と渋谷と、どこの店に行くか話し合う。

 

まだ仕事は無いけど、俺は仕事に就いたことを再認識し、右隣を歩く2人を見て、気を引き締める。

 

こうして俺は、新たな生活のリスタートを切った。




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