因みにマードックとは、吹奏楽経験者の方々ならわかるとは思いますが、樽屋雅徳さん作曲の『マードックからの最後の手紙』という吹奏楽曲です。コンクールで必ずどっかしらの団体が吹くあの曲です。はい。あ、マードック自体は人名ですよ?かの有名なタイタニック事件の被害者の1人です。
今回はちょっと?大分?少なめです。
「ふぅ……。」
「お疲れ様です比企谷君。初めてにしては上出来だよ!はい。お茶飲む?」
「あ、ありがとうございます。いただきます。上出来……なんですかね?自分じゃよくわかんないんですけど、その、ありがとうございます。」
千川さんから貰った暖かいお茶をくぴりと飲む。デスクワークで乾かされた喉が潤い、ホッと息を吐く。
今は昼休み。あの後なんとか時間に間に合った俺は千川さん指導の下、基礎的な説明を含めながら事務作業を始めていた。と言っても、最初は仕事に関する説明や注意だった為、事務作業はまだ手をつけ始めたばかりだ。昼休みを挟んで、また始めるのだ。
「そんな謙遜することじゃないよ比企谷君。実際ホントに呑み込みが早いんだもん。これだったらすぐにお仕事を任せられるようになるかも!」
「そう、ですかね?だとしたら、文化祭の準備に他の奴らがサボった分の事務仕事を押し付けられたおかけですかね。」
「……う–––––ん。こっちがなんとも言えない様な捻くれ過ぎて気まずい返答は極力やめてね?正直何言えばいいかわかんなくなるから。ね?比企谷君。ね?」
「え?なんアッハイ。」
いやーダメだなー俺。こういう自虐ネタは慣れた人じゃないと場が凍るんだからやっちゃダメじゃないか!いやーうっかりうっかり!テヘペロ☆……い、いや、違うよ?別に千川さんが笑顔で魔王オーラオーラ……というか、魔王覇気?を出してて生命の危機を感じたからじゃないぞ?むしろ千川さんの笑顔は優しいよ?天使だよ?ホントだよ?ハチマン、ウソツカナイ。ホント、ウソツカナイ。
「まぁそんなことはどうでもいいんですっ!とりあえず、午後からも仕事に集中できるようにゆっくり休んで下さいね!ということで、今日は私とお話–––––」
「千川さーん!ちょっとここの書類聴きたいことがあるんですけどいいですか?」
「–––––はお預けですね!ちょっと待っててくれるかな?用事済ませたら戻って来るから、その後に昼食がてらお話しましょう!まだ私比企谷君のことを何も知らないし、バイトとはいえ、一緒に仕事をする仲間だし、色々聞いておきたいから!」
「千川さーん!」
「はーい!今行きまーす!じゃあすぐに戻るからちょっとそこで待っててね!比企谷君!」
「は、はい。」
そういうと千川さんは席から立ち上がり、呼ばれた方へと小走りして行った。
「さて、と。とりあえず、待っとくか。」
俺は席に座り直し、じっと千川さんの帰りを待つ。しかし、待っている時に暇を潰す物など持ってる訳もなく、やる事が無い俺は、数分後には手持ち無沙汰でそわそわしていた。やる事無くてじっとしてるとなんか場違い感を感じる。結構あるあるじゃない?え?俺だけ?そう……。
馬鹿みたいにそんな事を考えていると、何かこちらに来る気配を感じる。千川さんかな、と思って振り返って、
そこで、俺の意識は途絶えた。
「比企谷くーん!やっと終わったよ!ごめんね遅くなっ…………て……?比企谷君…………?」
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「なぁちょっとシキちゃん。この人どうするん?ちゃんと目覚めるんやろな?失踪はまだ良くても、誘拐と殺人は流石にヤバいよ?」
「うーん、ちょーっとまずったかにゃ?」
「シキちゃんシキちゃん。流石にちょっとヤバいんじゃない?この子だいじょぶ?」
話し声が聞こえて、意識がだんだん上がって来る。まだ意識がはっきりしないまま、無理やり目を開く。
「あ、起きた。」
「だいじょぶ?体調悪くない?」
「にゃははー。よかったよかった!うっかりやっちゃったかと思った!」
「え、何これ。」
目の前に見えたのは俺を覗き込む3人の美女達だった。
あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
「目の前に見えたのは俺を覗き込む3人の美女達だった。」
な……何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何がどうなってんのかわからなかった……。
「なんやこれ……目が腐って……顔がなんか、濃くなってる……?」
「にゃはは!無言だとなんか面白いねー!」
というかお前もいたかシキちゃんや。
「これもおクスリの副作用なのかな?」
「んにゃ?一概には言えないけど、そんなコンセプトで作ってないし、多分違うと思うよ?」
「おいクスリってなんだ。何飲ませた。」
「んー?ちょーっとだけ眠くなっちゃうスプレーとなんとなく落ち着く感じになる香りの粉末だよ。」
「なんだちょっと眠くなっちゃうって。なんとなく落ち着くって。怖いわ。まさかとは思うけど違法薬物とかじゃないよな?」
「違うちがーう。違法じゃないよ〜。法律の穴は突いてるけど」
「突いちゃってんのかよ。」
「うん。突いちゃってんのだー!にゃはははは!」
「いや笑い事じゃねぇよ。初対面で何を飲ませてんだよ。というかここどこ?何この状況?なんでこうなったの?俺死ぬの?ちゃんと生きて帰れる?あと目はデフォだ。顔は知らん。」
「わーお!一気に質問きたね!」
「というか目はデフォなんだ……。」
「デフォなんです。あと質問に答えてくれると嬉しいです。つーか答えろ。」
こっちは結構焦ってんだ。とっとと答えて欲しくて語調が荒くなることくらい許してほしい。
「ご、ごめんごめん。じゃあ順々に答えていこか。まずここは事務所の一室……事務室はそんなに遠くないからすぐに戻れるよ。次は……何だっけ?」
「状況はね〜拉致監禁?」
「は?」
「確かに拉致監禁やね……。」
「うーん……アタシもそれ以外思いつかないな〜。」
「待って。ちょっと待って。理解ができない。え、ちょっとまって。お前らゆうか、誘拐したんだよな?俺を?」
「まぁそういうことになっちゃうね〜。」
「ねぇ、おかしいの俺だけ?普通もうちょいなんていうか、えっと、ほら、そういう空気になるもんじゃないの?なんで普段通りみたいにリラックスしてるの?なんなの?そういうネタなの?茶番なの?」
「いや、そう言われても……」
「なんたってここ、事務所の中だしねー。」
「じゃあクスリのことに関してはどうするおつもりで?」
「…………次の質問行こうか!」
「あっ!こいつ今明らかに話題逸らしあがった!」
「はいはいじゃあ次はーっと。なんでか、だっけ。」
「まぁそうだが。それよりも俺はクス「えーっとそれはね!シキちゃん任せた!」
「いやだか「それはですねぇ––––
–––––デデン!なんと、なんとなんと!その理由は!」
「その理由は!」
「……な「このコの匂いが嗅ぎたかったからでした–––––‼︎」
「「な、なんだってー⁉︎」」
「……。」
俺の言葉をまるっきり無視した大して面白くない茶番と、頭の悪い誘拐理由。あとなんかイライラして、ぶつりと、俺の中で何かがキレた音がした。
「……おい。」
ゆっくりと、そして低く出した俺の声に、3人はびくりと肩を震わせる。
「は、はい。なん、なんでしょうか……?」
「……正座。」
「「「ウッス」」」
この時の俺は、武内さんもびっくりな、それはもう震え上がる程恐ろしい顔をしていたと、後に彼女らは語るのだった。
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「……とりあえず、ここまでにしとく。俺も疲れた。」
「ぉ、終わった……。」
「流石のフレちゃんでもちょっと、キツかった……な。」
「……。」
話を止めて気がつくと、なんか目の前が死屍累々としていた。人間マジで怒ればキョドリとかそういうのがなくなるらしい。なんか結構ズケズケ言ってた気がする。相手美人3人なのに。だからか、3人は正座したまま手を繋ぎ合ってガクブルガクブルしていた。それはもう狩られる寸前のウサギみたいに。そんなに怖かったのか。それはそれで傷つくんだが。というか、えーっと、シキちゃん……?だっけ?についてはもう手を繋いだまま半分意識がトんでた。なんかエロ
とりあえずここで寝られても嫌なので起こしておく。
「おい起きろ。こんなとこで寝るな。」
まぁ、自分でもちょっとやりすぎた感は否めないが、これだけやったんだ。きっと今回で反省くらいはしてくれただろう。特にシキちゃん……は。きっと目がさめる頃には自分の行いを反省して、今後に生かすことだろう。
「シキちゃんは、もうダメです……。アタシを置いて、先にゆけい!……カクッ。」
前言撤回。やっぱこいつ全然反省してねぇ。ただ寝てただけだこいつ。
相変わらずの自由過ぎる猫女にもう一度地獄のヒッキー講座〜正座で30分コース〜を開講しようとしたところで、がちゃり。と扉が開かれた。
「失礼しまーす……って3人ともやっと見つけた!……っていうか……」
「何……この状況?」
そこにいたのは、どこ見ても艶めかしくて妖艶過ぎる美女と、ギャルギャルしくてギャルギャルしいギャルさんだった。
ところで、ふとこの作品の履歴を見てみたんですが、1日書くのに半年くらいかかってました。進行がタコすぎる……。結構マジめにびっくりした。